Fate/staynight/the/crossovermoment
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結界
前書き
前回の続きです。
感想が聞きたいのでコメント下さい!!
「Fate」の導きが・・・君の運命を左右する」
言い残した言葉の意味を考えてたら時間が過ぎるのが早い。
朝、起きてから考えて結果、夕方まで「ランサー」の言い残した言葉の意味を探していた。
思えば「ランサー」の英霊は不思議な奴だった。
服装は言葉で表現するなら異国の神様?的な感じだが槍が特徴の英霊なんて知らない。
ネットで検索すれば案外、分かるかもしれんが卑怯に思えて断念。
「余り考え込むなニャ」
腕立て伏せ中のモオズ・アカラトは言った。
「君は魔術師ニャ。
何時か心理に近付き選択する」
「選択?」
無言の返答だ。
俺は魔術か使えるが魔術師じゃない。
魔術師だが魔法を使えないとは違うが魔術が使えるから魔術師と言ってもいいのか?
俺が魔術を使えるのは師匠の存在が俺の存在を存在意義を教えてくれたからだ。
「聖杯戦争は摩訶不思議なデスゲーム。
リタイア可能だがリタイアの代償は自身の魔術回路の消失」
「英霊の場合は敗北だけどニャ」
英霊「サーヴァント」の敗北は「マスター」の敗北だ。
人知を超えた存在、英霊「サーヴァント」が敗北すれば「マスター」の敗北は確定に近い。
「一番、不安なのは夜桜 叶ニャ」
「夜桜 叶?
ああ、「アーチャー」のマスターか」
半人前だが魔術師と言っていたが「アーチャー」のマスターには変わりない。
英霊「アーチャー」の実力は確認したが長靴を履いた猫 モオズ・アカラトに比べたら天と地の差だ。
「投影魔法の使い手は大抵、切り札を隠してるニャ。
でも、マスターが未熟過ぎるニャ」
未熟、現実的な言語だな。
願いを叶える聖杯戦争に参加するんだ大抵の困難は覚悟の上だ。
運と実力を兼ね備えた「魔術師」と「英霊」が勝敗を左右する。
鬼畜、外道、何を言われても勝利が重要なんだ。
汚い手を使っても勝利する。勝てば望みが叶う。建前が人間を英霊を腐らせる。
「英霊は死ぬ前の自分を正す為に人間は自身の欲を満たす為に」
敗北=死 生還=勝利が単純で絶対的なルールだ。
誰だって望んで敗北なんて選ばない選ぶなら勝利、勝って望みを叶える。
「真聖杯戦争は英雄、英霊の宴ニャ。
勝敗だけが問われる聖杯戦争、勝っても負けても何も得られないニャ。
勝利だけを望んだ英雄の決定戦が真聖杯戦争なんだニャ!」
最近、モオズ・アカラトは鍛えている?
ジョギング、腕立て伏せ、その他適当を毎日続けているが違和感しか感じられない。
一度は聖杯を勝ち取った英霊には思えない特訓だが毎日、毎日続けて飽きないのか?
「神崎 斬叶!
剣を頼むニャ!」
数時前から新たに加わった練習法 脳内剣術?
脳内で敵を想像して対戦する。要するにイメトレなのだがモオズ・アカラトは形から入るタイプらしく毎度毎度、イメトレ中は俺が投影した剣を構え行っている。
「ハイハイ、カオス・モーメント」
想像を具現化、最近、俺は「とある英霊の武器を」真似して投影している。
魔力と自身の血液を込めた鉛筆でスケッチブックに描く。
想像するのは常に最強の自分をベースに自分が最強、自分の最強の姿をイメージ。
「バイパス・オン」
形を形成、完成!
「ほら、」
完成した刀をモオズ・アカラトに投げる。
パチと音を立てキャッチするがモオズ・アカラトは動きを止めた。
「どうした?」
モオズ・アカラトは無言で俺の投影した刀を見つめる。
不備があったかな?と思ったが以前と変わらないセッティングで投影したから不備はないはずだが?
「似てるニャ?」
「似てる?」
「「アーチャー」の所持していた刀に似てるニャ」
カンカンカン、カンカンと軽くモオズ・アカラトは手で叩く。
軽く振ったり軽く投げたり!?ブーメラン方式で投げた!?
狭い家の中でクルクルと回転、新聞や雑誌、カーテンが破れモオズ・アカラトの手元に戻る。
「な、な、お、お前な!?」
「似てる、似てるニャ」
無視か?無視ですか?人の家の家具や読んでない雑誌&新聞を破って無視ですか?
今日のテレビ欄、まだ見えないんだぞ?その雑誌、読んでないんだぞ?
「神崎 斬叶?
君の投影魔法は特殊な魔術だと言ってたニャ?」
「言ったな、言ってたな。
てか、謝れ!!」
話をすり替える寸法か?
「君は君の投影魔法は見た物、全て投影出来るのか?」
「見た物全部?
