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ドリトル先生と学園の動物達

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第八幕その八

「ううん、いいね」
「この巨峰凄く美味しいですよね」
「甘くて食感もよくてね」
「そうですね、山梨の巨峰です」
「山梨だね」
「はい、あそこのものです」
 トミーもです、先生と一緒にその巨峰を食べつつ応えるのでした。
「山梨は葡萄が名産でして」
「それでこれだけ美味しいんだね」
「それぞれの場所で美味しい果物があるんですよ」
「日本にはだね」
「鳥取だと梨、和歌山は蜜柑、青森は林檎です」
 トミーは先生にそれぞれの名産を紹介します。
「奈良の柿もいいですよ」
「柿だね」
「これも凄い評判なんですよ」
「柿だね、ではね」
「今度はですね」
「柿を買って来てくれるかな」
 こうトミーにお願いするのでした。
「頼めるかな」
「わかりました、では次は」
「柿だね」
「それを買って来ます」
「柿もいいんだよね」
 日本に来てです、先生は柿の美味しさも知ったのです。
「あの果物も」
「日本は色々な果物があって」
「そのどれもが美味しいんだよね」
「そうです、この巨峰も」
「うん、美味しいんだよ」
 そうだというのです。
「本当に絶品ばかりだよ」
「土地がいいんでしょうね」
 日本のそこが、というのです。
「果物を作るにしましても」
「お米や野菜だけじゃなくてね」
「イギリスとは違って」
「イギリスはね、土地も水もよくないからね」
 日本と比べるとです。
「どうしてもね」
「果物もですね」
「日本程よくはないね」
「そうそう、桃もいいんですよね」
 ここでこうも言ったトミーでした。
「あれも」
「そうだね、日本の桃もいいね」
「果物も美味しいものばかりですよ」
 トミーは感嘆の言葉さえ出しました。
「日本は」
「甘いだけじゃなくてね」
「全体的に美味しいですね」
「うん、毎日食べられるよ」
「はい、ただ」
「ただ?」
「食べ過ぎますと」
 それこそ、というのです。その時は。
「太りますし」
「虫歯だね」
「それには気をつけて下さいね」
「うん、それはね」
 先生もトミーに応えてこう言います。
「毎日寝る前にはね」
「先生も歯を磨いておられますね」
「そうしているよ」
 今動物園、水族館で起こっている騒動は先生とて無縁ではありません。誰でも虫歯になる危険があるのですから。
「さもないと大変だからね」
「虫歯になりますと」
「そう、だからそれは忘れないよ」
 歯磨きはというのです。
「特に甘いものを食べたらね」
「よく磨かないと駄目ですね」
「虫歯にはまずならないことだからね」
 それで、というのです。 
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