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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0864話

 合成タンパク生成プラント。それは、マブラヴ世界の食糧の大部分を占めると言ってもいい合成食を作り出すのに必須の代物だ。
 オーストラリアや北米、南米、アフリカといったBETAとの最前線ではない国々は必死に食料を生産しており、更に最近では俺達シャドウミラーと接触した事もあって色々な世界から食料品を輸出してはいるが、それでもまだまだマブラヴ世界の住人全てに行き渡る訳にはいかない以上、当然合成食がメインになるのはしょうがない。
 つまり、このマヴラヴ世界を支えているといってもいいのが合成食を作り出す材料でもある合成タンパク生成プラントなのだ。
 そんなプラントの1つ、日本と北米の丁度中間辺りにある太平洋上の洋上プラントへと俺はやって来ていた。
 勿論俺だけではない。シャドウミラーの技術班代表としてレモンとマリュー、それ以外にも幾人かの技術者が、そしてマクロス世界のミュートスのL.A.I本社からはルカを始めとして、こちらも何人かの技術者が訪れている。
 それと護衛としてEX-ギアを身につけているアルトも。

「へぇ、これがこの世界の合成タンパク生成プラントですか」

 ルカが施設の上で感心したように呟く。
 マクロス世界のものと比べれば、技術的には色々と未熟なのだろう。だが、それでも……この1997年という時代にこれ程の物を作り上げたのは驚嘆に値するといった様子だ。

「ええ。このプラントは私達の世界の、文字通りの意味で命綱なんです。もしもこのプラントがなければ、恐らく今頃地球の人口は半分……いえ、4分の1にまで減っていたかもしれません。ですが……その、何と言うか味が、ですね」
「ええ、分かります。僕達の世界でも最初はその辺に苦労したという話を聞いた事がありますし。アクセル君……いえ、アクセル代表経由で受けた依頼である以上、しっかりと結果は出してみせますよ」

 プラント内部に俺達を案内していた、国連から派遣された職員は俺の方へと視線を向ける。
 まぁ、気持ちは分からないでもない。幾ら能力があるとは言っても、ルカの容姿を考えればな。

「大丈夫だ。技術力に関しては間違いなくこの世界の遙か先をいっているのは、俺が保証する。このプラントで作られる合成タンパク質の味がよくなれば、戦術機パイロットの士気も上がるのは間違いない。安心して任せてくれ」
「ええ、勿論ですとも。シャドウミラーの方の推薦があるのですから……」

 俺が見てもよく分からない、色々と大袈裟な施設が稼働している中で頭を掻きながら男は頷く。
 その様子を見ていたアルトが若干不愉快そうな表情を浮かべたが、すぐにその表情を消す。
 護衛として相応しくないと思ったのだろう。
 ……少し見ない間に、随分とアルトも成長しているな。これもトップアイドルのランカと付き合っている影響か?
 ともあれ、国連職員の言葉に小さく苦笑を浮かべたルカは、早速とばかりに口を開く。

「どこか部屋を1つ用意して貰えませんか? 取りあえずどこまで効率化出来るか、そしてプラントの性能を改良出来るかを話し合ってみたいと思いますので。……構いませんか?」

 チラリ、とレモンに視線を向けて尋ねるルカに、レモンは頷く。

「ええ。合成食関係に関しては、私達は殆どノータッチだしね。キブツがある限りそっち関係の技術には手を出していなかったから」
「あー、それは確かに。元素変換装置があれば食事に関してはそれ程心配しなくてもいいですしね。いえ、それ以外にも色々と……」
「そうね。他にもアクセルの空間倉庫があって、そこには大量に食料の類が入っているし」

 俺が何度か空間倉庫から食べ物や飲み物を出しているのを知っているルカや、はたまたその会話を聞いていたアルトまでもが俺へと複雑な視線を向ける。
 ……ちなみにだが。EX-ギアを身につけていざという時に備えているアルトだが、その本領とも言うべきVF-25Fに関しては今話題になった空間倉庫の中に収納済みだ。

「さすがシャドウミラーの代表、凄いですね」

 国連職員のおべっかに小さく肩を竦めて返し、俺達はプラント内部にある会議室へと案内される。
 そしてテーブルの上に広げられる幾つかの料理。
 ソテーや煮込み、スープといった簡単なシーフード料理が並んでいる。ただし、全く同じ料理が2つずつ、だ。

「右側が合成食を使って作られた料理で、左側がこの近海で取れた海産物を使って作られた料理です」
「へぇ。こうしてみる限り、外見と匂いに関してはかなりレベルが高いですね」

