ソードアート・オンライン ~Hero of the sorrow~
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アシムレイトロイド編 愛、覚えていますか 番外
もう一人の闇神&レイジ・フェロウvs悲哀の『闇神』
前書き
詳しくは狩人をご覧ください。三度、異次元のユキが出現。
少し短めです。
「迎えに来たぜぇ、これが!」
次元を超え、翔夜がやってきた先は、ユキ達のいる世界ではなかった。
目の前にいるのは、二十代後半の男と小学生後半くらいの女の子。
「あんた達・・・・・・誰だ?」
「よくぞ聞いてくれましたぁっ!俺はレイジ!んで、この子はフェロウちゃんだ!よろしくぅ!!」
混乱する翔夜にハイテンションで自身の名前を名乗った男に混乱していると、傍にいた少女が、いつの間にか翔夜の傍にいた。
「!?」
「まったく・・・・・・レイジ、何もかもすっ飛ばして話すのは、よした方がいいですの」
「改めて自己紹介しますの。私はフェロウ。彼はレイジ。私の家族ですの。私たちはユキ君に頼まれて、あなたを迎えに来たのですの」
ゆるく、まったりとした口調は翔夜に理解をもたらすと同時に、全身の力を吸い取った。
「フェロウちゃん、《言霊》発動させちゃダメ」
言霊。その声を聴いたもののHPを強制的に奪い取り、ステータスダウンさせる。
フェロウはうふふと笑い、胸の前で手を合わせると
「ごめんなさいですの♪」
翔夜は何とか立ち上がり、レイジとは別の方向を見た。
「いるよな?」
「いるよなぁ、これが」
「そうですの」
ため息をついたレイジは、魂を込めて叫ぶ。
「ヴァイスリッター、来いッ!!」
赤と白銀の装甲を持つ堕天使が姿を現す。
その姿を、彼は見たことがあった。数ある原典の中でも、異色を放っていたものだ。
パルチザンランチャーを構えたヴァイスリッターは、正確無比にその弾丸を二人の見ていた場所へと放った。
しかし、一瞬で弾丸は別の弾丸に弾かれた。奥から人が出て来る。
「別世界のダークさんか。一体何しに来たんです?こんなところに」
「この世界を正すため、さ。彼奴の物語は、俺のように中途半端で終わっちまったらダメだからな」
「あなたが、ユキモドキさんですの?」
「いや、フェロウちゃん。彼奴はsorrowって言うらしい」
二人を一瞥したsorrowはリボルバーを翔夜に向けた。
「あなたは何者だ?僕が今まで見てきてしまった世界では、貴方はいなかった」
「そのようだな。容赦なしで・・・・・・いくぜッ!!」
三人がそれぞれの武器を取り出し、一斉に駆ける。
「無駄だ」
まず最初に肉薄したのは翔夜だった。
しかし、sorrowは何も見ずに背後に向けて発砲した。
弾速は一瞬。光。刹那。それすらも超えた。
「させないんだなぁ、それは!!」
レイジが間に入り、スザク・ブレードを展開して刀身で弾丸をいなした。
そして刀身を相手に向け、地面を抉るように振りあげた。
sorrowの身を斬撃が切り裂く。フェロウが刀『一殺』を持って空中斬撃波を放つ。
「フェロウちゃん、いっけえええええええええええええええッ!!!!」
「了解ですの」
一閃。神速の斬撃。さらに最初に放った斬撃が動き、翔夜の方へ弾き飛ばす。
「ナイスだ、後は任せろ」
「捕食・・・・・・起動!!」
<白夜>の捕食。sorrowの半身を食いちぎったが、食いちぎられた本人は。
「な!!??!?」
笑っていた。闇が広がり、周りに隙間なんて無いほどの銃口が出現した。
「っなんだこれ!?」
「撃ち落すぞ!!」
翔夜の呼びかけに、レイジが応える。
