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有栖キャロの小学校物語

作者:blueocean
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第10話 初めての動物園です


「うわぁ…………お鼻が長いです!」

こんにちは、有栖キャロです。
今日は日曜日。
休日を利用して、動物園に来ています。

メンバーは有栖家、アルピーノ家、エリオ君です。

「これが象なんだ…………」
「大きいね………」

一緒に見てるルーちゃんとエリオ君も驚いてます。

確かに大きいですけど、私のいた里ではもっと大きい昆虫や、動物がいたので大きさはイマイチです。
だけど…………

「お鼻を使ってご飯を食べるんだ…………」

器用にお鼻を使ってりんごを食べてました。
……………なかなか可愛いではありませんか。

「3人共ー!次行くわよー!!」
「「「はーい!」」」

メガーヌさんに呼ばれて、私達は次の動物の場所へ移動しました。






「しかし、動物園なんて小学校以来だな…………」
「そうですね、レイと一緒に行った以来ですね」
「あの時はライが柵を登りそうになって苦労した…………」
「ライも可愛いじゃないか。と言っても今も余り変わらなそうだが………」
「ぼ、僕そんな事してないよ!!それにフェリア、それってどういう意味!?」

慌てて否定するライお姉ちゃんですが、フェリアお姉ちゃんの言うことが分かります。
直ぐに想像できました……………

「どうだ?エリオも楽しんでるか?」
「はい!ミッドにいない動物もいたので面白いです」
「そりゃあよかった」

「ゼストも楽しんでる?」
「ああ、楽しんでるよ」

ルーちゃんの質問に大人な対応で流すゼストさん。

「隊長?そんなそっけない反応じゃルーが可哀想よ」
「そうなのか?」
「……………お父さんつまらない」
「俺はお父さんでは…………」

ルーちゃんが涙目でゼストさんを見つめます。

「うぐっ、だ、だがものには順序が…………」
「はぁ………案外ヘタレです、ゼスト」
「ぐはぁ!?」

ルーちゃん厳しいです…………







「「「レッサーパンダ!」」」

ああ、なんて可愛い動物なんでしょう……………
私とルーちゃん、フェリアお姉ちゃんはすっかり虜になってます。

特にフェリアお姉ちゃんはいつものクールな印象は無く、ホワホワしています。

「3人共、次行く………」

「あっ、こっち見た!」
「私はここですよ〜!」
「か、か、可愛い…………」

「聞いちゃいねえ…………」

「私達が見てるからエリオ君達と先に行ってて」
「すいません、お願いしますメガーヌさん、ゼストさん。何かあったら携帯に」
「了解した。しかし……………あの時戦った戦闘機人とは思えない変わりようだな…………」

「フェリアは可愛い動物を見るといつもあんなんです…………」











「うわぁ、かっこいい………」

エリオは大きく背伸びをしているライオンを見て呟いた。
本当は荒々しく咆哮位して欲しいもんだが、ここは動物園。
かなり大人しい。

「あの牙とか立派だな………」

それでもエリオは満足そうだ。

「レイ兄、ライオンって強いの?」
「まあ肉食だし、サバンナの王様って所かな」
「そうなんだ…………ねえだったら管理世界にいる…………」
「エリオ、地球にいる生き物は炎を吐いたり、電気を飛ばしたりする生き物はいないんだ。比べても仕方がないぞ」
「そうなの?」

魔法に関わってなきゃ、エリオの方が変人って思われるぞ…………
そう思うと地球の生き物って弱いなぁ…………

スパロボZみたいに世界が混合したらどうなるのやら…………
って動物だけじゃなく人間もまずそうだけど。

「ねえレイ兄、あっちの黒い点々があるの何?」
「あれはチーターだな。足がもの凄く速い動物だよ」
「へぇ、どのくらい?」
「地球上の生物の中で1、2を争う筈…………」
「そうなんだ!!」

