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WATCH DOGS 〜in RIDER WORLD〜

作者:カツゲン
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PHASE 1 その男、ビジランテ

 
前書き
これからまたしばらく、よろしくお願いいたします
今回は鎧武の世界のオリジナルライダー達のお話です 

 
沢芽市

そこは大企業ユグドラシルコーポレーションによって管理され
アーマードライダーと呼ばれる仮面ライダー達が
日夜インベス達と戦っている街


そして、市内の海岸に存在するユグドラシルスタジアム

様々なスポーツが行われる
巨大なスタジアムであるそこで、
今夜はプロ野球の試合が行われていた

そして、同時に
地下の一室ではギャング同士の取引が行われていた

…はずだった


今そこにいるのは
いくつかの屍体とネックウォーマーで顔を隠している男、
そしてその男に銃を向けられて怯えているもう一人の男だけであった

「俺の中では殺しってのは
あまり好みではないスタイルだったんだがなぁ…」

男は銃を向けたまま、呟いた

「ま、仕方ないか
今までも何回もあったし
これからも増えていくだろうしな」
「……た…頼む…殺さないでくれ…」

怯えた男が命乞いをする

「さて…どうしようかな
お前らはこの麻薬、どうするつもりだったんだ?」

そばにある大量の白い粉の入った袋を示す

「…る…」
「聞こえないな」
「売る…売るんだよ…」
「死者が出てることを知っててか?」
「そ…そうだよ!でもあいつらが悪いんだ!
俺たちはちゃんと使用量とか説明した!」
「関係ないな…こいつを使用したやつのせいで
この前は何が起こった!知ってるだろ!」
「…無差別殺人……」
「そうだ…その薬のせいで
何人もの犠牲者が出たんだ
それを知っててそう言っているのか?」

銃を頭に突きつける

「す、すすすすすまない!頼む!
こいつで稼いだ金は全部やる!
だから命だけは!」
「いくらだ」
「は…8000万…」
「…いい額だな、悪くない」
「じゃ…じゃあ!見逃してくれ「だが断る」
「…え?」
「断ると言ったんだ」
「そ…そんな…8000万だぞ…
納得するだろ普通…
そもそも…お前!あのビジランテだろ!
聞いてるぞ!金さえ渡せばどんな取引にも協力してくれるっt[ズドンッ]

引き金を引き、男の頭を撃ち抜く

「悪いが…人命を危険にさらす取引だけは
専門外なんだよ…」



彼の名は霧島 翔
ビジランテーーー自警団として生きる男

彼はポケットからスマホを取り出し、
今殺した男の顔を照らす
すると、画面には彼の様々な情報が出てきた

「…なるほど…確かに口座には8000万あるな」

翔が画面を操作する

「…たった今、お前の財産は0になり
俺の財産は8000万増えた…おっと、もう聞いてないか」

彼が起動しているシステムはctOSと呼ばれるもので
街中の携帯電話や信号機などの電子機器だけでなく
個人情報までを管理するものである
彼はこのシステムをハッキングして利用することで
犯罪や危険な取引を事前に探知して止めたり
依頼された人物を探したり、始末していた

「さて…後片付けをしないとな…[ガチャッ]

スマホをしまって周りを見回した時、
突然部屋の扉が開いた
驚き、とっさに振り返る

「よお、やってるかい?」

そこに現れたのは
普段から翔をサポートしている欧米系の男、
ジョルディであった

「お前か…驚かさないでくれ」
「わりぃわりぃ、にしてもやつら、
野球の試合中に取引とはねぇ…
確かにこんなとこに人は来ないだろうが…
楽しみを無駄にしてるな」
「また観戦してきたのか?」
「ああ、まあな」

ジョルディは屍体の一つに拾った銃を握らせ、そのまま
他の屍体を狙って
引き金を引かせた

「お見事」

弾が当たったのを確認すると、
そのまま銃と屍体を放置した

「何をしてる?」
「ギャング同士の抗争でこうなったかのように
演出してるだけさ。いつもやってることだろう?」
「なるほどな」




その場の整理が終わると、
ジョルディが話し始めた

「ところで今、上はどんな状況だと思う?」
「知るか、ずっとここにいたんだ
そんな話してないで、さっさと帰るぞ」
「待て待て慌てるな
現在時刻7:00、
今上は0-1で4回裏の1アウトランナー無し
まだまだ中盤だ」
「…それで?」
「警察を呼んだ」
「何ィ!?どうしてそんなことした!」
「まあ待て、何度も言うが慌てるな
おそらく今頃到着してるだろうよ」
「だろうな…」
「目的はこの状況を見せること
それに今混乱を起こせば
それに乗じて簡単に脱出出来る」
「混乱って…何する気だ?」
「お前のそれを使うんだよ」

ジョルディが、スマホを示す

「使ってどうする」
「そこは自分で考えてくれ
なんとかなるだろう」
「おい…」
「ま、たまにはこういう緊迫感も
いーじゃねーか
先に行ってるぜ
あとは頼む」

そう言ってジョルディは
部屋を出て行った

「おいおい…
混乱だって…?
そもそももう警察が来てるんだろ…?」

「チッ…
仕方ねぇ、いっちょおっ始めるか」

そう言って翔も
脱出を、目指して部屋を出た




 
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