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『自分:第1章』

作者:零那
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『那月(ナツキ)』


そう、ユウと出逢った時期、それより少しだけ後。
女性施設から逃亡してマサの部屋で出逢い、受け入れて貰えた友達。
その時の友達。
那月(ナツキ)君。
何かと語り合ったり深い話をするのが好きで、お互い『他の子には言わんといてね』って感じで話してた。
立場的には、お互い『男友達』って感覚。

那月が、零那の事を考えてくれて、助けてくれて、今が在る。

那月の存在がなければ、今の自分は無い。
今此の店で働いてなかったら、それこそ、松山道後の泡姫にでもなって、蔓延中のエイズになって死んでたやろうな。

知ってる人が何人かエイズで亡くなった。
当時の道後はエイズの巣窟だったから...。


那月の存在は零那にとって凄く大きい。
18歳からの友達。
お互いに大変な環境だった。
支え合った。
語り合った。
2人にしか解らん何かがあった。
何故か話す度に気が合う。
ユウも理解してくれんことを那月は容易く理解してくれた。
かと言って、お互いに恋心とやらは一切抱かずに、だからこそ『男友達』として良き関係に成れた。

那月には、すごくすごく、感謝してもしきれん位、感謝してる。
馬鹿な零那を見放さずに心配してくれて、馬鹿な悩みを聞いてくれて...ありがとう。

 
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