| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

転生とらぶる

作者:青竹
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

マブラヴ
  0824話

 F-15Cとの1対1の戦いは、文字通りに数秒と掛からずに決着が付いた。
 それを見ていた者達がどんな判断をしたのかは分からないが、次に出てきたのは14機のF-15C。最初に俺と戦った1機と合わせて、15対1での戦いとなる訳だ。

『確かに私達はシャドウミラーという存在を甘く見ていたようだ。まさかこちらが動き出す暇すらも与えて貰えないとはな』
「……その辺は確かに純粋な機体性能もあるが、OSの方の問題もありそうだけどな」

 俺自身はそれ程詳しく無いが、それでもこれまで幾つもの機動兵器へと触れてきただけに、何となくだが理解している。
 恐らく戦術機を動かしているOSは、俺達が使っているものに比べると天と地程の性能差があるだろうと。
 勿論そこには技術的な要因も含まれる。例えばどれだけ高性能なOSでも、それを機体側で処理出来なければ結局はフリーズするだけだ。
 だが、現状でもOSの無駄な部分を省くといったようにすれば、恐らくは性能が上がると思われた。
 もしこの世界と交流することになったとしたら、その辺のOSを技術班に弄って貰うのはいいかもしれない。

『OS? ……ふむ、なるほど。今まではハードの性能を高めるのに注視していたし、ソフトにしてもパイロットの技能を上げる事のみを考えていて、OSの方は全く気にしていなかったな。なるほど、良い意見を貰えた』

 笑みを浮かべて頷きつつ、近くにいた軍人へと何かを告げる。
 何かと言うか、OSについての件を検討させるためだろう。
 その指示が終わると、リトラスの視線は再びこちらへと向けられ、口を開く。

『さて、君の相手をするのに1機だけでは到底及ばないというのは理解した。故に次は15機で演習を開始させて貰うが……構わないかね?』
「勿論だ。……もっとも、それこそ15機程度では結果は変わらないと思うけどな」

 そう告げると、リトラス……ではなく、その近くにいた別の軍人が反射的に叫ぶ。

『ふざけるな! 確かにその機体性能が高いのは見ていて理解した。だが、だからといって数の不利というアドバンテージはそう簡単に崩せるものではない!』

 確かに数のアドバンテージ、優位性というのはある。どこぞの軍人も『戦争は数だよ、兄貴!』と言っているし、何よりこの世界ではBETAがまさに数の力で人類を圧倒しているのだから。
 だが、それを知った上でも俺はこう告げよう。

「残念ながら、俺達シャドウミラーは少数精鋭。質で量を凌駕する事を得意としているのでな」

 正確には、幹部の使っている機体に限ってであって、メギロートやイルメヤという量を担当する存在がいる。シャドウに関しては……質に傾きすぎていると言えるか。
 俺の口から出た言葉に、通信相手の軍人は歯噛みする。

『いいだろう、そこまで言うのなら……リトラス大将。向こうもこう言っている事ですし、圧倒的多数を相手にした戦い方というのを見せて貰ってはどうでしょう? 私達がBETAを相手にしてきた時にどう思ったのか。それを彼にも味わって貰えば、お互いに協力する時にスムーズに話を進められると思いますが』
『……なるほど、どうかね? 私としても君がどれ程の実力を持っているのかを知りたいし、君としても何度も繰り返し演習を行うのは面倒だろう?』

 別に俺自身はこの程度で疲れは覚えないから、何時間でも……それこそ何日でも連続して機体の操縦は可能だ。
 特に、模擬戦で命の危険も一切無いし。
 ただ、それはあくまでも混沌精霊である俺だからこそだ。この基地にいるパイロットはさすがに付いてこられないだろう。
 それに、戦術機の問題についても大体分かったし、これ以上向こうの出方を見る必要も無い。後はこっちの実力を見せつければそれでいい、か。

「了解した。こっちもそれで構わない。それで場所はやっぱりここか?」
『承諾してくれてありがとう。だが、場所はここでは無い。さすがにこの荒野で戦うとなると色々とこっちが不利なのでな』

