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ドリトル先生と学園の動物達

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第一幕その四

「お嫁さんだけだね」
「いや、その話は止めてくれるかな」
 お嫁さんの話題にはです、先生は苦笑いで返しました。
「僕はそちらはね」
「いないんだ」
「確かに何時かはって思ってるよ」
「それでもなんだ」
「うん、そちらはね」
 どうしてもというのです。
「縁がないからね」
「けれど先生は女生徒の人達にもね」
「人気があるのかな」
「あるよ」 
 実はというのです。
「先生はね」
「そうだったんだ」
「物凄く優しくて公平でね」
 王子は何故先生が学園の女生徒達に人気があるのかお話しました。
「しかもセクハラしないから」
「セクハラしないのは当然だと思うけれど」
「それはそうだけれどね」
 それでもだというのです。
「先生は紳士だからね、誰にでも優しくて温厚な」
「それでなんだ」
「先生の性格を見てね」
 女生徒達もというのです。
「好きなんだよ」
「そうなんだ」
「相当馬鹿な人でもない限りその人の性格を見るよ」
 誰でもです。
「外見だけじゃなくてね」
「僕の性格もまた」
「そう、だからね」
「女の子達は僕のことを好きでいてくれてるんだ」
「それはいいことだね」
「まあ先生はね」
 ここでまた言う王子でした。
「女の子にも人気があることは確かだよ」
「そうなんだ」
「先生確かに人気がありますよ」
 トミーも先生に言います。
「女性の職員さん達にも先生達にも」
「何時の間に人気者になっていたのかな、僕は」
「先生が来られて暫くしてからですね」
 この八条学園に、というのです。
「先生がどういった方か知られる様になって」
「そうしてなんだ」
「はい、先生がどういった方か知られる様になって」
「僕の気付かないうちに」
「どうも人間ってあれですね」
 ここでこんなことも言うトミーでした。
「気付かれないうちに好かれたり嫌われたり」
「その内面を見られて」
「そうなるみたいですね」
 こう言うのでした、先生に。
「やっぱり人って見てるんですよ」
「だから僕も女の子達に人気があるんだ」
「丁渡先生独身だしね」
 王子が笑って先生にこのことも言いました。
「いいお相手を見付けようよ」
「そうすべきかな」
「絶対にね、もういい歳だし」
「いや、いい歳どころか」
 自分で笑って言う先生でした、このことは。 
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