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ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~

作者:村雲恭夜
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ライジング:業焔と轟焔

「あー、見つかんねぇなぁ……っと」
あの飛竜乗りとの戦闘の後、俺とユリアはようやくセントラル・カセドラル内部に侵入し、カメレオンシーフを続行したまま隠れ身を行い、現在武器庫内を暗くした状態で、俺の剣を捜索していた。と言うか……
「武具多すぎだろ……」
「噂によれば、最高司祭様の命によって神器級の武具を回収してるって、聞いたこと在ります」
ドラグバイザーツバイのバーニングセイバーの炎で辺りを明るくさせながらユリアが言う。……最高司祭ねぇ。
「ま、さっさと探して登るしかねぇ。ここで足踏みしてらんねぇんだからよ」
「……とは言いますけど、あらかた全て探しましたよ?」
「いやいや、俺の剣は少なくとも神器級の剣だ。ここに保管されてる筈……」
俺は扉の方に足を進めると、
「……あ、在った」
俺の目の前に、深紅と黒の剣が現れた。その隣には、黒と氷色の剣。恐らく、キリトとユージオの所有する剣だ。
「……時々凄いですよね、ライトさん」
「マグレだよ……さ、行こうぜ」
俺は剣を新しく手に入れたあっちの世界で言うジンオウαに似た鎧に吊るし、扉を開けようとすると。
ゴンッ!
「っう~~~~~!!」
「やべっ、人か!?……ってライトか」
「ライトか、じゃねぇよドアホ!!」
蹴りをキリトに食らわす。キリトは吹っ飛んで壁に激突。
「あーあ……ゴメン、キリトが」
その隣からユージオが現れる。良心だな、お前。
「……ホレ、お前らの剣」
俺は横からユージオ達の剣を出して渡す。
「ありがとうございます!」
「後、服もそんなかに在るから、適当なもん着てけ。そんなんじゃ先は無理だろ」
俺は言うと、ユージオはキリトを引っ張って中に入る。
そして、着替えて出てくると、俺は言う。
「取り合えず、俺らもこの先に用が在るから同伴させてもらうぞ」
「ライトもか?別に良いけど……武装完全支配術は使えんのか?」
「……俺を誰だと思ってやがる。天才プログラマー様だぞ?神聖術の暗記や、術式構築なんざお手の物なんだよ」
俺が言うと、剣を抜いて回転して振るう。
ドガガッ!
弾いたのは矢。目の前の大階段の前には、赤い鎧を纏い、身の丈程ある長弓に新たな矢をつがえようとしていた。同時に四本。恐らく、薔薇園で対抗した整合騎士。
「……話の途中で、攻撃は無いんじゃ無いかな、整合騎士。名を名乗りな」
「……我は、デュソルバード・シンセシス・セブン。この弓の名は<織焔弓>」
途端、ユージオが息を止めた。
「デュソル……バード?あんたが……あの時の……?」
すぐに矢を放とうとするモーションを見て、ユージオを抱えて言う。
「回避!」
幸い、その一言で理解したのか、キリト達は矢が放たれた瞬間に回避する。
「ユージオ、ボサッとすんな!!」
俺は叱咤すると、ユージオを置いて前を見る。
すると、デュソルバード・シンセシス・セブンが、背の矢三十本を一挙につがえ始めた。
「チィッ!システム・コール!」
俺はすぐに前に出て叫ぶ。
キリトとユリアがすぐに避けると、矢が俺に降り注ぐ。
「ーーーエンハンス・アーマメント!」
途端、ソルブレイズの刀身に紅蓮の焔が纏う。元は太陽。太陽の焔。
「セアッ!!」
それで剣を構えると、剣がライトエフェクトを発生させる。
片手剣重単発<ヴォーパル・ブレイク>。
刀身が二倍、いや四倍になったヴォーパル・ブレイクは矢を飲み込み、食らい尽くす。そして、それと同時に。
「ーーーエンハンス・アーマメント!」
デュソルバード・シンセシス・セブンが武装完全支配術を行使した。
二本の弦の先端に橙色の炎が灯り、やがて弦を燃やし尽くし、そして、弓全体に真紅の火炎が巻き上がった。
「奇しくも同じ属性って訳か!」
「たわけ!咎人の炎と同一にするな!」
途端、矢を放つモーションを取り、俺は悟る。
「……無制限行使って訳か」
「貫けぇい!」
火竜の吐息を思わせる衝撃音を轟かせ、炎の矢が……いや、槍と言うべき劫火の塊が放たれた。
「ライト!!」
「ライトさん!!」
キリトとユリアが叫ぶ。
だが、俺を誰だと思っている?
「……地獄の焔を相棒から嫌って言うほどこちとら食らってんだ!ちゃちな炎なんざ怖くねぇよ!!」
俺は剣に心の意思を乗せて、叫ぶ。
「弾ぜろ!深紅の劫火!<深紅撃(スカーレッドストライク)>!!」
ダークが言う、心意技。
俺は暫く奴と共に心意を練習していた。
『大事なのは、心。心の強さこそ、最大の力だ』
ダークがある人から教わった事だと言う。
ならば、人格で在った奴が出来て、本体である俺が……
「出来ないと言う事はないっ!!」
炎の槍から、炎の猛禽、火焔鳥となったそれは、俺を飲み込まんと猛然と襲い掛かる。
しかし、俺の放った紅蓮の槍は獣……紅蓮狼(グレンロウ)となって真正面から火焔鳥と衝突した。
「くっ……!」
「舐める小僧!」
火力が更に増加し、紅蓮狼が押されていく。
「負ける……かぁ……っ!!」
心意を最大にして、押し返しを図る。
「頑張れ、紅蓮狼……!」
突きを繰り出している手は、既に焔に包まれている。
鎧にまでは干渉はしていないが、何れは溶解する可能性は有る。……ならば。
「駆れ、紅蓮狼!!」
もう一つの剣、スレイブキラーを逆手に抜くと、投げ、待機させていた武装完全支配術をいい放つ。
「エンハンス・アーマメント!飛翔せよ、漆黒鳥(シッコクチョウ)!!」
それは黒い鴉となって紅蓮狼と共に火焔鳥を押し返す。
「なっ……同時に、しかも神器級を武装完全支配術で強化するだと……!?」
デュソルバード・シンセシス・セブンは驚くが、すぐに更に火力を上げる。
「……待ってたぜ、その時を!」
ソルブレイズを紅蓮狼に投げ、俺は先程使えるようになったギャレンラウザーから、カードを覚醒させる。
『DROP FIRE GEMINI BAANIGDLIBAID』
「セァッ!」
上空にジャンプし、分身すると、宙返りをし、紅蓮狼、漆黒鳥に飛び蹴りを、正確には、その元となった剣の底を蹴った。
「ぬおおっ!?」
勢い付いた紅蓮狼と漆黒鳥は火焔鳥を食い破り、階段に突き刺さる。
『DROP FIRE GEMINI BAANIGDLIBAID』
「オオオオッ!!」
今度こそ、空中に飛んで分身、宙返りをして、デュソルバード・シンセシス・セブンに、
「「ハァアアアアッ!!」」
必殺技、バーニングティバイドを放った。
「グハッ!!」
デュソルバード・シンセシス・セブンは地面に思いっきり叩き付けられると、動かなくなった。
「……おーい」
ツンツン。反応がない、ただの屍の様だ。……多分。
「……よし、行こうぜ♪」
キラン、と何時もはしないスマイルでキリト達を見た。
「イヤイヤイヤ!?」
「まず情報とか聞き出す方が先決だよ!?」
「ライトさん本気出しすぎですっ!!」
三人から同時に怒られた。
「……チッ、すんなりとは行かないか」
『当たり前だ!!』
俺はそれを聞くと、溜め息を付いて、仕方無くハートスート、唯一回復能力のあるキャメルリカバーを使うと、俺はその場を離れた。
途端、デュソルバード・シンセシス・セブンとユージオの言い争いが聞こえ、そこにキリトとユリアが参戦。
暫くは言い争いが続いたりしていたが、一応の収束を感じとったので戻る。
「何だってー?」
「五十層に複数の整合騎士が居るってさ」
「……うわ、そりゃ面倒だわ。ユリア、頼むわ」
「ロイヤルストレートフラッシュで広域攻撃可能ですよねライトさん!?」
「言ったろ、面倒だって」
「私のファイナルベントも使い勝手悪いです!!それにライトさんみたく神器在りませんから武装完全支配術使えませんし!!」
「んー、じゃ、スレイブキラーを」
「嫌がらせですか!?」
「……言い争いしてるところ、悪いんだけど」
「……そろそろ進もうぜ」
ユージオとキリトの言葉にハッとし、俺は刺さった剣を抜いて、ユリアはドラグバイザーツバイを腰に付けて、キリト達の後を追った。 
 

