リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~
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第十一話 それぞれの行動
前書き
大輔達がそれぞれ行動を移す。ツカイモン[リリカルアドベンチャー、始まります]
魔力が回復したクロノに連れられ、大輔と賢、ブイモン、ワームモン。
遼とドルモン、なのはとユーノとツカイモンはアースラ艦内に転移してきた。
大輔「(ユーノ。ここって一体なんだ?)」
大輔がユーノに念話で話しかける。
ユーノ「(時空管理局の次元航行船の中、簡単に言うと、いくつもある次元世界を自由に行き来するための、そのための船です)」
賢「(成る程)」
ユーノが答えると賢が納得したように言う。
大輔も辺りを見回しながら足を動かす。
やがて、転移してきた部屋を抜けると、クロノが振り返ると口を開いた。
クロノ「ああ。何時までもその格好というのは窮屈だろう。バリアジャケットとデバイスは、解除してもらって平気だよ」
なのは「そっか…そうですね。それじゃあ…」
クロノの言葉に、なのはは返事をして、バリアジャケットを解除し、デバイスを待機状態にする。
大輔と賢も遼も甲冑を解除して、D-3の状態に戻す。
すると、クロノはユーノに視線を向け、口を開いた。
クロノ「それと君も元の姿に戻ってもいいんじゃないか?」
ユーノ「あ、はい」
なのは「え?」
すると、ユーノの身体が光りだした。
なのは「え?…え!?」
大輔「お?」
賢「へえ…」
遼「ほう?」
なのはの目が点になった。
大輔と賢と遼は興味深そうに見遣る。
そこには、黄土色の髪で、民族衣装のような服装をした少年がいたからだ。
ユーノ「ふぅ…なのはにこの姿を見せるのは、久しぶりになるのかな」
そう言って立ち上がり、なのはに視線を向ける少年となったユーノ。
大輔「成る程、変身魔法か」
ブイモン[俺てっきりアルフと同じ使い魔かと思ったんだけどな]
ユーノ「あはは…」
ブイモンの言葉に苦笑するユーノ。
しかしなのはは、ユーノを指差しながら固まっていた。
なのは「ふぇえええええええええええええ!!!?」
突如、なのははアースラ全体に響き渡りそうな大声を上げた。
あまりの大声にブイモンとワームモンがひっくり返った。
ドルモン[ど、どうしたんだなのは?]
ツカイモン[ユーノ、君はなのはにその姿を見せたことがないだろう]
ユーノ「えっ!?そうだっけ!?」
ツカイモンの言葉に、ユーノはなのはに聞き返す。
なのは「そうだよ~~~!!最初っからフェレットだったよ~~!!」
ユーノ「ああ!!そうだそうだ!!ご、ごめん、この姿を見せてなかった」
大輔「(意外と抜けてんだな…)」
思いはしたが口に出さなかった。
武士の情けである。
なのは「もしかしてツカイモンも…」
ツカイモン[私は元からこの姿だ…一応…]
なのは「………」
ブイモン[何で俺達を見るんだよ?]
ワームモン[僕達も違うからね!!]
クロノ「ゴホン。ちょっといいか?」
クロノは軽く咳払いをして話し出す。
クロノ「君達の事情は良く知らないが、艦長を待たせているので、出来れば早めに話を聞きたいんだが?」
なのは「は、はい…」
クロノ「では、こちらへ」
クロノは再び、先導して歩き出した。
大輔達は無言でついて来る。
クロノ「艦長、来てもらいました」
クロノはとある部屋に入るとそう言った。
大輔「(なんだこりゃあ…)」
その部屋は、盆栽、茶釜等の和風に彩られていた。
賢「(ここ、一応艦長の部屋だよね?)」
遼「(つーか、この人若いな…)」
それぞれの感想を抱きながら部屋に入る大輔達。
リンディ「お疲れ様、まあ皆さん、どうぞどうぞ楽にして」
そこには正座し、笑顔でそう言うアースラの艦長、リンディ・ハラオウンがいた。
リンディ「なるほど、そうですか。あのロストロギア…ジュエルシードを発掘したのはあなた達だったのですね」
ジュエルシードの経緯を聞いたリンディがそう言う。
ユーノ「はい…それで、僕達が回収しようと…」
ユーノが頷き、同時にそれがジュエルシードを回収しようとした理由である事を言った。
リンディ「立派だわ」
リンディはそう言うが、クロノが口を開いた。
クロノ「だけど、同時に無謀でもある」
クロノが直球にそう言った。
クロノの言葉に、ユーノはしゅんとなる。
大輔「おい、確かにユーノのやろうとしたことは無謀かもしれない。けど、その無謀な行動に助けられた奴がいるのも確かなんだぜ?」
ツカイモン[第一、組織であるお前達が一般人であるユーノやなのはより行動が遅いのというのは問題なのでは?]
