ドリトル先生と学園の動物達
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第八幕その七
「締切を破らなければいいんだよ」
「そういうものかな」
「締切破る人だっているし」
こうも言うトートーでした。
「日本の漫画家さんにもいるみたいだし」
「そういうことはよくないんじゃないかな」
締切三日前に書き終えることを信条にしている先生にとってはです、締切を破ることなぞ考えられません。
「ましてや下書きを載せるなんてね」
「ああ、そういう人いるね」
「確かにね」
チープサイドの夫婦もお話します。
「締切守らない人もいれば」
「下書きだけ載せる人もいるね」
「どっちもどうかと思うけれど」
「そうした漫画家さんいるわね」
「日本人はしっかりしている人達ですけれど」
それでもと言うトミーでした。
「中にはそうした人がいますね」
「どの国にも色々な人がいるよ」
先生はトミーにこう言いました。
「しっかりした人もルーズな人もね」
「日本人にもですね」
「うん、確かに日本人はしっかりした人が多いけれどね」
「中にはルーズな人もですね」
「いるよ」
そうだというのです。
「それがそうした漫画家さん達だよ」
「そうなんですね」
「どっちが酷いかな」
「果たしてね」
オシツオサレツは二つの頭で考えるのでした。
「締切破る人と下書き載せる人」
「そのどっちかかね」
「一体ね」
「その人達のどちらが問題かな」
「そうだね、どっちだろうね」
トミーはオシツオサレツに応えて言いました。
「果たして」
「そこは本当に難しいところだね」
先生も食べながら応えます。
「どちらの人も困ったものだけれど」
「原稿落としたら駄目だよね」
「下書きのままもね」
また言うオシツオサレツでした、その二つの頭で。
「どっちもがっかりするし」
「読めなくても読んでも」
「そのどっちも」
「そうなるかな」
「やっぱり締切は破ったら駄目だよ」
それは絶対にと言う先生でした。
「それでもなんだね」
「そう、もうそんな理由でお誘い断ったら駄目だよ」
「日笠さん絶対先生を悪く思ってないから」
「紳士から声をかけなくてもレディーには応えるの」
「相当な事情がない限りはね」
時間に余裕のある論文位ではというのです、そして。
皆で、です。先生にあらためて強く言いました。
「今度こうしたことで断ったら許さないから」
「怒るからね」
「二度としないこと」
「いいわね」
「うん、じゃあそうするよ」
動物達に応えてそれならと返す先生でした。
「今度はね」
「頼むよ、そこは」
「折角なんだから」
「それじゃあね」
「次こそはね」
こう皆で言ってでした、御飯を食べてです。
その後で、です。皆でデザートを食べました。先生はトミーが洗ってくれた巨峰の粒を食べつつです。そのうえで。
その巨峰にも舌鼓を打ってです、こう言いました。
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