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転生とらぶる

作者:青竹
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マブラヴ
  0830話

 翌日、折角未知の世界に転移したというのに、ホワイトスター内の時間にして数分程度で戻ってきた俺は結局いつものようにレモン達と夜を過ごして朝食を食べていた。

「……そう言えば、昨日は向こうに輸出する兵器の話で終わったけど、食料に関しても輸出すればかなりの利益になるだろうな。ただ、兵器を俺達が独占する以上、食料に関しては他の世界に任せた方がいいだろうけど」

 2cm程の厚さに切り分けられ、表面をカリッと焼き上げたハムステーキを味わいつつそう告げる。
 するとママレードをトーストに塗っていたシェリルが首を傾げる。

「食料? 何でまた……ああ、そう言えばユーラシア大陸がBETAに奪われたんだっけ? その影響?」

 既にマブラヴ世界についての資料は、シャドウミラーの全員へと送ってある。それを読んだからこそ、すぐにその答えが出てきたのだろう。

「他にも色々と理由はあるだろうが、やっぱりそれが一番大きい理由だろうな。で、その結果、味よりも量を重視した合成食料って食料が広く食われているんだが……」

 基地で食べた合成食料の味を思いだし、思わず眉を顰める。
 そんな俺の表情を見たスレイが、マリュー手作りのコーンポタージュを掬っていたスプーンを止め、興味深そうに口を開く。

「それ程に不味いのか?」
「ああ。正直、合成食を食べている者達が可哀相になる程だな。……まぁ、量を作らないとそもそも難民全員に行き渡らないから、どうしようもないんだが」
「……そこまで言われると、寧ろ食べてみたくなるな」
「なら食うか?」

 スレイの言葉に、基地で出された合成食を保存しておいた容器を空間倉庫から取り出す。
 中身はパンとスープ、牛肉のステーキにサラダといった内容だ。
 どれも俺が口を付けてはいるが、今更そんなので遠慮する仲じゃないしな。
 テーブルの上で容器の蓋を開けると、周囲へと漂う香り。

「匂いを嗅ぐ限りだと、アクセルが言う程に不味いとは思えないけど?」

 そう告げ、パンを一口分千切って口に運ぶマリュー。
 ……だが、次の瞬間にはその表情が固まった。
 いつもは慈母の如き笑みを浮かべているマリューだけに、その表情が固まった様子はかなりの違和感を与える。

「マ、マリュー?」

 思わずと言った様子で様子を見ていたシェリルが声を掛けるが、次の瞬間には席を立ってキッチンの方へと向かう。
 ……まぁ、何をしているのかは分かるが、それは追求しない方がいいだろう。俺の平穏の為にも。
 さすがにこの中で最も料理に関しては凄腕のマリューがああいう風になったということで、誰もがそれ以上合成食には手を出さない。
 やがて戻ってきたマリューの顔に、どこか憔悴した色を見たのは決して俺の気のせいではないだろう。
 にしても、ここまで拒否反応を起こすとは。
 普段から美味いものを食べているからこそ、そして作っているからこそ舌が肥えていて、違和感だらけの合成食を食べたダメージが大きかったんだろう。

「まぁ、ともあれだ。見ての通り合成食というのは栄養はともかく、味についてはとてもまともに食えたものじゃない。……一応料理人の腕が良ければそれなりに食えるものには出来るらしいが、それが出来る料理人というのも限られているだろうし、何より本物の食べ物には敵わないだろうしな」
「ええ、確かにこれを食べるというのはマブラヴ世界の人達にしてみれば最悪でしょうね。食料を輸出するのは全く問題無いわ」

 溜息を吐きながら呟くマリューだったが、口直しをするかのようにオレンジジュースを飲むと再び口を開く。

「ただ、食料品に関して他の世界に輸出を任せるというのは分かるけど、アクセルから聞いたマヴラヴ世界の話を考えると、全ての国にそれを賄えるだけの資金がある訳じゃないんじゃない?」
「それは……そうだろうな」

 特に自らの国そのものが無くなってオーストラリアやアフリカに亡命政権を作っている国々にしてみれば、余計な支出はなるべく増やしたくないというのが本音だろう。
 それに合成食を使うのは自らの国の難民を飢えさせない為に仕方なく、だろうし。
 そんな国々に、異世界間貿易をやるにしても自然食品を輸入出来るかと言われれば、当然難しい、か。
 食料の輸入が可能なのは、ある程度の余裕がある国のみだろう。
 何よりも、亡命政権にしてみれば食料もそうだが国を取り返すために戦力を揃える事にこそ力を入れたい筈だ。
 それらを説明すると、マリューがやはりと頷き、他の者も納得の表情を浮かべる。

