遊戯王GX 〜プロデュエリストの歩き方〜
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エピソード27 〜制裁タッグデュエル 後編〜
「おめでとう!十代君、翔君、よくやったね〜」
十代達が迷宮兄弟とのデュエルに勝利し、観客席へと戻ると応援をしていた紫苑や翠、明日香たちとハイタッチをする。
「さぁ、次は私達だね〜。」
「はぁ……めんどいな。」
ここまできてマイペースを貫き通す紫苑に翠はあははと苦笑いをしつつ、めんどくさがる紫苑を引きづり、中央のデュエルフィールドへと歩いて行く。そこには、既に塞刃 真と黒木 イリナの二人が立ち、紫苑に恨みの篭った視線を向けていた。
「デュエル前に一つ聞いておく。貴様が俺の弟弟子の亮をナチュルとかいうパーミッションでリスペクトの欠片もねぇ、卑怯なデッキを使って勝ったって言う娘か?」
威圧的な雰囲気を醸し出しながら、紫苑を見据える。女扱いされた紫苑はムッと不機嫌を露わにすると、一転しニヤリと不敵な笑みを浮かべ、デュエルディスクを構える。
「へぇ、デュエルで語るってことかしらね?若いのに、生意気ね……。」
「威圧っていうのは喋ったら、逆効果ですよ?サイバー流の刺客さん?そんなにくっちゃべってないでかかってきたらどうです?」
翠もふふんと笑みを浮かべるとデュエルディスクを構える。仇を見るかのように紫苑も翠を睨みつけ、睨まれている二人はさも余裕そうに構える。いや、実際に余裕なのだが……。
「それで〜は、四人共、準備オーケーみたいなので制裁タッグデュエル二回戦目を始めたいと思うノーね。それで〜は…………デュエル!」
「「「「デュエル」」」」
◆
side明日香
ようやく始まったわね……。紫苑君と翠さんはシングルでも強いけど、タッグになったらどうなるのかしら?しかし、二人並んで見ると姉と弟というより、姉妹ね。
翠&紫苑:LP8000 真&イリナ:LP8000
「先行は私だね!ドロー。手札から【フォトン・サンクチュアリ】を発動して二体のフォトン・トークンを特殊召喚するよ。そして、二体の生贄にして【轟雷帝 ザボルグ】を召喚!そして、ザボルグの効果発動。ザボルグを破壊する」
ザボルグが放った雷が自身を打ち、破壊される
「ふふふ、馬鹿が。自分のモンスターを破壊してどーする。」
いきなりの最上級モンスターの召喚にすごいと思ったのもつかの間、自身の効果で破壊してしまう。周りの生徒達はプレイングミスだと笑い声をあげる。けど、翠さんは……
笑ってる!?あの人、絶対意図的にザホルグを破壊したんだわ。けど、なんで……
「さぁて、ザボルグの効果発動だよ!サボルグの効果で光属性モンスターを破壊した時、そのモンスターのレベルかランク分だけ、互いのエクストラデッキのカードを墓地へと送るよ。」
「なんだと⁉︎」
え、エクストラデッキ破壊⁉︎けど、エクストラデッキ破壊なんて相手がエクストラデッキを使わなきゃ意味ないのに、あの人は何がやりたいのかしら……?
