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ドリトル先生と学園の動物達

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第六幕その五

「これでまたわかったよ」
「お菓子を投げ込んでいる人が、ですね」
 トミーが先生に応えます。
「その人が」
「お菓子を作られる人でね」
「日本の甘さではないお菓子を作る人ですね」
「それも種類も色々だよ」
 一種類だけを作られる人ではないというのです。
「こうした条件が揃っているとね」
「人が限られますね」
「しかも動物園にも水族館にもね」
「しょっちゅう行き来している人で」
「そうだよ、だからね」
 それで、というのです。
「限られてきているね」
「そうですね、それじゃあ」
「ここはね」
 また言う先生でした。
「一つ考えたけれど」
「どういったことをですか?」
「日笠さんとお話した園内、館内の防犯カメラでね」
「映っている人の中からですね」
「怪しいっていう人を探そうか」
「何か本当に推理ものみたいになってきましたね」
 トミーは先生のお話を聞いて言いました。
「本当に」
「そうだね、僕の柄じゃないけれど」
「やっぱり探偵にはなりたくないんですね」
「興味がないというかね」
 こう言い換えた先生でした。
「タイプじゃないと思っているから」
「先生ご自身が」
「だからなんだ」
 それで、というのです。
「僕はそれでいいよ」
「そうなんですね」
「うん、それでね」
「これからもですね」
「僕は医者だよ」
 この立場に専念するというのです。
「大学教授にもなったけれどね」
「そうですか」
「うん、それとね」
 それに加えてというのです。
「皆ともね」
「仲良くですよね」
「ずっと一緒にいるよ」
「それはイギリスにいた時からですしね」
「だからね、僕はね」
「これからもお医者さんとしてですね」
「やっていくから」
 だから探偵やそうしたことはといいますと。
「言わないしやらないよ」
「じゃあ今回のことは」
「必要だからね」
 物事の解決をする為にです、虫歯の。
「考えているだけだよ」
「事件の原因を」
「それだけだからね」
 それで、というのです。
「僕は推理探偵にはならないよ」
「あくまでお医者さんですね」
「そういうことだよ。さて」
 先生はゴマフアザラシ達の歯を診察し終えてから言いました。
「次に行こう」
「そうだね、じゃあね」
「次行こうね」
 動物達も応えてでした、その次の場所に向かうのでした。次に向かったのはアシカのコーナーですが彼等はといいますと。
 その歯は確かに虫歯がありますがそれでもでした。
「この子達はあまり」
「はい、そうですね」 
 トミーが先生に答えます。
「虫歯がないですね」
「あることはあってもね」
「少ないですね」
 他の動物と比べてもです。
「随分と」
「そうだね、アシカは噛まないからね」
「食べるものをお口に入れて」
「引っ掛けてね」
 歯にです。 
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