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ソードアート・オンライン~漆黒の剣聖~

作者:字伏
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アインクラッド編~頂に立つ存在~
  第八話 過去の悲劇

「くっくっくっ、あはははははは~~~~~~~~」

四人のユニークスキルホルダーの決闘から二日が経過し、ソレイユ、ルナ、キリト、アスナはエギルの雑貨店の二階にいた。そこでキリトにアスナが強引に着せた血盟騎士団のユニフォームをソレイユとルナに披露したところ、それを見たソレイユが腹を抱えて爆笑している。

「~~~~~に、似合わな過ぎるだろ。くっくっく・・・」

「・・・だ、だから地味な奴って言ったんだ・・・」

恥ずかしさに震えながらぼやくキリト。そんなキリトを見てソレイユは笑いながらキリトの肩を叩いている。キリトは笑われることに我慢の限界が来たのか、肩を叩いていたソレイユに殴りかかるが簡単に交わされてしまう。そして、殴ることをあきらめ、全身脱力して揺り椅子に倒れ込むように座った。そして、定位置と言いたげにアスナが肘かけに腰掛ける。そこでやっとソレイユの笑いが収まった。

「やー、久しぶりにこんなに笑った気がする」

「笑いすぎだ、ったく」

そういってそっぽを向くキリト。それを見たルナあとアスナはクスクスと忍び笑いをしている。しかし、やがてアスナが何かを思いついたかのように軽く手を合わせる。

「あ、ちゃんと挨拶してなかったね。ギルドメンバーとしてこれからよろしくお願いします」

「私もよろしく~」

アスナはぺこりと頭を下げ、ルナはアスナに便乗する形で頭を下げた。それを見たキリトはあわてて背筋を伸ばしていった。

「よ、よろしく。・・・・といっても俺はヒラでアスナやルナは副団長様に参謀長殿だからなぁ・・・・・・こんなこともできなくなっちゃったよなー」

そういいながらキリトは人差し指でアスナの背中を撫でた。撫でられたアスナは悲鳴を上げ飛び上がり、向かいの椅子に座って頬を膨らましている。それを見たルナは苦笑いをしながら口を開いた。

「・・・・まるで恋人のやり取りだね・・・・」

ルナのつぶやきを聞き、キリトとアスナは顔を真っ赤にしている。それを見たソレイユはあきれ果てており、ルナは苦笑したままであった。それから少しして、アスナが雰囲気を変えるために咳払いをして口を開いた。

「そ、それはともかく・・・・なんだかすっかり巻き込んじゃったよね・・・・」

「いいきっかけなんじゃねえの?・・・・そろそろソロも限界に近いだろうからな」

「・・・・・入団してもねえ奴が言っても説得力ないぞ」

アスナの言葉に答えたのはソレイユだった。肩をすくませながら言う姿にキリトはジト目でソレイユを睨んでいる。そんなキリトの視線を平然と受け流すソレイユ。そんなやり取りを見ていたルナは苦笑いをし、アスナはまっすぐな視線をソレイユとキリトに向けていた。