見た物でも想像でも幻想でも空白でも投影出来るが?」
俺の魔法 イメーションスラントは投影魔法の一種だ。
本来はイメージを具現化する魔法なのだが召喚魔法を兼ね備えた万能魔法なのだ。
神崎家の祖先が投影魔法を改良して生み出したオリジナル魔法で神崎家の人間しか扱えない。
扱えない理由は解明されていない。理由は様々で複雑で曖昧だが使えない理由の一つは血の問題とされている。
神崎家の人間は魔術回路と血管を融合させている。人為的な融合じゃない奇跡と偶然が生み出した産物なのだ。
血管と魔術回路が融合した人間、当然、体内に流れる波動も普通、一般的な人間とも異なる。
魔力が流れる血管、血液と波動が流れる血管、不可解な融合が未知の魔術回路「LOST・ZERO」
世界最古の魔術師「クロリア・リジアス」も神崎家特有の魔術回路「LOST・ZERO」と同一の魔術回路所持者と言われているが噂の類に過ぎない。
「想像を具現化する魔術、投影。
なんでも構わないのかニャ?
想像、幻想でも頭の中でイメージ出来ればなんでも投影出来るのかニャ?」
「イメージを具現化するんだ。
想像でも幻想でも変わんないだろ」
なんでも投影出来る。
想像、幻想、空白でも頭の中でイメージ出来るなら投影は可能だ。
可能だが、弱点が存在する。
「なんでも投影出来る。
でも、なんでも投影出来るが逆に仇になるんだ」
「どういう意味ニャ?」
「想像、イメージが簡単な物なら投影成功率は格段に上がる。
でも、複雑で苦手な物とかは投影が難しい。
成功率は格段に下がるけど、まぁ、一応、投影出来るけど」
魔力配分、血液配分を間違えても失敗する。
その失敗の代償は様々だが原型を留めていない変な物体とか見るに耐えない不可解な物とかモオズ・アカラトとか?
「偶然の失敗がモオズ・アカラトを召喚した。
失敗も成功の内とか言ってる人の気持ちが良く分かるな〜」
「わ、私の召喚が失敗と言いたいのかニャ!?」
「さぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
新聞と雑誌とカーテンの恨みだ!
別にモオズ・アカラトの召喚が失敗だなんて俺は思っていない。
もし、モオズ・アカラトの召喚が失敗なら失敗を決断した神様に感謝しよう。
彼の存在が俺の退屈な日常を変えてくれた。彼の圧倒的な力が真聖杯戦争を知るキッカケになった。
モオズ・アカラトには感謝しても感謝しても感謝してもし切れない
「ひ、酷いニャ〜〜〜〜〜〜」
シクシクと泣き始める。
見て分かるんだが嘘泣きだ。
騙されない騙されないぞ!と頭の中で連呼するが嘘泣きモオズ・アカラトが異常な程に可愛い!
普通の猫の数百倍可愛い猫 モオズ・アカラトの嘘泣きは嘘泣きと分かっていても可愛い。
「え、ご、ごめん?」
謝る瞬間、感じた。
魔力の放出、魔術の発動の気配が家周辺を覆う。
「結界ニャ!!」
モオズ・アカラトが言い終わる前に結界は完璧に俺の家を覆っていた。
「音を漏らさない防音の結界と空間操作の結界を同時に発動、結界と結界の重ね合わせ!?」
窓から見る景色は普段と変わらない景色だ。
だが、魔術師なら分かる。
家周辺に結界、魔術が発動された事実を。
「結界の二重発動、「キャスター」のサーヴァントニャ」
「「キャスター」?」
「意味は魔術師ニャ。
要するに魔術に長けたサーヴァントニャ」
周辺、周囲の色が変化する。
薄い藍色から紫色に変化、色の形状を保たない色と言える変化が結界の色だ。
「囲まれてるニャ」
「だな、どうする?」
「結界を破壊すれば脱出、出来ると思うニャ
でも、・・・・・・・」
「でも?」
「私達が狙わられる理由が不明だニャ」
周囲を警戒、慎重にモオズ・アカラトは動く。
向かったのは玄関、外に出られるか確認する為だろう。
「ドアは開くニャ。
でも、周囲を結界を封じ込めてるから結界の外に出られないニャ」
テトテトと先に進むモオズ・アカラトの背後をチョクチョクと付いていく。
慎重に迂闊に動けば敵英霊 「キャスター」の思う壺だ。
状況を把握、脱出策と打開策を考え行動するのが生存率の高い利口な考えだ。
「不自然だニャ」
急にモオズ・アカラトは立ち止まった。
「不自然?」
「結界に閉じ込め、逃げ場を失ったゴキブリ状態の私達に危害が及ばないなんて不自然以外のなんでもないはずニャ!」
結界の効力で閉じ込めたが結界を張った張本人「キャスター」からの攻撃は一向に始まらないのが気に入らないのかモオズ・アカラトは不機嫌だ。
俺も不機嫌だと思ったが結界を張った張本人「キャスター」が臆病者「チキン」と考えれば意外と不機嫌感は消えた。様子見なのか臆病者なのか知らないが結界を張って俺達を閉じ込めた事実は変わらないが案外、敵「マスター」が無理に命令させただけかも。
「俺達が狙われた理由を探すよりも脱出する方法を考えよう。
じゃないと先に進めない」
「確かに、それもそうニャ」
了解したのかそう言って歩みを再開する。
俺の家はアパートの3階の一番奥の部屋だ。一番端の方の階段に向かい一歩ずつ慎重に階段を下りる。
敵の罠、敵の攻撃に備え鉛筆とスケッチブックは常時装備しているが静かだ。
音を遮断する結界が張ってあるから?と考えるが音を遮断する結界の効力は結界外だけで結界内ではない。
モオズ・アカラトの足音、俺の足音も聞こえる点から考え結界内の音は遮断出来ないと推測出来る。
結局、奇襲、罠、攻撃が俺達に襲い掛かる事なく2階に着いた。
「微弱な魔力を感じるニャ」
モオズ・アカラトは身構える。
鉛筆に魔力を込め戦闘態勢に移行するが?
