転生とらぶる
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マブラヴ
0823話
テスラ・ドライブで空へと浮いたサラマンダーが、格納庫を出てからガウォークになり演習会場へと向かう。
その途中でこちらを見た軍人達は、揃いも揃って口を大きく開けてこちらへと視線を向けていた。
それは空を飛んでいるサラマンダーに驚いているのか、あるいは戦闘機に手足が生えているようなガウォークの姿に驚いているのか。
……まぁ、この世界では光線級の存在によって基本的には空を飛ぶというのが禁忌に近いものになっているのを考えれば、前者だろうな。もっとも、光線級がいないと確認された場合は爆撃機とかを使用する事もあるようだが、それでも基本的にこの世界の住人は空を飛ぶという行為は禁忌に近いものになっている。
見せて貰った歴史によると、どうしても早く移動する必要がある場合は再突入型駆逐艦という機体を使い、一旦衛星軌道上まで打ち上げてから降下するらしい。
何とも大袈裟な事だ。
もっとも、それはあくまでも前線国家での出来事だ。オーストラリアやアメリカのようなBETA襲撃の心配が無い場所では普通に……とまではいかないが、それでもある程度は空路を使っているらしい。
ともあれ、ガウォーク状態のサラマンダーを操縦しつつ演習会場へと到着すると、そこにいた見学者達全員が呆気にとられた表情で俺へと視線を向けている。
「待たせたな、アクセル・アルマーだ。それで、俺が使うペイント弾は? 一応この機体にも武器は装備されているが、今回はそっちに合わせて……」
『待て! 待ってくれ!』
繋げた通信で、俺の言葉を遮るようにしてリトラスが叫ぶ。
普段は重厚とした雰囲気を発している男だが、今はどこか慌てているようにこちらへと視線を向けていた。
「……どうした?」
『アクセル代表、君のその機体は手足が生えてはいるが、戦闘機ではないのか?』
「そこから発展した機体だというのは否定しない。戦術機も同じだろう?」
『いや、戦術機は飛行機から発展したのでは無く……そうじゃない。君はクルーガー少将と共にBETAについての資料を見たのでは無いかね!? 空を飛ぶ戦闘機では……』
「光線級に狙われる、か?」
向こうの言葉を遮るようにして告げると、呻き声のような声を上げつつ頷く。
『そうだ。もしも君達シャドウミラーの主戦力がそのような機体だとしたら、BETAと戦うのは厳しいだろう』
言葉通りに厳しい表情で告げてくるリトラスへと向け、小さく首を横に振る。
「全く問題無い。……そうだな、なら証拠でも見せようか。さすがに光線級のような威力の攻撃をしろとまでは言わないが……」
そもそも、この世界ではレーザーにしろビームにしろ、光学兵器の類は存在していない。もっとも、それだけに光線級が脅威になっているんだろうが。
『証拠?』
訝しげに尋ねてくるリトラスに頷き、サラマンダーの頭部を戦術機の集まっている方へと向ける。
「一応演習という形になってはいるが、何かあった時の為に実弾の入った武器くらいは用意しているだろ? それをこの機体に向けて撃ってみろ」
『なっ! しょ、正気か!?』
あまりにも予想外の言葉だったのだろう。リトラスが目を見開いて叫ぶように怒鳴る。
その背後では、他の軍人達もまた同様にざわめき声を上げていた。
確かに向こうにとっては俺の正気を疑うような行為なのかもしれないが、Eフィールドやピンポイントバリアといったものを備えているサラマンダーにとって、この世界の攻撃は殆ど無意味に近い。
それ故に、俺は頷く。
「何度か言ったと思うが、俺はこの世界より数百年先の技術を持っている世界の存在だぞ? この世界の機動兵器、戦術機の武器でどうにかなるような機体はしていない」
まぁ、サラマンダーはYF-29を基にして開発された機体だ。つまり、どうしても重厚な雰囲気を持つゲシュペンストと違い――特にシャドウと比べるのは論外だろう――見た目が華奢でもあるから、向こうの心配はある意味で当然と言えば当然なんだよな。
『……分かった。アクセル代表がそこまで言うのなら信じよう。本当にいいのだな?』
最後の確認を込めて尋ねてくるリトラスに頷くと、早速映像モニタの向こうで指示を出し始める。
それから数分程すると、やがてF-15Cが3機、銃を持ってこっちに近づいてくる。