 ルカの感心したような声。
 ちなみにだが、ユーラシア大陸の近海で取れる海産物はBETAの戦いで多用されているアンチ・レーザー弾、通称AL弾による重金属雲の影響で汚染されている。その為にそのままでは食用に出来ず、精製工場で重金属を回収した後に合成食として出荷されるとか。この辺は先程の国連職員からそう説明された。
 ただし、この汚染された海産物で作られた合成食が難民キャンプに優先的に配給されているという噂もあるらしいが、それに関しては全くの出鱈目らしい。……真実はどうか分からないが、少なくても国連職員は本気でそう信じているように見えた。
 それはともかく、現在俺達の前にある料理に使用された海産物はAL弾頭の使用が禁止されているこの近辺で取れたもので、特に何もしなくても食べられる超が付く高級食材らしい。
 実際、そういう意味では豪華極まりない料理だし、プラントの職員ってのは天然物を食えるという意味ではかなり競争率が高いよな。

「へぇ。……じゃあ、まずは味を比べてみますね」

 そう告げ、ルカや他のL.A.Iの技術者達が合成食を口へと運び……

『っ!?』

 皆が揃って同じような驚愕の表情を浮かべる。
 それを見て、分かる……と納得の表情を浮かべているのはマリュー。実際にその身で味わったからこそ、合成食がどのような味なのか分かるのだろう。
 それでも吐き出さなかったのはさすがと言えるだろう。移民船団出身故に、食べ物の大切さは身体に染みついているといったところか。

「こ、これは……また、随分と……確かに味を改良したくなると言うのは分かります」

 口元を押さえ、コップの水で半ば無理矢理に飲み込みながらルカが告げる。

「ええ、まぁ。勿論もう少し味を重視する事も出来るのですが、そうなると今度は合成食の量を確保出来なくなってしまうので……その辺の改良をお願いできればと、私達国連がオーストラリア政府を経由してシャドウミラーに依頼をした訳です」
「……分かりました。僕としても地球の食べ物がこんな風になっているのは見るのに忍びないですし、なるべく低コストでどうにか出来ないかを少し考えてみます」
「ええ、そうして貰えれば」

 つい先程の、年齢を理由にした不安な表情はすっかり消え失せ、国連の職員は満面の笑みを浮かべて頷く。
 そこから早速このプラントの技術者を交えてレモンやルカ達の間で技術的な話が始まったのを見て、俺はアルトへと近づいていく。

「ほら、こうなってしまえば俺達の出番はもうないからな。暫くゆっくり待つとするか」

 その言葉と共に渡された紙パックのリンゴジュース。
 EX-ギアを身につけたままにも関わらず、全く危なげない様子で紙パックに付いているストローを取り、飲み口へと刺して口へと持っていく。

「ああ、悪いな。……にしても、こうしてアクセルを見ているとやっぱりどこか違和感があるな」
「そうか?」
「俺の知っているアクセルは同い年くらいのアクセルだからな。それが、こうしてオズマ隊長と同年代となると……」

 アルトの言葉通り、今の俺は20代の姿だ。
 と言うか、マブラヴ世界で10代半ばの少年バージョン、あるいは10歳くらいの幼児バージョンを見せるつもりはない。色々な意味で余裕の無い世界だから、冗談を冗談と受け取られない可能性が高いしな。

「けど、今までだって色々とこの姿でいたことはあっただろ?」
「それは、お前がシャドウミラーに戻ってからだろ。実際に俺達と接していた時の年齢は俺達と大して変わらなかった筈だ」
「……そうだったか?」

 いや、考えてみればそうだったか。

「それよりも、この世界……空はあるのに自由に飛べないんだな」

 部屋の窓から外を見上げ、アルトが残念そうに呟く。

「まぁな。光線級っていうレーザーを放つBETAがいて、この世界の戦闘機とかだと飛んでいるのを見つかった瞬間に撃墜されるらしい。もっともレーザーの威力自体はかなり弱いから、お前用に持ってきたVF-25Fのエネルギー転換装甲ならずっと同じ場所にいて延々とレーザーの集中照射を受けない限りは大丈夫だと思うけどな。……飛ぶか?」

 空を飛ぶという行為に、憧れすら抱いているアルトだ。当然飛ぶのかとばかり思っていたが……

「いや、やめとく。俺は今回ルカを始めとしたL.A.Iの技術者達の護衛としてやってきたんだし。正直、飛びたいって気持ちはあるけど、この世界でいらない騒動を引き起こしたくはないよ」
「へぇ……」
「何だよ?」

