ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories
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ALO編 Running through in Alfheim
Chapter-12 妖精の世界へ
Story12-6 三歩目は仲間と共に
シャオンside
翌日、IDとパスワード入力後、数度瞬きすると、昨日泊まった宿屋の1階。レストランのテーブルが見え始めていた。
ちょうどマリンも店に入ってきたようだ。
「早いな……お前」
「さっき来たとこだよー。道具類買い込んでたの」
「…………俺も色々準備しないとなー」
そう言った瞬間、マリンがメニューを操作し始め、俺の目の前にトレードウィンドウが表れた。
その中にあったアイテムを見て、俺は驚愕した。
「え…………これ、俺の…………」
「そう。セイ兄があの世界で使っていた相棒たちよ。
エターナリィアクセル、スターライトクリエイター、
ムーブドミューズプレイヤー、ブレードオブホーリークロス…………これで全部でしょ?」
「もらっていいのか?!」
「もらうも何も、セイ兄が大輔おじさんに頼んだんでしょ?
セイ兄の武器だよ、それは」
俺は久しぶりに再会した愛剣の感触を確かめながら、エターナリィアクセルを背中につけた。
それから、胸ポケットで寝ているレイに呼びかける。
「レイ、起きろ」
すると俺の胸ポケットからレイがちょこんと顔を出し、大きなあくびをした。
「あ、そうだ。念のため防具も見に行こうか?
そのままじゃ頼りないでしょ?」
「そうだな。防具も揃えておこう」
「あ。お金、持ってる?なければ貸しておくけど」
「…………ある」
「そう?なら、早速武器屋行こっか」
「あ、ああ」
マリンの行きつけの武具店で俺の防具一式をあつらえ終わった頃には、街はすっかり朝の光に包まれていた。
防御属性強化されている服の上下にロングコート、防具で買ったのはそれだけだ。
SAO時代と似た格好になってしまった…………
ALOで、与ダメージ量を決定づけるのは、『武器自体の攻撃力』と『それが振られるスピード』だけだが、それでは速度に勝るシルフ族やケットシー族のプレイヤーが有利になってしまう。
そのため、筋肉タイプのプレイヤーは、攻撃力に勝る巨大武器を扱いやすくなるように設定してバランスを取っている。
他のプレイヤーでも、スキルを上げればハンマーやアックスを装備できないこともない。が、固定隠しパラメータの筋力が足りないらしく、とても実践では使いこなせない。
俺は体型からしてスピードタイプに見えるらしい。
全くもってその通りだけど。
でも、俺の持つ剣は軽すぎてスピードの制御技術が必要だ。
現に、アインクラッドでキリトに持たせたら加速しすぎてバランス崩してこけた。
「その剣ホントに振れるの?」
「全く問題ない。
さて…………行こう」
俺とマリンが手を重ねその上にレイが小さな手を重ねた。
「「「いざ、世界樹へ」」」
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
俺たちはエクセトル北の灯台の外展望台に立っていた。
そこからさらに北…………森を抜け、山脈を抜けた先。
空と同化している彼方に見える…………世界樹。
桜華が囚われている場所。
「凄い眺めだ……空に手が届きそうだ……」
「現実で悩んだときは、こうやって空を見るの。
この空を見てると、自分の悩みがちっちゃく思えるよね」
「そうだな」
そこでレイが口を開いた。
「空って…………なんで広いんでしょうか?」
その問いに、なぜか俺はすぐ答えられた。
「きっと…………俺たちの悩みをちっぽけにするためだ。
どんなに悩んでても、すぐに立ち直れるように」
「私たちが同じ世界に繋がっていられるようにするためでもあると思う」
「空ってすごいです」
俺が再び空を見上げると、太陽が輝いていた。
とりあえず、展望台の中央に設置されたロケーターストーンという石碑を使って、戻り位置のセーブをすると、マリンが4枚の翅を広げて軽く震わせた。
「準備はいい?」
「OKだ」
「行きましょう!」
レイも同調してくれた。
「さ、行こう!1回の飛行で入り口までいくよ!」
少し遠くに見える洞窟の入り口に向けて、シャオンとマリンは飛び立った。
Story12-6 END
後書き
Chapter-12のシャオン編はこれで終わり!
キリトたちよりも早く出発しました。
シャオン「俺を追い越そうなんて100年はえーよ」
マリン「セイ兄ホントーに足速いよね」
シャオン「小さい頃はめちゃくちゃ足遅かったのを、努力してめちゃくちゃ速くした」
マリン「速くしすぎだよ」
さあ、次回からは本編は2回連続キリト。
じゃあ……
シャオン「次回も、俺たちの冒険に! ひとっ走り……付き合えよな♪」
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