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フリージング 新訳

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第8話 Accelerating Turn 3

 
前書き
感想きたら更新って言ったな。
ありゃ嘘だ。

一回やってみたかった言い回しです

とりあえず、3話目です!
うまくいけば、一月の間に、もう一話……いけるかな?って感じです。
コロモガエシは感想がこなくて寂しいですよ。

批判でも、なんでも構いません。
ただ、意見が欲しいです! 

 
刃がぶつかり合う。火花が散る。
サテライザー先輩のノヴァブラッドが、ビッチ…いや、カンナヅキ先輩のボルトウェポン、ホーミングダガーがお互いを削り合う。
あの先輩は、ただのビッチだと思っていた俺の見解は、大きく外れた。
三年生と言うだけあって、その力は半端なものでない。

無数のダガーを操り、じわじわとサテライザー先輩のノヴァブラッドを削っていく。この場合は、カンナヅキ先輩の方が有利だ。何本でも生み出せ、かつ、サテライザー先輩が弾いている間にストックを作れる。

これではジリ貧だ。ノヴァブラッドが折れる、もしくは手から離れた瞬間に、無数のダガーが襲いかかるだろう。

「先輩!」

俺は、二人の間に入って止めようとしたが、サテライザー先輩の目を見たときに、憚られた。

劣勢の人間の目では無かったのだ。
力強い、戦士の目。
そこには、諦めるという考えも、負けるという未来もまったく無いといった眼だ。

その証拠に、先輩の姿が、“消えた”。

いや、正確に言えばわ消えたと錯覚させるほどの速さでカンナヅキ先輩の背後に回ったのだ。ギリギリ、目で追うことはできたが、それでもギリギリだ。

ブレードを振りかぶり、先輩は一気にそれを叩きつけた‼︎

「っ‼︎」

だが、彼女が叩き壊したのは、カンナヅキ先輩ではなく、コンクリートの地面だ。

「へぇ。アクセルが使えるんだ。二年生なのにやるじゃない。」

そして、サテライザー先輩の背後には、カンナヅキ先輩がいた。

それはどういう事か?

彼女は今、サテライザー先輩と同じ、いや、それ以上の速さで移動したのだ。

アクセル、と彼女は今言っていた。

その時だ。昔の記憶が蘇る。姉さんが生きていた頃に、あの速度を見たことがある。

あの人が休みの日には、俺を相手に練習していた。

アクセル・ターン。アオイ・カズハが生み出した、対ノヴァ用のハイエンドスキル。

みたいなものだったような、そうでないような……………

とかやってる内に、サテライザー先輩とカンナヅキ先輩の刃がまたしてもぶつかり合う。
カンナヅキ先輩は、ホーミングダガーを先ほどのように何本も精製しているのではなく、二本のダガーを両手に一本ずつ持ち、アクセルを使いながらぶつかり合う。

常人には見えない速度だろう。
だが、闘っているということは解る。
地面は抉れ、大気は震え、殺気が迸る。
それだけでも、闘っているという事実は明白だった。

だが、その闘いが、俺にはかろうじてだが見えていた。
一見、優勢に見えるのはカンナヅキ先輩だが、徐々に焦りが見え始める。

いや、焦りと言うよりは恐怖だろう。
最初こそサテライザー先輩より速かったが、だんだんとその速度に彼女は追いついていく。

そして、遂に………

スパァン!と、短い音が響く。
その直後に、二人の姿がハッキリと見える。お互いに背を向けたまま、振り返りはしない。
そして、先輩の頬に一筋の傷ができた。
それは、サテライザー先輩の、ではない。

「っああああああああああ‼︎‼︎‼︎」

カンナヅキ・ミヤビの頬にだ。
絶叫を上げながら、彼女は地面に座り込む。たった一筋の傷でも、彼女には許せないほど大きな意味を持つ傷なのだろう。
その絶叫は、次第に笑い声へと変わる。

「やってくれるじゃないの……いいわ…本気でやってあげる!」

カンナヅキ先輩が何か合図を出した。
それと同時に、俺の行く手を塞いでいた取り巻きどもが、一斉に右手を翳す。
嫌な予感が走った。

『フリージング!』

その瞬間、俺の体に異常が起きる。

「っが⁉︎」

重いのだ。なんとか、膝をつくことは免れたが、動けない。地面には、ひし形のタイルが敷き詰められており、それがまるで俺を縛り付けるかのように脚にも張り付いている。

「な……んだよ、これ!」

フリージングと、奴らは言っていた。
おそらく、これがリミッターとしての役割なのだろう。ノヴァを拘束するためのリミッターに与えられた技術。
それをパンドラに使うなよ……