手すりに跨り、食い入る様にチーターを見るエリオ。
どうやらライオンよりも気に入ったみたいだ。

「何見てるの、エリオ君?」

そこにさっきまでレッサーパンダを見ていたキャロとルーがやって来た。

「チーターだよ!地球上の生物で1、2を争う速さなんだってさ!!」
「へえ…………でもヴォルテールの方がきっと速いです」

竜と比べてどうする。

「それに、あの黒の点々がダサい…………」

ルーもキツイな…………

「で、でも地球の中で1、2を争うんだよ!凄いよね!?」
「ですけど地球で、ですよね?管理世界を含めたら一体何番になるのでしょうか?」
「明らかに下位」

もうエリオをいじめるの止めろ。
エリオが涙ぐんできたじゃないか…………

仕方がない、助け舟を出すか…………

「そんな事言っていいのかお前ら。チーターは虎の仲間だぞ、それは遠回しに虎を馬鹿にしてないか?そうするとタOガースを馬鹿にしているのと同じ…………」
「「チーター最高(です)!」」

それでよし。

「レイ〜!!次の場所へ行くよ〜!!」

「次行くってよ3人共」

「「「は〜い」」」

ライに呼ばれ、俺達は移動した…………











「ふむ、見事に色が変わってるな…………」

「夜美お姉ちゃん?」

私達は爬虫類エリアに来ています。
暗い洞窟の中みたいになっていて、いくつかの窓から動物を見れるようになっています。

本当はみんなで入る予定でしたが、星お姉ちゃんは爬虫類が苦手らしく、ベンチで休んでるって一緒に来ていません。

そう言えば、中学校の体育祭の時、障害物走のウェンディお姉ちゃんが着ていた半魚人を見て、顔を青くしてたけど、爬虫類に何かトラウマがあるのかな?
………………半魚人って爬虫類でしたっけ?

「キャロか、これを見てみろ」

そう言われて私は夜美お姉ちゃんが見ていた窓を覗き込みました。

「トカゲですか?でもこのトカゲが何か………?」
「そのまま見てるんだぞ」

そう言って夜美お姉ちゃんは窓をコツンとノックしました。
すると緑の色だったトカゲの色が派手になりました!!

「色が変わりました!!」
「カメレオンは興奮したり、体調が悪かったりすると色が変わるのだ。今は興奮してるから派手な色になっている」

「夜美お姉ちゃん詳しいです!!」
「あ、ああそうだろう………(言えない、さっきカメレオンの説明を読んだなんて言えない………)」

何か夜美お姉ちゃんの反応が少しおかしいですけど、気のせいですよね?

「キャロ〜こっち来てみなよ〜!!」
「はい、今行きます!!夜美お姉ちゃんも行こう」
「ああ、そうだな」

私は夜美お姉ちゃんと手を繋いでライお姉ちゃんの所へ行きました…………










「それじゃあここでお昼にするか」

そう言ってお兄ちゃんはレジャーシートを敷きました。
それに並ぶようにゼストさんも敷きます。

「はい、皆さんのお皿です」

星お姉ちゃんはみんなに紙のお皿を配ります。

「飲み物はこれでな」

フェリアお姉ちゃんがみんなに紙コップを渡しています。

「それでは……………どうぞ!」

そう言って星お姉ちゃんがだしたお弁当箱は大きく、4段重なったお弁当です。

1段目においなりさんとおにぎり。
2段目にはソーセージなどのお肉類のおかず。
3段目には豆やサラダなどのおかず。
4段目にはエビフライなど揚げ物が色々ありました。

凄い量ですし、いつも以上に豪華です!