クロノ「それは…」
リンディ「そうね…その通りだわ…」
ツカイモンの言葉は正論だ。
組織が一般人より行動が遅いのは確かに問題だ。
なのは「…あの、ロストロギアって何なんですか?」
なのはが疑問に思ったことを尋ねる。
リンディ「ああ…遺失世界の遺産…って言っても分からないわよね。えっと…次元空間の中には幾つもの世界があるの。それぞれに生まれて育っていく世界。その中に、ごく稀に進化しすぎる世界があるの。技術や科学、進化しすぎたそれが、自分達の世界を滅ぼしてしまって。その後に取り残された失われた世界の危険な技術の遺産」
クロノ「それらを総称して、ロストロギアと呼ぶ。使用方法は不明だが、使いようによっては世界どころか、次元空間を滅ぼすほどの力を持つ、危険な技術」
リンディ「然るべき手続きを持って、然るべき場所に保管されていなければいけない危険な品物。あなた達の集めているロストロギア…ジュエルシードは次元干渉型のエネルギーの結晶体。いくつか集めて特定の方法で起動させれば、空間内に次元震を引き起こし、最悪の場合次元断層まで引き起こす危険物」
クロノ「君とあの黒衣の魔導師がぶつかった時に起こった振動と爆発。あれが次元震だよ」
クロノの言葉に、なのはは、はっとなる。
クロノ「たった1つのジュエルシードの…何万分の一の発動でもあれだけの影響があるんだ。数個集まって動かした時の影響は、計り知れない」
その言葉を聞いて、ユーノが思い出したように言った。
ユーノ「聞いた事あります。旧暦の462年、次元断層が起こった時のこと」
クロノ「ああ。あれは酷いものだった」
リンディ「隣接する次元世界が幾つも崩壊した、歴史に残る悲劇…繰り返しちゃいけないわ」
リンディは神妙な顔でそう呟くがお茶の中に砂糖を入れたのだ。
大輔と賢と遼がそれを見て口元を引き攣らせる。
そして、リンディはそれを全く躊躇することなく口に運ぶ。
リンディ「ところであなた達に1つ質問があるのですが」
リンディの視線が大輔、賢、遼、ブイモン、ワームモン、ドルモン、ツカイモンに向けられる。
大輔「俺達に?」
リンディ「あなた達、次元漂流者よね?そちらの…」
賢「ブイモン、ワームモン、ドルモン、ツカイモンです。」
リンディ「ブイモン達みたいな子達やあなた達のデバイスはあなた達の世界では当たり前なんですか?」
賢「は?」
賢が分からず首を傾げるとリンディが口を開く。
リンディ「管理局にある既存のデバイスの性能を遥かに超える高性能のデバイス…D-3…そしてその子達が素体も無しに高レベルのプログラムデータのみで構成されていることです。…しかもどちらも管理局の技術を持ってしても現時点では解析不能なブラックボックスの塊。」
ブイモン[…どうやら俺達のことは調べられていたようだね]
勝手に調べられていたことにブイモンが不機嫌そうに呟いた。
リンディ「ええ、勝手ながら」
なのは「ふぇえええ!?」
ユーノ「ツカイモン…君、プログラムデータだったのか!?」
なのはとユーノからすれば、人間と同じくらい感情豊かな3匹が素体も必要とせずプログラムだけで構成されているとは信じられないらしい。
ツカイモン[そう。私達はデジタルモンスターという素体を必要とする使い魔とは違い、純粋にデータのみで構成された生物…言っていなかったかな?]
