リメイク版FF3・短編集
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イメージな話
レフィア「……ルーネス、あんたのすっぴん姿って、冬のイメージよね」
ルーネス「へ? 何でだ??」
レフィア「重ね着してて厚着っぽいでしょ。……アルクゥは読書してるイメージ強いから、秋かしらね」
アルクゥ「そんな事云ったらレフィア、君は───やっぱり春?」
ルーネス「じゃあ夏はイングズってか? イメージカラーは赤っぽいけど、暑苦しいヤツじゃないよなー」
イングズ「……どちらかと云うと、レフィアの方が水色のイメージカラー的に初夏のような気もするが」
ルーネス「って事はイングズが春か? 導師のジョブになってピンクっぽい格好なれば、それらしく見えるかもなー?」
イングズ「いや、違う。───春色は女性的なイメージが強いから、やはりレフィアが春だ」
レフィア「あたしは別にどっちでもいいけど……、ルーネスは寒がりな方なわけ?」
ルーネス「そういう訳じゃないけどさ……、アルクゥだってコートみたいなの着てるし、マフラーっぽいのしてるだろ!」
アルクゥ「マフラーというか、スカーフかな? それに僕の場合上着の前開けてるし、ルーネスより厚着じゃないと思うけど」
ルーネス「───それなら上半身茶色のベストだけ着てやるか!?」
アルクゥ「変な感じになるから、やめといた方がいいんじゃないかな……」
レフィア「イメージカラーで云ったらルーネスは紫だから、野菜に例えると───茄子?」
イングズ「るー、ナス。……くくッ」
ルーネス「何1人でツボにハマってんだよイングズ……」
レフィア「アルクゥはアレね! アボカド?」
アルクゥ「それって……、どういうリアクション取ればいいかよく分からないんだけど」
イングズ「アボカド、アルクゥ───アしか合ってないな……」
アルクゥ「イングズ、そこに残念がってどうするのさ」
ルーネス「レフィアはイメージカラーの水色だと食い物思いつかないから、髪色で云ったら───カボチャの中身?」
レフィア「……せめてニンジンにしてよねっ」
アルクゥ「イングズは、黄色と赤のパプリカみたいかな」
ルーネス「てかその髪……、今さらだけど何でいつも追い風受けたみたいなんだ? 向かい風受けてもほとんど後ろに靡かないし───何かで固めてんのか??」
イングズ「……私の髪は生来、追い風しか受け付けないんだ」
ルーネス「そうなのか! よく分からねーけどスッゲ~」
レフィア「真に受けてんじゃないわよおバカ。イングズも意味不明な事云わないでよっ」
イングズ「いや、そのままの意味なんだが─── 」
アルクゥ「いいよねイングズは、僕らより大人っぽくて。声変わりもとっくにしてるし……体付きも男らしいしさ」
レフィア「どうしたのよアルクゥ、今さらイングズにコンプレ抱いてどうするの?」
アルクゥ「光の戦士として暫くやってきて、僕も少しは成長出来たかなーって思ったんだけど……僕今、ジョブ導師でしょ? この格好で村や町に居ると、女の子に見間違われるんだよね……」
ルーネス「そりゃネコミミフード被ったら余計そっちに見えちまうから、被らなきゃいいじゃん」
アルクゥ「ルーネスとイングズは被らずにいられるだろうけど、何故だか僕はどうしても被っちゃうんだ。男らしくないよね、僕─── 」
イングズ「……可愛いならいいじゃないか、それで」
アルクゥ「───え?」
イングズ「アルクゥ、お前は私には無いものを持っている。それはやはり、男子でありながら可愛らしさを維持しているという事だ。───私では、保てなかった」
アルクゥ「イングズ……」
イングズ「自信を持つといいアルクゥ。例えこのまま男らしくならずとも、我々はお前を見放したりはしない。───まして、ムキムキのアルクゥなど想像したくもないだろうレフィア、ルーネス?」
レフィア「まぁ、確かにねぇ……?」
ルーネス「そうかぁ? ───男なら、シックスパック目指そうぜ!」
レフィア「……やだっ、今の顔のままアルクゥとルーネスのマッチョ想像したら可笑しいわ! イングズはそんなに違和感ないけど、あんまりムキムキでも困るわね」
アルクゥ「うん……僕は男らしく在る前に、自分らしく在る事にするよ。ありがとう、イングズ!」
ルーネス「───おれはイングズよりムキムキマッチョになってやる!!」
イングズ「……ルーネス、お前は今のしなやかな体付きのままでいいんじゃないか?」
ルーネス「は? 何でだよっ」
レフィア「そうねぇ、身軽にひょいひょい動いてた方があんたには似合うわよ? シーフも極めた事だし、今は忍者だものねぇ」
ルーネス「ん~、じゃあムキムキはイングズに任せて、おれは身軽なままでいるか!……けどそれ、男らしいか?」
レフィア「義賊としてやってけるんじゃない?」
ルーネス「おぉ、それいいな! で……、義賊って何だ?」
アルクゥ「お金持ちから金品を奪って、貧しい人達に分け与える人の事だよ」
ルーネス「あぁ、なるほど!……じゃあおれ、この旅終わったらサスーン城に忍び込んで、めぼしいモン奪ってやろっかな~」
イングズ「ほう? ───私を前にしてよくそのような口がきけたものだな」
ルーネス「へへ、シーフと忍者で培ったおれの素早さに付いて来れるかよ。重い鎧に身を包んだナイトさま?」
イングズ「面白い………その時が来たら、必ずお前を引っ捕らえてやる」
ルーネス「やれるもんならな~、捕まってもぜってぇ脱獄してやるっ」
イングズ「フ………楽しみが増えたな」
ルーネス「それはこっちのセリフだぜ……!」
レフィア「───光の戦士全うした後にそんな事してどうなのよ、あんた達」
アルクゥ「レフィア! 僕男らしくなれる保証ないけど、この旅終わっても君の傍に居ていい、かな……?!」
レフィア「は……え? アルクゥ、何云ってる訳??」
アルクゥ「あ……ごめん、忘れて今の。あははっ」
END
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