「それだと根本的な解決にはならないと思うから……そうね、こうしたらどう? BETAの死体を持ってきた時に、その元素変換で食料も作り出すというのは。無尽蔵にBETAの死体を食料に元素変換するというのも向こうの市場や輸出入に混乱を招きそうだから、普通の食料より若干味を落とすという形にして、変換可能な量も持ってきたBETAの何割、あるいはその国や国民の規模で制限すれば大丈夫じゃないかしら」
「ふむ、確かにマリューの案を採用すれば向こうの世界でもより自らの国が利益を上げる為にBETAへ積極的な攻勢に出るか」

 コーネリアがそう告げるが、それだと上層部の利益の為、無理にBETAに対して攻撃を仕掛けそうなんだよな。特に現在の最前線でもある中国なんかは、まさにそんな感じだろう。

「確かにその案は有効かもしれないが、色々と問題も多い。交渉の際、エザリアに上手く立ち回って貰うか。後、最大の問題としては合成食を作る為のプラントだろうな。このプラントその物を改良可能になれば、向こうの世界の食糧事情は根本から解決する筈だ」
「……その辺はマクロス世界の技術が役に立つんじゃない? 実際、フロンティア船団でも天然物の食材はかなり高価な商品で、普通はマブラヴ世界で言う合成食を食べる事が多いんだし。……もっとも、味に関しては雲泥の差だけど」
「そうね。私も以前マクロス世界の食事を食べた事があるけど、普通に食べられる味だったわ。少なくてもこの合成食とは比べものにならないわね」

 シェリルの言葉に、マリューが溜息を吐きながら頷く。
 ああ、なるほど。いつ食べたのかは分からないが、マクロス世界の合成食を食べた事があったからこそ、マヴラヴ世界の合成食にも手を出したのか。

「マクロス世界、か。なるほど。ならいっそ向こうのプラントを改良するというのではなく、L.A.Iからマクロス世界のプラントを輸出するという方法もある……いや、技術的にかけ離れすぎていて、保守点検が不可能か」

 最後まで言い切る前に、コーネリアは自分の案の欠点に気が付いたのだろう。小さく首を横に振る。
 にしても、こうして見ると完全にマブラヴ世界を助けるという方向で話が進んでいるな。
 向こうの世界との渡りを付けた俺が言うのも何だが、向こうの世界から得る事が出来るのはG元素とキブツ用にBETAの死体くらいしかない。
 ああ、いっそ難民を引き受けてホワイトスターに住ませてシャドウミラーの国民とする選択肢もある、か? いや、それは色々と危険だろ。最大限に譲歩しても以前考えたようにネギま世界の火星に移住させるといったところだろうな。

「アクセル? 何か思いついたのか?」
「マブラヴ世界は難民で困っているって話だから、ネギま世界の火星に移住させるのも1つの手段かと思ってな。幸い、マクロス世界の技術でテラフォーミングは急速に進んでいるしな」

 そんな俺の言葉に、微かに眉を顰めるコーネリア。

「なるほど。それも選択肢の1つとしてはあるか。移住先というだけならミュートスもあるだろうが、さすがに地球圏から遠く離れた場所となると不安も大きいだろうし」
「けど、マブラヴ世界の人は普通の人なんでしょ? 修羅とかなら戦闘民族だけあって身体も頑丈だし、ギアス世界から向こうに渡ったのは少人数だから特に問題は無いけど、普通の人達だと……」

 マリューが言葉を濁す。
 確かにそっちの問題もあるか。幾らマクロス世界のテラフォーミング技術を得たからといっても、今日テラフォーミングして明日すぐにでも住めるって訳じゃないしな。
 それに、やっぱり自分の世界に対して愛着はあるだろう。
 ただまぁ、少数の人数なら火星なりミュートスなりに移住させてもいいかもな。
 BETAから逃げ出したいって人もいるだろうし。

「ま、向こうの世界とどう関わるかというのは、オーストラリアの首相と会談してからだけどな。ただ、何だかんだで結構シャドウミラーにも得られる利益が多いのは何よりだ」

 呟いた、その時。唐突に通信システムが起動して量産型Wの姿が映し出される。

『こちらマブラヴ世界のゲート守備部隊。アクセル隊長、報告します。現地部隊が24機の機動兵器、戦術機を用いて接近してきます』
「……何?」

 俺達と連絡を取る為に来る人物の護衛だと考えても数が多すぎる。だが、一応オーストラリア政府にしろ、国防軍にしろ、それなりに良好な関係は築けていた筈だ。そうなると、もしかしてどこか他の国……アメリカ、か?
 マブラヴ世界の頂点に立つ国だ。当然、俺達の存在もオーストラリアに忍び込ませてあるスパイ辺りから情報を得ているだろう。それに関して何らかの行動を取ったのか?
 ただまぁ、どちらにしろ戦術機でこっちの相手をどうにかするには……
 一応、エザリアに聞いてみるか。

