Fate/staynight/the/crossovermoment
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真の魔術
前書き
前回の続きです。
感想が聞きたいのでコメント下さい
手元の石の材質、構成物質を把握、石の特化した能力を魔術で強化するのが基本的、魔術「強化」だ。
今迄の俺、神崎 斬叶は基本的な魔術基礎を教えられず、逆の順序で魔術を教えられた。
簡単な魔術から徐々に難しい魔術、普通の魔術師の勉強法で当たり前の順序なんだが、俺は難しい魔術から教えられた。簡単な魔術は教えられず、難しく難易度の高い魔術を教えられ、簡単な魔術が一切使えない。
普通の魔術師が使えない扱えない魔術を扱えるが、簡単で一般的な魔術を俺は使えないし扱えない。
俺の師匠は変わった魔術師で一般的な魔術師が使える扱える魔術が師匠は使えず扱えない魔術師で高等魔術に特化した、俺に似たタイプの魔術師らしい。その師匠の師匠も特別な魔術師らしく、俺と似て普通の魔術を教えられず高等魔術、肉体に負担が掛かる魔術を専門的に特化した魔術師だったらしい。
師匠の師匠が普通の魔術師じゃないから普通の魔術を知らない扱えないと考えれば、俺の師匠の魔術は異質と納得出来る頷ける。俺の師匠の得意魔術は投影、英霊「アーチャー」と同じく俺と同じく投影魔術だ。
想像を具現化する魔術、投影を扱う魔術師が結構ゴロゴロ周りに居ると珍しい貴重な魔術に疑問を抱きたくなる。
貴重で曖昧な投影魔術を扱う魔術師が地元に2人も居るなんて、考えるだけで不思議な気分にさせる。
しかも、俺の目の前の弓兵アーチャーは俺の師匠で英霊だ。
一時的に投影の真髄を教える建前で、俺の師匠代理だなんて・・・・・・・
「バキ、バキ」
手元の石の形状が変化する。
雑念で集中力が乱れ、基本的魔術「強化」が失敗した。
「集中しろ、強化に専念」
ハイハイと返事をすると。
「はい、は一回」
オカン的発言で指摘する。
「はい」
一応、俺の師匠代理なので敬語で話す。
投影魔術「イメーション・スラント」以外の魔術を俺は使えない。
下手に言い返すと、喧嘩に発展して師匠代理を辞めるなんて言われたら折角のチャンスが無駄になる。
「バイパス・オン」
魔術回路から全身の血管に魔力を供給、俺の魔術回路は血管と融合した特別な魔術回路で簡単に言うと普通じゃない。血管の血液と共に魔力も供給させるので常時、魔術回路から魔力は供給されているのが利点で弱点は常に魔力が供給されているので負担が半端じゃない。神崎家の人間は、ある程度の耐性が付いている為、常に魔力が全身にかけ巡っても負担は小さい。普通の人間が急に神崎家の人間と同じ魔術回路「LOST・ZERO」の魔術回路に切り替わったら、全身の血管が破裂してジ・エンド!
「トレース・オン」
師匠の真似、弓兵の真似だ。
最近、口癖で魔術を発動する時は、必ず言う。自分でも知らず知らず口に出してるので完全に口癖で無意識で。
多分、俺の理想像が師匠だから師匠の真似をしてるんだろう。
身体の体内の血管の魔術回路「LOST・ZERO」の魔力を収縮、手元の石に強化魔術を発動した。
石の特徴を強化、単純で基礎的な石を強化、手元の石を更に固く。
「完全に魔術回路は活動しているな」
俺の作業を見てアーチャーは言った。
以前の俺は魔術回路が不完全で魔術を使う度に自身の身体を心を蝕んでいた。
自分でも気付かない侵食は、俺の心を身体を蝕み、人間性を失い掛けていた。
今の俺の魔術回路は完全に正常に稼働している。魔術回路が完全に完璧に稼働しているのが普通で当たり前なのだが、先日迄の俺、神崎 斬叶との魔術回路は不完全で曖昧な魔術回路だった。
完全に完璧に正常に魔術回路が稼働しているのが普通じゃないが、アーチャーとの決闘がキッカケで魔術回路は正常に今迄以上に稼働している。
アーチャーが言う話だと、今迄、使われてない魔術回路が戦闘のストレスで無理矢理に稼働したと言っていた。
結構前の俺が邪魔、使えないと判断して破棄された魔術回路が目覚めたのが、俺の魔術が復活した理由なんだが何故、使われてない魔術回路が目覚めたのか?
