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ドリトル先生と学園の動物達

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第八幕その一

                  第八幕  お菓子をあげていた人
 日笠さんは先生にです、防犯カメラに映っていた人のことをお話しました。
「動物園、水族館の両方の防犯カメラに映っていたのです」
「その人がですか」
「はい、その人ですけれど」
「あの、詳しいお話はです」
 先生にこうも言うのでした。
「その防犯カメラを観ながらの方がわかりやすいですね」
「はい、そうですね」
 確かにとです、先生も日笠さんの言葉に頷いて答えました。
「実際に観た方が」
「その通りですね、それでは」
 こうしてです、先生達は防犯カメラの映像をチェックする防犯対策室に入りました。そこで二人でなのでした。
 防犯カメラの映像をチェックしています、そして。
 先生はその映像を観てです、日笠さんに言いました。
「お菓子をあげている人の中に」
「いつも映っていますね」
「はい、本当に」
 映像を観ながら言うのでした。
「映っていますねこの人」
「着ている服に特徴があるのでわかりました」
「これはサリーですね」
 先生はその人の服を観て言います。
「この服は」
「サリーですか、この服の名前は」
「インドの女性の服です」
 先生はこう日笠さんにお話しました。
「民族衣装です」
「そういえば映画等でよく観ますね」
 日笠さんもその赤いサリーを見ながら先生に答えました。
「この服は」
「そうですね」
 見れば浅黒い肌の若くて綺麗な人です、その人が動物達にお菓子をあげているのです。サリーを着たその人が。
「この服はインドの民族衣装なので」
「では着ている人は」
「この人のお顔を見ますと」
 それに髪型、黒くて長い髪をインドの女の人の髪型にしているそれも観て言う先生でした。
「インドの方と思って間違いないです」
「インド人ですか」
「そういえばインドのお菓子ですが」
「甘いと。お話されていましたね」
「はい、それも相当に」
「確かに。あのお菓子を再現しますと」
 日笠さんは自分が作って再現したそのお菓子のことを言います。
「物凄い甘さでした」
「日本にはない甘さでしたね」
「試食して驚きました」
 その甘さにというのです。
「作っていてここまで甘くしていいのかとさえ思いましたし」
「それがインドのお菓子です」
「では動物達にお菓子をあげていたのは」
「そして虫歯の原因を作っていたのは」
「この人ですね」
「そうなりますね」
 先生は日笠さんの言葉に頷いて答えました。
「おそらくですが」
「そうですか、それでなのですが」
 ここでさらに言った日笠さんでした。
「この人は」
「インド人ですね」
「はい、それにいつもサリーを着ていて」
 赤いサリーです、防犯カメラに映っている時の服はどれも。
「それに若い方ですね」
「これだけの条件が揃いますと」
「どの方か突き止めることは楽です」 
 日笠さんは先生に確かな声で答えました。
「ここまでわかりましたら」
「そしてこの学園の関係者ですね」
「そう思っていいですね」
 日笠さんは先生にまた確かな声で頷きました。
「この学園の動物園、水族館に頻繁に来ていますし」
「そうですね、そのことも考えますと」
「ここまでわかれば」
 日笠さんは確かな声でまた言いました。 
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