アカメが斬る! 抜刀必殺の帝具使い
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第三話
前書き
前回書き忘れましたが、耳は女の設定です。
明記されている物を見つけることが出来なかったので、自分ではTSなのかどうか判断できません。
「うおーっ、すっげー!!気持ちいいーっ!!」
「アハハ」
エアマンタに乗って一時的な潜伏場所とする予定のマーグ高地に向かっていると、タツミがそう叫びながら笑っていた。その隣ではチェルシーがそんなタツミの様子に笑っている。
「殺し屋とは思えない無垢さだね、タツミ。面白いやつ」
「確かに、な・・・で、大丈夫か、テリンガ?」
「うぅ・・・耳が・・・キーンって・・・」
さっきから隣でその大きな耳を押さえている少女は、どうやら俺に返事も出来ないレベルでまいっているようだ。
ちなみに呼び方なんだが、耳でいいと言われたもののせっかく仲間になったのに耳と呼ぶのはどうか思ったため、あだ名をつけさせてもらった。意味的には全然変わってないんだけど。
「大丈夫じゃなさそうだな。スレイブは・・・」
「・・・大丈夫、です。ええ、大丈夫ですとも。落ちたところで何ともありませんし」
「うん、大丈夫じゃなさそうだな」
「マスター、私の言う事は聞いていましたか?大丈夫ですと・・・」
「はいはい。大丈夫大丈夫、俺もいるから」
頭をなでてやると、まだ少し不満そうではある物の黙ってはくれた。頬を膨らませている姿は可愛らしい。
「いやでも、思ったよりコレ楽しいなーっ」
「良い!」
「良くないわよっ!」
そんなマインの叫び声は、空へと消えていった。
========
「これは・・・確かに“秘境”だな」
「・・・聞こえてくる危険種の声も、中々レベルの高いものばかり。・・・人が住む所じゃない・・・」
テリンガはそんなことを言いながら呆れていたが、まあこのメンバーならどうにでもなるだろ。
「新しいアジトに使える場所は、今革命軍の偵察隊が帝都周辺で探してくれている。それまで私たちはここでレベルアップだな」
そして、危険種のレベルが高ければそれだけ戦闘訓練の実験台は増える。俺は帝具を使っての修行はできないのだが、剣を使った戦闘、なら出来るし。
そんなことを考えているうちにも、エアマンタは回収したパーフェクターを乗せたまま飛んでいった。
「あ・・・あれ?行っちゃったけどいいの?回収した帝具持たせたままよ」
「空を飛べる乗り物は貴重だから、俺達のところにずっと残してもいいことはないんだよ」
「巣は革命軍本部にあるから、そこに戻ったんでしょ。自動的に荷物も革命軍の本部に届けてくれるし」
マインの質問に少しの間とはいえ革命軍の本部で過ごしていた俺とチェルシーが答える。
テリンガに適応すればこのままナイトレイドで使うという手段もあったのかもしれないが、そもそもテリンガが帝都の・・・それもつい先日殺したスタイリッシュの手下であったという事からしばらくの間は武器を持たせない方がいいだろうという結論に至ったことや、あれの力を十全に生かせるだけの材料をこちらでは手に入れられない事、そしてそもそも適応しなかったことなどから本部に送ることになった。
「それにしても・・・」
と、そこでチェルシーがいたずらでもするかのような、ニヤリ、と言う感じの笑みを浮かべ、
「マインってそんなことも知らないんだね。アハハ」
そう、笑いをぶつけた。歯を食いしばって握りこぶしを作っているし、今にも怒りそうな感じなんだが・・・
「さて、改めて新規メンバーを紹介だ。まずは・・・アレ?」
「ああ・・・チェルシーならあっち」
気づいたらさっきまでの場所にいないチェルシーをナジェンダが探していたので、チェルシーのいる方を指さす。そこでは、チェルシーがアカメの髪をいじっていた。
「アカメちゃんって近くで見ると本当に可愛いんだぁ」
「・・・・・・なんだいきなり」
「・・・はぁ」
つい呆れてため息をついてしまった。が、自由に行動をとることについては俺も何も言えないので黙っておく。
「私はチェルシー。同じ殺し屋同士仲良くしましょ。・・・はい、これあげる」
アカメに対して自己紹介をした後にガイアファンデーションから取り出した飴をアカメに渡した。
いや、さすがにそんなのじゃ・・・
「・・・・・・歓迎するぞ」
いいのかぁ・・・
「ああっ!アカメが餌付けされた!!」
「きっと長旅でお腹がすいてたんだ!!」
「・・・食いしん坊キャラなのか、彼女は?」
つい気になってあの様子を見てリアクションをあげた二人に尋ねた。
「ああ・・・まあ、そうだな。アカメちゃんはそんな感じだ。そんで・・・」
「ん?・・・ああ、そうか。俺はカズキ。これからはナイトレイドとして一緒に行動することになるから、よろしく」
とりあえず二人と握手をして、後ろの二人を前に出す。
「で、こいつらが・・・」
「マスターの・・・そうだな。普段はメイドの様な事をしているスレイブだ。一応、戦う事も出来る。よろしく頼む」
「メイドさんだと!?・・・確かに、言われてみれば服装は・・・!」
なんか、ラバックが興奮し始めた。
「ちくしょう!美少女のメイドさんが専属で、だと!?羨ましいぞこの野郎!」
「落ちつけ・・・」
頭を抱えたくなってきた・・・なんだこいつ・・・
「あー・・・ウチはまだ警戒されてるっぽいけど、いずれよろしく」
「あ、ああ・・・よろしく」
テリンガについてはまだ微妙な感じであるが、いずれどうにかなると信じよう。
「えっと、一応聞いておくけど・・・帝国を裏切る形になったことに何か思う事はあるのか?」
「いや、特には・・・冤罪で捕まるし、手術との相性がいいからって『女なんて・・・』とかぶつぶつ言いながら手術されたり、その後もあの人女に興味ないから扱い悪いし・・・」
「ああ、うん、ゴメン・・・あの人だもんな、うん・・・裏切ることはねえな」
なんか、さっそくタツミはどうにかなったっぽい。
「そしてこっちが革命軍本部から譲り受けてきた私の新しい帝具。電光石火・スサノオだ」
「・・・・・・・・・」
「自動で動く生物型だから負担が少ない・・・今の私でも使えるわけだ」
まあ、スサノオみたいな生物型なら負担は減るよな。
「あ、改めてよろしく」
タツミはそう言いながら握手をしようと手を伸ばすが・・・その瞬間、スサノオは電光石火の名にふさわしい速度で動き、タツミの服の乱れを直した。
「・・・・・・よしっ・・・!!」
「いや、よしって・・・」
「同じ生物型ではあるが、だいぶ趣が違うな・・・」
テリンガとスレイブはそんなスサノオの様子にどうリアクションしたものかと悩んでいたが、
「あー・・・まあ、帝具に関わる人間が一癖も二癖もあるやつばかりなんだ。なら、帝具自身があんな感じでもおかしくはないだろ」
「ウチの中の帝具への認識が音を立てて崩れていく・・・」
ちなみに、この後スサノオがものすごい手際で家事をこなし、ナジェンダによって戦闘とは関係のない部分の自慢をされ、テリンガは完全に頭を抱えた。
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