F-15Cに乗っているパイロットがどこか戸惑っているように見えるのは、やはりサラマンダーという未知の存在に対して攻撃するように言われたからだろう。
もっとも、この行為にも一応の狙いはある。実際に攻撃を受けてみて、この世界で使われている射撃武器の攻撃力がどの程度なのかを確認したいという狙いが。
『行くぞ』
「ああ、構わない」
Eフィールド、それと念のためにピンポイントバリアを発動させて、エネルギー転換装甲の状態を確認してからそう声を返し……次の瞬間、若干の躊躇いはあったが3機の銃が火を噴き、実弾が連射される。
だが、その攻撃の全てはEフィールドで止められ、1発も突破する事はない。
それが向こうにも分かったのだろう。先程の、ガウォーク状態のままそこに存在しているサラマンダーへと銃口を向けた時とは違う戸惑いで銃口が微かに揺れる。
幸い俺の背後には荒野しかない状態だったので特に問題は無かったが、今のは正直いただけないな。
まぁ、BETAというのはオーストラリアには現れていないらしいから、その辺が温くてもしょうがないか。
ともあれ、数百発も放たれた銃弾はその全てがサラマンダーの装甲に到達どころか、Eフィールドすら貫けずに終わる。
『こ、これは一体?』
「見て貰った通り、この機体に備えられているバリアの1つだ。Eフィールドと言って、テスラ・ドライブというこの機体に装備されている推進装置を使って作り出されたものだ」
『バリアの……1つ?』
「ああ。他にも幾つか防御装置的なものはあるが、今回は使う必要がなかったみたいだな。ともあれ光線級の攻撃力がどの程度なのかはまだ俺の目で確認してない以上確実にとは言えないが、命中してもダメージを受ける事はないだろう」
そもそも、俺は光線級と戦うにしてもレーザーに当たるつもりはないし、それ以前に現状ではこの世界に対して協力するかどうかも未定……より正確には、このまま関与せずに引き上げる方へと心が動いている。
『そうか。そこまで君達シャドウミラーの技術は……』
最初に会議室であった時の泰然自若とした様子は既に無い。
それ程に今の光景はリトラスを始めとしたこの世界の軍人の度肝を抜いたのだろう。
「光線級に対する対処法は見て貰った通りだ。これで俺がこの機体に乗っているのは理解して貰えたと思うが、そろそろ演習を始めても構わないか?」
『う、うむ。そうだな。……君の機体が持っている武器は使わず、こちらの武器を使うという事でいいのかね?』
「ああ。見ての通り、俺の機体はこの世界の機体と比べると色々と規格外な存在だ。こっちで何かミスったら、戦術機に致命的なダメージを与える事になりかねないからな。安全を期すためにもお前達の武器を使った方がいいだろう」
『だが、FCSは……』
「問題無い」
言い淀むリトラスにそう断言する。
そもそも、俺が1人で未知の世界へと転移する事を前提として開発……より正確には改修された機体だ。そうなれば、当然未知の世界に存在するだろう機体の武器を使う事になる可能性も高い。
ネギま世界みたいに生身での戦闘がメインの世界なら話は別だがな。
とにかく、レモンを始めとする技術班がFCSについての問題に対処しない筈が無く、サラマンダー然り、ニーズヘッグ然りと、その辺については対処がされていた。
技術班がどのような技術を使ったのかは分からないが、基本的に機体が握れる武器に関しては使用が可能になっている。
もっとも、例えばヒュッケバインMk-Ⅱが使っているG・インパクトキャノンのように、武器自体に強固なプロテクトが掛けられている物は例外だが。
それでもこの世界で使われている武器、それも一般機が使う一般的な武器であれば全く問題無く使えるだろう。
そう判断してリトラスに促されたF-15Cが差し出した銃を手に取ると、すぐさま機体の方で解析しながら使用可能な状態へと持っていく。
数秒程で映像モニタに解析結果が映し出される。
AMWS-21というのがこの銃の名称らしい。分類としては突撃砲で、36mm突撃機関砲と120mm滑空砲、レーザー測距装置が1つに纏まっている訳か。
使い勝手としてはM950マシンガンと似たようなものだな。
情報を確認しながら空中へと銃口を向け、それを数度程繰り返して次に地面へと1発だけペイント弾を発射。赤いペイントが広がったのを確認して頷き、リトラスへと通信で声を掛ける。
「見ての通り全く問題無い。ならそろそろ始めるとしようか」
『……ああ』
