ソードアート・オンライン 守り抜く双・大剣士
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第18話 =新たなる武器、そして仲間=
=第48層 リンダース=
「たっだいまー!」
「おじゃましまーす」
あの巨大な穴を抜けてからモンスターと遭遇することはなかったので実にゆったりとここまで来ることができた。
店番のNPCが決まったように出迎えてくれる。
「じゃあ、早速作る?」
「リズがそれでいいのならお願いするよ」
俺はアイテム欄にあるクリスタル・インゴットをオブジェクト化させ手渡す。出自については気にしない方向で。
「そうね、やっちゃおうか。一旦工房に来て」
そうリズはいいカウンター奥のドアを開けその奥の部屋に入った。
ここでも十分鳴り響いていた水車の音がカウンター奥の部屋に入ると一際大きくなった。
「…少し、やってみたいことがあるんだけど」
リズがやってみたいというにはまだ実践したことがないのだろう。正直金属を取れたのはリズのおかげだしあの大剣も軽かったとはいえ持ちやすいいいものだった。
俺はそれに「やってもいい」的なことをいうとリズは大剣を金床の上に置いて、というのでそのとおりにそた。
「で、今から何するの?」
「武器進化ってやつ。いくつも成功例があるんだけどやったことがなくって」
聞きなれない単語に詳細を聞くと、どうやら武器に金属の性能をプラスするというものと聞いた。
金属によっては1段階アップやそれ以上一気にアップ、もしくはダウンなんて可能性もあるらしい。
「…もともとはこれもリズからもらった剣だし思いっきりやっちゃえよ」
その言葉を聴き決心がついたのかリズは大剣の上に十分にやけ赤く光っている金属を乗せた。
ここからは俺も見守ることしかできない。鍛冶は運しだいというのをどこかで聞いたことがある。
工房内にカンッ、カンッと金属が叩かれる音が何度も響き渡る。そしてその後数回叩くと土台にある剣、上の焼けた金属が光りだし元の剣とは少し違う形を形成していく。
「す、すげぇ…」
その光が晴れたとき、そこには少々形の変わったリリィが存在していた。それは俺もゲームで見たことのある秋をイメージしたような大剣だった。
「えっと…名前は『オータムリリィ』…私が初耳ってことは今のところ情報屋の名鑑には載ってない剣だと思うわ…持ってみて」
「わ、わかった」
リズに促され俺は片手で剣をとる。形は少ししか変わってないのにリリィの数倍は重く俺にとってはちょうどいい重さになった。
そしてそれを数回振る。
「…ど、どう?」
「最高!…ちょうどいい重さだよ」
「やった!」
リズは喜びの思わずガッツポーズをしていた。そしてその拳を突き出してくる。俺も反応し俺の拳をリズのにあわせる。
そしていつものように腰の後ろに剣を納める。
「これで依頼終了だな。剣の代金…払うよ」
「う…いや…」
「なんだよ、遠慮せずに言えって」
こんないい剣を作ってくれたんだ、100万でも払える。そんな気持ちは十分にあった。
「お金は…いらない」
「…なにいって「そのかわり!」…そのかわりって…」
驚きの発言をされたのでそれに反論しようとするとリズは間髪いれず次の言葉を発した。
「私を…リクヤの専属スミスにしてほしい」
「…どういう意味?」
俺には専属スミスの意味が正直よくわからなかった。
その次にリズは毎日、攻略が終わったら武器のメンテをさせてほしいと言ったが俺はずっとそのつもりだったし、この剣をほかの鍛冶屋に任せるつもりも毛頭無い。
「だから!…あたし…リクヤのことが…「リズ!!心配したよー!」あ、アスナ!?」
リズが耐え切れなくなったのか自分の気持ちを叫ぼうとした瞬間突然工房のドアが開き栗色の髪の少女がリズに抱きついてきた。
それと同時に俺の目の前に1本の投剣が通り過ぎ去りアスナと同じ髪色、でもそれをポニーテールにしてある昔から知っている顔が見えた。
顔は笑っているが内心怒りがものすごいだろう。
「リクヤぁ…?丸1日もどこ行ってたのかしら…」
「…ゆ、ユカぁ!?なんでここに!?」
「なんで…じゃないでしょ!!メッセージは届かないしマップ追跡もできないし!昨夜は本当にどこにいたのよ!」
ユカの説教を聞きながら隣を見ると言葉はほぼ一緒だが向こうは涙ぐみながら言っていた。
さすが姉妹と思わせるくらいのシンクロぶりだった。
「55層のダンジョンで足止めされてたんだよ…」
「あんな寒いだけのところあんた一人で?」
「いや、リズと」
「リズ?」とその人は誰かと聞いてきたので俺が指をその人に向けるとユカは一瞬固まっていた。
おそらく目をあわしたであろうリズは俺から話を聞いていたのでユカよりかは驚いてなかったが驚いていた。
「里香ちゃん!?」「悠香ちゃん…!?」
全国で1万人しかプレイしてないはずなのに知り合いがいればそれはびっくりするだろう…
でも、次第に固まっていたのもどんどん解けていき数分後には久しぶりの会話をしていた。
「…俺…邪魔者?」
「お姉ちゃんはああだから…それにしてもリズがお姉ちゃんと知り合いだなんてはじめて知ったなぁ」
アスナも少し呆れていたが姉の幸せな顔が見れたのか安心したような顔になっていた。
「…そういえば、リズ」
「どうしたの?」
「専属スミスにしてほしいどういう意味?」
「ーーっ!?」
2人が入ってきてしまったのであいまいになったがそろそろ気になったのでリズに聞いてみる。
すると急に顔を押さえ黙ってしまった。指の間から見ると湯気が出そうなくらい真っ赤だ。
「「専属スミス!?」」
驚いたように姉妹2人が俺とリズを交互に見る。ユカも同じように顔を赤くしあわてているしアスナは完璧に驚いているようだった。
「えっ!?い、いやぁ…そのぉ…」
「…そうか!」
俺はない頭をフル回転させようやく答えにたどり着いた。その様子を見てさらに3人は顔を赤くしたりあわてたり驚いていた。
「凛々の自由に入りたいって事か!」
「「「…はぁ…」」」
だがその言葉を聴いた瞬間3人は同時にため息をついていた。
「俺は大歓迎だぜ!これからよろしくな!」
「え、あ、よろしく…」
「リズ…頑張って…」
「(まさか…リクヤのこと好きだなんて…私はどうしよう…)」
こうして俺たちのギルドにマスターメイサーのリズベットが仲間になった。
後日、キリトがこの店に来て片手用直剣のなかでは最高傑作の剣を折ってしまいまたあの雪山へ行き糞をとってきたのは別の話。
後書き
涙「まったく、あいつの鈍感さには呆れるよ」
リ「ほんと…」
涙「…どっち?リクヤ?それともリズベット?」
リズベット「後者のリズベットよ…あたしの告白も華麗に無視って何なの!?」
涙「気づかないだけなんじゃ…」
リズ「な、ならもっと積極的に、てこと!?」
涙「でも、ライバル多いですぜ?サチにシリカにユカ…アスナもかもよ?」
リズ「アスナはキリトでしょ?」
涙「今の作者は俺だ!!…あのカップリングは綺麗だから変えないけど」
リズ「…あそ…ま、ここまで読んでくれてありがとう」
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