「さらに、ザボルグを召喚する際に光属性モンスターを生贄にしていたら、相手の墓地へと送るモンスターは私が選べる。さぁ、エクストラデッキ貸してね〜」
「くそっ……ホラよ」
悪戯が成功した子供の笑みを浮かべる翠。真からカードを受け取るとザボルグのレベル、8枚分選び墓地へと送らせる。同様にして、翠さんも8枚カードを選び墓地へと送る。
「さらに、墓地へと送られた【虹光の宣告者】の効果を発動!」
「な、墓地からだと⁉︎」
墓地からの効果の発動に対し、観客が騒めく。
なるほど。墓地に送られたら効果が発動するモンスターが居たのね。目的は相手のエクストラデッキを破壊するのじゃなくて、目的のカードを墓地に送るためだったのか。
「デッキから儀式魔法、または儀式モンスターを手札に加えられる。私は【高等儀式術】二枚と【竜姫神 サフィラ】をサーチする。そして、高等儀式術発動!手札の儀式モンスターを選択し、デッキから通常モンスターを墓地に送る事で儀式召喚できる。
私はレベル6のサフィラを選択し、デッキから【逃げ惑う民】、【弾圧される民】、【団結するレジスタンス】を墓地に送る。光臨せよ、【竜姫神 サフィラ】!!」
【竜姫神 サフィラ】☆6 ATK2500
天から神々しい光の柱と共に、サファイアの鱗を持った竜人が翠さんの前へと降り立つ。
綺麗……。思わずサフィラの神々しさに声を漏らしてしまう。だが、それよりもすごいのが翠さんのプレイングだ。儀式召喚は私が行うが、燃費が悪く、手札が減りすぎてしまう。だが、翠さんの手札は5枚。一枚しか減っていない。
「私はエクスチェンジを発動。プレイヤー1人を選んで互いの手札を一枚交換するよ。ほら、紫苑、一枚選んでちょーだいな。」
「なげーよ……。じゃあ、これで」
翠さんの手札から【高等儀式術】を貰っていく。翠さんが何をもらって行ったか私の位置ではちょうど見えない。
けど、流石ね。息がぴったりだわ。二人の今回のデッキは儀式デッキなのかしら?
「私はカードを一枚伏せてエンド。」
「俺のターン、「サフィラの効果はつどー。まだ私のターンだぞー、無視すんなー」くそが……」
翠さんがわかりやすく相手を挑発する。まあ、この場合は相手が効果があるかないかを確認しなかったから相手が悪い……多分。いや、翠さんの事だから、わざとやったでしょうね。
「サフィラが儀式召喚されたターンのエンドフェイズ時に3つの内一つを選んで発動できる。
一つ目は二枚ドローして、一枚捨てる効果、
二つ目は相手の手札をランダムで一枚捨てさせる効果、
三つ目は墓地の光属性モンスターを手札に加える効果。
私は一つ目の効果を発動。二枚ドローして、一枚捨てる。さぁ、どうぞ。」
翠
LP8000
手札4枚
魔法・罠伏せ一枚
場
【竜姫神 サフィラ】☆6 ATK2500
「おれのターンドロー。まず貪欲な壺を発動。墓地のサイバー・エンド、二枚とサイバー・ツイン三枚枚を選択。選んだカードをデッキに戻し、二枚ドローする。そして、俺の場にモンスターが存在しなく、相手の場にのみモンスターが存在するときこいつが特殊召喚できる。来い、【サイバー・ドラゴン】!」
【サイバー・ドラゴン】☆5 ATK2100
「あちゃー、ザボルグの効果が裏目に出たっちゃか。」
「さらに手札から【サイバー・ドラゴン・コア】を召喚する。こいつの召喚に成功した時、デッキからサイバー、またはサイバネティクと名のつく魔法・罠をサーチする。」
「コアの効果にチェーンして、【エフェクト・ヴェーラー】の効果発動。この子を手札から捨てて、相手モンスターの効果を無効にするよ。」
白い大きな翼を持った魔法使いが光を放ち、コアの効果を打ち消す。
「くっ、パーミッションか。姑息な」
効果を無効化され、真はエフェクト・ヴェーラーの効果に対し、悪態をつく。見ていて気分が悪い。
「そーいえば、サイバー・ドラゴン・コアって聞いたことないわね。亮、あなた知ってる?」
「いや、知らない。俺も初めて見たカードだ」
隣に座って観戦している亮も知らないようで興味深そうというより、欲しそうな顔をしている。やはり、カイザーも人並みに物欲はあるのね……。
「手札から【エヴォリューション・バースト】を発動する。サフィラを破壊だ」
「やらせませーん。墓地の【祝祷の聖歌】を除外して儀式モンスターの破壊を無効にできる。」
天から降り注いだ光がカーテンのようにサフィラを包み、熱線から守る。
いつの間に。あ、サフィラの効果の時ね。さすがだわ、隙がない。けど、あのカード全ての儀式モンスターに対して有効なのかしら。翠さん、トレードしてくれないかな?