「そういってもらえると助かるけど・・・・・。ねえ、キリト君、ソレイユ君」

一度言葉を区切り、一息つくアスナ。そして、再び口を開いた。

「教えてほしいな。なんでギルドを・・・・人を避けるのか・・・・」

それを聞いたキリトは、椅子を揺らしながら過去の話を語りだした。

≪月夜の黒猫団≫

かつて、キリト自身が所属し、キリトを除く全員がこの世を去っていることも・・・・



その後、キリトはリーダーであったケイタが自殺したとこまで話した。しかし、話し終えたキリトにソレイユがいつもよりトーンの低い声で口を開いた。

「・・・・・それで終わりじゃねえだろ」

「「え・・・・・?」」

「・・・・・・・・」

いきなりのソレイユの言葉にわけがわからないルナとアスナ。キリトはというと険しい表情で俯いていた。そこに意味を理解しかねていたルナがソレイユに問いかけた。

「どういう、こと?」

「・・・・・キリト君が言わねえなら俺が言うぞ」

「・・・・・」

ソレイユの言葉に首肯するキリト。それを見たソレイユは語り始めた。

「この世界にきて二回目のクリスマスの時、背教者ニコラスっていうイベントボスがいたんだ。そして、そのボスを倒した時に得られるアイテムの中に死人を蘇らすアイテムがあるということをNPCが言ってたんだ。それを聞いたキリト君は単身でニコラスに挑んだ。けど、倒しはしたもののアイテムはキリト君の望んだようなものではなかった。そして、絶望した時、近くにいたクラインが俺の持っていた≪蘇生の結晶石≫のことを言ったんだ」

「そ、蘇生の結晶石?」

「そう。『生命の碑がある場所で手に保持し、≪蘇生:プレイヤー名≫を発声することで対象を蘇らせることができる』って言う効果を持つアイテムだったんだ」

「そ、そんなアイテムがあったんだ・・・」

今まで知られていなかったアイテムのことを聞かされて驚くルナとアスナ。しかし、それの追及をしようとしたところでソレイユが続きを離し始めた。

「その話を聞いたキリト君は、ニコラスから手に入れたアイテムをクラインに渡し、生命の碑へ急いで向かった。どうやらクラインから俺がそのアイテムを使いクリスマスに誰かを蘇生させる、と聞いたらしいんだ。そして、その訊いた通り、俺はクリスマスの日生命の碑の前にいた。そして・・・・」



第一層始まりの街、生命の碑前に一人の少年がいた。右手にクリスタルを持ちずっと生命の碑を眺めている。そして、目を閉じ口を開こうとしたとき、それを邪魔するように少年の名を怒鳴りながら呼ぶものが現れた。

「ソレイユ!!!」

その言葉に応じ声のしたほうを向くと、そこには≪黒の剣士≫キリトがいた。その表情は鬼気迫るといった感じであった。それを見たソレイユは冷淡な声で言った。

「・・・・久しぶりだな、キリト君。そんなに慌ててどうしたんだ」

「その手に持っているアイテムを渡せ!」

「いきなりだな・・・・・。誰から聞いた、このアイテムのことを」

「そんなことどうでも「誰からだ」・・・・・・クラインだ」

キリトの言葉を遮り、有無を言わさない口調で言うソレイユにキリトは≪蘇生の結晶石≫のことを教えた人物の名を言った。それを聞いたソレイユはそうか、と一言呟きそれっきり黙ったままである。それに痺れを切らしたキリトは口を開いた。

「・・・・・もう一度だけ言うぞ、ソレイユ。そのアイテムを渡せ」

「・・・・・・・いやだ、と言ったら?」

「殺してでも奪う」

ソレイユの言葉に物騒なことを呟くキリト。メニューウインドウを操作し、しばらくするとソレイユの目の前にデュエルメッセージが表示された。それを見たソレイユは溜息をつき、首を左右に振り、やれやれというような感じであった。そして、右手に持っていた≪蘇生の結晶石≫をキリトに向かって投げた。

「・・・・・っ!?」

それを見て、キリトは受け取ろうと手を出し、キリトの手に渡る寸前に一筋の閃光が走った。続いて何かが砕けるような音がした後、≪蘇生の結晶石≫がポリゴン片となり砕け散った。何が起こったのかわからず、呆然とするキリト。そして、徐々に理解が追い付いてきた。
すなわち、ソレイユが≪蘇生の結晶石≫を破壊した、と。

「え・・・・、なん・・で・・、ソレ、イ、ユ・・・・、ソレイユっっっ!!!」

激昂しながらキリトはソレイユに向かって剣をふるう。ソレイユは目の前に出現しているデュエルメッセージを承諾し、デュエルを受けた。そして、迫りくる剣を抜刀していた刀で受け、鍔迫り合いへと持ち込んだ。

