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超次元ゲイムネプテューヌG<ガイム>

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第4話「ブランを守る者! ブドウの銃士、龍玄登場!」

前回の超次元ゲイムネプテューヌG<ガイム>は!

ラステイションの女神、ノワールはバロンの本拠地へと出向き、戒斗と対面する!

戒斗は力は他者を屈服させるためにあると語るが、ノワールはそれは寂しいと言って戒斗を説得!

それが功を奏し戒斗は、アーマードライダーバロンに変身。ノワールと共にインベスを撃破!

戒斗とノワール。似た者同士、二人の戦いが始まったのだった!



【ラステイション 教会】

朝日が差し込む応接室。その部屋のソファーで戒斗は眠りについていた

なぜ彼がここで寝ているのかというと、昨日戒斗がノワールを送った際、ケイから「君のことをもっと知りたいんだ、これからのためにもね。だから今日は泊まっていってくれないか?」と言われたからである

当然戒斗は断ったがノワールに「世界を救うためだから」などと言われ、渋々承諾したため今に至るのである

そんな彼の元にノワールが現れる

「起きなさいよ戒斗」

「なんだ…… 気持ち良く寝てたというのに。何の用だ?」

「何の用って、朝ごはん出来たのよ? 早く起きて一緒に食べましょう?」

「断る。第一どうして貴様と一緒に食べなければならない」

「ど、どうしてってその…… 朝ごはん私が作ったから…… べ、別に戒斗のために作った訳じゃないんだから!」

「フン、何故照れてるのか分からんが、俺はそんな物など食べない」

「な、なんでそんなこと言うのよ! 私を信用してないの?」

「会って数日の奴の料理ほど、信用できない物はないからな」

「……それって遠回しに私のことを信用してないって言ってるの?」

「さあな。自分のココで考えるんだな」

そう言って頭を指差すと、戒斗は部屋から出て行った

「何よ…… 昨日は私に優しくしてくれたのに、いきなり冷たくなって……」

昨日みたいに優しくしてくれない戒斗にノワールは少しばかり妬いていた
そんな時、ルウィーから通信が入る。どうやらブランからのようだ

「ブランどうしたの?」

<少し聞きたいことがあるの>

「聞きたいこと?」

<ええ。どうやってアーマードライダーの適能者を説得したかよ>

「どうやって説得したかって…… それは相手や状況にもよるわね。まあ私の場合は相手の考えを利用したけど…… ていうか、ブランが選んだ適能者って一体誰よ?」

<えっと確か…… 呉島財閥の御曹司、呉島光実だったかしら>

「呉島!? 呉島ってあのゲイムギョウ界最大の財閥よね!? まさかそこの御曹司が適能者なんて…… これはかなり難しいわよ」

<分かってる。でも必ず成功させるわ。でないとルウィーはおろかゲイムギョウ界が滅びることになるからね>

「ええ…… でも気をつけなさいよ。失敗したり、相手を怒らせるような真似をしたら…… タダじゃすまないわよ」

<心配無用よ。私だって馬鹿じゃないから逆鱗に触れたりしないわ>

「信じるわよブラン。あなたが必ず成功するって」

<ありがとう。また成功したら連絡するわね>

そう言うとブランからの通信は終わった
しかしノワールにはまだ不安だった
相手が相手だからだ。下手をすればブランを潰しにかかるかもしれない
そんな不安がまだ残っていたのだった



【呉島邸】


時刻は午後9時。光実は学校から帰り、専属の家庭教師と共に自室で勉強していた

「光実様、ここの問題は……」

丁寧に、かつ分かりやすく説明する家庭教師。しかし光実はそれを聞き流しているだけで理解はしていなかった。いや……理解しなかった

「光実様、今日はここまでです。明日はこの続きをするので、予習をしていてください」

そう光実に指示すると家庭教師は立ち上がり部屋をあとにした

家庭教師が部屋からいなくなると勉強机から離れ、ベッドに寝転ぶ
夕方からずっと勉強していたため、かなり疲れていた
しかもそれは毎日であり、光実自身かなり辛いのだ

「僕は守られてばかり…… 僕だって誰かを守りたい……」

本音を漏らす光実。それもそのはず、彼は両親に異常なまで”守られている”のだ
例えば先ほどの家庭教師も親が将来呉島財閥を継ぐであろう光実のためを思って雇った者だ
さらに外出する時には執事を何人も連れて行かせたり、友達とは怪我したら危ないと言われおにごっこもさせてもらえなかった。もちろんゲームで遊ぶことも
こうやって異常なまで両親は守るので、光実がああやって本音を漏らすのも無理はないのだ

「兄さん…… 僕はあなたが羨ましいよ……」

そう言って家族写真を手にし、兄である貴虎を見つめる
そんな時、執事が現れ光実に会いたいという来客がいるので応接室に行って下さいと指示される
自分に用のある人物とは誰なのかと考えつつ、光実は部屋を出て一階の応接室に向かう
そして部屋に入るとそこにはブランと両親が座っていた

