リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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第八十八話 食い物の恨み
前書き
ミッドチルダ編本格始動
プロットモン[リリカルアドベンチャー、始まります]
子供達はマンションに集まっていた。
当然メンテナンスを終えたルカも此処にいる。
大輔「えー。この度、皆に集まってもらったのは他でもない」
アリシア「お兄ちゃん。早く話を進めてよ」
大輔「分かってるよ。3人の選ばれし子供のうち、2人見つかった。後は最後の1人だけなんだ。」
賢「願望の紋章も忘れてはいけないな」
賢がヴァンデモンが持っている紋章を言う。
大輔「ああ、分かっているよ。スバル、ギンガ。13人目について何か知らないか?」
スバル「ううん」
ギンガ「知らない」
スバルとギンガは互いの顔を見合わせると首を横に振る。
大輔「……地道に探すしかないのか…何か至近距離じゃないと反応しないんだよなこれ」
現実世界ではデジタルワールドに比べて明らかにD-3の機能が低下している。
ユーノ「僕達は今11人ですから、充分な振り分けが出来ますね。」
賢「最低2人1組で行動しよう。」
フェイト「それがいいよ。私は大輔と一緒に行くよ」
ユーノ「下心丸出し…すみません」
ツッコミを入れようとしたがフェイトに物凄い勢いで睨まれた。
賢「じゃあユーノ。僕と組むかい?」
ユーノ「お願いします」
ルカ「じゃあ僕は…」
スバル「ルカ兄、私と一緒に探そう」
ルカ「はい」
アリシア「じゃあ、余り物同士今日は一緒に行こう」
ギンガ「余り物…うん、一緒に行こう。クロアグモン?」
クロアグモン[ああ…ブイモンと言ったな。力を取り戻し、全てにカタがついたらお前と決着をつけよう]
ブイモン[上等。俺だって今より遥かに強くなってお前を負かしてやる]
クロアグモン[ふん…]
エリオ「では僕達は一緒に行動します」
キャロ「いいですか?」
大輔「構わないさ。それじゃあ行動開始。寄り道は絶対にしないように」
ルーテシア「はーい」
ルカとスバルが街中を歩いて、辺りを見回す。
時折D-3を見るが全く反応がない。
相変わらずの真夏の気温に嫌になりそうだった。
スバル「ルカ兄、暑いねえ…」
ルカ「うん…ジュース買おうか?」
汗を流せば塩分が不足してしまうから、スポーツドリンク等で水分補給をするのは大切と賢に言われたルカはポケットからリンディから貰った小遣いを出す。
スバル「ジュースよりアイスがいい…」
ルカ「アイス…」
ルカとスバルの視線はアイス屋のある方向に…。
フレイモン『おーい!!お前ら目的忘れてないか!!?』
アグモンX『寄り道駄目って言われたじゃない。あ、でも僕もアイス食べたい…』
ルカ「…ちょっとだけならいいよね?」
スバル「うん!!」
ルカとスバルはアイス屋に向かっていった。
フレイモン『お、おい!!だああ、もう!!仕方ねえな!!俺の分も買ってくれよ!!?』
アグモンX『僕の分も!!チョコレートね!!』
ルカとスバル同様、アイスの誘惑には勝てなかったらしい。
スバル「わあ、涼しい!!」
ルカ「本当に涼しいですね…」
空調がよく効いた建物内は、まるでオアシスだ。
暑い屋外から入ってきた為、それがより一層感じられる。
スバル「ルカ兄、何頼もうか?」
ルカ「えっと…僕は抹茶にします。スバルは?」
スバル「バニラ!!」
ルカ「フレイモンとアグモンは?」
フレイモン[ストロベリーで]
アグモン[チョコ!!]
ルカ「えっと、抹茶とバニラとストロベリー、チョコ下さい」
「はい、お待ち!!」
スバル「わああ!!ありがとうルカ兄!!」
ルカ「大輔さん達にバレないうちに食べましょうか?」
スバル「うん!!」
ルカ達はアイスを食べ始める。
どこかでがしゃん、と金属質な音がした。
ルカ「あれ?」
スバル「ルカ兄?」
ルカ「気のせいでしょうか?アイスが溶けるのが早いような…」
アグモンX[暑いからじゃない?]
