リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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第七十九話 灼熱の火竜
前書き
ルカと合流します。
一輝「リリカルアドベンチャー始まるぜ」
時空の歪みに吸い込まれた大輔とブイモンを探して半年。
ルカは山岳地帯に入り、ひたすら、その山を登っている。
フレイモン[なあ、ルカ。少し休もうぜ]
ルカ「んー、後もう少し登ったらね」
フレイモン[あんな爺に会いに何でこんな所を…]
ルカ「出来ることなら僕もゲンナイさん“なんか”に会いたくないよ。けど大輔さんが何処にいるか分かるかもしれないでしょう。」
フレイモン[どうだか、全く全然ちっとも何の役にたたねえじゃねえか、あのくそ爺]
ルカ「…………」
フレイモンの正論に何も言えなくなるルカであった。
一方ルカ達からかなり離れている所で立て札を建てているイビルモンがいた。
イビルモン[ひひひ…後はあいつらが来れば…]
その立て札には“この先、巨大ウ〇コ落石注意”と書いてあった。
しばらく経って、丁度、山の中腹に差し掛かった頃だろうか。
ルカ「ゲンナイさん、何処にいるのかな…?いい加減お腹空いたよ」
フレイモン[そうか…って、おい。お前あんなにたらふく食ったろ?もう腹が減ったのか?お前の胃袋は底無しだな]
フレイモンは呆れたように腹部を摩るルカを見遣る。
ルカ「お腹空いてるんだから仕方ないじゃないか」
フレイモン[(何でこいつ全然太らないんだろ?)]
ブイモンと同じくらい食べているのに全く太らない。
フレイモンはルカの身体に疑問を持ったがこの世の神秘ということで片付けた。
…単に考えるのが面倒だっただけだが。
フレイモン[まあ、確かに俺も腹が減ったな]
フレイモンも腹部を摩りながらぼやいた。
そして例の立て札の所に着くと。
ルカ「“巨大ウ〇コ落石注意”?別にアレの臭いはしないし…ヌメモン?」
フレイモン[え~?ヌメモンかよ?よし、あっち行こうぜ]
フレイモンが向こうに行こうとした時、風が吹いた。
その風に乗ってくる甘い香り…これは…。
ルカ「林檎だ」
フレイモン[え?]
ルカ「向こうに林檎があるんだ」
フレイモン[何!?よし、あっち行くぞ!!]
ルカの手を握って巨大ウ〇コ落石注意と書かれている方に向かう。
ルカ「いいの?ヌメモンがいるかもしれないよ?」
フレイモン[たかがヌメモンの1匹や2匹、踏み潰してくれるわ!!]
何やら恐ろしいことを口にしつつ、フレイモンとルカは巨大ウ〇コ落石注意と書かれた方に向かっていく。
イビルモン[な、何!?]
まさか立て札に書いてある方向に向かうとは思ってなかったイビルモンは愕然となるが、直ぐさま追い掛ける。
更に奥に進むと、また別れ道があるそこにも立て札があった。
“この先、底なしウ〇コ沼あり、注意”
ルカ「何これ?“この先、底なしウ〇コ沼あり、注意”?別にアレの臭いはしないよ」
フレイモン[ルカ?どっちだ?どっちに林檎があるんだ!?]
ルカ「あっち」
ルカが指差したのは立て札の注意書きがあった所。
フレイモン[よし、あっちだ!!]
フレイモンはルカの手を引いて、注意書きがあった場所に行く。
ルカ「いいの?もしかしたらアレの底無し沼があるかもしれないよ?」
フレイモン[そんな物、進化して飛び越えればいいんだよ!!]
こうして、先へと進むルカとフレイモン。
それを見ていたイビルモンは焦り始める。
イビルモン[や、やばい。何とかしないとあの方に…!!]
イビルモンは何とかしようと羽を動かして移動を始めた。
しばらくして、イビルモンは自身が仕掛けた穴から1体のデジモンが出て来たのに気付いた。
イビルモン[あれはベーダモン…丁度いい。あいつを利用して…]
イビルモンはベーダモンの元に向かっていく。
イビルモン[すみません。]
ベーダモン[いらっしゃい!!何の心をお求めでしょうか!?]
イビルモン[いや、心を買いに来たんじゃなくて、少し頼みたいことが。実は向こうにいる選ばれし子供を攻撃して欲しいんです]
ベーダモン[お客さん。うちは心を売る店なの、そんなことしたらうちの信用に関わるでしょ]
イビルモン[ふ~ん、立派なウ〇チがあるんだけどな~]
ベーダモン[ウ〇チ!?それも立派な!?]
イビルモン[後は紋章さえ持ってきてくれれば物々交換してもいいんだけどな~!!]
ベーダモン[します!します!!]