 思わず感心の声を口にすると、それが気に入らなかったのかアルトがジトリとした視線を向けてくる。

「いや、何でも……」

 何でもない。そう口にしようとして、動きを止める。
 言葉を途中で止めた俺に不思議そうな視線を向けるアルトだが、俺の気配が変化したのを察知したのだろう。特に口を出さずに周囲を注意深く見回す。
 そんなアルトを見ながら、俺もまた同様に気配を探る。今、微かに……ほんの微かにだが聞こえたのは銃声か? 混沌精霊である俺だからこそ聞こえたんだと思うが、恐らくは間違いない。
 サメか何かがプラントに近づいてきて、それに向かって銃を撃った? いや、まさか。そもそもそういう場合なら銛を撃つような水中銃がある。
 それ以前に、サメとはいってもこのマブラヴ世界で生き物を面白半分に殺すような事は普通しないし、出来ない。
 となると……

「アルト、EX-ギアのチェックをしておけ」
「おい、まさか……」
「一応念の為だ。だが、何かあったのならいざという時に行動はすぐに起こせる方がいい」

 それだけを短く返し、技術的な話をしているレモン達の方へと近づいていく。
 そんな俺に気が付いたのか、マリュー共々不思議そうな表情を向け、だがすぐに俺の様子に気が付いたのだろう。真剣な表情を浮かべる。
 この辺、一緒に暮らしているからこその機微という訳か。
 そして、次にルカが気が付く。

「アクセル君?」
「緊急事態……かもしれない状況だ。何が起こってもいいように、すぐに準備しろ」
「それは一体……? まさかBETAがここに!?」

 俺の言葉を聞いた国連の職員がそんな風に驚愕の声を漏らすが、それに首を横に振る。

「いや、聞こえた銃声は1発だけだ。悲鳴の類も聞こえないし、寧ろ殺気が……」

 そんな風に話していると、案の定この会議室に向かって走ってくる複数の足音。
 一瞬このプラントの護衛かとも思ったが、放たれているのは紛れもない殺気だ。それこそ、全てを皆殺しにしてしまえとでもいうような、そんな殺気。
 だが……俺がここにいる時に行動を起こしたのはミスだったな。
 いや、あるいは俺達がこのプラントに来たからこそ行動を起こしたのか?
 そうである場合、俺も随分と甘く見られたものだ。

「下がってろ」

 近づいてくる殺気に、空間倉庫から取り出したOGs世界でシャドウミラーと合流するまでに放ろうしていた時に入手したサブマシンガンを取り出す。
 そして乱暴に会議室の扉が開かれた瞬間……それに合わせてトリガーを引く。
 耳をつんざくような音が響き、扉を開けて部屋に入ろうとした男達へと弾丸の雨を浴びせる。

「なっ!? くそっ!」

 集団の先頭で入ってきた者達は数秒と掛からずに物言わぬ骸へと姿を変えたが、扉の影になっている位置に声の主を入れてまだ3人程の気配。
 そのまま腕を白炎にして虎と獅子の炎獣を作りだして放つ。

『GAAAAAAAAA!』

 そんな雄叫びを上げながら扉の外へと出て行くと、次の瞬間には扉の影に隠れていた3人が部屋の中へと入ってくる。
 本来であれば通路を逃げていったんだろうが、通路を炎獣2匹に押さえられては、既にどうしようもなかったのだろう。
 そのまま身体中を火傷している男達をあっさりと気絶させていき、最後の1人へと手を伸ばした瞬間、床に倒れていた男はガバリと起き上がる。

「神の試練を冒涜する悪魔よ! 神より下されし天罰を受けよ!」

 その言葉と共に、手に持っている何かのスイッチを押そうとしたのを見た瞬間、俺は口を開く。

「加速」

 精神コマンドの加速と、瞬動の同時使用。次の瞬間には俺の姿は男の後ろにあった。
 男の握っていたスイッチをその手に持ちながら。

「取りあえずお前は眠ってろ」

 呟き、首の裏に手刀を入れて気を失わせる。

「……さて」

 そこまででようやく我に返ったのか、顔を蒼白にしながら案内役の国連職員がこっちに近づいてきた。

「そんな、なんでこんな……」
「キリスト教の恭順派、だな?」

 その問い掛けに、国連の職員は顔を引き攣らせたまま頷く。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:55
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1120 
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