ドリトル先生と学園の動物達
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第二幕その四
「草、硬いものでも噛んで潰す」
「最初は切ってね」
「そうしてじっくりと噛むから」
「かなり強いのじゃ」
「自分で言うのも何だけれどね」
「僕達の歯は強いよ」
二頭が三つのお口で言います、オシツオサレツのその二つの前後の頭のそれぞれのお口も喋っています。
「それがわし等の歯じゃ」
「草食動物のね」
「それだよ」
「うん、皆の歯のことはわかっているつもりだよ」
先生も応えます。
「僕にしてもね」
「そうだね、それじゃあね」
「動物園に行っても大丈夫だね」
「動物の皆の歯のことがわかっているから」
「だからね」
「一通り頭の中に入っているつもりだから」
こうも言う先生でした。
「だからね」
「それじゃあ」
「今回も」
「絶対に大丈夫とか。慢心はしないけれど」
それでもだというのです。
「知識はあるつもりだからね」
「そのことは大きいよね」
「皆の歯の仕組みがわかっているってことは」
「うん、皆の歯も診ているしね」
今ここにいる動物の皆のそれもです。
「だからね」
「僕達も助けさせてもらうけれど」
「先生、動物園の皆の歯もね」
「治療してあげてね」
「そうして助けてあげてね」
「是非そうさせてもらうからね」
動物達からもお願いするのでした、こうして先生は動物園や水族館の動物達の歯を診ることになりました。
その先生が大学に出勤して研究室に入りますと王子が執事さんと一緒に研究室にやって来ました、そうして動物園のお話を聞いて言いました。
「先生らしいお仕事だね」
「動物達を助けることがだね」
「うん、先生らしいよ」
こう先生に言うのでした。
「本当にね」
「そうだね、僕もそう思うし」
「トミー達にも言われたんだね」
「頑張ってくれってね」
「それでトミーと皆もだよね」
「手伝ってくれるよ」
そのお仕事をというのです。
「そのことを約束してくれたよ」
「じゃあそろそろ来るかな」
「いや、今日はこれから講義があってね」
「それでその後だね」
「検診は十一時からだから」
「その時にだね」
「うん、皆来るよ」
トミーも皆もというのです。
「そう時間を決めたよ」
「そうなんだね、じゃあ午前はその検診の後で御飯を食べて」
「午後にまた講義があるからね」
「それが終わってまた」
「うん、検診だよ」
そうなっているというのです。
「暫く続けるよ」
「わかったよ、じゃあ僕もね」
「王子もだね」
「僕はそっちの知識は疎いけれど」
動物の歯のことはです。
「それでも出来ることがある筈だから」
「王子も手伝ってくれるんだ」
「そうさせてもらうよ」
笑顔で先生に言うのでした。
「だから一緒に頑張ろうね」
「それは有難いね。ただね」
「ただ?」
「いや、王子は随分と身体を動かすね」
肉体労働をするというのです。
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