ベーダモンはウ〇チの誘惑に負けてルカ達の方に向かっていく。
山の下り坂を下ると、そこには林檎が撓わに実った木があった。
ルカ「やっぱり林檎だ」
フレイモン[流石、ルカの鼻は正確だよな。でも落石も沼も無かったな?]
ルカ「誰かの悪戯だよ。きっと」
ルカは跳躍して林檎を2つ採ると、フレイモンに1つ渡してかじる。
程よい酸味が疲れた身体に活力を戻していく。
フレイモン[美味え]
ルカ「本当」
2人は次々に林檎を食べていく。
満腹になった時には沢山あった林檎が無くなっていた。
ルカ「後、2~3個は食べたかったなあ…」
フレイモン[マジかよ…]
林檎3つで満腹になったフレイモンからすれば何十個も食べたのにまだ食べられるルカの胃袋は信じられないの一言。
フレイモンが呆れたように溜め息を吐こうとした時、何やら気配を感じて上を見上げてみれば、そこにはUFOが浮かんでいた。
フレイモン[何だあれ!?]
ルカ「さあ?」
ルカ達はUFOから放たれた光を受け、その場から消えた。
ルカ達の先に広がっているのは、宇宙空間である。
ルカとフレイモンが辺りを見回す。
ベーダモン[私の宇宙空間へようこそ]
フレイモン[誰だお前!?]
ベーダモン[私はベーダモン。あんた達に怨みはないけど紋章は頂くのね!!!]
ベーダモンの光線銃が火を吹いた。
フレイモン[フレイモン進化!アグニモン!!]
フレイモンは成熟期へと進化すると手の甲から噴出させた小さな火をベーダモンに向けて、発射する。
アグニモン[ファイアダーツ!!]
ベーダモン[おっと!!]
ベーダモンが手を動かすと、宇宙空間に散らばる隕石で炎の手裏剣を防いだ。
アグニモン[何だと!?]
ベーダモン[ここは私の宇宙空間。つまりここは私のホームグラウンドなの!!ここにいる限りあんたに勝ち目は無いの!!]
光線銃から輪のような光線を放つアブダクション光線を喰らわせる。
アグニモン[ぐっ…!!バーニングサラマンダー!!]
何とか堪えると拳に纏った炎をベーダモンに向けて放つがまたも隕石を盾にされ防がれてしまう。
ベーダモンは更に宇宙空間に隕石を呼び出した。
それはアグニモンへと向かっていく。
ルカ「アグニモン!!」
ベーダモン[ベーダモンを甘く見ると痛い目に合うのよね。それにしても…]
ベーダモンがルカをジッと見つめる。
ベーダモン[今時珍しいくらい無垢な心の持ち主なのね、どこまでも真っすぐに未来を信じる心…その心、頂くのね!!]
ベーダモンが光線銃をルカに向ける。
そして、引き金を引いた。
ベーダモン[アブダクション光線!!]
光線がルカに迫る。
慣れない宇宙空間で動けないルカは反射的に目をつぶった。
咄嗟にアグニモンが間に入り、盾になる。
アグニモン[ぐっ…]
ルカ「アグニモン…」
ベーダモン[よくも邪魔をしてくれたのね。とどめを刺させてもらうのよね!!]
ベーダモンがアグニモンに向けて光線銃を向ける。
ルカ「待って、アグニモンを殺さないで、代わりに僕の心をあげるよ」
アグニモン[ルカ!?]
ベーダモン[いい子なのね。あんたの未来を信じる心を寄越せばそのデジモンを助けてあげてもいいのね]
ルカ「どうすればいいの?」
ベーダモン[念じなさい。僕は未来を信じないってね]
ルカ「僕は未来を…信じな」
アグニモン[待て!!]
ルカ「え?」
心を捨てようと念じようとした時、途中でアグニモンが制止する。
アグニモン[あんな奴にお前の未来を信じる心を渡すな。]
ルカ「でも…」
アグニモン[どんな時でも…どんなに辛い時でも未来を諦めないのがお前のいいところなんだ。俺はお前が未来を信じなくなる姿なんて見たくない。]
ルカ「でも…」
アグニモン[ルカ…俺を信じろ。お前の未来に敵が立ち塞がるなら…俺がぶっ飛ばす!!]
アグニモンが拳を握り締め、再び立ち上がる。
ルカ「そうだね…僕はもう少しで取り返しのつかないことをするところだった。未来を信じない僕なんて僕じゃない。未来を信じるから僕なんだ」
ルカの言葉に反応するかのように、D-3から紫色の光が放たれた。
同時にD-3のディスプレイに大輔達同様、デジ文字が表示される。
ルカ「ユニゾンエボリューション!!」
ルカとアグニモンが一体化し、光に包まれる。
アグニモン[アグニモン超進化!ヴリトラモン!!]
