ソードアート・オンライン ~Hero of the sorrow~
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フェアリィ・ダンス編 哀しみを背負った男達
覚醒
前書き
グリードいっぱいFoooooooooo!!
貴方に出会わなければ。こんな絶望を味わうことはなかったかもしれない。
貴方に出会わなければ。こんなものを見ることはなかったかもしれない。
貴方に出会わなければ。未来に希望が持てただろうか?
貴方に出会わなければ。氷の心で。強いままの心でいられたかもしれない。
貴方に出会わなければ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
何故・・・・いつも夢の中では、あなたは笑っているのだろう。
その笑顔をずっと見ていたい・・・・。もうこのまま・・・いてもいい。
朝が来なくたっていい。このまま暗闇で、一人に・・・。
永遠に眠っていたい。嫌だ。自分はアイツとは不釣り合いだ。
消えろ、笑顔。このまま存在が大きくなったら、戻れなくなる。
でも見ていたい。でも見たくない。
「なぜだ?」
「愛してるから」
「はっ、バカな事?を・・・・」
アレ?アレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレアレ?
何だこれは?会いたいのか?会いたくないのか?その時。
チャリン。メダルの音。私の中から何かが飛び出して。包んで。
「その欲望・・・・解放しろ」
私の意志は、ブラックアウトした。
「素晴らしい!実験は成功だ!!」
須郷は自分が欲しい力・・・茅場を倒した力が欲しかった。それを所持する男。
それを殺そうとしている男に、力を持つ男の恋人。これほどまでにうまくいっていて、逆に怖いくらいだった。
その恋人には、実験台になってもらった。アンクから得たデータと、クライが所持していたデータ。
そして生まれたモノが目の前に立っている。コアメダルと呼ばれるものを持ち、クライ曰く数々の組織を模したグリード・・・。
数十体にも及ぶ、ショッカーグリード、ゲルショッカーグリード、デストロングリード、デルザーグリード、ガランダーグリード、ゴッドグリード、アンデッドグリード、グロンギグリード・・・・。
数十体は一斉に飛び立ち、全員同じ方向へと進んで行った。
「素晴らしい!!」
「さて、君はどうなるかな?鼠のアルゴ」
培養液に漬けられたそれへと話しかける。別に死んでしまってもいい。動かなくなってしまってもいい。
動けなかったら部下の玩具にすればいいし、死んでしまったら捨ててしまえばいい。
神の行為。命を握っているという優越感に、須郷は笑みを深める。
その時だった。メモリーのようなものがアルゴの体に突き刺さる。
アギト!
姿としては、映像で茅場を倒したものに似ている。須郷は怪人を名付けた。
「アギトグリード」
グオオオオッ、とアギトグリードが誕生の産声を上げる。その咆哮は泣いてるようにも笑っているようにも聞こえる、美しい声だった。
それもグリード達が進んで言った方向へと去っていった。終わったか。そう思って後ろを振り返った瞬間、音声が鳴り響く。
ショッカー!ゲルショッカー!デストロン! ショッカーオゥーズ!!
究極の悪が、この世に誕生した。ショッカーオーズは呟いた。
「ユ・・・・・・・k?・・・・I・・・・」
手を伸ばしたショッカーオーズは倒れ、須郷はさらに笑みを深めた。ああ、人形が増えた。と。
森
「全員起きろ!!」
目覚めたキリトの怒号が飛ぶ。全員がその気配に気づき、空を見上げた。
「っ、あれは!」
空を埋め尽くす黒い影。凄まじい数のそれは、一気に飛来する。
「ショッカーグリードにデストロングリード・・・」
その他の様々な組織のグリードがやって来る。
「こいつら・・・!!」
始は思わず毒づいた。怪人達は、集中的にベルトを狙っている。
カリス、真、ギルスは変身が完了したが、その他の全員は攻撃を避けなければいかず、さらにベルトも守らなければいかない。
キリトとリーファは、怪人たちを斬り付ける。しかし・・・
「なんで!?」
思わずリーファは叫んだ。倒したと思ったら、グリードと呼ばれたそれは、すぐに復活してしまう。
「コアメダルがあるからだ・・・色のついたメダルを狙って!」
色のついたメダルを狙うも、なかなか当たらない。
「全員下がれ!!」
洞窟からの怒号。その叫びは、怪人たちの動きを硬直させるレベルの覇気を持ったものだった。
「僕が・・・殺る!!」
ユキへと向けて、怪人の一体が動いた。ストレートで放たれた右拳を、ユキは右腕で下へといなす。
前のめりになったショッカーグリードの背中。そこへとユキは肘打ちを放つ。
バリン!!そんな音と共に、ショッカーグリードがメダルへと戻る。
ユキはグリード達を睨みつける。
「動くな」
その一言が発せられた瞬間、怪人たちが一斉に動き出す。
ピキキ・・・!
不可解な音が地面から聞こえた。キリトが地を見ると、白く染まっていた。
周囲が凍えた。
「終わらせる!!」
バリン、バリン、バリンッ!!次々にメダルが割れる音が響く。凍りつかなかったグリード達が一斉に襲い掛かり、ユキが見えなくなる。
「ユキ!!」
怪人達に隠れて見えないユキへと叫ぶ。言葉は聞こえてこなかった。しかし、代わりにメダルが割れる音がする。
バリン!バリンッ!!次第にグリード達が少なくなり、周囲にはメダルの山ができた。
残りのグリード達は、一斉に世界樹へと逃げはじめる。それを見たユキはため息をついた。
「ユキ君!」
映司が叫んだ。
「あれって・・・・恐竜メダルの」
ユキは黙ってうなずき、言った。
「そうです。どこで手に入れたかは、後で話しますよ」
後で?全員がそう思ったろう。いや、映司だけが途中で気付いた。
「この感じ・・・!」
ドンッ!!