 
後書き
……ライトさんや、アンタ本当に大丈夫か?頭。
ライト「バーニングディバイドの事か?」
飛び蹴りに転換するとか、ライトニングブラストかいっちゅうねん。
と、言うわけで今回はライトの物理的な攻撃ばかりの回でした。最近、キリットさんが仕事をしてくれません。
キリット「……だな。どこぞの俺みたくチートなら良いんじゃねぇの?」
……そしたらね、あーたライトの物理的な攻撃を使えないでしょうに。
キリット「なんだそりゃ!!」
ライト「まぁ何だ。頑張って行けよ、キリット(笑)」
キリット(笑)「オイコラァアアアッ!!(笑)って何だぁあああああ!!」
え。(恥)の方が好きな方ですか?
キリット(恥)「好きじゃねぇ!!つか変えられたぁあああああああっ!!」
ライト「……プッ」
キリット(恥)「……何時か、何時か殺してやる………!」
無理っすね。ライトに勝てる奴なんざ同じチートでなければ。その分、ライト(漆黒)は、いい勝負。逆にアルマさんたちとは……無理です、勝てませんね。神でも。一応、ダークより弱い設定です。主人公、哀れ(笑)。
ライト(笑)「オイコラァアアアッ!!つか(笑)付けられたァアアアッ!!」
キリット(恥)「ドンマイ♪」
ライト(笑)「てんめぇええええええっ!!キリット(恥)表出ろ!!」
キリット(恥)「別に良いぞライト(笑)」
それとも、一票の方が良いか。
一票「止めろォオオオオッ」
では、次回もお楽しみに! 
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