 確かにそうか。ただの広い荒野である以上、隠れたりといった真似は出来ないしな。

「分かった。なら場所は?」
『少し待ってくれ。……うむ、それで頼む。場所は……ああ、それでいい』

 誰かに指示を出している声が聞こえ、やがてリトラスの視線が再び俺の方へと向けられる。

『場所は取れた。先程君と戦った機体についていって欲しい。彼に案内させるのでな』

 その言葉と同時に、赤のペイント弾が装甲を汚している機体が後ろを振り向き、そのままスラスターを噴射させて飛んでいく。……否、跳んでいく。
 一応戦術機も飛ぶという事は出来るらしいが、やはり光線級の影響で基本的には跳ぶ移動方法がメインなのだろう。
 はてさて、どこに連れて行ってくれるのやら。
 そんな風に思いつつ、F-15Cの後を追うとやがて10分程で目的の場所に到着する。

「……なるほど、確かにこの手の場所なら一網打尽にはなりにくいか」

 視線の先にあるのは、市街地。それも廃墟となっている場所だ。
 いや、違うな。恐らくは市街地戦をやる為にわざわざ建てたのだろう。その証拠に、窓から覗いた建物の中身はほぼ張りぼてに近い。

『アークエネミー1、聞こえていますか?』
「ああ。それで演習はどんな具合に始まるんだ?」
『アークエネミー1は10分程その場で待機していて下さい。その間に戦術機部隊は演習場の中へと移動します。その後、こちらで合図をしたら演習が開始となります』

「了解だ」

 CPへとそう言葉を返しつつも、その態度に感心する。
 サラマンダーという、この世界では初めて見る機体を目にしても、向こうは俺がこの世界の存在では無いというのは知らない筈だ。精々どこかの国……いや、オーストラリアの基地で戦っているのを考えれば、オーストラリアの新型兵器と考えるのが普通だろう。
 ……もっとも、制空権を完全にBETAに握られたこの世界でサラマンダーのような機体を開発するというのは疑問に思うかもしれないが。
 そんな風に考えていると、やがて準備が整ったのだろう。再び映像モニタにCPの女が映し出される。

『相手の準備は整いました。アークエネミー1はどうですか?』
「いつでもいける」
『……分かりました。では、これより演習を開始します』

 チラリ、と視線を向けたのは上官に窺ったのだろう。そして、許可が出たことにより演習の開始が告げられた。
 早速ビルの隙間へと移動してきてこちらを狙っているF-18を数機発見するや、スラスターを噴射させてその場から飛び退きつつペイント弾を発射。
 敵から放たれたペイント弾は一瞬前にサラマンダーのいた地点を、そして俺が放ったペイント弾はビルの隙間を縫うようにして3機のF-18へと命中する。

『……アークエネミー1、3機撃破』

 信じられない、とばかりに告げてくる声を聞き流しつつ、そのまま動きを止めずに銃口を背後へと向けてトリガーを引く。
 そこにいた6機のF-15Cが見る間に赤のペイント弾に塗れていく。

「甘いんだよ!」

 そのまま跳躍し、上空20m程の位置までスラスターを噴射して動きを止める。
 するとそれを待っていましたとでもいうように四方八方から放たれるペイント弾。
 その全てを足のスラスターや、機体に装備されているテスラ・ドライブを使って空中で回転するような奇妙な軌道を描きつつ落下……しながら銃を撃ち、こちらを狙っていた機体へとペイント弾を命中させる。

『そんな、数が……ア、アークエネミー1、戦術機を16機撃破。残り47機です』

 CPの動揺したような声。
 残り47機か。まぁ、今のやり取りはこっちの実力を測る為の捨て駒……って感じか? それにしては16機というのはちょっと被害が大きすぎると思うが。
 まぁ、いい。こっちのやるべき事は変わらない。

「見せて貰おうか、戦術機の実力とやらを!」

 ……呟いてから気がついたが、これってもしかしてシャアの台詞っぽいな。機体も赤いし。
 そんな風にどうでもいい事を考えつつ、街中へと向かって進んでいく。
 テスラ・ドライブを使っている為、俺の機体は空を飛ぶのに何の制限も無い。と言うか、この世界のパイロット達は光線級に対する恐怖から空を飛ぶというのを怖がりすぎなんだよな。もし空を飛ぶBETAとかが出てきたらどうするつもりなのやら。
 そのまま空中から周囲を探索すると、即座に反応が返ってくる。……なるほど、こっちを囲い込むように動くつもりか。なら、その攻撃を逆に利用させて貰うとするか。
 まずは一番密度の薄い方向、3機程度が固まって隠れているビル目がけて突き進む。
 それを察知したのか、慌てたようにビルの陰から飛び出して銃口をこっちへと向けてくるが、まさか自分達の方へ向かってくるとは思っていなかったのか、その動きは鈍い。