フレイモン[おい…あれ見ろよ]
フレイモンが指差す方向には、冬物の分厚いコートを着込んだ大柄な男性が立っていた。
スバル「何で夏にコートを着てるんだろ?」
言われてルカも振り向くと、スバル達の視線の先には彼女が言った通り、冬物の分厚いコートを着込んだ大柄な男性が立っていた。
いくらなんでもあれはないだろう変質者か何かでなければ、よほどの寒がりだ。
他の客もその人物に異様な印象を抱き、遠巻きに眺めている。
すると街が霧に包まれた。
店の中の客達が消えた。
スバル「あれ?」
ルカ「まさか…」
何の前触れもなく、男性の身体が青の炎に包まれた。
突然のことにギョッとする2人の前で、みるみるうちにその人物は正体を現していく。
邪魔なコートを焼き尽くし、その下から現れたのは、極太の鎖と蒼炎を携える、完全体のデスメラモン。
夏に見るその姿は、本当に暑苦しい。
ルカ「デスメラモン…データ種、完全体。身を包む炎は高熱化によって青い炎となっており、超絶な破壊力を誇るパワータイプのデジモン。一応、火炎型系のデジモンは水系や氷雪系のデジモンに対しては弱いことになっているが、デスメラモンの火力の前には、まさに焼け石に水といった程度でしかない。必殺技は体内の重金属を溶かして吐きかける“ヘヴィーメタルファイアー”。」
スバル「それって…」
ルカ「はい。やばいです」
フレイモン[逃げろ!!]
フレイモンが叫ぶのと同時にルカ達は一目散にアイス屋から出る。
アイス屋から出て、街の広い所に出たルカ達。
途中でアグモンXがアイスを落とす。
アグモンX[ああ、僕のアイス!!]
フレイモン[馬鹿野郎!!アイスのために死ぬ気か!!?]
戻ろうとするアグモンXをフレイモンが押さえ付ける。
アイスがデスメラモンに踏み潰された。
アグモンX[僕のアイスがああああ!!食べ物の恨みは恐ろしいぞおおおおおっ!!!!!!]
スバルのD-3が光り輝き、アグモンXが進化する。
アグモンX[アグモン進化!ジオグレイモン!!]
アグモンXはグレイモンXに進化すると、デスメラモンに向かっていく。
フレイモン[お、おい!!あいつしょうがねえな…ルカ、頼む!!]
ルカ「ええ、グレイモンを死なせる訳にはいきませんからね」
フレイモン[フレイモン進化!アグニモン!!]
フレイモンはまず成熟期に進化する。
未来の紋章が光を放ち、アグニモンとルカを包み込んだ。
ルカ「ユニゾンエボリューション!!」
アグニモン[アグニモン超進化!ヴリトラモン!!]
完全体に進化すると、ヴリトラモンは翼を羽ばたかせ、デスメラモンに向かっていく。
グレイモンX[メガバースト!!]
グレイモンXがデスメラモンに向けて渾身の一撃を繰り出すが、炎を吸収され逆にパワーアップし、巨大化した。
ルカ『メラモンと同じだ!!』
ヴリトラモン[チッ!!炎が効かないなら力で勝負だ!!]
ヴリトラモンは地面に降り立つとデスメラモンは互いにぶつかり合い、そしてそのまま押し合うような組み合いになる。
ヴリトラモン[ぐっ…ぐおおおおお!!]
力ではヴリトラモンに分があり、デスメラモンは徐々に押されていく。
デスメラモン[ヘヴィーメタルファイアー!!]
デスメラモンが至近距離から高熱の炎を放つが、マグマの中でも活動が可能な耐熱性を持つヴリトラモンには全く通用せず、逆に炎を取り込んでパワーアップした。
ヴリトラモン[喰らえ!!]
ヴリトラモンは組み合ったまま、デスメラモンの鳩尾に蹴りを入れる。
デスメラモン[あ…ぉああ…あああっ……!!!!]
デスメラモンは組み合っていた手を放し、たまらず呻き声をあげる。
ヴリトラモン[うおおおおお!!]
ヴリトラモンはその隙を逃さず、拳や蹴りの乱打を浴びせる。
攻撃にアグニモン程のスピードは無いが、一撃、一撃が凄まじく重い。
デスメラモンの顔面の仮面がへこみ、身体に巻き付いている鎖が粉砕される。
ヴリトラモン[ふんっ!!]