俺の魔術回路は血管と融合している。血管の血液と共に魔力が波動共に流れ体内を巡回している。
なら、なんで使われない魔術回路なんて存在したんだ?
常時、血液と共に俺の体内で巡回されているなら、使われない魔術回路なんて存在しない筈だ。
血管が俺の魔術回路で魔術回路が俺の血管なんだ。
「投影は基本は己の想像、強化の基本は物の構成の把握。
君に足りない物は把握能力だ」
「把握能力?」
「投影は想像、君の中の想像、幻想、空想を形にしている。
強化は投影の劣化版だ。
物を想像するんじゃない。物の本来の能力を君が与えるのだ」
「本来の・・・・能力」
投影は自分の想像を幻想を空想を具現化する魔術で、強化は物本来の能力を引き出す魔術、俺の知る俺の唯一出来る魔術、投影魔術と使われる回路が違う。脳の思考回路、想像を具現化するのが投影の基本で投影を極めるなら想像力を鍛えるのが一番の近道だ。投影魔術を扱う為に想像力は鍛えに鍛え、大抵の物は想像出来る様になった。
映画とかドラマとか見てると良い練習になる。師匠は自分の未来の姿を想像して投影魔術に必要な想像力を鍛えたらしいが自分の未来の姿を想像するなんて、俺には出来ない。
「本来の使い方と言った方が解りやすいか?」
「本来の使い方?」
「その物の本来の使い方だよ。
石を君は、どう扱う?」
アーチャーの一言でピンと来た。
石の特徴、石の形状、石の硬さを方程式に収め集中する。
強力な魔力を拡散、微弱な魔力で石を強化する。
「こ、こうか?」
石の形状は変化しない。
形状は変化しないが、色が変化する。
「成功、と言いたいが未完成だ」
そう言ってアーチャーは俺が強化した石を手に取り言う。
軽く上に投げキャッチ、そして石を俺に返した。
「完璧な強化なら、今の石の数倍は硬い」
「硬い?」
手の平の石を握るが硬いとは感じない。
「強化する前の石なら、私の腕力で割れている。
が、強化が一応、成功した結果が、それだ」
見た目は通常の石でも中身は別物、強化魔術の特訓を初めて半日で、まだシックリと成功と失敗の判断基準がわからない。
「地道に強化の鍛錬を繰り返せば、完全な強化が可能だ」
特訓の為に大量に拾ってきた石の一つをアーチャーは拾った。
「慣れれば一瞬で強化が可能だ。
君は強化に時間を掛け過ぎているのが欠点だ」
アーチャーの手元の石が一瞬で変化した。
俺の強化魔術の速度の何十倍も早く一瞬で、不完全な俺の強化なんて目じゃない。
「君は今迄、投影魔術以外、教わらなかったのか?」
「教わってないな。
家族は全員事故で死んで、俺の代で神崎家は終わりって言われた」
もし、父親が仮に生きていたら今の俺は投影以外の魔術も使えたかも知れない。
父親はオールマイティーで大抵の魔術が扱え、魔術師の中でも古典的な魔術師と言われた。
一つに特化しない魔術師、それが父親で中間的、中級魔術なら発動出来る変わった魔術師でもあった。
「俺の師匠、一年程前に偶然会ってな。
魔術の特訓中に、ふと現れて俺のミスを魔術を指摘した」
「偶然?
訓練中と言ったが、何処で特訓していたんだ?」
「学校で・・・・・・誰も居ない時に」
その一言でアーチャーは重い重い溜め息を付いた。
予想を裏切らない反応で、俺は恥ずかしくなってきた。
「君は馬鹿なのか?
それとも馬鹿を超えて阿保か?」
反論出来ない。
自分でも考えれば考える程、あの頃の俺は馬鹿だな〜としか思えない。
深夜の学校、誰も居ない校舎の真ん中で魔術の特訓だなんて阿保だな、一年程前の俺!