既に驚くのにも疲れたとばかりに告げてくるこの基地の最高責任者だろうリトラスを見ながら、ガウォークのままだったサラマンダーをバトロイドへと姿を変える。
再び聞こえてくるざわめき声。
こうなるとは思っていたが、予想していたよりも驚きの声が大きいな。
そして当然の如く通信装置に映し出されるリトラスの引き攣った顔。
『ア、アクセル代表。その機体はその、戦闘機に手足が生えているだけではなく変形するのかね?』
「ああ。これが2足歩行形態のバトロイドと言われる状態で、この他にも戦闘機状態のファイターという形態がある。先程まで見せていたガウォークというのは、丁度その中間の形態だな」
『……な、なるほど。ともあれ、申し訳ないが今回の演習では出来ればそのバトロイドという状態でだけお願い出来るかな? さすがにうちの部隊の者達も戦闘機やら、その中間形態やらと戦う訓練は受けていないのでね』
「問題無い、こっちとしてもそのつもりだ。それと当然バリアの類も解除してやるよ」
そもそも実弾でもEフィールドを突破できなかったのだから、ペイント弾でどうこう出来る訳が無いしな。
『……配慮、感謝する。それではこちらの機体の性能を見るという意味でも、取りあえず1対1でお願いできるかな?』
「何? 本気か? この機体がどれだけの性能なのかは、端的にではあるけど既に知っているだろ?」
『うむ。だが、こちらとしても色々と事情があってな。はいそうですかと、君の言葉通りには出来ないのだよ』
なるほど、面子の問題か。
一国の軍隊に所属していて、更に大将という地位にいるのならその辺はしょうがない。
「分かった、ならまずは1機で構わない。武器はペイント弾の入っているこの武器だけでいいな?」
『うむ』
頷くリトラスをその場に残し、先程サラマンダーに向かって銃撃をしてきたF-15Cのうちの1機に案内されるようにして、少し離れた場所まで移動する。
数分程移動したその先は、一面の荒野と呼ぶに相応しい光景の場所だ。
演習をするにしろ、こうも身を隠すような場所が無いというのはどうなんだろうな? まぁ、他にも演習をやるべき場所は多くあるんだろうが。
『こちらCP、今回の演習の判定をさせてもらいますので、よろしくお願いします』
映像モニタに映し出されたのは、20代程の赤毛の女。
「ああ、よろしく頼む」
短くそう告げるが、そもそもペイント弾を使っている以上、勝敗で迷う事はないと思うんだが。
そんな風に考えていると、再びCPからの通信が入る。
『その、そちらをなんとお呼びすれば?』
ああ、コードネームか。そうだな……なら。
「アークエネミー1とでも呼んでくれ」
『アークエネミー……ですか? はぁ、分かりました』
俺の言葉に戸惑ったように返事をする女。
本来であれば大魔王でもあるグレートサタンと名乗りたいところなのだが、どうにもドラゴンボールのミスターサタンを連想してしまう為にそう告げる。アークエネミーにしても大敵という意味だ。俺を現していると言えばこれ以上無いコードネームだろう。
『では演習……開始です』
最後の通信は当然F-15Cのパイロットの方へも流されていたのだろう。
その言葉が響いた瞬間に俺が借りている銃と同じものをこちらへと向け……ようとして腕を動かした時には、既にその装甲には幾つものペイント弾が命中し、真っ赤な華を咲かせていた。
『え? あの、その……え?』
CPから伝わってくる困惑。
ここにいる俺には分からないが、恐らくそれはこの演習を見ていた他の者達にしても同様だろう。
何しろ開始数秒……いや、1秒も掛からずに勝負が決まったのだ。
だが、それも俺にとっては当然の事でしか無い。やはり戦術機というのはまだ色々と未成熟なのだろう。動き出そうとしてから実際にその命令が機体に伝わり、機体がそれを実行するまでの速度が酷く遅い。
それこそ、SEED世界に転移した時に戦ったストライクダガーの方がまだ動けているというレベルで。
「さて、勝負はついたが……次の模擬戦は何機が相手だ? 2機? 3機? 俺は何機でもいいから、そっちで決めてくれ」
リトラスへと通信を繋げ、そう告げる。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:25
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1114
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