大統領の日常
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本編
第十一話 不良中年
前書き
西暦75年はあまりに近未来過ぎて設定等が入りきらなくなってしまったので、誠に勝手ながら西暦2115年に変更させていただきます。物語にはなんの支障もございませんので、どうかご承知ください。
六月三日
・貴族の私兵集団の数をガルメチアス帝国3000万人から1750万人に、他の国の数を600万人から300万人に変更しました。
西暦2115年8月27日 某所
???
そこには円形のテーブルに十数人の男たちが話し合いをしていた。
「・・・そうか、ハワイ防衛部隊は壊滅か・・・」
「ああ、文字通り壊滅だ。帰還したのは偶然哨戒に出ていた海軍の巡洋艦1駆逐艦3、それと島から脱出した兵員2670名。飛空軍に至っては帰還艦艇はゼロ、文字通りの全滅だそうだ」
「・・・たしか、飛空軍を率いていたのはゼームスト・ルーゲル大将ではなかったかな?」
「ああそうだ、おそらく戦死しただろうな」
「彼に後の飛空軍を任せるつもりだったが・・・。やむおえん別の人物を探すしかないな」
「そう簡単見つかるのか?ただえさえ平民出身の将官は極小数だというのに我々に協力してくれるものがいるかな」
「最悪は良心的な貴族出身の将官にすることになるだろうな」
「貴族どもも余計なことをしてくれる、まさかあんな編成でハワイ諸島に出撃にさせるとは、これを平民が知ればよりより一層貴族への反感が強くなるぞ。もし下手に爆発でもしたら、泥沼の内乱になりかねん。そこに反徒が攻勢をかけてきたら国が滅ぶぞ」
「全くだ。計画を早く実行に移さなければ」
「しかしそれには貴族の私兵集団が邪魔だ。陸海空飛空合わせて1250万人はいるんだぞ」
「他にも”ゲリングファンフス帝国連邦””チュバニペニセア帝国””ガルファスベルニア帝国””ショロンベルキア小国家帝国”その他合わせて300万人以上だ。ガルメチアス帝国の私兵集団と合わせれば1550万人、正規軍がもう一つ別で存在しているようなものだ」
「それに正規軍も貴族出身の将官士官が半数を占めている。こちらに味方してくれるのは他の国の正規軍を合わせても3000万人ほどだろう。2倍以上の敵と戦う羽目になるというわけだ」
「実はこの話は私の情報網で掴んだものなのだが、近々大規模な攻勢をかけるらしい」
「ほう、それは本当か」
「本当だ。動員兵力は1700万人。全軍の約五分の一動員するそうだ」
「「「1700万人・・・」」」
「それも約半数が貴族の私兵だ。正規軍も貴族が指揮官を務めている部隊が多い。どうやら新しい玩具(平民)が欲しいようだな。”神聖不可侵なるガルメチアス帝国に反旗を翻す反乱分子を一掃し、彼らに城下の盟を誓わせるのだ”と意気込んでいる」
「いよいよ貴族どもは現実逃避を始めたらしいな。第三次世界大戦の事をもう忘れているのか。あれだって核を使わなければ休戦できなかったほど苦戦したではないか。あの時反徒が核を打たれてもなお交戦の意思を貫いていたらこちらとて下手をすれば国が滅んでいただろうに・・・」
「全くだ。全員まとめて精神病院送りにしてやりたいな。いや、あれはもう末期だな。精神病院に行っても治らないか」
「建国した頃はこんなことになるとは思いもしなかっただろうな。あの頃は貴族も優秀なものが多かった・・・」
「第二次アラビア海会戦のせいでその優秀な貴族の主だったものがほとんど戦死した。そしてその穴埋めは平民や下級貴族が行った。そして貴族は本国で贅沢三昧の生活だ。つまり貴族は義務を怠ったとうことだ。帝国を守るという義務を、な」
「贅沢三昧な生活に慣れすぎたせいで貴族どもは戦う、いや帝国のために働くことを放棄したのだ。一部のものはまだ行っているようだがな」
「話が色々とずれたが、貴族たちが近々対規模な攻勢に出る。そして奴らが敗北または勝利した時に行動を開始する」
「しかし、敗北していればいいが、勝利していた場合はどうするのだ。早々に本国に戻ってくるのではないかな?こちらとてすぐに戦力を集結できるわけではない。失敗する可能性の方が高いのではないかな」」
「その心配は最もだ。しかしその心配をする必要はない」
「ほう、何かあるのか」
「マジノ要塞に戦力を集中させて防衛する。そして密かに別働隊を広報に移動させて包囲殲滅する」
「・・・なかなかいい作戦だが、もしてきがこちらの意図に気づいたらどうする。別働隊が各個撃破の対象にされかねんぞ」
「その心配はあまり心配する必要はない。これはスパイからの報告なのだが、今回の遠征参加するのはラーテンダム公を筆頭とその派党のものたちだそうだ」
「しかしその下に優秀な部下がついていたらどうする」
「奴らの下にいるのはゴミ以下の存在である平民だ。そんなゴミの話をはいそうですかと聞き入れるはずはないだろう」
「ゴミ以下か・・・。まあ確かに言うとおりではあるな」
「それに万が一にでも作戦が敵に見破られたとしても奴らは烏合の衆だ。まともに戦えるかもわからない」
「確かにそうだな。あまり深く考えすぎないほうがいいか」
「ああ、考えすぎだ」
「そろそろ解散したほうが良いのではないかな。あまり職場を離れていては何かと疑われかねん。それに第一部下に仕事を任せておいては部下が文句を言うからな」
「そうだな。部下を怒らせないためにも今日はこの辺で解散しよう。次の会議は追って連絡する。皇帝陛下のために!」
「「「皇帝陛下のために!!」」」
西暦2115年 8月 28日
ペルシャール・ミースト
やっとひと段落着いた。長かったよorz
島に到着したら敵の陸戦兵力の殲滅に後始末、仮基地の設営にその他諸々。
こういうのって司令官がやることだっけ。基地設営部とかあった気がするんだが、それに陸戦兵力の殲滅なんて司令官必要なくね?陸戦指揮官はどうした!陸戦式まで俺に押し付けやがって!
