転生とらぶる
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マブラヴ
0821話
戦術機が圧倒的に下。俺の口からその言葉が出た瞬間、軍人のうちの1人が目の前にあるテーブルへと拳を叩きつけた。
周囲に鈍い音が響くが、その軍人はそれを気にした様子も無く目を血張らせながら俺を睨み付けてくる。
他の軍人達にしても、多かれ少なかれ不愉快そうな表情を浮かべていた。
それはこの場で最高責任者だろうリトラスも同様で、半ば答えを予想していたのであろうが、それでもやはり微かに不愉快そうな表情を浮かべている。
この点、表情を殆ど変えていないジョンが珍しいのか。
まぁ、ジョンは実際にリュケイオスの転移をその目で見ているからな。無理も無い。
「ふざけるな、貴様! 我々の戦術機が貴様の国の兵器よりも下だというのか!」
「そうだ。一応言っておくが、魔法を使っているからと言っても人型機動兵器の類が発達していない訳じゃないぞ。そもそも、俺達の出身世界は人型機動兵器が一般化している世界だったからな。魔法に関しては、今回のように別の世界との国交の末に手に入れたものでしかない」
……まぁ、嘘は言っていないよな。ネギま世界と条約を結んでいるのは事実だし、俺が魔法の力を手に入れ、混沌精霊になったのもネギま世界でなのだから。
「その上で言わせて貰う。この世界の戦術機というのは……少なくても俺がこの目で見た最新鋭の機体だというF-18Eに関して言えば、100機単位で存在してもシャドウミラーの部隊なら数機程度で……下手をすれば1機でも倒せるだろう」
実際の戦闘は見ていないが、F-18Eが動いているところは見ている。跳躍した後に数秒とはいっても毎回動きが固まっているのを見た時は、いっそ何かの冗談かと思った程だ。だが、それが冗談ではなく、酷く真面目にやっているというのは周囲にいる軍人達を見れば明らかだった。
「リトラス大将! この者の大言壮語には付き合いきれません! 確かにこの者は私達の知らない力を持ってはいるのでしょう。実際にこの目で確認した以上、それは否定しません。ですが、それを大袈裟に賛美し、過剰に自己評価してないとは言い切れません!」
額に血管を浮かび上がらせながら叫ぶ男。
それでもあまり不愉快にならないのは、あくまでもこちらの言い分を聞いてから判断しているからだろう。既に発言権を完全に無くして部屋の隅で水差しに火傷した右手を突っ込み、恐怖の視線を俺に向けているシュタートとは違う。
「なら、そうだな。1度試してみるか? 軍隊なんだから、当然ペイント弾の類はあるだろう? それを貸してくれるのなら、俺の機体で相手をしてもいいが?」
「何? 機体だと? 我が国に無断で戦闘兵器を持ち込んだというのか!」
「そうなるな。だが、未知の世界に転移するんだ。そのくらいの備えはしても当然だろう? 実際、この世界にはBETAという人類に対する敵性体がいるんだし」
先程怒鳴った男の言葉にそう応える。
実際、ニーズヘッグが無い状態だとどれ程苦労するのかは、マクロス世界で体験済みだ。時々違う機体を使うならまだ我慢出来るが、延々と違う機体に乗り続けるというのは正直な話遠慮したい。
「それは……そうだが。だからと言って、他国に無断で機動兵器を持ち込むのは……」
「悪いが、そっちに関してはこっちからは何とも言えないな。さて、それよりもどうする? 実際に演習をやってみれば、さっき俺が言っていた戦術機の性能がはっきりとするが」
「……リトラス大将」
視線を向けられたリトラスは、無言で小さく頷く。
「よかろう。確かに君達シャドウミラーがどれ程の実力を持っているのかはこちらでも確認しておきたい。君達と手を組むにしろ、組まないにしろ、な」
意味深に呟くが……さて、どうだろうな。こっちとしても今回の戦い次第では本格的にこの世界で得るものがないと知れば、とっととホワイトスターに戻るつもりではいる。
その意思を覆す事が出来るかどうか……楽しみにさせて貰おう。
「演習に必要なものに関しては、こちらで用意すればいいのかね?」
「ああ。そっちが用意するのは、俺が使うペイント弾と演習の相手だな。好きなだけ集めてくれて構わないぞ。さっきも言ったが、俺達シャドウミラーならこの世界の者を100機程相手にしても勝つ事が出来ると言ったな? その代表格が俺だ」
「君が、かね? 一国の代表が最大戦力だと? まぁ、それ以前に運任せに近い未知の世界に赴くという行為を、その代表がやっているのがそもそも疑問だが」
訝しげなリトラスに、ニヤリと笑みを浮かべて頷く。
「そうだな、確かに普通の考えだとそれが正しい。だが……俺はシャドウミラーの象徴だ。それが伊達では無いって事を証明してやるよ」
「……よかろう。こちらでもすぐに用意する。クルーガー少将、彼を演習場へと案内してくれ。ペイント弾の用意はこちらでやる。……アクセル代表、演習を始めるまでは少し時間が掛かるが構わないかね?」
「時間が? 具体的にはどのくらいだ?」
そんな俺の質問に、リトラスが数秒程考えて口を開く。
「2時間程は見ておいて欲しい」
「幾ら何でも時間が掛かりすぎじゃないか?」
少なくてもシャドウミラーでなら、演習をやると決めたら30分も掛からずに準備が整えられる。……それに関しては国家の小ささ故にフットワークが軽いというのもあるのだろうが。
それにしても2時間は掛かりすぎな……いや、本気で100機も集めるとなると最低でもそのくらいは掛かるのか?