「防がれたか。だが、まだ終わりじゃないぞ。手札から融合を発動、手札と場のサイバー・ドラゴンで融合し、【サイバー・ツイン・ドラゴン】を召喚する。」
【サイバー・ツイン・ドラゴン】☆8 ATK2800
二つの首を持った機械の竜がサフィラを見下ろす。
やはり出てきたわね、サイバー流のエースモンスターの一角。毎回思うけど、なんでサイバー流の人は手札に融合とサイバー・ドラゴンが揃ってるのかしら?
「サイバー・ツインでサフィラを攻撃だ。エヴォリューション・ツイン・バースト!
「【和睦の使者】発動。これでサフィアは破壊されず、戦闘ダメージも0になる。これで、サフィラの破壊されないよ」
バリアがサフィラをサイバー・ツイン・ドラゴンのレーザーを受け止める。真は打つ手がないのか、バトルフェイズを終了する。
「くっ…………。俺はカードを二枚伏せて、ターンエンドだ。」
「サフィアの効果は手札デッキから墓地に光属性モンスターが送られたターンでも発動できる。もちろん相手ターンでもね。ていうわけで、サフィアの効果発動。私は一つ目の効果を発動して、二枚ドローして、一枚捨てる。」
相手ターンでも、効果を発動させるために手札誘発カードを入れていたのね。しかし、予想だにしないところから効果がとんでくるから恐ろしいわね。
塞刃 真
LP8000
手札なし
魔法・罠伏せ二枚
場
【サイバー・ドラゴン・コア】☆2 DEF1500
【サイバー・ツイン・ドラゴン】☆8 ATK2800
ハンドアドバンテージ、だったかしら?真さんは、手札なし。一方で、翠さんはデュエルが始まる前と変わらない5枚。こうなると翠さんのが有利になるのよね。けど、タッグデュエルだから、どうなるのかしらね?
「ドロー。手札から【儀式の準備】を発動。デッキからレベル7以下の儀式モンスター……【ライカンスロープ】を手札に加える。そして、墓地にある【祝祷の聖歌】を手札に加える。」
祝祷の聖歌!?いつの間に……。あっ!さっきのターンにサフィラで墓地に送ったのね!
「【高等儀式術】発動。デッキからおジャマ・イエロー、ブラック、グリーンを墓地に送り、レベル6の【ライカン・スロープ】を儀式召喚!バトルだ!【ライカン・スロープ】でコアを攻撃!シャドウ・スクラッチ!」
「させねぇ!永続罠【サイバー・ネットワーク】を発動!俺の場に【サイバー・ドラゴン】が存在するとき、デッキから光属性・機械族モンスターを除外できる。【サイバー・ドラゴン・コア】は墓地と場に存在するときに【サイバー・ドラゴン】としても扱える。よって効果は適用だ。デッキから【サイバー・ドラゴン・ドライ】を除外する。そして、このカードが除外された時、場の【サイバー・ドラゴン】一体を選択し、このターンのいかなる破壊を無効にできる。」
ライカン・スロープの爪が透明な障壁に阻まれ、コアを破壊するのを断念する。
「つらつらと長い説明をどうも……。カードを三枚伏せてターンエンド。そして、サフィラの効果発動。手札二枚ドローして、一枚捨てる。」
捨てられたカードはやっぱりというか、【祝祷の聖歌】ね。流石紫苑くん、抜け目ないプレイングね。
紫苑
LP8000
手札四枚
魔法・罠伏せ三枚
場
【ライカン・スロープ】☆6 ATK2400
【竜姫神 サフィラ】☆6 ATK2500
「私のターン、ドロー。まずは【サイバー・ネットワーク】の効果でデッキから【サイバー・ドラゴン】を除外するわ。」
「その効果にチェーンして、伏せておいた【手札断殺】を発動。手札二枚捨てて、二枚ドローする。」
捨てられたカードは【マンジュ・ゴット】と魔法カード。サフィラの効果を確実に発動させるために召喚せずに温存しておいたのね。
「へぇ、いいカードが来たじゃない?まずは【苦渋の決断】を発動させるわ。私はサイバー・ダーク・キール】、【サイバー・ダーク・ホーン】、【サイバー・ダーク・エッジ】、【ドラグニティ・ファランクス】、【ハウンド・ドラゴン】を選択するわ。さぁ、一枚選びなさい?」