なのは、ユーノ「「言ってない!!」」
リンディ「…大輔さん、賢さん、遼さん。出来ればあなた達とブイモン達とその特殊なデバイス…D-3を調べさせて貰えませんか?」
遼「悪いが、お断りさせてもらう」
直ぐさま遼がリンディの頼みを一刀両断する。
リンディ「あら?どうして?」
遼「パートナーを実験材料にされたくないしな」
ブイモン[俺達も自分達を実験材料なんかにされたくない。]
クロノ「大輔達やデバイスはともかく、お前達デジタルモンスターは、調査次第でロストロギアに指定される可能性がある。これはお前達の為でもあるんだぞ」
納得出来ないクロノは調査する理由を言うが、ブイモン達はどこ吹く風だ。
ブイモン[そっちの都合なんか知らないよ。俺のパートナーは後にも先にも大輔だけ…それともお前らは大輔達が次元震とかってのを起こすと思ってんのか?]
クロノ「だが、こいつらは僕に攻撃を仕掛けた!!それに僕の魔力をギリギリまで奪ったじゃないか!!」
ドルモン[あのさ、それは君がフェイトって女の子に攻撃を仕掛けたからだろ?最初に攻撃を仕掛けたのは他でもない君。遼達は正当防衛でやったんだ。]
ブイモン[先に攻撃を仕掛けたお前にそんなこと言う資格なんて無いし、被害者の俺達がお前にそんなこと言われる筋合いなんかないね!!]
ドルモンは呆れながら、ブイモンは鼻で笑うとクロノの言い分を容赦なく一蹴した。
クロノ「ぐっ…!しかし…!!」
ワームモン[大体、魔力は奪われても怪我はしてないんでしょ?]
ブイモン[そうだよ。大体お前が俺達にしたことを考えれば、当然の対応だと思うぞ]
ドルモン[敵に暴れられたらかなわないからね。それにあのジュエルシードで怪物化したあいつを倒した大輔達が本気で君を潰しにかかったら今頃、ベッドの上だよ?]
クロノ「ぐっ…」
リンディ「クロノ、仕方ないわ。これ以上は止めましょう。」
クロノ「分かり…ました…」
リンディ「これよりロストロギア、ジュエルシードの回収については、時空管理局が全権を持ちます」
なのは、ユーノ「「えっ?」」
なのは、ユーノが声を漏らす。
クロノ「君達は今回の事は忘れて、それぞれの世界に戻って元通りに暮らすといい」
なのは「でも…そんな…」
なのはは何か言おうとする前にクロノが口を開いた。
クロノ「次元干渉に関わる事件だ。民間人が介入していいレベルの話じゃない」
なのは「でも!!」
リンディ「まあ、いきなり言われても気持ちの整理がつかないでしょうから、今夜一晩、ゆっくり考えて、それぞれで話し合って、それから改めてお話をしましょう」
遼「なあ…なのは達に元の世界で元通りに暮らせって言った癖にまた此処に来させるなんてどういうことだよ?」
遼がリンディとクロノを冷めた視線で見遣りながら言葉を紡ぐ。
遼「まあ、どうせなのは達を自分達側に引き込んで利用するのが目的なんだろう?」
クロノ「貴様っ!!」
クロノが遼を睨みつけ、叫んだ。
今の遼の発言は管理局を侮辱するものだからだ。
遼はクロノを冷たい目で見つめながら口を開いた。
遼「じゃあ聞くぜ坊や。どうしてなのはをジュエルシードのことから退かせるために話し合わせるんだよ?どうして此処にもう1度来るように言うんだ?そんなことを言えば責任感が強いなのはやユーノがどうするかは、会ったばかりのお前らにも分かるだろ?もし違うっていうなら、教えてくれよ?」
リンディ「そ、それは…」
違うとは言えない。
遼の言ったことは紛れも無い真実だからだ。
リンディは黙り込んでしまう。
遼「やっぱりか。時空管理局とは随分と汚いやり方を好むと見える」
遼がリンディ達の汚いやり方に吐き捨てるように言う。
重い空気が立ち込める中、なのはが怖ず怖ずと手を挙げた。
なのは「あ、あの…私にジュエルシード集めを手伝わせて下さい。リンディさんに言われなくても私、自分から頼んだと思います。」
ユーノ「僕もお願いします!!」
リンディ「しかし…」
