娘は一歩先を見る。
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天敵出現
「まずなにすりゃいいんだ?」
一先ず、俺の部屋へ連れてきてた。
「んっ、おっ、」
少女は、俺の持っていた辞書や本を指差した。
「?これが読みたいのか?」
俺がそう言うと、少女は
「うん!」
と返事をした。
―――――――
それから一時間程、本を読ませた。
「隼人く~んご飯だよ~」
とお母さんが読んでいた。
「は~い」
そう返事したのは俺では無く、この少女であった。
「お前、もう喋れるようになったのか!?」
俺が椅子から立ち上がり、少女に話しかける
「うん、もう喋れるようになったんです!」
この少女が読んでいた本がこう言う口調だった性か、この少女の口調も丁寧な感じになっているのだが
幼いために丁寧というか、可愛らしさがでた。
階段を降り、料理の並んだテーブルへ向かう。
「お前は俺の上な」
そう言って俺の膝の上にのせる
「いただきまーす!」
この家族は、大抵晩御飯には全員揃っているので、食事中は賑やかだ。
「その子の名前どうするの?何時までもお前、じゃあ可愛そうだよ」
京花が言った。
「う~ん、そうだな~」
腕を組ながら考えた。
「クロエとかでいいんじゃないかしら?」
お母さんが割り込んできた。
「クロエ······いい!」
予想外に少女はOKだった。て言うか気に入ったっぽい
「じゃあ、お前は今日からクロエだ!」
「よろしくね♪クーちゃん」
京花がウインクをしながらそう言う。
「クーちゃん?」
質問気味になったが、大体予想は出来ていた。クロエだから、クーちゃん、何て安直な考え!
そこで俺は、あることに気がついた。さっきからクーの様子がおかしい、さっきまでキャッキャしてたのに
いきなり黙り混んで、目の色を消している。
「クー·····、どうした?」
クーの肩を人差し指でトントン、と叩く。が、反応は無かった。
すると、消えていたはずのテーブルの近くに置いてあったテレビが勝手に付いた。
家族全員が体が強ばった。
「なっ、何·····?」
京花が声だけでも分かるように怖がっていた。
「待て、テレビが何か写し出したぞ!」
俺はテレビを指差しながらそう言った。
テレビが写し出した場所は、俺と京花には見覚えのある場所だった。
何を隠そう、このクーと出会った公園の通り道だった。そこには血まみれで倒れている男性が写し出されていた。
忌々しい事に、その男は俺と全く同じ身長、体つき、今着ている服だったのだ!
お気づきだろうか、このテレビに写し出されている男性は、紛れもなく、隼人であった!
「お、俺····?」
自分でも分かるほど、声が震え、脚に力が入らなかったーーーーー
To be continud
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