「ブラン様……!?」

「君が呉島光実ね?」

「はい。そうですが……」

「実は今日君に渡したい物があるの」

「僕に……ですか?」

光実がそう言うとブランは戦極ドライバーとブドウロックシードを机の上に置く

「こ、これは一体なんですか?」

これが一体何か分からない両親は、危ない物ではないかと不安に陥る

「これは戦極ドライバーという物よ。そしてこっちがロックシード。これを使ってあなたにゲイムギョウ界を守ってほしいの」

「僕に…… ゲイムギョウ界をですか……!?」

突然世界を守ってほしいと言われ困惑する光実。しかしそれ以上に彼には喜びがこみ上げてきたのだ
守られるばかりじゃない…… 誰かを守れると……
今の状況にうんざりしていた光実にとってこれは希望の光だった
だが、それは両親によって打ち砕かれた

「光実を危険に晒すなんてできません! たとえそれが女神様の頼みであったとしても私は断固拒否します!」

断固拒否する両親。確かに自分の子どもを危険に晒したくないのは分かる。しかしそれが昔から異常だったため光実にとってはもはや邪魔以外の何物でもないのだ
そんな光実に気づくことなく、両親はドライバーとロックシードを取り上げると執事に渡し、付近の金庫に預けさせるよう指示した

「待って下さい! ゲイムギョウ界は今、ヘルヘイムの森という森に侵食されているんです! このままじゃゲイムギョウ界は滅びてしまいます! だから必要なんです彼が!」

「大事な光実のためならゲイムギョウ界なんてどうでもいいです! だからこんな危険な物など処分します!」

そう言ったタイミングで執事は金庫にドライバーとロックシードを一時的に預けに行った
ブランは止めようとしたが、止めるに止められなかった

「ふう…… まあ、それよりも今夜は泊まっていってください。もうこんな時間なので」

と言ってブランを部屋に案内する。しかし彼女の表情はというと、光実の承諾なくして勝手に拒否されたためかあまりよろしい物ではなかった

光実はというと、彼もブランと同じで母親に勝手に拒否されたからか静かに怒りを煮えたぎらせていた
しかし母親は当然そんなことなど気づくはずもなく、光実を自室に戻したのだった



【それから2時間後……】


コンコン


「誰……?」

ブランの泊まっている来客用の部屋に誰かがノックする
こんな時間に誰だろう…… 不安になりながらもブランはドアを開ける。するとそこには光実が立っていた

「あの…… ブランさん。少しお話が……」

そう言うと部屋に入り、二人はベッドに腰掛ける。そしてブランは光実の話を聞き始めた

「すいません。母があんなことを言って」

「謝るのはこっちの方よ。いきなり押しかけてきて、あなたに戦えって言ってごめんなさいね」

「謝らないでください。僕は正直嬉しいんですよ。守られてきたばかりの僕に誰かを守る力を授けてくれることが」

「えっ……?」

「見ての通り、僕は母から過保護に守られています。正直もうウンザリしているんですよ。もう守られてばかりは嫌だ…… 誰かを守りたいって…… だから、僕は戦います」

「光実…… でもどうやってドライバーとロックシードを奪い返すの?」

「それは……秘密です」

笑顔を見せる光実。しかしブランにはその笑顔の裏に彼の黒い何かを感じた



そして翌日。朝方ブランは呉島邸から教会へ戻ろうとしていた

「ではこれで……」

そう言って扉を開けようとした時…… 突如クラックが開き、そこから初級インベスとコウモリインベスが現れたのだ

「な、なんですかあれは!?」

パニックになる光実の母親。それを見たブランはすぐさま全員を安全な場所まで避難させる

「インベス…… てめえらはぜってーに許さねえ!」

ブランはそう言うと女神メモリを用いてホワイトハートに変身。そしてインベス達と戦闘を開始する

「コイツを喰らいな!!」

斧を振り回すと二体ほど攻撃がヒットし、吹き飛ばされると邸宅の壁にぶつかりめり込む
それを見た母親は「家を傷つけないでちょうだい!」と文句を言う

「チッ…… 仕方ねえ、てめえらは外で相手してやるよ!」

そう言って外へ出てインベスを誘導し、再び戦闘を始めた
その様子を見ていた光実は……

「(ブラン様は僕に誰かを守る力をくれた…… その力で僕は世界を…… ブラン様を守るんだ!)」

と、心の中で呟くと邸宅を飛び出し貸金庫へと向かう
それに気づいた母親が光実を止めようとしたが、彼は止まらなかった



「ハア…… ハア……」

貸金庫に向かって走る光実。距離はそれほど遠くなかったが、何故か今日は遠く感じた
そしてついにたどり着くが、貸金庫の職員に止められてしまう

「ちょっと待ってください。あなた、何を持ち出すのですか?」

「母さんが預けたドライバーとロックシードだ! 早く渡してくれ!」

必死に頼み込む光実。しかしそれを職員は拒否した
理由はただ一つ。貸金庫から持ち出すには預けた本人しかできないからだ
この場合預けた本人というのは光実の母親になる。なので、母親を説得し、かつここまで連れてこなければならない
しかし光実には100%拒否されると分かっていた。それが分かっていたので、彼はある策を考えた。それは……