どのみち俺のやるべき事は変わらない。そう思ったのだが、こちらを見ているリトラスの表情には小さく笑みが浮かんでいる。
……何だ? 自分達の負けが決まっていると判断しているが故の自棄か? いや、違うな。そんな感じではない。となると、何かを企んでいる? あるいはこっちが自信満々だからそれを撃ち砕くのを楽しみにしているとかか? どっちもそれっぽくないが。
とにかく、向こうが何を考えていようともこっちのやるべき事は変わらない。そもそも、現時点では既にこの世界から撤退する方向で考えているんだから、気にしてもしょうがない。
「アクセル代表、では私と共に来て欲しい」
そんな風に考えているとジョンがそう話し掛けてきたので、その声に頷き会議室を後にする。
はてさて、どんな事になるのやら。
「アクセル代表、さすがに2時間後ともなると今から演習場で待っていても時間を持て余すだろう。1時間程暇が出来ると思うが、何か希望はあるかね?」
会議室を出て、扉の周囲で警護している軍人からの敬礼を向けられつつジョンがそう声を掛けてくる。
その声が聞こえたのだろう。警護の軍人から向けられる驚きの表情――50代程の、いかにも歴戦の軍人のジョンが20代の外見の俺に対して丁寧な対応をしているのだから当然だろう――を向けられているのを感じつつ、少し考える。
やるべき事、あるいはやりたい事か。戦力的な調査という意味も含めて戦術機に関して調べてみたいが、さすがに部外者の俺に詳細な場所まで教える事は出来ないだろう。となると……そうだな、BETAについてか。バジュラとの違いを調べておきたいし。
……まさか、バジュラがこの世界ではBETAと呼ばれているとかはないよな? 光線級とかいうのが、重兵隊バジュラだったり。
「この世界の歴史……特にBETAについて知りたいんだが、どこかでデータを見る事は出来るか?」
「ふむ、BETAについてか。了解した」
俺の言葉に頷き、会議室の入っている建物から出て車に乗ると運転手――俺達をここまで連れてきた軍人だ――へと声を掛けると、車は基地敷地内にある別の施設へと向かう。
5分程で到着したそこは、相変わらず基地の本部のような場所では無く外れにある施設だったが、正式に手を組むとも決まっていない相手なのだからしょうがないんだろう。
その施設の中へと入ると、どうやら図書館のように資料が集まっているらしく無数の本棚が並べられている。だが、俺を引き連れたジョンが向かったのは、その奥に何台か並べられてあるコンピュータの方だった。
何やら俺を横においてコンピュータを操作し始めるジョン。
へぇ、1997年と言えばまだそれ程コンピュータも発達していない時代だった筈だが……いや、BETAとやらと戦争を続けてきたおかげでこっちは発達したのか?
