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ひねくれヒーロー

作者:無花果
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やり遂げたこと


立派にやり遂げたことに対する最大の報酬は、それをやり遂げたことそのものにある
—ボルテール—

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やり遂げたこと










◆◇◆コン◆◇◆






三代目の右腕を止血処理したあと、再不斬に護衛を頼みこむ

ずっとこちらを察して護衛していてくれたが、誠意は見せるべきだ


「コン君・・・すまんの、わしは御主を足手纏いと決めつけ軽んじておった・・・」


そんなの構わない

たかが下忍が火影や三忍相手と戦えるわけないだろう

当たり前のことだ


「人には得手不得手っていうものがあります

 死者の葬送は慣れてたから出来たこと・・・オレでは大蛇丸には、勝てないでしょうね」


勝てない

でも、勝つ必要はない

木の葉崩しさえ回避すれば、三代目が無事なら・・・俺たちは負けないんだ







◆◇◆自来也◆◇◆






「かつては里の狂気とも呼ばれたあなたが、あんなか弱い子を弟子にするだなんて・・・
 中々面白い素材だけれど、あの体じゃ、ねぇ?」



横目でジジイとコンの無事を確認する

コンは慣れたもので血の処理を行い、血臭を誤魔化す匂い消しを振りかけ、ジジイを連れて木々の中に紛れた



・・・これなら、大蛇丸もしばらくは見つけられんだろう




「か弱い、か・・・確かにあやつは虚弱体質で忍にゃ不利な体だ・・・」



「死に急がせるだけじゃない・・・
 ・・・どうしてアンタの弟子は、早死にしちゃうのかしらねぇ?」



・・・ミナト、弥彦・・・


確かに、死ぬには早すぎた男たちだ

こんな老いぼれが生き残るより、将来ある若者が生きればいいものを・・・



「大蛇丸、ワシを揺さぶりたかったらもうちょいマシなセリフを考えろ」


蹴りを受け止めて言った



「・・・あらそう、ごめんなさい?お気に召さなかったようね
 お互い忍術勝負でチャクラは残り少ない・・・このまま殴り合いで決着つけるって言うのも、華がないわね」


は、何がごめんなさいだ

欠片も思ってない癖に


「ふん、ジジイ2人の戦いに華もなにもあったもんじゃねぇ
 ・・・歳考えろ」


そういって笑ってやると大蛇丸の表情が一変した

・・・キレたな


「・・・!
 そう言われるのが、一番嫌なのよ!だから私は不老不死の術で、永遠となる!」


怒りに正常な判断が出来なくなっているのだろうか

迫りくる刃に気づいていない


「そんな野望に囚われて、見なきゃならんものを見れなくなったお前に木の葉は潰させん!
 お前の野望は、ここで止める!」



その刃で殺される前に、止めたい

今度こそ止めたいとそう思った

だからワシはここへ来た!


「私の野望は止まらないわ!この状況を良く見ろ・・・私の部下も含め砂隠れの忍も攻め込んでいる!
 あんた達木の葉の忍は女子供1人残さず全滅よ・・・
 木の葉崩しここに成る!
 ・・・あんたの新しい弟子も、ここで死ぬわ」



刹那



「よく言うだろ
 ・・・目には目を、歯には歯を、右腕には右腕をだ」


わしらの間に割って入ったのは、再不斬

・・・わしでは止められないのか



「ぐぁっ!?」



大蛇丸の右腕を切り落とし、すぐさまわしを抱えて離脱しようとする

何が起こるというのだ!?

再不斬が水遁をつかい、盾を作った



「狐火・火柱ぁ!!!」



直後起こる巨大な火柱・・・これは、コンの狐火か!?

だがそれにしてはパルコのチャクラが少ない・・・

コンのチャクラだけでこれほどのものを操れるようになったということか


結界内の樹海を燃やし続ける火柱

結界を張る四人衆にダメージは行かなくとも、熱は伝わっているらしく慌てて術を解く

右腕を切り落とされ、全身に火傷を負った大蛇丸を抱え、逃走する



暗部が何人か、奴らの後を追った



「コン!!!三代目ぇ!」



無事なのか、あれほどの火柱をつかって無事なのか!?

狐火を消したコンは立ち尽くし、駆け寄った三代目に支えられていた


「・・・大丈夫、気絶しとるだけじゃ・・・」


微笑みながらそう告げられる


「いかん!気絶しとったら血が吐けん、詰まって窒息死するぞ!」


コンを抱きかかえ背中に一手叩く

やはり喉に血が詰まっていたらしく、大量の血が吐きだされた

ひとしきり血を出させたあと、再び詰まらないよう体を固定して寝かせてやる


「自来也さま、医療班を連れて参りました
 三代目、よくぞご無事で・・・」 


まじらずシナイ、コンの担当上忍

音もなく駆け寄ってきた女の背後には誰もいない

医療班はどこだ


「・・・?あ、すいません置いて来てしまいました
 止血は大丈夫、右腕も確保済み、水遁で冷やしてくれてますね
 コンは・・・ドSペアが迫ってくるぞー」


お前、ちゃんと連れてこい

三代目の腕を確認し、手当てが間違ってないか観察して、コンに向き直る

コンの耳元で囁いた


「やめてなんでも吐きますぅ!
 ・・・あれ?」


・・・コン、御主、それで起きていいのか・・・

遅れて医療班が到着し、すぐさま医療忍術が使われる

三代目の容体が安定し、担架にゆっくりと乗せられる


「コン、お前もとっとと入院しやがれ」


珍しい、再不斬がコンを名前で呼ぶとは・・・


「何だよ師匠、オレ割とピンピンしてるぞ」


医療班により問答無用で担架に乗せられた

それよりも・・・再不斬のことを、師匠だと・・?


「けっ・・・馬鹿弟子が・・・」


なんでお前も否定しない

え、本当に師弟になったのか・・!?


「へん・・・先生、シュロやイカリは?」


「イカリは音の残党探しを、シュロは見つかった残党の始末を・・・
 ペインは口寄せ獣で里の防衛に協力してくれたよ」



「・・・そっか」



「無謀なことをした・・・だけど、よく頑張ったな」











こうして、音砂連合と木の葉の戦いは終わり———


数日後、風影の暗殺及び大蛇丸による成り変わりが発覚

この事実とともに全ての事件の発端が首謀者・大蛇丸の手によるものだということを砂隠れはすぐさま公のものとし、

木の葉に対し全面的な降伏を宣言する



木の葉もこれを受諾することとなる



右腕を失い、忍術が使えない状態の三代目火影は隠居を決定


戦火の爪痕・国力の復旧を急ぐ木の葉は、五代目火影の選定を開始


火の国大名との緊急会議が行われることとなった








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ということで中忍試験編・完


三代目が生存、大蛇丸は右腕を失い、全身火傷


抜け忍再不斬の存在は三代目を助けたことで見て見ぬふり・・・かな


木の葉崩し中に、他の人たちは何をしていたのか

また砂の降伏後の話を数話書いて、次の章に進めたいと思います



 
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