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大陸の妖精

作者:sinの妖精
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潜入



グレイ「どこだよここはよォ!!!」


海のど真ん中からグレイの叫び声が響く


エルザを攫われた夜から一夜が明け、アルトたちは海のど真ん中を小舟で漂流していた



アルト「完全にエルザを見失ったな」


ジュビア「ジュビアたち迷ってしまったんでしょうか?」


ルーシィ「ねぇ・・ナツ、本当にこっちであってるの?」


ナツ「お・・・おお・・おお・・」


ナツは完全に乗り物酔いしていた



グレイ「オメーの鼻を頼りに来たんだぞ!!しっかりしやがれ!!!」


アルト「まぁ、こればっかりは仕方ねえな」


ジュビア「(あぁ、アルト様・・・期待を裏切られたというのに、なんてお優しい・・・/////)」



グレイ「くそっ!!よりによってオレたちがのされてる間にエルザとハッピーがつれてかれたなんてヨ・・・」


アルト「我ながら情けない話だよな・・・」


ジュビア「本当ですね・・エルザさんほどの魔導士がやられてしまうなんて・・・」


グレイ「やられてねえよ、エルザの事知りもしねえくせに・・・」


グレイはジュビアを鋭い目つきで睨みつけて言った


ジュビアの何気ない一言がグレイの気に障ったようだ



ジュビア「ご・・ごめんなさい」


アルト「よせよグレイ、ジュビアに当たるのは筋違いだ」


ルーシィ「グレイ!!落ち着いて!!」


ビクビクと脅えるジュビアを庇うようにアルトとルーシィが荒れるグレイを宥める



ルーシィ「あいつらエルザの昔の仲間って言ってた・・・あたしたちだってエルザの事、ぜんぜんわかってないよ」


ルーシィの言葉にアルトたちは言葉を失う


するとその時、船の針路先に孤島にそびえ立つ高い塔が見える



ルーシィ「あ・・・塔だ!!」


グレイ「あれが楽園の塔か・・・?」


アルト「恐らくそうだろ、とりあえず乗り込もう!」





アルトたちは小舟を孤島に近づけて、上陸する


しばらく歩くと塔に続く階段が見えた、階段にはたくさんの見張りがついている



グレイ「見張りの数が多いな」


ナツ「気にする事ァねえ!!突破だ!!」


アルト「ちょっと待って、ナツ・・・今すぐ出て行くのは危険じゃないか?」


ルーシィ「そうよ、エルザとハッピーが捕まってる・・・ヘタな事したらエルザたちが危険になるのよ」


グレイ「しかも塔らしきものはずっと先の方だ、ここでバレたら分が悪いな」


岩陰に潜み、潜入方法を考えるアルトたち


すると突然、海の水面からジュビアが顔を出す



ジュビア「ジュビアは水中から塔の地下への抜け道を見つけました」


グレイ「本当か!?」


アルト「よっしゃ!ナイスだ、ジュビア!!」


アルトがジュビアを褒めたたえる


すると褒められたジュビアは誇らしげな表情を浮かべ、ルーシィに歩み寄る



ジュビア「アルト様にほめられました、あなたではなくジュビアが・・・です」


ルーシィ「むむっ・・・」


ジュビアの得意げな一言にルーシィは頬を膨らませ、不満げな表情を見せた



アルト「じゃあ、早速行こうぜ!」


ジュビア「水中で10分ほど進みますが、平気でしょうか?」


ナツ「10分くれえ何ともねーよ」


グレイ「だな」



ルーシィ「無理に決まってんでしょ!!!」


ルーシィが反発の声を出す


するとジュビアは手のひらの上に水の球体を作りだした



ジュビア「これをかぶってください、酸素を水で閉じ込めてあるので水中でも息が出来ます」


ナツ「ほぉー、つーかオマエ誰だ?」


そう言いながらもナツは水の球体を頭に被り、水に飛び込む


アルトたちもナツに続くように水の中へ飛び込んだ










アルト「どうやら・・ここがあの塔の地下らしいな」


アルトたちが水面から陸地に上がる



ルーシィ「へー、便利ねコレ・・・マヌケだけど」


そう言ったルーシィは頭に被っていた球体を外す



ジュビア「ルーシィさんだけちょっと小さめに作ったのに、よく息が続きましたね」


ルーシィ「オイオイ!!」



グレイ「塔の地下と分かりゃ話は早い、とっとと乗り込もうぜ」


ルーシィ「エルザとハッピーがこのどこかに・・・」


アルトたちが辺りを見渡していると・・




「何だ貴様等はーーー!!!」


たくさんの見張り兵に見つかってしまった