「遅い、甘い、温い!」

 テスラ・ドライブとスラスターを全開にしながら一直線に3機へと向かい、撃たれたペイント弾の尽くを回避し、カウンターの如く撃ち込んでいく。
 YF-29だった時に比べれば、その反応速度は随分と向上している。この辺は技術班の実力のおかげだろう。
 ともあれ、その一連の動作により3機を撃破し、残るは44機。

「っと!」

 地上に着地した瞬間を狙っていたのか、飛んでくるペイント弾をそのまま足の裏のスラスターを使って回避。そのまま再び跳躍してこちらを狙った敵へと銃口を向けてトリガーを引き、着弾。
 向こうの動きを見る限り、やはり一連の動作をした後で次の動作に結びつけようとすると一瞬から数秒の硬直があるな。この辺は恐らくOSの問題だろう。
 テスラ・ドライブを使いながら浮かび上がり、ビルの壁面を蹴って大きく跳躍して周囲をレーダーで探索すると、すぐに幾つもの動体反応が感知される。
 1発、2発、3発、4発、5発、6発!
 銃を大きく振り回しながらも、連続してトリガーを引く。
 高レベルのガンファイトと、高い射撃能力値と命中の能力値があってこその芸当。
 ……の筈だったが、1機のF-18Eが隠れていた建物の中へと飛び込むように入っていき、こちらの攻撃を回避するというのは予想外だった。
 へぇ、さすがと言うべきか、それなりに腕の立つパイロットもいるらしい。
 今のが実力なのか、あるいは偶然だったのかは分からないが、それでも俺の一撃を回避したのは他のパイロットには出来なかった事だ。
 そんな風に考えつつも、今度は上空では無くビルを始めとする建物が林立している街中を縫うようにして飛行していく。
 複数のテスラ・ドライブとスラスターによる機体制御を使いながら全速に近い速度で移動しつつ、敵機を発見するや否や銃口を向けてペイント弾で赤く染めていく。
 こちらがかなりの高速で移動している為に、街中でサラマンダーの姿を見つけた戦術機がペイント弾を撃っても一切当たる気配は無い。機体が通り過ぎた後、その射線軸状にある建物へ命中するのが精々といったところだ。
 T-LINKシステムがあれば、より細かい動きが可能なのだが、さすがにそこまでの無理は言えない。
 いや、レモン辺りに頼めば意外と魔法球の中であっさりとやってくれるか?
 脳裏で全く関係の無い事を考えつつも、俺の意識は殆ど無意識とすら言ってもいいような速度で銃を操作し、僅かにでも姿を見せた敵へと容赦なくペイント弾を撃ち込んでいく。
 真っ直ぐに飛んでいる状態で強引にGをコントロールしながらその場で上空に足を向けて縦に一回転。
 次の瞬間にはサラマンダーの足があった場所をペイント弾が通り過ぎていき、そのまま前方にあるビルへと命中して赤いペイントをぶちまける。
 その様子を一瞬だけ視線で確認し、一回転したまま後方でこちらへと銃口を向けているF-18に向けてペイント弾を発射してペイント弾をぶちまけて撃破扱いとする。
 そんな行動をどれ程繰り返したのだろう。大体10分以上20分未満程か。
 敵の数が少なくなってきたのか、こちらに攻撃をしてくる様子が殆ど無い。寧ろ回避に専念しながら、何とか撃破されずに済ませようとしているような……
 馬鹿が。
 思わず口元に小さく笑みを浮かべ、そのまま再び上空へ。

「CP、聞こえるか、CP?」
『は、はい。聞こえています!』

 何故か聞こえてくるのは驚きを含んだ声。
 この程度の相手を圧倒しているだけだというのに、一体何をそこまで驚いているのやら。

「敵の残存数は?」
『残り5機です』
「了解。ならそろそろ終わらせるとしようか」

 それだけ言って一旦通信を切り、こちらを見ているだろう残り5機へと視線を向ける。

「さぁ、始めよう。逃げる事が不可能な戦いを」

 呟くと共に、何とかこちらから隠れようとしているF-15Cへと向かってテスラ・ドライブを全開にして近づき、向こうが突然の行動に動きが止まった一瞬の隙を逃さずにペイント弾を発射。そのまま次の獲物へと狙いを付け……
 結局、それから数分も掛からずに俺の完全勝利によって演習は終了するのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:25
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1114 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