ヴリトラモンはデスメラモンにアッパーを喰らわせ吹き飛ばす。
デスメラモンは地面に大の字になって倒れた。
ヴリトラモンは翼を羽ばたかせるデスメラモンの真上に移動すると一気に急降下し、全体重を乗せた蹴りを喰らわせた。
ヴリトラモン[どうだ?]
デスメラモン[ぐっ…く…]
デスメラモンはふらつきながら立ち上がる。
ヴリトラモンはそれを見て目を見開いた。
ヴリトラモン[思ったよりタフだな。もうこうして戦えないと思うと…ちょっと残念かもな…]
ヴリトラモンは構える。
口元は多少緩んではいたが、それは戦闘種族特有のものであった。
強い相手と戦える事が、無情の喜びなのだ。
ヴリトラモン[はあ!!]
デスメラモン[があ!!]
ヴリトラモンの拳が鳩尾に入る。
ヴリトラモン[一気にケリをつけてやる!!うおおおおお!!]
拳と蹴りの乱打が再びデスメラモンを襲う。
デスメラモンは反撃することも叶わない。
ヴリトラモンはルードリー・タルパナを反転させ、展開させずに、デスメラモンの腹部を貫いた。
デスメラモン[がふっ!!が…ああ…]
ヴリトラモンはルードリー・タルパナをデスメラモンの腹部から抜く。
ヴリトラモン[終わりだ……!?]
ヴリトラモンは悪寒を感じるとデスメラモンから即座に離れた。
上空から暗黒のエネルギーがデスメラモンに降り注いだ。
デスメラモン[…ぐおぁあっ!!!!……がっ、うおおおおおおおおおおぁあっ……!!!!!]
デスメラモンは苦痛な叫びを上げると姿が変わった。
スバルはD-3のデジモンアナライザーを起動させる。
スバル「えっと…ボルトモン…データ種、究極体。身体中にボルトを埋め込み強化されたサイボーグ型のデジモン。必殺技は背中のバトルトマホークを投げ付け、敵を倒す“トマホークシュタイナー”究極体ってスカルマンモンと同じ!?」
スバルはボルトモンを信じられないという風に見た。
グレイモンX[究極体って…]
ヴリトラモン[皆が来るまで持ちこたえてみせる!!]
ヴリトラモンは意を決してボルトモンを見据える。
ボルトモンは斧をヴリトラモンに向けて降り下ろす。
ヴリトラモンはルードリー・タルパナを反転させ、斧を受け止める。
ヴリトラモン[ぐっ…]
ヴリトラモンはボルトモンの力に顔をしかめた。
ボルトモンはヴリトラモンを弾き飛ばそうと力を入れる。
グレイモンX[メガバースト!!]
ジオグレイモンの放った火炎がボルトモンの顔面に直撃する。
ボルトモン[!?]
大したダメージではなかったが、ボルトモンの腕の力が緩んだ。
ヴリトラモン[ぐっ…おらあ!!]
ヴリトラモンは腕に力を入れ、ボルトモンを押し退けた。
グレイモンX[大丈夫かい!!?]
ヴリトラモン[ああ、助かった。しかし予想以上だ…だけど…やるしかない!!]
ボルトモン[グ…グオオオオオオオオオオオオオォォォォッ!!!!!!!]
ボルトモンはヴリトラモンに猛スピードで突っ込んでくる。
ヴリトラモン[速い!!?]
予想外のスピードにヴリトラモンは硬直してしまう。
ボルトモンはヴリトラモンの顔面に拳を叩きつけた。
ヴリトラモン[ぐお!?]
ボルトモンの攻撃を顔面で受けて意識が飛びそうになるのを抑え、よろけながら体勢を整える。
ヴリトラモン[ぐっ…ここまでとは…!?]
ヴリトラモンは周りに意識を向ける。
ここから少し離れた場所から大輔達の気配…。
ヴリトラモン[(早く…早く来いよ!!)]
ボルトモン[ふははははは…!!!!]
ヴリトラモンの一瞬の隙を、ボルトモンは見逃さなかった。
一気にヴリトラモンとの間合いを詰め、ヴリトラモンの鳩尾に深々と拳を突き刺す。
ヴリトラモン[がはあ!!]