「戦術機がゲートに到着するまではどのくらい掛かる?」
『約5分程かと』
「分かった。ちょっと待ってろ。対応を相談する」

 そう告げ、一旦通信を切りジュール家へと改めて通信を繋げる。

『はいはい。ん? アクセルじゃん。うちに連絡してくるなんて珍しいな。どうしたんだ?』

 通信に出たのは、ジュール家の養子でもあるアウルだ。いつものように軽い口調でそう尋ねてくる。
 ……こういう所が、微妙にムウに似ているよな。

「ちょっとエザリアに用事があったんだが、家にいないのか?」
『ああ、ついさっき出掛けたよ。何でも新しい世界についての外交方針をレオンと協議するんだってさ』
「ちっ、そうか。一足遅かったな。分かった。向こうの方に連絡をする」
『あ、ちょっと待ってくれよ。新しい世界って怪獣がいるんだろ? 今度俺やスティングも……』
「悪い、ちょっと急いでるんだ。その件はまた後でな」

 そう告げて一旦通信を切り、エザリアの仕事場となっている施設へと通信を繋げる。

『はい……っ!? アクセル代表、おはようございます』

 通信に出たのは、エザリアでもレオンでもない。レオンの部下としてシャドウミラーに所属することになった2人のうちの1人だった。
 俺を見て恐怖の表情を浮かべるのは色々としょうがないので、それを無視して口を開く。

「エザリアはいるな? 代わってくれ」
『しょ、少々お待ち下さい』

 慌てたように去って行き、やがてエザリアが小走りで近づいてくるのが映像に映し出される。

『何かあったの?』
「ああ。マブラヴ世界のゲートに向こうの軍隊……と言うよりは部隊が攻めてくるらしい。もっとも戦術機の数は24機だから、その程度の戦力で俺達に勝てるとは思っていないだろう。恐らくは威嚇や牽制の類だと思うが……」
『……なるほど。となると、恐らくオーストラリア政府も関知していない事でしょうね。さすがに今の状況でそんな馬鹿な真似をするとは思えないし』

 やっぱりエザリアの考えもそうなるか。
 そもそも、シャドウミラーの戦力については演習で思い知ってる筈だ。72機相手でも勝てなかったのに、そこに24機で攻めてきて本気で勝てると思う方がおかしい。
 そもそも、こっちでゲートの警備に用意している戦力はメギロート10機、イルメヤ10機、シャドウ5機の合計25機で、向こうよりも1機ではあるが数が多いのだ。
 あるいは、演習で勝ったのは俺だが向こうに残っているのは量産型Wと無人機だから、それなら勝てるとでも思ったのか?

「となると、どう対応した方がいいと思う? 一応こっちに転移してくる前には敵対的な行動を取る相手に対しての攻撃許可は与えてあるから、安心は安心なんだが」

 もしこのまま事が進んだ場合、恐らく残るのは戦術機24機の撃破とそのパイロットの死亡といった展開だろう。

『ちょっとすいません』

 そんな声と共に画面に映し出されたのは、お馴染みのキノコ頭。
 エザリアの部下として働いているレオンだ。

「どうした? 何か意見でもあるのか?」
『はい。可能であれば生け捕りにした方が良いかと。その方が向こうとの交渉を進める時に、こちらにとって有利に進められます。勿論攻めてきたパイロットがいる時点で交渉は有利に進められるでしょうが、生け捕りの方が尚有利かと』
『確かに。それに、ここで殺してしまうと向こうのこちらに対する悪感情が爆発する可能性があるわ。あるいは、それを狙っているのかもしれない』

 ……なるほど。その可能性はあるか。なら……

「了解した。なら生け捕りにするように指示しよう。幸い、イルメヤも向こうに派遣しているしな」

 スパイダーネットで手足を絡め取って敵を動けなくするイルメヤの特殊攻撃は、こういう時に便利だ。

「恐らく済し崩しに捕虜をどうするかといった流れで向こうとの交渉になるだろう。お前達もいつでもこっちの世界に転移出来るように準備は済ませておいてくれ」

 その言葉に2人が頷くのを見て、通信を切り背後で様子を窺っていたレモン達へと声を掛ける。

「って訳で、ちょっとマブラヴ世界に行ってくる」 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:25
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1114 
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