美しき異形達
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第二十八話 横須賀の思い出その四
「修行もやればやる程よくなるからな」
「そういうことよね」
「やっぱりやることだよな」
修行にしろ学業にしろ、というのだ。
「あたしも勉強もっとやったら」
「よくなるわよ、当然として」
「だよな、けれどあたし的にはさ」
どうかとだ、薊は腕を組んで胡座をかいた姿勢で朱美に答えた、薊がこうした時にするいつもの姿勢で。
「勉強の方は」
「今のままでいいのね」
「志望大学のその学部に入られる位の学力があれば」
それで、というのだ。
「もうそれ以上はさ」
「望まないのね」
「今はそれ位あるからさ」
それでというのだ。
「もうこれ以上はさ」
「上げようと思わないのね」
「そうなんだよな」
「わかったわ、薊ちゃんがそう思うのならね」
「いいんだな」
「トップに立ちたいなら勉強すればいいし」
そう思って勉強をする者もいる、これはどの学校でも同じだ。
「これ位でいいっていうのならね」
「今のあたしみたいにか」
「別にトップにならなかったら何かある訳でもないし」
そんなことはない、この学園は。
「だからね」
「ですよね、ただ私は」
伸子はどうかというと。
「もう少し成績上げたいんで」
「頑張るのね」
「予習して」
そして、というのだ。
「復習を何度もして」
「そうしてなのね」
「もっと成績上げます」
「頑張ってね」
「何か今の志望より上の学部受けたくなってきたんで」
「何処の学部だよ」
薊は伸子に問うた。
「八条大学だよな」
「はい、語学部を考えていましたけれど」
それをというのだ。
「経済学部にしようかしらって」
「そう思ってるからか」
「語学部で英語勉強したいって思ってたんです」
「伸子ちゃん英語得意だしな」
「はい、ですから」
それで、というのだ。
「そう考えていたんですが」
「それを変えるんだな」
「経済の方、最近よくTPPとか聞くので」
「ああ、あれな」
「どうなのかなって思いまして」
「それでか」
「はい、それで考えてるんです」
より成績を上げようと、というのだ。
「それでコンスタントに勉強もしています」
「成程なあ」
「もう少し頑張ろうって」
「私達は学生だしね」
このことを忘れてはならないのだった、朱美は薊と伸子に対してこのことを確かな言葉で言うのだった。笑顔ではあるが。
「やっぱり勉強はね」
「しないとな」
「それも真面目にね」
「そうだよな、そこは」
薊は朱美のその言葉に頷いた。
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