「……ふーん。呉島財閥の御曹司である僕でもダメなんだねぇ…… だったら…… 潰しちゃおうかなこの会社」

自分の家柄の事を言って脅すことだった
犯罪行為だが、彼にはこれしか思いつかなかった
世界を守るため、ブランを守るためには……

「お、脅しには屈しませんよ!」

「あっそ。じゃああんたは一生恨まれることになるよ。ここの職員全員から」

「ど、どういう意味ですか?」

「だってもしこの会社が潰れたら、それはあんたが潰したと同然だよ? 大量の職員は職なしになるだろうねえ…… あんたのせいで。だからこの会社のためにも、あんたのためにもここは持ち出させてくれないかな?」

笑顔を見せる光実。しかしその裏にはどす黒い彼の本性が垣間見えていた
職員はというと脅しに負け、貸金庫の鍵を渡す
光実をそれを手に取ると、すぐさま貸金庫からドライバーとロックシードを持ち出し、邸宅へと戻っていった


邸宅の中庭ではホワイトハートとコウモリインベスの戦闘が続いていた
しかしホワイトハートは疲れており、状況としては彼女が不利だった

「クッ…… ちょこまかと飛び回りやがって!」

ホワイトハートが疲れているのはコウモリインベスの高速飛行が原因だった
彼女にとって動きの早い敵は天敵であるため無駄に体力を消費してしまうのである

そんなホワイトハートをあざ笑うかのようにコウモリインベスはするすると避けていく。そして一瞬の隙をついてホワイトハートを攻撃、吹き飛ばした

「クッ……! あいつをどうにか引き摺り下ろせれば……」

飛び回るコウモリインベスを見つめながらそう呟く
その時、光実がドライバーとロックシードを持って現れた!

「み、光実! それは!」

貸金庫に置いてあったはずのドライバーとロックシードを持っていたことに驚く母親。しかし光実はそんな母親を無視した

「ブラン様…… 僕、戦います! 守られるんじゃなくて、世界を…… 誰かを守るために!」


ーーそして、ブラン様のために……


そう言うとドライバーを腰に装着する。フェイスプレートには中華風の戦士の横顔が描かれる
そしてブドウロックシードを構えた!

「変身!」

『ブドウ!』

ロックシードを開錠するとブドウアームズが上空に現れる
そうするとロックシードをドライバーに嵌め込む

『Lock on!』

するとドライバーから銅鑼の音が流れ、中華風の待機音が流れる
そしてカッティングブレードを倒し、ロックシードを切る!

『ハイィー! ブドウアームズ!』

ブドウアームズが光実の頭に覆いかぶさるとアームズが展開する

『龍・砲・ハッハッハッ!』

アームズが装着されると、ルウィーのアーマードライダーが誕生した

「ここは僕に任せてください!」

そう言うとブドウ龍砲を手に取りウモリインベスを攻撃していく

「ハッ! ハァッ!!」

ブドウ龍砲から光弾が放たれるとそれがヒットしていき、ダメージを与えていく
自慢の空中殺法もアーマードライダーの前では炸裂しなかった
それどころか翼を破壊され、地上に落ちてしまった

「これでトドメだ!」

そう言うとカッティングブレードを一度倒す

『ハイィー! ブドウスカッシュ!』

電子音声が鳴るとブドウ龍砲のトリガーを引く。するとエネルギーがチャージされていく
そして引き金を引くとエネルギー弾が乱射されていき、最後に龍型の弾が放たれコウモリインベスは爆散し倒された

「ふう…… 終わった」

戦いが終わり変身を解除する

「光実……」

「母さん、僕はもう決めた。ブラン様と共に世界のために戦うって…… 守るって……」

母親にそう言うと変身を解除したブランの元へと向かう

「大丈夫ですか?」

「大丈夫よ。それよりも……」

「はい。決めました。僕、戦います」

そう言って笑顔を見せた
その笑顔には以前に感じた黒い物は感じられなかった



場所は移りリーンボックス
そこではチカとベールが何やら話をしていた

「お姉様、本当に呉島貴虎で大丈夫なのですか? アタクシ達のドライバーとロックシードは他国よりも性能が良い分、危険度は高いのですよ?」

「大丈夫ですわ。貴虎なら必ず使いこなせますわ。何しろ開発担当主任なんですもの」

そう言うとベールは自室に戻り四女神オンラインを始める

「さて、あの人はいるのでしょうか?」

あるユーザーを探すベール。その名は……

「いたいた、斬月さん」



次回、超次元ゲイムネプテューヌG<ガイム>!

他国のアーマードライダーが誕生し、残るはリーンボックスだけとなった

そんな時、リーンボックスをインベスが襲う!

ベール大ピンチ! その時、最後のアーマードライダーが現れる!

第5話「ベール大ピンチ! メロンの武者、斬月見参!」

『天・下・御・免!』





 
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