「ま、まぁ、深夜の学校で魔術の特訓してる最中に見付かって会話して、手本を見せてもらった」
「手本?」
「俺の師匠、俺の通ってる高校の生徒でね。
校内で魔術が発動すると自動的に師匠に異変を教える結界が張り巡らさてんの」
自分より他人を優先する師匠らしいが、感知結界を学校全体に張るなんて大胆過ぎる。
校内の様々な場所に張っているが、1つの結界で学校を覆う程の規模だ。
「俺の投影は穴だらけで、無駄が多い。
そう言って、俺の目の前で勝手に投影を始めたんだ」
「ほう、急に現れ急に手本を」
「最初は焦ったよ。
急に俺の投影に文句、その次の行動が手本だからな」
素手の無の投影を初めて目の前で体験した。
以前の俺の投影に比べ投影は的確で繊細な手順で。
「投影の基礎、なのかな?
ほら、俺の投影魔術って特別じゃん?
師匠なりに色々と説明してくれたんだけど、半分も理解出来なくて」
当時の俺の投影はスケッチブックと鉛筆で発動していた。
それを急に素手で無から投影すると言われても理解出来ない、訳じゃないが難しい。
「普通の投影を教えるのは、容易いが。
君の様な「イレギュラー」に全く別の基本を外れた魔術を教えるのは骨が折れる」
「基本的な投影の基本は学んだ。
でも・・・・普通の投影を学んでも、俺の投影は上達しない」
だが、師匠の存在は俺の魔術を投影を変えた。
教え方に問題は有ったが、独学で鍛錬するよりは断然、良い。
「別に好んで「イレギュラー」を演じてる訳じゃない。
俺に適した魔術が「イレギュラー」だからだ」
普通の魔術が使えるなら、俺は投影魔術なんて使わない。
神崎家の遺伝的能力だが、扱いが難しく成功確率も通常の投影と比べて極端に低い。
普通の魔術、一般的魔術師が使っている魔術が羨ましく妬ましいが他の魔術師が俺を見れば逆に妬まれる。
俺の魔術は異能、元々魔術自体が異能と呼べる代物だが魔術を扱う魔術師から見れば妬みの対象、研究対象的な目で見られる。
「不思議な理由だ。
君は自身を魔術師として見ていないと聞いたが、何故だ?」
「何故って・・・・有り得ないから?」
「疑問を疑問で返すな」
と言われても、美味く返答出来ない。
俺が魔術師?と言われても悩む。そもそも魔術師の実感が湧かない。
俺が魔術師?夢だよ夢 夢(笑)納得の一言で君は魔術師!が疑問の一言だ。
魔術が発動出来るのが魔術師?魔術を専門的に扱うから魔術師?考えれば考える程に疑問は膨らむが、俺を魔術師として見るのは無理が有る・・・気がする。
「ご飯、出来たニャ!」
扉を勢い良く開け、モオズ・アカラト登場!
「下で夜桜と遠坂が待ってるニャ!
早く降りて来ないと、ご飯が冷めちゃうニャ!」
「OK。
一旦休憩、飯でも食って休憩しようぜ」
無言の了承でアーチャーは歩き出す。
最近、俺とモオズ・アカラトは遠坂 凛の家に入り浸っている。
居候に近い状態で無料で部屋を借りている状況で申し訳ない様な気持ちが最初、当初は隠せなかったが徐々に慣れた。遠坂の家は大きな屋敷で広く快適だ。しかも一人暮らしと聞いて尚、ビックリだ。
「今日の晩飯の当番は?」
「夜桜 叶ニャ」
「お、期待」
遠坂家ルール 食事家事は交代で順番で臨機応変に!
今日の食事担当は夜桜 叶、俺と同じく居候だが、彼女は遠坂 凛の弟子らしく同居してても問題ないと思われる。
逆に俺の場合は半バカ無理矢理、遠坂の家に閉じ込められた?状態で迷惑じゃないが困ってる。
遠坂の親切心で匿ってくれているのか、俺の魔術回路の暴走を恐れてるのか?
「遅い!」
ドアを開けた瞬間、遠坂の声で部屋が震えた。
「す、すいません」
誤って自分の席に座る。
奇妙な状況だが、アーチャーの食事に参加する。
英霊なので食事を取ってもエネルギー摂取は不可能と思われるが、まぁ、気にしない。
「ハイ、ハイ!
今日のご飯は秋刀魚ですよ〜」
夜桜 叶はテンション高めで言った。
ホカホカのご飯、お味噌汁、サラダ、秋刀魚と素朴な感じがするが。
とても美味そうだ。夜桜は料理が得意で毎回毎回、夜桜が食事担当の時は食事を楽しみにしている。
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