「じゃあ、ファランクスで」
「そう、いい選択ね。選ばれたファランクスを手札に加え、残りを墓地に送るわ。そして、手札から【サイバー・ダーク・エッジ】を召喚。さらにエッジの効果を発動!墓地からレベル3以下のドラゴン族モンスターをこのカードに装備し、その攻撃力を得る。私は【ハウンド・ドラゴン】を装備し、その攻撃力分、1700ポイントアップさせる。」
【サイバー・ダーク・エッジ】☆4 ATK800→2500
黒く先が鋭利に尖った翼を広げたサイバー・ドラゴンとは真逆の色をした漆黒の機械が召喚される。赤い光の糸を照射すると墓地からハウンド・ドラゴンが連れて来られ、サイバー・ダーク・エッジに装備される。
苦渋の選択による墓地に送くる効果を逆手にとり、エッジの攻撃力をあげるイリナ。ふふんと紫苑を見下した視線を送る。本人は対して気にしていないのか、それとも余裕なのか欠伸をしている始末。
相手もこんな簡単に攻撃力2000越えのモンスターを出すなんて……流石プロね。けど、紫苑君は神経が図太いのか、よほど余裕なのかデュエル中に欠伸をするなんて……。まぁ、マイペースなのは変わらないか。
「サイバー・ダーク…………?俺の知らないサイバーがまた……」
隣でサイバー・ダークがどうこうと呟いている亮。ものすごく鬱陶しいのだけれども!?
「永続魔法【機甲舞台の最前線】を発動して、バトルよ!【サイバー・ツイン・ドラゴン】で、ライカン・スロープを攻撃!エヴォリューション・ツイン・バァースト!!」
「リバースカードオープン【幻獣の角】。ライカン・スロープに装備させ、攻撃力を800ポイントアップさせる。向かい打て、ライカン・スロープ!」
【ライカン・スロープ】☆6 ATK2400→3200
サイバー・ツイン・ドラゴンの光線を爪で切り裂くと頭に装備された大角で胴体部分に風穴を開ける。
れ、レーザーを斬った!?どんな爪してんのよ!あの狼!
イリナLP8000→7600
「【幻獣の角】と【ライカン・スロープ】の効果を発動。幻獣の角を装備したモンスターが相手モンスターを破壊した時、一枚ドローできる。さらに【ライカン・スロープ】は相手にダメージを与えた時、墓地の通常モンスター一体につき、200ポイントのダメージを与えられる。」
う、上手い!カウンターで相手モンスターを破壊しただけじゃなくて、さらに手札補給と追加ダメージを与えるなんて、さすが、紫苑君ね。
「パートナーの墓地は共有だったよな?」
「はい、そうでありますーノ。なのーで、通常モンスターの数はミス・翠の三体とセニョール・シオンの三体。計6体ナノーネ。」
と、審判役のクロノス先生が解説を入れてくれる。
「と、いうわけだ。6×200で1200ポイントのダメージだ!やれ、ライカン・スロープ!シャドウ・ガスト!」
紫苑の命令を受けて、ライカン・スロープはレーザーすらも切り裂いた爪を振るい、斬撃を飛ばす。
イリナLP7600→6400
「くっ……。【機甲部隊の最前線】の効果でデッキから【サイバー・ドラゴン】を守備表示で特殊召喚するわ。バトルフェイズはまだ終わってない!【サイバー・ダーク・エッジ】は攻撃力を半分にすることによって、直接攻撃ができるモンスターよ。やれ、カウンター・バーン!」
紫苑LP8000→6750
ダイレクトアタックを決められても余裕ぶった態度をとる紫苑にイリナはイラつきを露わにする。
「くっ、その余裕ぶった態度が気に入らないわね!私はカードを一枚伏せて、エンドよ」
「じゃあ、サフィラの効果で二枚ドローして、一枚捨てる。」
これで紫苑君の手札が六枚に……!?あ、頭が痛いわ。どうして、カードを消費しまくってるのに、手札が増えてるのよ!!