そう考えると、意外と有益な技術が眠っている可能性はあるか。有無を言わさずに引き上げると言わないで良かったな。
まぁ、実際BETAには多少の興味があったのは事実だが。
そんな風に考えていると、コンピュータの操作が終わったのか、ジョンが振り返る。
「さて、これで大体の事は調べられるようになっている。ただ、当然調べられるのは一般的な軍人が知る事の出来る情報のみで、軍の機密の類は調べられない。構わないな?」
なるほど、さすがにその手の事には厳格だな。
だが、今回知りたいのはまさにその一般的に知る事が出来るというものだ。それで全く問題は無い。
「ああ、それで構わない」
「そうか。では私は演習の準備を色々と整えなければならないので、一旦失礼する。ここには彼に残って貰うので、何か分からない事があれば聞いて欲しい。準備が整ったらまた戻ってくる」
それだけを言うと、運転手としてここまでついてきた軍人に小さく頷きそのまま資料室を出て行く。
その後ろ姿を見送り、空間倉庫から冷たく冷えた果汁100%の缶ジュースを取り出して軍人へと放り投げる。
今は1月だが、オーストラリアなので季節的には夏なんだよな。……まぁ、ホワイトスターは人工物である以上1年を通して気温が一定に保たれているし、ギアス世界、SEED世界、ネギま世界、マクロス世界で気候も違っているし、その辺は特に詳しく無いから構わないんだが。
「あの、アクセル代表。これは?」
「そのまま黙って待っているのも暇だろ。それでも飲んでてくれ。……それとも、異世界のジュースは飲みたくないか?」
「いえ! 決してそんな事はないです。では、お言葉に甘えて」
そう言葉を返し、プルタブを開けて口へと運び……再びその味に驚愕の表情を浮かべている軍人に、ふと綾瀬の飲むようなジュースを与えてみたらどうなるのかを考えつつ、コンピュータを操作して情報を集めていく。
「……なるほどな」
調べ始めてから20分程。大まかに歴史を調べてみた感じでは、俺の知っている歴史とは随分と違っている。
特に大きく変わっているのは、第2次世界大戦の結末だ。本来であれば広島や長崎に原爆を落とされる筈が、何故か日本には1発も原爆を落とされていない。だが、その代わりだとでもいうようにドイツに2発の原爆が首都へと落とされて戦争は終結している。
日本が敗戦国になるという結果は変わらないが、ポツダム宣言による無条件降伏ではなく条件付きの降伏となっている。
それと北方領土がソ連に占領されてもいないらしい。
戦後は即座に東西の対立でアメリカ側の最重要同盟国になる、か。
この結果は俺の知っている歴史とはかなり違っているが、それでも日本が敗戦国になったというのは変わっていない。だが、そこから俺の知っている歴史とは決定的に違う出来事が起きる。
それは即ち、宇宙開発の猛烈な進展だ。
1950年から始まった宇宙開発は、瞬く間に月に恒久的な基地を築き上げ、そこを中心として更に開発の波は広がっていく。
そして……1958年、火星に到着した無人探査衛星が火星で1枚の写真を撮る。そこに写っていたものこそが、BETA。
その後、国連でああだこうだとやっている間に1967年、月面にBETAが現れて人類とBETAの戦いが始まった訳だ。
で、月面での戦いが続いている中で1973年、中国にBETAの着陸ユニットが落下して、ついに地球上でもBETAとの戦いが始まるが……中国は自分達だけで片付けると同盟国のソ連と共に攻撃。最初の時点では制空権を握っていたのが、光線級が姿を現した事で手に負えなくなって核を使った焦土作戦に出る、と。
中国とソ連が戦っている中で今度はカナダにBETAの着陸ユニットが来たが、そちらはアメリカの……
「うおっ、マジか!?」
「どうかしましたか?」
「いや、何でも無い」
軍人に言葉を返し、改めて画面へと視線を向ける。
そこに表示されているのは、戦略核を集中運用し、カナダの半分近くに人が住めなくなったという情報。
だが、アメリカのこの選択は正しかっただろう。中国に落下したBETAに押されまくっており、今や世界のかなりの部分がBETAの支配下にあるのだから。もしこの状態で人類が2正面作戦を強いられていれば、恐らく今頃既に地球はBETAに滅ぼされていただろう。
そして今やユーラシア大陸の多くはBETAに支配されており、それを何とかして押し留めようとしている……というのが現状らしい。
何ともまぁ随分と詰みかけている状況だな。
一通り歴史を眺め、次にBETAの情報を見るべくコンピュータを操作する。
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:25
格闘:301
射撃:321
技量:311
防御:311
回避:341
命中:361
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
???
撃墜数:1114
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