検索失敗の異世界録
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特別編
「・・・何で起きたら目の前にいるのよ、アンタ」
「可愛い寝顔を見てたからですよ~。おはようございま~す、斑ちゃん♪」
起こしに来たはずだったんですけど、あまりにも可愛かったのでつい見ちゃったんですよね~。
「ふぁ・・・で?どれくらい見てたのかしら?」
「そうですねぇ・・・」
時計時計・・・あ、ありましたぁ。
「大体二時間くらいですね~」
「よく飽きなかったわね!?」
「可愛いロリっ子の寝顔を見てて飽きるわけないじゃないですか~。頭撫で撫でしたり~、ほっぺたプニプニしたり~、抱きしめたり~、脇腹突っついたり~」
「寝てる相手に何やってるのよ!?」
ついついやっちゃうんですよね~。小さい子が寝てるのを見ると、可愛くてつい~。
「ていうか、わざわざ起こしに来たってことは、何か用事があったんじゃないの?」
「ん~?特にないですよ~。ただ、中々起きてこなかったので、気になっただけですから~。朝食も、食べてもらわないと片付けれないでしょうし~」
「それで起こしに来たのに、二時間たってるのはどうなの・・・?」
言われてみれば、確かにそうですね~。でも、今日は私も斑ちゃんも休暇だからのんびりしててもいいかな~、と思っちゃうんですよね~。
「それじゃあ、斑ちゃん。着替えて食堂に行きましょ~」
「・・・ええ、そうね。子供たちの仕事を遅らせるのは悪いもの」
「斑ちゃんも子供じゃないですか~」
拳が飛んできました~。怖いですね~。
でも、当たらないから諦めたんでしょうか~?一つ、深~いため息をついて、それ以上は何もしてきませんね~。
「じゃあ、お着替えしますよ~。ハイ、ばんざ~い」
「自分で着替えるわよ!」
▼△▼△
「・・・ねえ、おろしてくれないかしら」
「いやですよ~。部屋から追い出されてたので、その分愛でるんですぅ」
「自分で着替えるって言ってるのに脱がそうとするやつを追い出して何が悪いのよ!?」
そのせいで、今斑ちゃんが着てるのいつも通りのメイド服なんですよねぇ・・・折角買ってきましたのに~。
「・・・葵、何か企んでた?」
「ええ、そうですよ~。このケモ耳ケモ尻尾付きシリーズのメイド服を着てもらおうと・・・」
「いやよそんなの!」
「犬耳猫耳兎耳狐耳栗鼠耳虎耳熊耳狸耳がありますよ~?」
「種類の問題じゃない!」
「感情に合わせて動きますよ~?」
「機能の問題でもない!!」
う~ん、じゃあなんででしょうか~?
「プリムちゃんにも断られたんですよね~・・・」
「いや、それは断るでしょ、普通・・・」
「フルートちゃんはノリノリ出来てくれそうですけど、こう言うの似合わなさそうですし~」
「ああ・・・」
なんで、というところは言わないでおきますね~。ケモ耳系は、小さい子に着せましょ~。
「でもぉ、足が長くて白くて細いので、チャイナドレスとか似合いそうですね~」
「確かに、それは分かるわね。ちょっと見てみたいかも」
元々着ていたものに比べて露出はかなり抑えられますけど、色っぽさは増す気がします~。今度頼んで着てもらいましょうか~。
「リバー君は、そうですねぇ・・・やっぱり、不良っぽい服装の方が似合うのでしょうか~?」
「目つきも悪いし、両耳ピアス四つずつつけてるし、あの口調だもの。それが似合うのは当然よ。そんな当然のものよりも、あのツンツン頭をワックスで整えてピアスも外させて、今の格好でしょ」
「お~、それは盲点でした~」
そうすれば、ちょっと目つきが悪い執事の完成ですね~。不良執事、いいかもしれません~。
「じゃあ、プリムちゃんはどうですか~?」
「そうね・・・せっかく自前の角に尻尾、翼があるんだからそれを生かしていきたいところなんだけど・・・」
「どうせなら、メイド服みたいな無難どころ以外でいってみたいんですけど・・・」
「葵が着てるセーラー服も似合うとは思うんだけど、意外性に欠けるのよね・・・」
りりちゃんに朝食を受け取り席に着きながら考えます~。
それに、無難どころはもう一通りやっちゃてますからねぇ・・・何かいいのがあるといいんですけどぉ・・・
「・・・いっそ、その状態で真っ白な服を着せてみたら?角の上に輪っかを浮かせるのもありかも」
「天使を混ぜちゃうんですね~・・・確かに、やってみる価値はあるかもしれませんね~。ミカさんも、逆バージョンをやってみたら楽しいかもしれません~」
天使のコスプレをしつつ、肌の色や翼は悪魔のそれ。頭には悪魔の角と天使の輪っか。ここまで混ぜると、もうやってみるまでは何も分からないです~。その逆バージョンをやるミカさんというのも同様ですねぇ。