「ワルター・フォン・シェーンコップ准将、閣下の声を聞いて馳せ参じてまいりました。何かごようですかな」
おいおい、よりにもよってシェーンコップかよ。なんでこの神聖不可侵なる第一艦隊に不良中年がいるんだYO★
人事部のやつらめ、後で全員最前線送りにしてやる。いや、北極基地だ。全員凍死してしまえ!
「閣下何もご用がなければ失礼させていただきますが、よろしいですかな」
「ん?ああ、うむ。いや、ひとつある」
「ほう、なんでしょうか」
「お前ら酒飲みすぎだあぁぁ!!!どんだけ飲めば気が済むんだよォォオオオオ!!」
「いいですかな閣下、人間と酒は切っても切れない関係にあるのです。1000年前にも人間は酒を飲んでいるのです。そして1000年後も人間は飲むでしょう。いや、飲みます。そんな人間と最も親密な酒を閣下は捨てよとおっしゃるのですかな?」
ううう、なんかどっかの非常勤参謀みたいなこと言い始めたぞこいつ。しかしな、こちらとてタダで引き下がるわけには行かん。
「けいはそう言うが、酒の方はどう思っているかな」
「酒も我々に飲んで欲しいと思っているでしょう。酒とは飲むためにあるのですから」
「別に私は酒を飲むなとは言っていない。ただ量を減らせと言っているのだ」
「そんなにたくさんの酒を飲んだ記憶はありませんが」
「このデータを見たまえ」
【データ(酒類)】
第一艦隊 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
第五艦隊 ■■■■■■■
第十一艦隊 ■■■■■■■■■
全軍の平均グラフ ■■■■■■■■
「わかるか。我が第一艦隊は他の艦隊や平均の倍以上酒を消費しているのだ」
「しかし、我々というわけではないかもしれませんが」
「では艦隊内のデータを見てみようか」
【データ(酒類)】
第一分艦隊 ■■■■■■■
第二分艦隊 ■■■
第三分艦隊 ■■■■■
第四分艦隊 ■■■■
第五分艦隊 ■■■■■■■■■■■■■
「これでも君は酒をたくさん飲んでいないと言い張るつもりか」
「しかし、第五分艦隊の消費量が多いからといって我々だと決まったわけではないでしょう。分艦隊司令が奥さんに振られてやけ酒を飲んだのかもしれませんし、戦死者に向けて手向けたということもあるでしょう」
ぐぬぬ、まだシラを切るつもりか。だがこれでチェックメイト!だ。
「第五分艦隊の司令官ビーネフ少将はまだ独身であるし、第五分艦隊は後方で完全には戦闘に参加していない。一部の前衛が攻撃していただけだ。損害も4隻だったと報告が来ている。手向けの酒といっても数本程度だろう」
「・・・・」
「さて、これでも君は適量しか酒を飲んでいないと言い張るかね」
「・・・はっはっはっ、参りました。そこまで調べておいでだったとは」
「うんうん、笑ってごまかそうとしても無駄だ。これは最後通告だ。これを破った場合は卿の部隊への酒の配給はZE★RO★だ。わかったな」
「・・・ふう、前の上官だったらこれで通じたんですがねぇ。仕方がありませんな。酒が飲めなくよりはましですからな。部下にも飲む量を適量にするように注意しておきましょう」
「うむ、それでいい。もし破ったら・・・」
「配給はゼロでしたな。分かっておりますとも」
「しっかりと行っておいてくれたまえ」
「では失礼します」
シェーンコップが溜息を吐きながら出て行った。
そんなに酒が好きなのかね。俺なんて一本で意識不明の重体になるんだが・・・
後方参謀のブレンチェカに連絡しておくか。
いや、連絡は副官のティール中佐に任せるか。俺は書類を今日中に終わらせなければいけないからな。
てか、終わるのかなこれ・・・
1メートルの白い柱がいーち、にー、さーん・・・・・6本司令室に立っております。
・・・・終わる訳ねえだろオオオォォォォォ!!!!
END
後書き
今回はなぞの男たちが登場しました。察しの言い方なら彼らが何を話してるか気づくと思いますがw
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