光が収まった時、そこにいたのは人間のようなアグニモンとは対象的に、強靭な肉体を持った竜のようなデジモンだった。
そのデジモンはパートナーの未来を信じる心に応えるかのように未来への咆哮を上げた。
エンシェントグレイモンの獣の力を受け継ぎ、炎を纏った翼を持つ魔竜型デジモン。
インド神話に登場する巨龍“ヴリトラ”がモデルとなっている。
火山研究用データから誕生したと言われており、例え溶岩の中でも行動可能とされている。
両腕にルードリー・タルパナと言う武器を装備する。
なお、ルードリー・タルパナは反転させ、展開させずに戦えば刺突武器としても扱える。
ルカ『行こう!!ヴリトラモン!!』
ヴリトラモン[おう!!]
パートナーの声にヴリトラモンは頼もしく頷いた。
炎を纏った翼を羽ばたかせ、ベーダモンに向かっていく。
ベーダモン[ベーダモンを甘く見ると痛い目みるわよう!!悪魔の投げキッス!!]
ベーダモンの必殺技が飛んでくるが、身体を旋回させ、回避する。
そして両腕のルードリー・タルパナを反転させ、展開する。
ヴリトラモン[コロナブラスター!!]
展開されたルードリー・タルパナから太陽熱線並のレーザーを放つ。
ベーダモンの隕石を粉砕する。
ベーダモン[アブダクション光線!!]
ベーダモンの光線銃から光線が放たれ、ヴリトラモンに直撃するが、全くダメージを受けていない。
ベーダモン[そ、そんな馬鹿な!?]
ヴリトラモン[今度はこちらからだ!!]
ヴリトラモンは凄まじいパワーを活かして、近くの隕石をベーダモンに投げつける。
凄まじい勢いで投げられた隕石に直撃すれは、いくら完全体のベーダモンとは言え、ただではすまない。
ヴリトラモンはベーダモンの技の中で最も厄介な悪魔の投げキッスを封殺すると、身体に炎を纏わせる。
ヴリトラモン[フレイムストーム!!]
身体を回転させ、凄まじい速度で炎を纏った突進を繰り出す。
行く手を塞ぐ隕石を豪快に粉砕し、突撃するヴリトラモン。
隕石を破壊するのに手一杯だったベーダモンは、やがて突然現れた巨大な魔竜型デジモンの必殺技を喰らって吹き飛ばされた。
その隙をついて、入り口に駆け込んだヴリトラモンである。
ヴリトラモンは宇宙空間に通じている扉を閉めて、鍵をかける。
そして、操縦者がいなくなったUFOが墜落する前に脱出し、見事ベーダモンを撃破したのである。
UFOが墜落し、爆炎を上げた。
永遠に宇宙空間で反省してなさい。
イビルモン[いい!?ベーダモンが!?]
ヴリトラモンはイビルモンの存在に気づき、イビルモンを掴む。
イビルモン[わわっ!?]
ヴリトラモン[どうやらベーダモンの仲間のようだな、何者だ!?]
イビルモン[ち、違う!!俺はベーダモンの仲間じゃない。俺の主人はヴァンデモン様だ!!俺はヴァンデモン様の命令で紋章を…]
ヴリトラモン[成る程…どうやらまだ敵はいるようだな…情報の提供、ありがとう。消えてくれ]
イビルモン[へ?]
ヴリトラモンはイビルモンを離すと指で弾いた。
弾かれたイビルモンは星となって消えた。
ヴリトラモンは地上に人影があることに気づいた。
ルカ『賢さんにはやてさんにフェイトさん?どうやらなのはさんが見つけたようだね。大輔さんとブイモンがいないけどどうしたんだろう?』
ヴリトラモンは賢達の前に着地する。
なのは「ひゃあ!?」
ルカ『なのはさん、賢さん達を見つけられたんですね?』
なのは「その声はルカ君?」
ガブモンX[ということは…]
ルカ『アグニモンが超進化したんです。』
ルカはヴリトラモンとの融合を解除する。
なのは「ルカ君、フレイモン。おめでとう」
ルカ「はい。ですが、どうやら敵はまだいるみたいですよなのはさん。」
なのは「え?そうなの?」
ルカ「敵の名前は…ヴァンデモン」
なのは「ヴァンデモン…」
ルカ「それにしても、半年ぶりですね賢さん、はやてさん、フェイトさん」
フェイト「うん…ルカ、少し変わった?」
はやて「前より礼儀正しくなって…」
ルカ「それはそうですよ。賢さん達がいなくなってもう半年が過ぎたんですから。それで?大輔さんとブイモンはどちらに?」
賢「大輔は…」
大輔とブイモンの所在を言う賢。
新たな敵の存在を知ったルカ達。
新たな敵との戦いまで後もう少し…。
後書き
流石に半年になれば少しは変わるかなと思ってルカには仲間に敬語を使わせます。
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