空から飛来する、白い影。ユキはその姿に絶句した。
「アギト・・・!?」
何故、シャイニングフォームがここにいるのだ。そう思う暇もなかった。
凄まじい速度で放たれた拳が、ユキの頬にかする。かすったそこには血が滲み、首筋を伝って流れていく。
「コイツ・・・っ」
強い。武術を習っている者の動きだ。鋭く、正確に急所を狙って来る。ユキはそれをいなし、みぞおちの横へと蹴りを入れる。
肋骨から肺へと衝撃が突き抜けただろう。最もグリード相手に通用するかもわからなかったが。
しかし、効果は覿面だった。叫び声をあげて過呼吸になるグリード。
「・・・・?」
何かおかしい。さっきから叫ぶ声が、なにか言っているように聞こえるのだ。
「・・・・・」
「y・・・k」
「ゆ・・・k」
「ユ・・・キ」
「!!」
ユキは驚いた。自分の名をずっと言うこいつは一体なんなのだ?
考えすぎて沈黙したユキを、アギトが飛びかかる。
「馬鹿!避けやがれ!!」
何処からか、火球が飛来してアギトを吹き飛ばす。
アンクだった。光太郎のライドロンに取り残されていたが、何とか帰ってきたのだ。
「アンク・・・」
「よう。映司」
ちょっと待ってろ。そう言ってアンクがグリードの前に立った。
「・・・・へぇ」
「おい、こいつの欲望が分かったぞ」
ユキはアンクの方を向いた。
「お前に会いたいって言ってる。予想するに俺が見た金髪の女だな」
「!!」
「アルゴさん・・・?」
アルゴがグリード。その真実は、ユキの心を傷つける。また守れなかったと。
「アンクさん・・・アルゴさんは?」
アンクはグリードを指さした。
「あそこだ。どうやらカザリと同じタイプらしいなぁ・・・宿主に寄生する、一番厄介なタイプだ。一つ言っておくが・・・メダル、壊すんじゃねぇぞ。下手したら女が死ぬからな」
しかし、ユキはすでにアギトグリードへと跳びかかっていた。
「アルゴさん!!」
「ユキ君!俺も・・・」
プテラ!トリケラ!ティラノ! プッ!トッ!ティラーノザウルース!!
「ユキ君・・・!やるよ!!」
「・・・!わかりました!!」
ユキが黄色メダルを使い、変身する。
ライオン!トラ!チーター! ラトラタ!ラトラーター!!
「凍結させる!」
映司が周りを凍らせ、グリードの足場を奪う。
「僕がメダルを掻き出すので、映司さんは中にいる女の子を!!」
ユキはラトラーターの腹部へとチーターの脚部でメダルをかき出す。そしてその奥には、
「っ・・・アルゴさん・・・・!!」
「映司さん!今です」
「いた!てっは、裸!?」
映司とユキは赤面しつつもアルゴを救出する。
「ユキ君、後は・・・!」
「はい、お願いします!!」
ギュアン!!地の底からその鳴き声が聞こえた時、地面から斧が出現した。
「映司!全部喰え!」
映司はメダルを斧、メダガブリューへと喰わせる。
ゴックン プッ!トッ!ティラーノ・ヒッサ~ツ!!
斧が美しい紫色になる。しかし、アギトグリードは構えをとると地面に紋章が浮かぶ。
神々しい光を纏った蹴りが跳ぶ。しかし、いまだにメダガブリューはメダルを喰っている。
「「させねぇよ」」
アンクとキリトが前に出た。
「合わせろよ、まっくろくろすけ」
キリトが苦笑いして答える。
「わかったよ、鳥」
いがみ合いながらだが、それを放つ。アンクが火球を放ち、キリトがヴォ―パルストライクを乗せる。
刀身は赤く、炎を纏った鋭い突きがライダーキックとぶつかり合う。
エネルギーは反発しあい、キリトの腕に膨大な負荷がかかる。落ちそうになった腕を、細い腕が支えた。
そう、リーファである。リーファとキリトは叫んだ。
「「いけぇええええええええっ!!!」」
炎がさらに激しくなる。単発式システム外ソードスキル《フィアンマ・スマッシャー》。
炎は風を纏い、鳥の形を創る。ライダーキックを破り、アギトは後ろへ後退する。
「セイヤアアアアアアアアアーーーッ!!!」
グランド・オブ・レイジがアギトグリードに炸裂し、バリンと言う音と共にコアメダルが割れて、セルメダルだけがその場に残った。
「アルゴさん・・・」
ようやく取り戻した、大事な人。だけど・・・目が覚めない。
「目ぇ覚めねえのか?」
「アンクさん・・・・?」
深く考え込むアンクさんに、疑問の声を投げかける。
「・・・映司!あの二人のライダーのこと覚えてるか?」
「あの・・・?あっ、翔太朗さんたちのこと?」
「あいつの片方・・・緑の奴は体と意識が分離してた」
「でも・・・メダルが」
「あの馬鹿でかいライダーも、メダルとメモリとかいうの使って生まれてたろ?セルメダルとメモリーとかいうのでアレになって、意識は・・・片方の奴と同じになったていうのは考えられねぇか?」
「じゃあ・・・意識は・・・」
「あそこだ。あの馬鹿でかい樹にある」
僕は世界樹を見た。あそこにアルゴさんがいる。ならば、行こう。
アルゴさん・・・。できるだけ早く・・・あなたのとこへ行きますから。待っていてください。
後書き
グリードいっぱい、ライダーいっぱい。馬鹿でかいライダーとはCOREのことです。
ショッカーグリード軍団はSICのオーズ編で出てきた奴らです。アギトグリードはオリジナル、ソードスキルもオリジナルです。
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