・・・さて、これで“ヘル・サタン”のメンバーについてはほぼ全員考えてみることが出来たんですけど・・・
「どうしたのよ、葵?そんなに見られてると食べづらいんだけど」
「ああ、ごめんなさ~い。はい、あ~ん」
「ん・・・って、自分で食べるわよ!」
斑ちゃんにあ~んできましたぁ!嬉しいですね~。
「はぁ・・・それで?何考えてたのよ?」
「いえ、どうせなら“ノーネーム”の主力についてもやってみたいな~、と」
「ああ、コスプレの話ね・・・でも、うん。考えてみたら結構楽しかったから、いいかも」
こんなことを考えて過ごす休日、というのもいいですね~。実際に着てもらうことが出来たら、それが一番なんですけど~。
「では、まずはジラル君から考えてみましょうか~」
「ジラル・・・?ああ、“ノーネーム”の方のリーダーのことね。女装でいいんじゃないかしら?」
「ですね~。これから先成長したらどうなるのか分かりませんし、今の似合いそうなうちにやってしまうべきです~」
将来弄るネタにもなりますしね~。一石二鳥、いいことですぅ。
「次はお嬢ですけど・・・ちょっと難しいですね~」
「そう?動物系とか似合いそうだけど」
「似合うとは思うんですけど、それだとお嬢やることにためらいが出ないですから~。どうせなら、少し恥ずかしそうにしてるくらいがいいんですよ~」
なので、生半可なコスプレはダメですね~。となると、いっそ露出系で行くくらいしか手段がないですね・・・
「となると、ビキニアーマーでしょうかぁ。お嬢が露出をどう思うかがちょっと怪しいんですけどねぇ・・・」
「まあ、そればっかりはやってみないと分からないわよ。さっきのリリムやミカエルの奴みたいに、ね」
「むしろそれ以上に謎なんですけど・・・でも、仕方ないですねぇ」
お嬢については、本当に何も分からないですからぁ。抵抗はない、という方がちょっと優勢な感じです~。
「高飛車ちゃんは・・・う~ん、恥ずかしがってくれるのはどれでもいけると思うんですけど・・・どれにしましょうかねぇ」
「真っ赤になるのが見たいなら、露出系で攻めればいいんじゃないかしら?」
「それだと、お嬢と被っちゃいますからぁ。ウサちゃんにもかなり露出高めの物を着てもらおうと思ってますし~」
「まあ、黒ウサギはそれでいいでしょうね」
ウサちゃんですからね~。
「んー、それなら・・・一人女装するんだし、バランスをとって男装?」
「何のバランスなのか分からないですけど、男装を入れるのもいいかもしれませんね~。でも、男装、にあうんでしょうか~?」
「そこは服次第じゃないかしら?髪は後ろでひとまとめにして・・・胸も、サラシか何かで潰して」
「・・・・・・・・・」
「気持ちは分かるけど、黙って自分の胸を見るのはやめなさい」
高飛車ちゃん、私より二つ年下なのにあんなに実ってるんですよねぇ・・・神様って、本当に不公平ですよね~。その辺りを司る神様とかに会ったら、数発殴らないと気が済まないです~。
なんにしても、高飛車ちゃんには一度男装してもらいたくなりましたね~。ついでに、さらしを巻く手伝いとぉ、胸を揉みしだいてぇ、全身撫でまわしてぇ・・・
「何でかしら、今すぐ逃げろって飛鳥に言ってこないといけない気がする」
「気のせいですよ~。私は今、ウサちゃんの胸をもみしだいて全身撫でまわしたいな~、って考えてましたから~」
「そう、なら問題ないわね」
よし、ちゃんとごまかせましたね~。それと、言ってたらやりたくなったので今度ウサちゃんにもやることにしましょう~。
警戒されてるのかお風呂ではなかなか近付けなくなっていますけど、どうやってやりましょうかぁ・・・
食器を返しながらそんなことを考え、結論として白ちゃんに協力してもらうことにしました~。白ちゃんですから、話せば協力してくれるはずですからね~。
「・・・何か企んでる?」
「ちょっと警戒されてるので、どうやってウサちゃんの胸をももうかな~、と」
「あぁ、なるほど・・・」
この言動に対してなんのリアクションもない当たり、斑ちゃんもなれてきましたよね~。
「じゃあ、最後はあの男かしら?」
「いざやんのことですね~?そうですねぇ・・・元はいいので、色々と似合うとは思うんですけどぉ」
「・・・一つ、これはいいんじゃないかっていうのがあるんだけど、言ってもいいかしら?」
「いいですよぉ。どうぞどうぞ~」
斑ちゃん、自信満々な表情ですね~。さてさて、どんなのが出てくるのか・・・
「アイツ、意外と猫耳とか似合うと思うのよ」
「た、確かに・・・!」
いざやんに猫耳、それはかなりの盲点でした~!