「結界に使われている呪苻ニャ。
呪苻を使う「キャスター」と考えると「キャスター」本人は居ないかも知れないニャ」
呪苻に魔力を込め効力の発揮を確認して退散?
結界に閉じ込めるのが「キャスター」の目的なのか?
「周辺の呪苻を破壊すれば結界は解除させるニャ。
数は2階に二枚、1階に4枚ニャ。
一枚一枚、破壊して結界を解いて訓練続行ニャ!」
曖昧な理由でモオズ・アカラトは走り出した。
2階に残った呪苻二枚を鋭く尖った爪で切り裂き一階に向かう。
爪の切れ味ヤバイな後で猫専用爪切りで爪を短く切ってやろう。
「敵の罠とか注意しろよ!」
三回目の聖杯戦争で優勝した英霊 モオズ・アカラトなら大抵の試練、敵でも問題ないと思う。
だが、今のモオズ・アカラトは半英霊半魔者なのだ。
なにが原因で何が起こるか分からない中途半端な状態の半英霊なのだ。
「し、シン、し、シシシ、シ、し、シシン、侵入、シン、侵入者?」
背後から声が聞こえた。
悪寒が背中を走る。寒い筈なのに変な汗が体全体から吹き出した。
「オマエ、オマエ?オマエ?オマエ?
侵入、シャ?」
人間の形態だが人間じゃない物体が人間の言語で話す。
「オ、お、オレ、ルテハユシ。
ォ、オ、オ、ォ、お前、殺、殺す、けどい、ィい、いい?」
鞭が俺の首を掠めた。
掠めた部分から血が吹き出る。
「え、?」
身体が動かない。
「ま、ま、マダ、し、シ、シ、死んで、なぁ、ナ、ない?」
倒れ込んだ俺の身体を見ている。
先程の一撃で死ななかったのが疑問なのか自分の鞭を確認するが俺が死ななかった理由は分からなかったようだ。俺自身、首から大量の血が噴出したのに何故、生きてるのか疑問に思ってる。
だが、体が動かない。思考回路が働かない。自分の危機的状況を把握出来ない。
「し、シ、浸入、、、、は、は、はい、、じょ。
侵入者は排除、ま、ま、あ、、ママの、、、め、め、命令?」
動かない。動いても勝てる自信、根拠なんてない。
動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け動け。
「つっ、ツ、ツ、ツツ、次、次はこ、こ、コ、コ、コロ、ころ、殺す」
鞭が振り落とされた。
体は動かない。脳の思考回路も働かない。
避けられない!?
「目を逸らな、諦めたら終わりだ」
鞭の一撃は弾かれた。
モオズ・アカラトじゃない。
鞭の一撃を弾き俺を救ったのは?
「お前、「アーチャー」?」
なんで、お前が此処に?
夜桜 叶の「サーヴァント」がなんで俺を助けたんだ?
「マスターの命令で君を一時的に保護する。
君は終わる迄、生き延びる努力をしろ」
2本の刀を構えアーチャーは動いた。
敵の鞭を躱し否し攻撃の対象をアーチャーに移した。
「トレース・オン」
新たに2本の刀を投影、投影した2本の刀を投げた。
投げた刀は左右に回転、敵の逃げ道を塞いだ。
「ボ、ボボバ、ば、バ!?」
鞭を使って防ごうと努力するが無駄だ。
投げられた2本の刀に意識を集中しすぎて真正面のアーチャーがノーマークだ。
隙を逃さないアーチャーは突進した。
その突進は以前、モオズ・アカラトが見せた突進に似ていた。
「お前の負けだ」
突進は敵に当たっていない。
寸止めで敵に当たる直前でアーチャーは攻撃を中止したのだ。
「消えろ敗者に用はない」
投影していた刀を収めアーチャーは振り向いた。
敵の攻撃を恐れていないのか?余裕なのか?分からないがアーチャーは俺の元まで歩く。
「お、お前、な、なんで?」
「奴の闘争心は折れた。
なら、戦う意味はあるまい」
不思議な感覚、以前の彼に似ている?
俺に魔術の基礎を教え、俺に投影の基本を与えた師匠にアーチャーは似ていた。
俺の憧れ俺の命の恩人、俺の・・・・・・・・
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