イリナ
LP6400
手札二枚
魔法・罠伏せ一枚
【サイバー・ネットワーク】
【機甲部隊の最前線】
【ハウンド・ドラゴン】
場
【サイバー・ダーク・エッジ】☆4 ATK2500
【サイバー・ドラゴン】☆5 ATK1400
「私のターンだね。ドロー!まぁ、やることないし……。バトル!【ライカン・スロープ】でエッジを攻撃!シャドウ・スクラッチ!」
「サイバー・ダークは装備モンスターを身代わりにすることができる。私は【サイバー・ダーク・エッジ】の代わりに【ハウンド・ドラゴン】を代わりに破壊する。」
「けど、追加ダメージはしっかり受けてもらうよ!シャドウ・ガスト!」
爪からはなたれる斬撃がイリナたちを襲う
イリナLP6400→5700→4500
「続けて、【竜姫神 サフィラ】でエッジを攻撃!聖歌の粛清!」
サフィラが聖歌を謳うと共に天から聖なる光が降り注ぎ、サイバー・ダーク・エッジを穿つ。
「くぅぅぅ……。これくらい!」
イリナLP4500→2800
さすがにサフィラの攻撃は堪えたのか表情を歪めるイリナ。
まだ二巡目なのに、8000もあったライフが3000をきっちゃった。しかも、押してるどころか余裕すら感じられる。やっぱ、すごいわね、あの二人……。
「まぁ、こんなもんだよね。私は【愚かな埋葬】を発動して、【マンジュゴット】を墓地に送る。私はこれでエンド。
そして、エンドフェイズ時にサフィラの第三の効果を発動。墓地の光属性モンスター一体を手札に加える。私は【エフェクト・ヴェーラー】を手札に。」
次のターンの布石を整える事を忘れない。流石、翠さんね。
「チェーンしてサイクロンを発動!【サイバー・ネットワーク】を破壊する!」
え!?自分のカードを破壊するの!?まさかヤケになった?いや、プロの人がそんことするわけないし……
まさかのプレイングにざわざわと会場が騒がしくなる。
「【サイバー・ネットワーク】は破壊された時、除外されている光属性・機械族モンスターを可能な限り特殊召喚できる。よって、【サイバー・ドラゴン】と【サイバー・ドラゴン・ドライ】を特殊召喚するわ。ただし、デメリットととしてこの効果が発動されたターンはバトルフェイズは行えなくなる。ま、相手のターンに破壊すればそのデメリットもないものだけどね?」
「【サイクロン】あるなら、【幻獣の角】破壊すればよかっただろ……。」
「まぁ、それなりの考えがあるんだからさ?そう真っ向から否定したら、可哀想だよ?」
…………紫苑君のいうことも一理あるけど、明らかに翠さんのは、相手を挑発してるわよね?ほら、なんか男の人の方は額に青筋浮かべてるし……。
翠
LP6750
手札五枚
魔法・罠伏せ二枚
【幻獣の角】
場
【ライカン・スロープ】☆6 ATK3200
【竜姫神 サフィラ】☆6 ATK2500
「はん!サイクロンが無駄かどうかは試してみなきゃわからねぇぜ!ドロー!俺は手札から【サイバー・ドラゴン・ドライ】を召喚!このカードは【サイバー・ドラゴン】に破壊耐性を与える効果ともう一つ、召喚成功時に【サイバー・ドラゴン】のレベルを5に変更する効果が存在する!そして、【サイバー・ドラゴン・ドライ】と【サイバー・ドラゴン・コア】は【サイバー・ドラゴン】として、扱えるカードだ。よって、俺の場に存在するコアとドライ二体のレベルは5に変更される!アップデート!」
サイバー・ドラゴン・ドライの放った光がコアとドライを包み込む。