「いいですよ、それ!むしろ服装は学ランのままで、頭に猫耳付けて!」
「髪もくせがあるからそれっぽくなるし、本人の性格も中々マッチすると思うのよね」
「その辺りから思いつきそうなものなのに、意外と思いつかないものなんですね~。いやはや、斑ちゃん意外とやりますねぇ」
それにしても、ここまで話すとみんながその格好でいるのを見たくなりますね~。ちょうど時間もお金もありますしぃ・・・・
「斑ちゃ~ん、子供たちの顔と名前って一致しますか~?」
「まあ、一緒に仕事することが多いからもう分かるけど・・・それがどうかしたの?」
「いえ~、話してたら皆がそういう恰好をしてるところが見たくなってきたので、どうせならコスプレパーティでもしようかな~、と」
そのためには、子供たちの着るものもそれぞれ決めないといけないので・・・知ってる人が必要なんですよね~。
私も全員の顔と名前は分かるんですけど、一人じゃ自信がないですから~。
「まあ、それは別にいいとして・・・それ、一体幾らかかるのか分かってる?」
「何となくですけど、分かってるつもりですよ~。食事のこととかも考えないといけないですから~」
「そんなお金、どこにあるのよ?」
「私のポケットマネーにありま~す」
「・・・・・・は?」
そんな話をしてる間に斑ちゃんの部屋についたので、そこに入ってギフトカードからサウザンドアイズ発行の金貨を大量にだします~。
全部出すとこの部屋が埋まっちゃうので、ほんの一部ですけどね~。
「これでもほんの一部ですよ~」
「え、ちょ・・・これかなりの量よ!?一体どうやって・・・」
「ちょっと箱庭に来たころに色々とありまして~」
そう前置きをしてから、大罪の悪魔六人を倒したことを話しました~。皆さんかなりレベルの高い魔王だったので、白ちゃんに言ったらたくさん報酬をくれたんですよね~。
これを使うのは、今しかありません!
「・・・企画外だとは思ってたけど、そこまでだったのね。私はそんなのを相手にしてたんだ・・・」
「大丈夫ですよ~。斑ちゃんみたいな可愛い子を殺しちゃったりなんて、するわけがないですから~」
「・・・まあ、目的もあるからそれで生き残れたならよかったわね」
あら、目的なんてものがあったんですね~。
「それ、何なんですか~?」
「太陽への復讐。黒死病で死んだ8000万人の死者という歴史を書き換えてやること」
「うわお」
またスケールの大きい話ですね~。ちょっと驚いちゃいましたけどぉ・・・でも、うん。
「長い期間を使ってやらないと無理な話ですよね~。でも、この箱庭でなら何かしらの形で可能かもしれませんね~」
「・・・え、反応それ!?」
ん?私、何か変なことを言ったでしょうか~?
「というか、まさか手伝うつもりじゃないでしょうね!?」
「思いっきりそのつもりですよ~?あ、でもサキにミカさんとの約束の“ノーネーム”を救う、というのを終えてからになりますけど~」
「・・・正気?」
「正気もなにも・・・斑ちゃんは、私が勝手に自分のコミュニティに入れたんですよ~?だったら、手伝う位はするにきまってるじゃないですか~」
まあ、そうじゃなくても手伝いましたけどね~。斑ちゃんみたいに可愛い子の手伝いは大歓迎ですけどね~。
「・・・はぁ、リリムもいってたけど、アンタって結構お人よしよね」
「これでも教会育ちですからね~。人には親切に、ですよ~」
「教会で育ったのに、問題児なのね」
「ちゃんとやっていい場面とそうでない場面くらいは考えてますから~」
「かなり怪しいと思うんだけど・・・」
かなり怪しい、というだけでアウトではないからオッケーで~す。
それにぃ、教会で育ちはしましたけど徹底していたわけではないですから~。食前のお祈りとか、箱庭に来てから数えるくらいしかしてないですしねぇ。
「ま、いいわ。そういうことなら手伝ってもらおうかしら」
「そうそう、利用できるものは利用したほうがいいですよ~。それじゃあ、服と食料を買いに行きましょうか~!斑ちゃんのは私が選びますから、斑ちゃんは私のを選んでくださいね~」
「・・・って、ちょっと待った!アンタ、コスプレパーティってそのためにいい始めたんじゃないでしょうね!?」
「それもありますよ~。それじゃあ、行きましょ~!」
「ちょ、ま・・・もう行くのはいいから抱きしめるな!」
抱きかかえて行きたかったんですけど、ここまで抵抗されちゃったら難しいので仕方ないですね~。なので、手をつないでいくとしましょう~。
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