「これ、全部星ちゃんが全部作ったの!?」

メガーヌさんも驚いています。

「流石に私だけじゃ作り切れなかったのレイにも手伝ってもらいましたよ」
「零治、お前料理も出来るのか!?」
「ええ、むしろ最初は星達にも俺が料理を作ってたんですよ。星が料理を覚えてあまり作らなくなりましたけど…………」

そう聞いて驚いてるゼストさん。

「レイ兄の料理も美味しい」
「そうだね、僕もそう思うよ」

ルーちゃんはともかく、エリオ君も食べたことがあるみたいです。

「俺も料理を覚えようか…………」
「そうしてくれると私も助かります。それに料理できる男の人はかっこ良いですよ」

ゼストさんはクッキングパパになるそうです。

「だけどマズイのを食べさせないでね」
「…………努力する」

ルーちゃんは本当に厳しいですね……………







さて、昼食も食べ終わり、次は猿山に来ました。

「何か一番上にいる猿が偉そうですね…………」
「ああ、あれはボス猿だろうな」

「「「ボス猿?」」」

猿にも上下関係があるのですね…………

「だけど、あの猿、餌を独り占めしてる…………」

「懲らしめようか?」
「止めなさい」

ルーちゃんが身を乗り出した所ですかさず星お姉ちゃんが止めました。
流石にそれはいけないと思います。

「だけどあのお山の大将みたいな奴を見るとイライラする。ならエローシュの方がマシ」

「エローシュ、猿と比べられてる………」
「ルーちゃんはエローシュ君に対しての評価が酷いです………」

頑張れ、エローシュ君………

「さて、次に行くか」

お兄ちゃんがそう言ったので私達も次へ向かいました。







そして、次のエリアに来た時でした。

「あれは何の集団だ?」

フェリアお姉ちゃんが指さした方向に多くの人が集まっていました。
何か珍しい動物でもいるのかな?

「あそこは…………パンダか。そう言えばテレビでパンダ来日ってニュースやってたっけ?」
「そうだな、確か最近の朝のニュースだったはずだ」

お兄ちゃんの質問に夜美お姉ちゃんが答えました。
確か、私もその時見ていたと思います。

「私見てみたい」
「私も!」
「僕も!」

「そうか…………なら見てみるか!」

こうして、私達はパンダの檻へ向かいました。
ですが……………



「見えない……………」

ルーちゃんの言う通り、多くの人でパンダが見えません…………

「俺やゼストさんの身長なら何とか見えるけど、他のみんなは厳しいか………」

「僕はジャンプすればなんとか見えるよ!」

「私も何とか見えました…………」

「我は無理だな……………」
「私もだ…………」

「「くっ!!」」

夜美お姉ちゃんとフェリアお姉ちゃんが自分達の傷を舐め合うように抱き合ってます。

「そうか………なら肩車でもするか?そうすれば見えるだろ?」

肩車!!
確かにそれなら私も見えます!!

「はい!お願いします!!」





「わあ…………」

肩車をしてもらって見た風景は凄く高くて、なんだが新鮮です。

「ほら、パンダ見てみな」

そう言われてパンダの檻を見てみます。
パンダはあぐらをかいて、笹を食べていました。

可愛いです……………

「次はルーか?」
「私はゼストにしてもらう」

「ならエリオか」
「はい、お願いします!」

うう、もう終わりですか…………
名残惜しかったですが、私はお兄ちゃんに下ろされてしまいました。

「どうだ?」
「うわぁ、可愛い…………」

いいなぁエリオ君…………

「レイ、わ、我も…………」
「夜美も見たいのか?そうだな………………流石にその年で肩車は恥ずかしいだろうからおんぶにするか?」

「あ、ああ!それでいい!!」

夜美お姉ちゃんは嬉しそうに、エリオ君を降ろしたお兄ちゃんの背中に乗りました。
その後、フェリアお姉ちゃんが背中に乗り、私と何往復かしてから次に移動しました。

パンダ、恐ろしいです!!