「レベル5が五体か……。こりゃまた見せつけてくれるね〜。」
「いくぜ!俺は【サイバー・ドラゴン】二体でオーバレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!」
サイバー・ドラゴンが白い光の球となり、真の足元に開いた赤い渦へと吸い込まれていく。プロの世界でも、最近ようやく使われるようになったエクシーズ召喚が実際に行われ、観客がこれ以上ないほど、歓声をあげる。
「雷臨せよ!【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】!!!」
【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】★5 ATK2100
激しい閃光と共に渦の中から姿を現すサイバー・ドラゴン。だが、その姿は似て非なるモノで、背中には、白い鋼鉄の翼が生え、胴体部には、紅い巨大なコアが見えている。
「なんだと!?サイバー・ドラゴンのエクシーズモンスター!!」
隣で観戦をしている亮がガタリと音を立てて、立ち上がる。
……流石サイバー流、サイバー・ドラゴンに対する愛が半端ないわね……。だって、エクシーズモンスターに向ける眼差しが尋常じゃないもの。
「まだだぜ!俺はレベル5となった【サイバー・ドラゴン・コア】と【サイバー・ドラゴン・ドライ】でオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!起動せよ、【発条装攻 ゼンマイオー】!!」
背中に取り付けられた巨大なゼンマイが目を引くモンスターが渦から現れる。
二体ものエクシーズモンスターを目の前にして、翠さんや紫苑君は全く動じていない。いや、むしろ予想通りと言った表情をしている。
「俺はゼンマイオーの効果を発動する。エクシーズ・ユニットを一つ使い、伏せられたカード一枚を破壊できる。」
「やらせませ〜ん!私は手札から【エフェクト・ヴェーラー】を捨てて、ゼンマイオーの効果を無効にする!」
エフェクト・ヴェーラーの光を受け、ゼンマイオーはがくりと項垂れる。
「くっ、だがノヴァの効果は発動させてもらうぜ!エクシーズ・ユニット一つを使い、墓地から【サイバー・ドラゴン】を特殊召喚する!」
【サイバー・ドラゴン】☆5 ATK2100
ノヴァが赤いコアから光を放つと空中にサイバー・ドラゴンのシルエットが0と1で形作られる。
「もういっちょ、いくぜ!俺は【サイバー・ドラゴン】とレベル5になった【サイバー・ドラゴン・ドライ】でオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!雷臨せよ、【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】!!」
三回目となると珍しいエクシーズ召喚でも流石に飽きが来るわね……。
やはりと言うか、観客の反応が最初よりは薄い。まぁ
盛り上がっている事には盛り上がっているのだが……。
「俺はノヴァのエクシーズ・ユニット一つを使い、墓地から【サイバー・ドラゴン】を特殊召喚する。
さて、バトルだ!俺は【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】で【ライカン・スロープ】を攻撃!」
えっ!?ノヴァのが攻撃力が低いのに?