逃れようとするが、不可能だ。体が動かない。
それは、サテライザー先輩も、同じだった。

「くっ‼︎」
「ほぉら、なにボサッとしてるの?」

フリージングの拘束によって、サテライザー先輩はアクセルを使えていない。
だが、あのリミッター達と契約まがいのことをしているカンナヅキ先輩は、いくらでも使えるのだ。

これではサテライザー先輩にとって、部が悪すぎる。
だが、それでも彼女はその刃を弾き、戦線から離脱しようとする。
それは正しい判断だ。フリージングが完全ではないこのタイミングに逃げるのは、正しい。

だが、一歩遅かった。先ほどよりも、体にかかる負荷が倍化したのだ。

「くぁっ………!」

サテライザー先輩が離脱しそうな姿に安堵したのか、脚から力が抜け、その場に倒れこんだ。

大丈夫。先輩が行ってくれれば、後は逃げればいい。

だから、少し目を瞑っても………

「手を‼︎」

え?

ふらりと、閉じかけていた瞼をあげると、サテライザー先輩が俺へと手を伸ばしていた。

接触禁止の謳い文句は何処へやら……

その姿は、やはり、姉さんに、酷似していた。

「早く‼︎」

ふらりと手をあげる。

だが……

「グァァ‼︎」

半歩遅かった。俺たちに、フリージングが完全に掛かってしまったのだ。

「あらぁ?なに、もう動けないわ…け!」
「ガハッ!」

カンナヅキ先輩が、フリージングによって動けないサテライザー先輩の腹を蹴り上げた!
なんでこの学校ってやりすぎな人が多いんだ‼︎

「おいこらビッチ‼︎」

ビッチという単語に反応し、カンナヅキ先輩が顔を引きつらせながら、顔をこちらに向けた。
その顔は、怒りに染まっている。

「そういえば、貴方にも礼をしてなかったわねぇ……」

その時、ドゴォッ!と、俺の腹に衝撃が走った。
先輩ではない。取り巻きの蹴りだ。

「この……クソどもが……」

腹を抑えながら、罵声を浴びせるが、奴らは気にも留めていない。

「そういえば、サテライザー。あんた、まだ洗礼もしてないんだっけ?」

そう言うと、サテライザー先輩を無理やり立たせた。
そして、その胸元の服を破りさる。

「っ………‼︎」
「ふふ、それじゃあ、少し遊びましょうか?」

カンナヅキ先輩が彼女に手を伸ばそうとした、その時だ。

何かが、俺の中でキレた。

フリージングを受けた体は、普通の人間では、解除することは不可能だ。

だが、

「おい……………」

もしも、それが化け物だったら?
答えは簡単だ。

「邪魔だ。」

蹴り上げてきた脚を掴み、後方に投げ飛ばす。もう、こいつらに加減などは考えない。

フリージングが解かれたことに驚いているのか、他の奴らは動きもしない。

「離れろよ……」

グラディウスを呼び出し、二人の元へと歩く。
その剣には、昨日と違うところなどないが、相違点は俺の腕にある。

昨日は、その腕は剥き出しで、何も変わらなかった。
だが、今は違う。

俺の右腕には、手から肘にかけて、グラディウスと同系統の装飾が施された籠手が現れている。

違和感は無い。

ただ、昨日や、今までよりも、どこかシックリくる。

「今すぐに、その汚ねえ手を…」

加減など必要ない。

過去に何があろうと、未来に何が起ころうと、知ったことではない。

「先輩から離せって言ったんだ聞こえねえのかこの三下‼︎」

ただ、目の前の敵を、倒すのみ……
 
 

 
後書き
カズトvsカンナヅキ先輩まで行くと言ったな。
あれも嘘だ。
申し訳ありません……次回こそ、必ず行きますので……
さて、お久しぶりのアンケート!
その一、カズトには、ハイエンドスキルを使わせるか否か…そして、使うならアクセルとテンペスト、何方を極めるか……
その二、ハーレムに入れて欲しいキャラ。因みに、サテラ先輩と、ラナは言わずもがな、キャシー先輩、ホーリー先輩、あと、ヒイラギさんは決まってます。
では、アンケートにご協力していただければ、嬉しいです! 
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