渋るリンディに賢は口を開く。
賢「いいじゃないですか、2人の乗艦を許可しても、メリットはあってもデメリットは無いはずです」
大輔「なのはの気持ち…汲み取ってくれませんか?」
リンディ「…分かりました。あなた方の乗艦を許可します」
クロノ「本気ですか!?」
リンディ「2人の善意を利用しようとした私に断る権利はありません。あなた方を利用しようとして申し訳ありませんでした。」
リンディはなのはとユーノに謝罪をする。
なのは「いえ、そんな…」
リンディ「ご協力に感謝します。そしてこれから宜しくお願いします。」
なのは、ユーノ「「はい!!」」
リンディ「それから大輔さんと賢さん、遼さんも…」
大輔「協力でしょう?」
賢「僕達も協力しましょう。ただしいくつかの条件付きですが」
リンディ「条件…?」
賢は頷くと、協力するにあたっての条件を提示した。
賢「1つ、テスタロッサさんの保護。2つ、僕達の元の世界の捜索。3つ、ある程度自由に動ける権利。この3つを約束してくれるなら協力します。」
リンディ「分かりました。約束しましょう。それではなのはさんは1度御家族とお話して、賢さんと遼さんと一緒にまた明日公園に来て下さい。」
なのは「はい!!」
賢「はやてに話さないとな…遼さんは?」
遼「ここまで関わっておいて、今更リタイアなんかするか。俺も協力する」
リンディ「クロノ、なのはさん達を送ってあげて」
クロノ「…はい」
クロノはなのは達を連れて部屋を出る。
賢「じゃあ、大輔。また明日。」
大輔「ああ…」
賢達も部屋から出る。
部屋には大輔とブイモンとリンディが残った。
リンディ「もうこんな時間ですね…大輔さん、食堂に案内しますか?」
大輔「はい。行くぞブイモン。」
ブイモン[…うん]
ムスッとした表情で大輔の後をついていく。
大輔「…時空管理局に協力するのは不満か?」
大輔がブイモンの表情を見遣りながら聞く。
ブイモン[別に、ハッキリ言ってあいつらは気にくわないけど大輔が決めたことなら俺はそれに従うよ]
大輔「そうか…なあ、ブイモン」
ブイモン[何?]
大輔「俺…正しいのかな?」
ブイモン[え?]
大輔の言葉にブイモンは目を見開いた。
大輔は自嘲気味に笑うと口を開く。
大輔「俺は何が何でもフェイトを守るって誓った。今でもそれは変わらない。でも、フェイトを救うためとはいえ管理局に協力することはフェイトを傷つけるんじゃないかって…」
ブイモン[…不安…なんだな大輔。]
ブイモンは言葉に篭められたパートナーの内心を悟る。
大輔「情けないけどな」
ブイモン[情けなくないよ。大輔は大輔の信じる道を進めばいい。俺の役目は大輔を導くことじゃない。大輔の答えが俺の答えになる。大輔がどういう道を進むかは大輔が決めていいんだ。俺はそれに従うよ…]
例えこれから先どのような苦難が待ち受けようと、ただパートナーである大輔の傍に。
大輔「おいおい、それって責任重大じゃねえか」
大輔が苦笑しながら言う。
ブイモン[…そうだね(…大輔は知らないんだね……)]
ブイモンは苦笑しながら、気づかれないように内心で呟く。
ブイモン[(大輔が守りたいと思うものを守りたい。この気持ちに嘘はないけど…もし、大輔が壊したいと願う物があるなら、俺は平気で壊すんだろうな。例えそれが…)]
世界であろうと。
後書き
管理局に協力することに。
スバルのパートナーデジモンをウォーグレイモンXに変更し、なのはのジョグレスパートナー。
相性が良さそうですから。
リインのパートナーは、ブラックテイルモン。
リインフォースはダスクモン→レーベモンにしようかなと。
大輔達とユニゾンするから多少高性能のパートナーの方がいいです。
ギンガはブラックウォーグレイモン。
ノーヴェはビクトリーグレイモンがいいかなと。
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