あまりの痛みにヴリトラモンは悶絶する。
ボルトモン[今度ハ逃ゲラレンゾ…!!]
ボルトモンはそのままヴリトラモンの首を掴むと持ち上げる。
ヴリトラモン[(…くっ、くそっ!!…す、凄いパワーだ…!!外せねえ…!!!)]
ヴリトラモンは首を絞め上げている腕を何とか外そうとするが、あまりに強い力で絞めてくるため外せない。
ボルトモン[…足掻イテモ無駄ダ…絶対ニ逃ガシハセンゾ…!!!!]
ボルトモンがヴリトラモンを切り裂こうと斧を振るった。
スバル「ルカ兄ーーーーッ!!!!!!」
大輔『させるか!!』
パイルドラモンがワイヤーを射出し、ボルトモンの腕を絡めとる。
Bウォーグレイモン[ガイアフォース!!]
ボルトモン[ヌッ!?]
ブラックウォーグレイモンがヴリトラモンを掴んでいる腕に技を喰らわせる。
ボルトモンは痛みにヴリトラモンを離してしまった。
ヴリトラモン[ぐっ…ゴホ…]
ようやくまともに呼吸出来るようになったヴリトラモンは咳き込んだ。
エンジェウーモン[ホーリーアロー!!]
エアロブイドラモン[Vウイングブレード!!]
ミスティモン[コアダート!!]
ディノビーモングランス[イリタントバズ!!]
ライドラモンエア[ブルーサンダー!!]
ギンガ「スバル!!」
スバル「ギン姉!!」
アリシア『ギリギリセーフだったね!!』
賢『ああ、ルカ、スバル。よく頑張ったね』
大輔『さて、そろそろ終わらせようぜ!!』
フェイト『うん!!』
パイルドラモン[行くぞ!!]
ダスクモン[ふん]
パイルドラモンとダスクモンがボルトモンに向かっていく。
ボルトモンはパイルドラモンとダスクモンに向けて斧を降り下ろそうとするが。
ヴリトラモン[やらせるか!!コロナブラスター!!]
斧を握っている方の腕にレーザーが直撃し、腕の動きを鈍らせた。
パイルドラモン[エスグリーマ!!]
パイルドラモンのスパイクがボルトモンの脇腹に突き刺さった。
ボルトモン[ぐうっ!!]
ダスクモン[ブルートストライク!!…エアーオーベルング!!]
ダスクモンのブルートエボルツィオンがボルトモンの脇腹を突いて、エネルギーを吸収していく。
パイルドラモンのスパイクを伝ってボルトモンの体内に直接電撃が流れ込む。
ボルトモン[ガアアアッ!!]
ミスティモン[ブラストファイア!!]
ミスティモンは炎を纏った剣でボルトモンの両腕を切断する。
エンジェウーモン[セイントエア!!]
光がグレイモンXとアーマーチェンジしたフレイドラモンを包み込む。
グレイモンX[メガバースト!!]
フレイドラモン[ナックルファイア!!]
セイントエアの加護を受けたグレイモンXとフレイドラモンの火炎がボルトモンに直撃。
ボルトモン[グアアアアアア!!!!]
ボルトモンの絶叫が響き渡る。
ボルトモンは最後の悪足掻きとばかりにスバルとギンガに向かっていく。
Bウォーグレイモン[させん!!ブラックトルネード!!]
ブラックウォーグレイモンがボルトモンの妨害をする。
フェイト『皆、離れて!!』
エアロブイドラモン[これで止め!!ドラゴンインパルス!!]
エアロブイドラモンが竜のオーラを纏いボルトモンに突進した。
ボルトモン[ガア…アアアアアアアア!!!!!]
ボルトモンは断末魔の叫び声を上げながら消滅した。
データを回収すると、ボルトモンの消滅と共に霧が晴れた。
おまけ
大輔「やっぱり暑い日に食べるアイスは格別だな!!」
スバル「だよね!!アイスって美味しいよね!!」
賢「この店のアイスは美味しいね。はやてにも食べさせてあげたいよ」
ルカ「特に抹茶アイスは最高です」
エリオ「ルカさんは抹茶が好きなのか…何か似合いそう」
ルーテシア「確かにね。ルカさんって和食とか好きそうなイメージ」
キャロ「そうだねルーちゃん」
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