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小説小ネタ倉庫

作者:龍牙
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ハイスクールD×D 〜加速の戦士と銀河の覇者〜 3話

 四季にしてみれば叔母に当たる人物と母の前に付き合っていた恋人を失ったが故に危険な思想に染まったのか、それとも元からそう言う素養が有ったのかは定かでは無い。
 だが、其処にどんな理由が有るにせよ、父が産み出したロイミュードが大切な人の家族を奪ったという事実だけは目の前に存在している。

『四季、今の君はただエンジンのかけ方を忘れているだけだ』

「エンジン?」

『ああ、君は父親の作ったロイミュードによって彼女が家族を失ったのは自分のせいだと考えている。既に亡くなっている父親へのやり場の無い怒りが自分へと向けられているからだ。それがエンジンがかからない理由だろう』

『その通り、君は立派にウルトラマンギンガとして戦ってきた。私は君の戦う姿を見てきた』

「でも、父さんのせいで詩乃が家族を失ったのも間違いじゃない」

 キンガとして戦う覚悟は出来ている。償いでも自棄になっているわけでもない。この世界の未来を、その中にある大切な人との未来を守りたいと思っているからだ。だが、その半面で自分にその未来の中で生きる資格は有るのかと言う迷いもある。
 ベルトさんの言う所のエンジンがかからない理由は、ドライブに変身できない理由はその迷いだ。

(取り合えず、今はこの人のことだな)

 詩乃に警察や病院への連絡を頼んである。ロイミュードの言葉にひっかかりを覚えながらも、落ちている切れ端へと視線を向ける。

(薬の……袋か?)

 辛うじて読む事の出来る字の一部分からそう推測する。






 知り合いの警部補『追田 現八郎』に事情を聞かれた際、ロイミュードの事を含めて(シフトカーの事を除いて)話した後、既にこの殺人未遂が六件も続けている事を話しているのを聞く。
 どうも、闇のエージェントによってスパークドールズとダークダミースパークを渡された人間の引き起こした事件に巻き込まれる事が多い為に追田警部補とはスッカリ知り合いになってしまっていたため、時折こんな話を聞かされている。
 そして、同時に行方不明事件も起こっているらしい。

 買い物を終らせて四季達が集まっているのは、自宅の地下に作られた『トライドロン』が停められている車庫兼基地。保護者コンビのベルトさんとタロウが出会った頃に教えられた場所でもある。

「此処は私達四人の基地だ」

 と言うのがその際のベルトさんの言葉だ。四季と詩乃、そしてベルトさんにタロウの四人の氷見殺基地。この家の中で最もセキュリティーのレベルの高い場所だけあり、安心してスパークドールズを置いておける場所で有る為に、一部を利用して回収したスパークドールズの置き場にしている。
 なお、詩乃のジャンナインは現在もグランドキング戦のダメージが残っている為に修復中になっている。

「それで……いい加減話してもらえないか? シフトカーはロイミュードと関係が有る。いや、出所は同じ……と言うよりも根源は同じところにある。あんたを受け継いでから一度変身してみたから分かるけど、ドライブの性質はギンガに近い」

 作った人間の気持ちがシステムを扱っている四季にもよく分かる。ギンガやティガに変身している時の様な感覚……憎悪や憎しみ……四季の父親によって作られたロイミュードとは違うものだと分かる。

 だが、その一方でロイミュードの重加速に対抗する為の力がある。その事から分かるのは……

「重加速に対抗できるからって、そうとは限らないんじゃない?」

「いや、詩乃。それはない筈だ……風邪薬だって……」

「どうしたのよ?」

 詩乃の言葉にそう答えようとした後、四季の脳裏に様々な情報が流れ、それらが一つのキーワードで繋がっていく。

「繋がった!」

『繋がった? 何か分かったのか?』

「四季、もしかして」

「ああ、見えたぜ真実への道筋が」




 
 

 
後書き
四季くんにとってのエンジンのキーは常にシノノンだったりします。 
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