「なら、こいつらだ!!アーク、ナハト、コール・ゲシュペンスト!!!」
次元が再び割れる。出現するは三機の騎兵。
紺碧の暗黒騎士。方舟の守護者。『アークゲイン』。
白銀の堕天使。『ヴァイスリッター・アーベント』。
鋼鉄の孤狼。『アルトアイゼン・ナハト』。
黒き亡霊。『ゲシュペンスト・ファントム』。
全てのパーソナルトルーパーが集結する。
「カモンベイベー、レイヤード・クレイモアですの」
鬼の仮面に爆裂徹甲弾発射装置、レイヤード・クレイモアが装着される。
「一斉照射だぁっ!!」
全ての装備からの一斉照射。
「<極白王>!!」
白黒のタワーシールド。全てを弾くそのシールド。
「まだだ。異世界の荒神斬獲。幻想の月を砕きし九尾の荒神招来」
ギャオオオオオオオオオオオオオオオオオオンという、絶叫が響いて。
史上最悪のアラガミが出現した。その名はコゲツキュウビ。
湖に映った幻想の月すらも砕く幻獣。白と赤の体を持った幻獣。
第一接触禁忌を超えた、第一存在知覚禁忌。知ることすらも許されぬ存在。
「後は任せたよ、コゲツキュウビ」
sorrowの気配が消えた。
「やるしかねぇぜ、これは!」
「分かってるさ!」
そう言った瞬間だった。レイジとフェロウが叫んだ。
「あぶねぇっ!!」
コゲツキュウビが背後に。その巨体なのに。存在感すら、足音すら立てず。
クローが炸裂した。アークゲインが自身の技、玄武剛弾を放ち、相殺して後ろへ下がる。
「なんだこいつは!!」
思わず翔夜は叫んだ。ハンニバル神速種の何倍の速度で動いているソレに。
タワーシールドを展開したが、一撃で亀裂が入った。
(やばい!!)
そう思ったとき、クローはシールドを超えて翔夜の目の前まで来ていた。
死んだな。そう悟った時、一筋の流星が降り注いだ。
「メテオライダーパンチ」
ゴッッッッッッッッッ!!!という衝撃音。降り立ったのは一人のライダー。
3号のような姿。白い格好のそのライダーは、ライダーの名を冠していない。
「アマガツ」
アマガツ。負を背負いし人形。
そして、ヘルメットを外して現れた顔は。
「ユキ・・・・・・!?」
翔夜の顔を見たユキは、哀しい顔となって少し笑った。
「結末は・・・・・・最悪だったんだ」
突然のその言葉に、皆は首を傾げた。
「彼は悲しい運命を背負って、それをずっと繰り返しているんだ」
「ずっと。ずうっと・・・・・・僕もそうだ。未来が見えず、ただ戦いを繰り返している」
「苦しくて、たまらない。彼も、僕も。そうなんだ」
「僕の命はもう消えかかっている。あと何分持つかわからない」
そう言った瞬間、ユキの体が足から消え始めた。
「おい、ユ・・・・・・」
「ごめんなさい。本当に。だけど、もう繰り返してほしくはないんだ。僕の次元では、みんな死んでしまった。ジンさんもライトさんもリンさんもルーグさんもリオン君もミヤビさんも・・・・・・。貴方達は、希望なんだ。どの次元でも、僕が知る限り貴方たちはいなかった。貴方が奇跡を起こしてくれることを願っています」
そう言って、ユキは翔夜の体に火を灯した。
「受け取ってください。SPIRITSです」
翔夜が口を開く間もなく、ユキは消えた。
「・・・・・・」
「おう、後は任せとけ。お前の願いは、全部背負ってやる」
「だからさ」
ボオッと言う音と共に、その身に炎が宿る。
「見てろよ、俺の変身」
SPIRITSが発動する。コゲツキュウビが再生し、立ち上る。
「かかってこい、三下ァ!!」
後書き
また一つ、この世界と全ての次元で起きているユキの一つの結末がわかりました。
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