フリージング 新訳
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第間話 To be continued
前書き
最新話。ああ最新話。最新話。
五七五で始まりました、コロモガエシです。今回は、前回と次回のつなぎの回です。
最後が少し、いやかなり雑になっています。すいません。
今回はあの人登場ですよ。
ゼネティックスの独房エリアに、一人の女性が訪れていた。
元ナンバーズ、キム・ユミ教官。英雄である、アオイ・カズハの友人でもあった人物だ。
なぜ彼女がこんな所にいるのかと言うと、ちょっとした事情がある。
「サテライザー・エル・ブリジット。」
それは、この学園での問題児に会うためだ。
牢屋の中には、サテライザーが体育座りをして俯いていた。
ユミの声で、サテライザーは顔を上げる。その眼光は、いつも以上に鋭さを増し、ユナを見据えている。
その目には、屈した様子など微塵も感じられず、力強い光が爛々と輝いていた。
「運が良かったな。カンナヅキ三年生は無事だ。出てもいいぞ。」
どうやら、カズトの証言で相手方に非があることがわかったらしい。
それでも、サテライザーは動かない。
「それから、一つ忠告だ。」
彼女は、サテライザーの目線に合わせる様に、ひざをついた。
そして、何時もの彼女らしくない事を言った。
「もし、貴様が、アオイ・カズトに危害を加えたら、教師ではなく、一人の人間として、貴様を殺してでも報いを受けさせる。覚えておけ。」
そう言って、彼女は立ち上がり、踵を返して歩いていく。
ユミの冷たい言葉に、サテライザーはようやく口を開いた。
「元ナンバーズの実力はそんなに凄いんですか?」
その台詞に、反省の色は全くと言っていいほど無かった。
キム・ユミは、稀に見るいい教師だ。
生徒の相談に乗り、依怙贔屓せず、教え方も上手い、厳しくも、優しい、まさに教師の鏡と言った先生だ。
そんな彼女だが、今の返答には本当の意味で、怒りを覚えた。
「試してみるか…?小娘…?」
その威圧感は、サテライザーやカズトの物とは比べ物にならないものだった。
さすがのサテライザーも、それに気圧されたのか、目をそらして呟く。
「遠慮しておきます………」
勝てないと思ったのだろう。ユミは、そうやって、自分に言い聞かせた。
そうでもしないと、自分の怒りを抑えていられないと、自分でも理解していたのだから。
時を遡って、数時間前。ユミは、友人のエリズの部屋に来ていた。
「一体、どうしたのよエリズ。私は今からサテライザーにお灸を据えに行かなきゃいけないんだけど?」
「それよりも、これを見てよ。」
生徒指導をそんなことと言われたのは、少し癇に障ったが、ユミは言われた通りに、パソコンの画面を見る。
「これは………」
そこにあったのは、アオイ・カズトの個人データ。おそらく、編入の際に取ったのだろう。身長、体重、血液型に、生年月日。いたって普通の内容に思えるだろうが、そのデータには、異常な点があった。
「これは…一体……」
「さすがは、アオイ・カズハの弟くんと言ったところかしらね。にしても驚いたわよ。」
本当は、義理の弟なのだが、そんな事をこの2人が知る由もなく、そのデータに目を見開いて驚いていた。
「骨格の53%が聖痕でできているなんてね。これじゃあ、パンドラと言うよりも………」
エリズはその先の言葉を、口に出す寸前で飲み込んだ。それは、言ってはいけない事だろう。
「カズハは、体に20個以上の聖痕を埋め込む事が出来た、聖痕体と呼ばれる稀有な存在だった。」
「弟くんは、それの男バージョンと言ったところかしらね?」
これは納得だわ。と、エリズは満足したように、コーヒーを啜った。
ユミは、そのデータの信ぴょう性を未だに疑っている。そして、もう一つ。
「エリズ、貴方これどうやって手に入れたわけ?」
「へ?そんなもん、機密情報にアクセスして、ちょいちょいっと。」
「あんた、まだ、やってた訳ね………」
ユミが今回学んだことは、この友人には、未だに苦労させられるという事だ。
******************
高層ビルの並び立つ都会の一角。
そこにノヴァはいた。まるで、特撮番組の怪獣のように、ビルを倒しながら、進んでいく。
ここで、赤と銀の巨人でもくれば、それは最早ただの特撮番組なのだが、これは番組ではない。
来るのは巨人ではなく、ノヴァを倒すために訓練を受けた、パンドラだ。
高層ビルの屋上に、一組の男女が立っていた。
少女は、赤毛のストレートロングヘアで、物静かな雰囲気を醸し出している。
その目は、真っ直ぐにノヴァを見ている。
「レオ、フリージングを頼む。」
彼女は、後ろに控えている年下の少年に言いながら、その両腕に武器を呼び出した。それは、サテライザーや、カズトとは違うタイプのボルトウェポン。トンファーと、刃が一体となったスピードに特化した武器。名を「ディバイン・トラスト」と呼ぶ。
「わかりました。タイムリミットは、2分間です。」
そう言って、少年レオは、赤毛の少女にうやうやしく礼を取る。
「いや…」
少女は、レオに一瞥をくれて、ビルから飛び立った。最後に、自信満々な言葉を口にして。
「40秒で充分だ。」
そこから先は、圧倒的だった。レオがノヴァから放たれるフリージングを中和し、少女が加速を使ってその距離を一気に詰め、そのコアを露出させる。
「テンペスト。」
その呟きと共に、彼女の姿が3つに分身する。
これが、アクセルターンに並ぶハイエンドスキルの一つ。テンペストターンだ。
これは、アクセルターンとは違い、体にかかる負荷を速度ではなく、攻撃回数に変えるもの。
故に、この勝負の決着が付くのは、
「「「ハァッ!」」」
一瞬である。
三方向からの刃が同時にノヴァのコアを切り刻んだ。
彼女の名は、ウエストゼネティックス学園3年ランキング7位。
イングリット・バーンシュタイン
後書き
イングリット先輩は、何気に好きなキャラだったりします。もちろんハーレムに加えますよ?
アンケート、まだまだやってます!
とか言ってるうちに新アンケート!
カズトに言ってほしい台詞!例えば
「その幻想をぶち殺す!」とか、何でもいいです!オリジナルでも構いません!アンケートに協力してくれた方の意見は、酷すぎない限り採用させていただきます!
どうか作者に救いの手を!
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