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ドリトル先生と学園の動物達

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第六幕その十一

「深く知って役立てることなんだ」
「それが勉強なんだ」
「そう、そして僕がしていることはね」
「学問なんだね」
「学ぶことなんだ」
「そうだよ、僕は楽しんでるんだ」
 学問、それをというのです。
「ううん、そうなんだ」
「先生は楽しんでるんだ」
「学問をして」
「それも色々なことについて」
「勉強と学問はね、似ていることは確かでも」
 それでもというのです。
「また違うものなんだ」
「その違いがね」
 どうかとです、チーチーが言います。
「今一つわからないけれど」
「先生が学問をしているこってことはね」
「わかったよ」
 ポリネシアとトートーも言います。
「そのことはね」
「何とかにしても」
「とにかく先生は学者さんだね」
「そういうことになるよね」
 オシツオサレツはこう考えるのでした、その二つの頭で。
「要するにね」
「そう考えていいよね」
「そういうことかな」
「うん、そうかものう」
 ホワイティと老馬はオシツオサレツの言葉に頷きました。
「学問する人だよね、先生は」
「学者さんじゃな」
「そうだよ、まあ今でも勉強はしているよ」
 そちらも続けているというのです。
「ちゃんとね、ただ」
「ただ?」
「それは学校の勉強でなくてね」
 同じ勉強であってもというのです。
「人生の勉強だよ」
「勉強といっても様々ですからね」
 トミーは先生の言葉を頷いて答えました。
「先生の今の勉強はですね」
「そうだよ、人生の勉強だよ」
「勉強をしてそして」
「学問もね」
 それにも励んでいるというのです。
「楽しんでいるよ」
「そうなんですね」
「そういえば結婚が、だよね」
 ここでまた王子が言います。
「人生最大の勉強っていうね」
「またそのお話なんだね」
 先生は王子のその言葉に困った笑顔で応えました。
「何か終わらないね」
「じゃあ結婚する?」
「やっぱりしないと駄目なんだね」
「先生にとってもいいことだからね」
「いい人生の勉強になるんだね」
「それは先生も聞いているよね」
「確かにね」
 その通りだと答えた先生でした、先生程の人ならこれ位のことはわかっています。けれどそれでもなのです。
「けれどね」
「実際にするとなると」
「学問は実践するもので勉強もそうだけれど」
「そっちの方の実践はなんだ」
「どうにもね」 
 はにかみ屋の先生にとってはです、しかも先生は相当な奥手で尚且つ女の人にも紳士ですが鈍感なところもあります。
 そうした人だからです、やっぱりこう言うのでした。
「中々出来ないね」
「本当に困るんだけれど」
「そんなことだと」
「全く、いつもいつも言ってるのに」
「先生ときたら」
 動物達もやれやれです。
「これじゃあ本当にね」
「どうなるのか」
「それが不安になってきたよ」
「一生独身とか嫌だからね」
「そんなこと絶対に駄目だよ」
「それは僕もわかっているんだけれどね」
 けれどやっぱり実践となるとです、このことについては。
「難しいね」
「先生のペースで行くしかないからね、じゃあね」
 王子はこうも言うのでした。
「今は御飯を食べてね」
「そうしてだね」
「また診察をしようね」
「うん、お菓子を動物達に与えている人のことも気になるけれど」
「それでも虫歯も治していってね」
「ことを解決していこう」
 こうしたことをお話してなのでした、そのうえで。
 先生達はお昼も食べてです、そしてまた診察をはじめるのでした。 
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