「なんで、なんであんなことをしたっ!!あれさえあれば、あれさえあればサチは、サチは・・・・・・っ!!!」

そう叫びながら連撃を戦いこむキリトだったが、そのどれもがソレイユには届かず防がれてしまう。荒ぶるキリトの攻撃を冷静に、冷淡に対処していくソレイユ。それが気に食わなかったのか、さらに攻撃速度を上げるキリトだったが、大振りになったところをソレイユが見逃すはずもなく、地面に倒され無力化されてしまう。
それでも立ち上がろうとするキリトの首筋に刀を突きたて、口を開いた。

「惨めだな、死んだ者は帰らない。それはどの世界でも曲げることができない理だ・・・・」

その言葉にかっとなり、刀を払いのけ立ち上がり、ソレイユに殴りかかるが簡単に交わされてしまう。

「お前に何がわかるっ!!俺の、俺のせいでサチやみんなは死んだ!!!おれがみんなを殺したんだっ!!!!」

「・・・・・・・・・」

そう叫びながら殴りかかってくるキリトにソレイユは納刀し無言でカウンターを当て殴り返していく。
そのやり取りを何度か繰り返し、キリトの膝が笑い始めた時、聞きなれないアラームが鳴り響いた。その音源はキリトのメインウインドウであった。
キリトはアイテムウインドウを操作して音の発生源であるメッセージ録音クリスタルを取出し、ソレイユがいるのにも構わずクリスタルをクリックした。そこには今は亡きサチの声が録音されていた。



「・・・・・こんなとこかね」

「「・・・・・・・」」

ソレイユの話した過去に何も言えないアスナとルナ。キリトは何も話さず俯いているだけであった。そんな中、アスナがソレイユに問いかけた。

「・・・・なんで、ソレイユ君は生命の碑の前にいたの?」

その質問にソレイユは何のためらいもなく答えた。

「・・・・・・謝るためだ」

「謝る?」

「ああ・・・・・。申し訳ないな、おれは≪蘇生の結晶石≫を使わない、とね。最初から壊す気満々だったんだよ」

「・・・・・そう、なんだ」

そして、再び沈黙が訪れる。誰もしゃべろうとしない中、ソレイユはドアに向かって歩き出した。

「とりあえず俺は帰るよ。いくぞ、ルナ」

「え・・・・、う、うん。じゃあ、アスナ、キリト君。また明日」

そういいながら部屋から出て行くソレイユとルナ。ルナは先に出て行ったソレイユに早足で追いつき並びながらアルゲートの街道を歩いていく。歩きながらルナはソレイユに問いかけた。

「なんで急に出て行っちゃったの?」

「あの場に俺たちがいないほうがいい気がしたからだよ」

「そっか・・・・」

ソレイユの言葉に一度だけ頷き、それから何も話すことなく転移門に歩いていく。そして、転移門が間近に見えてきたところで不意にルナが口を開いた。

「・・・・・ねえ、ソレイユ」

「うん?」

「ソレイユは、さ。私が死んじゃったら・・・・・どうする?」

ふり向きながら言ったルナの言葉に呆気にとられるソレイユだったが、間をおかず溜息をしてルナの額に凸ピンをした。いきなりのことで反応できずまともに食らってしまい、結構な痛みがあったのか凸ピンをされたところを涙目で押さえながら、ソレイユに涙目になりながら抗議した。

「むぅ~、いきなりひどいよ」

「お前がくだらないこと言うからだろ」

ソレイユはそういうがルナはどこか納得できないものがあるのか、ジト目でソレイユのことを見ていた。そんな視線を向けられたためか、ソレイユは思いっきり溜息を吐き苦笑いをしながら先ほどのルナの質問に答えていく。

「お前が死んだら・・・そうだな。悲しみはするだろうさ・・・・。でも、蘇らそうとはせず、前を向いて歩いていくと思うよ」

ソレイユの言葉にルナはそっか、とだけ答えソレイユの腕に抱きついた。ソレイユは拒否することなく受け入れ、そろって転移門に入っていった。
 
 

 
後書き
何がしたいんだ、私は・・・orz

なんか、もう、すみません。申し訳ないですorz

文才が欲しい・・・
 
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