娘は一歩先を見る。
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
未知の幼女との遭遇
「はぁ~、疲れたぁ~」
学校の帰り、少年は一人歩いていた。
「なんだこいつ、喋れねーのか!」
「へへ、バーか!」
声のした公園を見ると、6歳頃の男の子が同い年位の女の子を虐めていた
俺は、その現場に駆け込み
「楽しそうだね。お兄さんにやらせてくらないかな?」
俺がそう言うと、男の子達は
「うわ、『子供荒らし』だ!逃げろ!」
『子供荒らし』とはこの辺で俺が、子供の遊び等を片っ端から邪魔していった事で付いた異名である。
「大丈夫?」
俺がそう聞いても、答えようとしない
何かを伝えようとしているのは分かるが、んっ、えっ、あっ、等の嗚咽の様な声を出しているばかりであった
最初は泣いているかと思っていたが、俺はある一つの結論に至った。
この子、『喋れないんだ』
親から虐待を受けているとか?
そもそも、俺の言葉が理解できてさっきの嗚咽をしてたのか?
それとも俺の言葉を理解せずに一方的な物だったのか·····?
色々考えたが、先ずはこの子に聞いてみようと思った。
「今から質問するから、当たってたら首をこうする」
そう言って、首を縦に降った。
「違ってたらこう」
次は、首を横に降った。
「君の親は居るのかな?」
俺の質問に対し、少女は首を横に降った。
「ここにはいないって事?」
少女は首を縦に降った。
突然、少女の口が開いた。
「お·····や······い····なぁ······い」
その言葉はぎこちなく、何か、人とは違う様な感じを覚えた。
「お·······や····そんざぁ····い···な···い」
それは確かに「親、存在無い」と言っている様に聞き取れた。
そんな矢先、公園入口の方で声が聞こえた。
「おーい、隼人ー!なにやってんのー?」
「おー、京花!ちっと来てくれ!」
京花と言うのは、同棲している幼なじみ、兄妹みたいに育てられた。
「また、子供荒らし?」
腕を組んで、偉そうに言ってくる。
学校での俺は、口論無敗の高飛車野郎なので、ここまで上から物を言う様な態度を取るのは
京花位だろう。
ーーーーーーーーーーーーー
取り敢えず、京花にここまでの経緯を話した。
「は~ん、じゃ、家で引き取ろうよ」
軽い感じで、言った。
「はぁ?この子をか?」
少女は依然と変わらず、じっとしている。
「そうだよ!だって可愛そうじゃん!一人ぼっちなんだよ!?」
京花が言う。
「いいのか?」
「勿論!」
京花がはち切れる位の胸を張った。
ーーーーーーーーーーーーー
少女を連れ、家の目の前まで着いた。無論、ここの家主は俺の親出はない、京花の親の家である。
俺の両親は、親父が刑事、母が弁護士、親父は職務中に死亡。母は、裁判で負けた相手側が怒って母を殺害。
そのせいで、俺は京花の両親と暮らしている。
そんな昔話はさておき、「ただいま~」と挨拶して玄関に入る。
「お帰り~、ってだれ!?その子!?まさかあんったらの隠し子!?」
これが京花の母である。
「違うよ!身寄りが無いって言うから、拾ってきたんだよ!」
京花がペット感覚で言う。
「な~んだ、じゃあ早く入んなさい?」
すんなり、OKなのかよ·····
To be continud
ページ上へ戻る