ルーシィ「やば」


グレイ「ここまで来たらやるしかねえだろ」


ナツ「何だ貴様等はァ・・だと!?上等くれた相手も知らねえのかヨ!!!」


アルト「知らねえなら教えてやるよ!!そんでもって後悔しやがれ!!」




アルト・ナツ「「フェアリーテイルだバカヤロウ!!!!」」



ナツとアルトが叫びながら兵たちが立っていた木材の橋をへし折る


そして、それを手始めにグレイやルーシィたちも戦闘を開始する



ルーシィ「開け!!!巨蟹宮の扉!!!キャンサー!!!」


キャンサー「久しぶりエビ!!」


兵士「ぐあっ!!」




兵士「何だコイツ!?」


兵士「槍が刺さらねえ!!?」


ジュビア「水流斬破(ウォータースライサー)!!!!」


兵士たち「「ぎゃああああ!!!」」




グレイ「アイスメイク 大槌兵(ハンマー)!!」


兵士「ぎゃああ!」


兵士「ぐはっ」


兵士「ぐげぇ!?」




アルト「うおおお!!エルザはどこだぁああ!!」


兵士「がはっ!」


兵士「くそっ・・なんて強さだ!!」


兵士「引くな、数ではこちらの方が有利だ!!」



アルト「邪魔だ退けェ!エストレア・グレイブ!!」


兵士たち「「「ぐぎゃああああああ!!!」」」


アルトたちの猛攻を前に、兵士たちは次々と倒れていく


たった数分で兵士たちはほぼ壊滅状態に陥いった




ナツ「おい!上見ろ!!」


ナツが指差す方向には、上の階へと続く通路が見えた



アルト「あの通路、さっきまで閉じてたぞ」


グレイ「上へ来いってか?」










楽園の塔 最上階


「ジェラール様、一体何を!!?侵入者をひき入れるなんて!!!」


ジェラール「これはゲームだ、奴等はステージをクリアした・・それだけの事」


フードを被った青年はニヤリと笑ってそう言った



ジェラール「面白くなってきやがった、ははは」


「しかし、儀式を早めなくてはいずれ評議院に感づかれますぞ」


ジェラール「ウィダルダス・・まだ そんな事を心配してるのか?止められやしない、評議院のカスどもにはな」










アルト「エルザー!助けに来たぞー!!」


ルーシィ「ちょっと!ここは敵の本陣なんだから、大声出さないの!!」


アルト「も、もがもが(わ、分かった)・・・」


叫ぶアルトの口を手で覆うルーシィ



ナツ「四角ーどこだーーっ!!」


ルーシィ「ナツ・・話聞いてた?」



グレイ「下であれだけハデにやったんだ、今さらこそこそしても仕方ねえだろ」


アルト「気づいてない・・・ってセンは無いよな、流石に・・・」


ジュビア「はい、この扉 誰かが開けたものじゃありません、魔法の力で遠隔操作されています」


ジュビアが通ってきた通路の扉を見ながら言った




アルト「・・という事は完全に気づかれてるってわけか」


ルーシィ「だったら扉を開く意味が余計に分かんないじゃない」


グレイ「挑発してんのか」



アルト「・・・ていうかルーシィ、その服どうしたんだ?」


全員が頭を悩ませる中、アルトがルーシィの服装が先ほどと違っている事に気づく


水着姿ではなく、豪華なドレスを着ていたのだ



ルーシィ「星霊界の服!濡れたままの服着てんのも気持ち悪いし、さっきついでにキャンサーに頼んだの」


得意げな表情のルーシィ



ルーシィ「水になれるジュビアはおいといて、アンタら よく濡れたままの服着てられるわね」


アルト「ナツ、準備いい?」


ナツ「おう!」


グレイ「こうすりゃすぐ乾く」


炎を見に纏ったナツの周りで服を乾かすアルトとグレイ



ルーシィ「あら!!こんな近くに乾燥機が!!!」




「いたぞー!侵入者だー!!」


先ほどと同じ格好をした兵士たちが流れ込むようにアルトたちに押し寄せる



アルト「しつこいなァ!」


ナツ「こりねぇ奴らだな」


それを見たアルトたちは再び戦闘態勢に入る



兵士「ぐほぉ!!」


兵士「がぁっ!!?」


しかし、兵士の大群は一瞬で全滅した


その背後には綺麗な赤髪をなびかせて、自慢の双剣を振っていたエルザが立っていた



アルト「エルザ!!」


ルーシィ「良かった!!無事だったんだね!!!」


ジュビア「か・・・かっこいい」



エルザ「!!」


アルトたちに気づいたエルザがゆっくりと歩み寄る



エルザ「お・・お前たちが何故ここに・・・!?」


 
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