あの後、順に動物園を回って行きました。

キリンにゴリラ、カバにワニ。

色々と回り、既に夕方。
楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。

「お母さん、この亀のぬいぐるみとワニのぬいぐるみが欲しい」
「どっちも大きいじゃない…………どうやって持って帰るのよ………」

「ゼストが持つ」

「俺はメガーヌの車イスを動かすから無理だ」
「宅配にお願いする」

「だけど駄目です。部屋にも一杯あるじゃない」
「新しいのも欲しい!」

ルーちゃんは粘ります。
よっぽど気に入ったのでしょうか…………?

「エリオも何かあるか?ちゃんとフェイトからお金も預かってるし、好きなのを買っていけ。後、ハラオウン家に何かお土産買っていってあげな」
「はい!!」

「あっ、私も行きます!」

私は走っていくエリオ君を追いかけました。








「エリオ君は何を買うの?」
「先ずはお土産から。……………どれにしようかな…………」

洋菓子から和菓子と種類は色々、お土産はとても充実してました。
私も何にしようかな…………?

「…………あっ」

キョロキョロと周りを見てみると、そこには可愛い動物の写真立てがありました。

「これいいね」

いつの間にか後ろにいたエリオ君が言いました。

「そうですね、私もそう思います」

もうこれにしようかな……………
他にも何種類か買えば複数の写真を入れられるし……………

「よし、決めた!」

これにしよう!!








「そうだ、せっかく来たのだから写真取りましょう!」

お土産も買って、後は帰るだけという所でメガーヌさんが提案しました。

「そうですね、せっかくだしそうしますか」
「僕、カメラ買ってくるね!」

ライお姉ちゃんが売店に走っていきます。

「さて、写真を撮るならどこにする?」
「私、パンダが良い」
「僕も!」
「私もパンダが良いです!」

「そうか、ならライが来たらパンダの所へ行くか」

私達はパンダの所で写真を撮る事にしました。






「はい、皆さん撮りますよ……………はい、チーズ!」












「へえ、これがその動物園に行った時の写真?」

「はい!とても楽しかったです!!」

あの日から暫くして、写真が出来たので学校に持ってきました。
今、夏穂ちゃんと真白ちゃんに見せています。

「いいな………私パンダ直接見たことが無い」
「私も無いわ。ねえ、大きかった?」
「はい、大きかったし、可愛かったです!」

「そうなんだ!………………………それにしても………」

そう言って写真をじぃっと見る夏穂ちゃん。
どうしたのでしょう?

「ここにいる4人がキャロのお姉さん?」
「はい、そうですけど?」

「美人………」
「運動会の時はチラッと見ただけだったから良く分からなかったけど、凄いわね………羨ましいわ…………」
「確かに…………エリオのお姉ちゃんに負けない………いや、それ以上のダイナマイトボディ…………」
「これは凶器…………」

「…………アンタたちいつの間にいたの?」

いつの間にかいたエローシュ君と佐助君が写真をのぞき込んでいました。

「いいなぁ、お姉ちゃんに『今日は体の隅々まで洗ってあげる』とか言われて一緒にお風呂入ったり、『一緒に寝よう』って言われてあの豊満な胸に抱きついて…………」
「そんなわけあるか!」

すかさず夏穂ちゃんがチョップをいれます。

「痛っ!?ったく冗談だって…………」
「アンタが言うと冗談に聞こえないのよ!」
「だけど羨ましいシチュエーション…………」
「アンタもか!」

佐助君にもチョップを入れる夏穂ちゃん。
…………ツッコミが冴えてますね。

「そうだ、エローシュ君達は休日は何をしていたのですか?」

それを聞いた瞬間、4人は一気に押し黙りました。
あれ、聞いちゃいけなかった?

「……………この際、キャロ達も巻き込んでやらない?」
「いい案だ夏穂。俺もちょうどそう思ってた」
「ならエリオ君とルーちゃんも呼ばないとですね」
「それは俺に任せろ……………」

何やら4人がコソコソ話始めました…………
一体何の話でしょうか?

「キャロ、今日の放課後、秘密基地に集合な。エリオとルーちゃんも呼んでおくから」
「はぁ…………」

一体何をするのでしょうか………………… 
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