「そして、この瞬間、ノヴァの効果を発動する!場に存在する【サイバー・ドラゴン】をリリースし、ノヴァの攻撃力を二倍にするぜ!」
「そう簡単に行くとでも……?」
「何!?お前にこいつの効果が防げるとでも?お得意の【エフェクト・ヴェーラー】はもう手札にないはずだし、そもそもバトルフェイズじゃあ、発動はできねぇよなぁ?」
翠さんの言葉をただのハッタリと受け取った真は嫌味をたっぷりと含ませ、挑発する。
確かに【エフェクト・ヴェーラー】は相手のメインフェイズにしか効果を使用出来ない……。けど、翠さんには、アレがあるではないか。
「その台詞はフラグだよ♪私は手札から【朱光の宣告者】の効果を発動!このカードと手札の【もけもけ】を捨てて、【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】の効果の発動を無効にし、破壊する!」
「また手札誘発カード……だと!?」
丸い球体に天使の翼が生えたモンスターが朱い光を放ち、サイバー、ドラゴン・ノヴァを穿つ。
「くっ……だが、ここで【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】の効果を発動させる!相手によって墓地に送られた時、エクストラデッキから光属性・機械族融合モンスターを特殊召喚する。俺は【サイバー・ツイン・ドラゴン】を特殊召喚するぜ。残念だったな。折角のパーミッションも新たなモンスターを呼び出しちまうことになっちまうなんてなぁ?」
コアが光り輝くとそこから新たなサイバー・ドラゴンが姿を現す。
またしても挑発気味に翠さんに対して、言葉を発する。一方で、紫苑君はターンが長い為か眠たそうに欠伸をする。
彼にはきっと緊張感というものが欠除しているのね……
「いくぜ、【サイバー・ツイン・ドラゴン】でサフィラを攻撃!エヴォリューション・ツイン・バースト、ダイイチダァ!!」
「墓地の【祝祷の聖歌】を除外して、サフィラの破壊を無効にする!」
翠LP6750→6450
「サイバー・ツイン・ドラゴンの攻撃は二段攻撃だ!くらえ、エヴォリューション・ツイン・バースト、ダイニダァ!」
発射されたレーザーがサフィラの胸を貫く
翠LP6450→6150
翠さんたちのドローエンジンの役目を果たしていたサフィラがついに退場してしまう。だが、翠さんは別に痛手でもないようで涼しい顔をしている。
「ちっ……余裕かよ。俺はこれでターンエンドだ。」
真は憎々しげに呟くとエンド宣言をする。
真
LP2800
手札なし
魔法・罠伏せ一枚
場
【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】★5 ATK2100
【発条機攻 ゼンマイオー】★5 ATK2600
【サイバー・ツイン・ドラゴン】☆8 ATK2800
「ようやく、俺のターンか……。全く長いわ」
一度大きく伸びをしてから、カードをドローする。
「さて、いっちょやりますか。手札から魔法カード【未来への思い】を発動。このカードは墓地からレベルの異なるモンスター三体の効果を無効にし、攻撃力を0にした上で特殊召喚できる。ただし、このターンはエクシーズ召喚以外の特殊召喚が行えず、さらにエクシーズ召喚を行ってない場合、4000ポイントライフを失う。
俺は効果により、墓地より、レベル1【もけもけ】、レベル2【弾圧される民】、レベル3【団結するレジスタンス】、を特殊召喚する。」
効果無効、攻撃力0、さらに特殊召喚も行えず、エクシーズ召喚をしなかったら4000ポイントものライフを失うカードなんて…紫苑君は何がやりたいの?
「はん、そんなデケェデメリット負った割には、雑魚しか出てきてねぇじゃねえか。勝負を諦めたか?」
紫苑にくってかかる真。それにつられて会場にもどよめきと嘲笑の声が漏れる。
紫苑君がたかがエースモンスターを出されただけで勝ちを諦めるはずがない。きっと何か考えがあるんだわ。
「俺は【エフェクト・ヴェーラー】を召喚する。レベル1の【金華猫】と【もけもけ】でオーバーレイ。現れろ、【シャイニート・マジシャン】!」
場に出てきたのは、やる気のなさそうな幼い魔法使い。魔法を使い、ソファを出すとそこに寝そべる。
…………モンスターがぐれた!?って、そんなわけないか。
女性モンスターの登場にウォォォ!と男子たちが盛り上がりをみせる。これだから、男って……
◆◇◆
『……ようやく、私を呼んでくれた……。待ちくたびれた……ふわぁ…。』
シャイニート・マジシャンもといニートが眠たそうな眼を擦りながら、話かけてくる。
ていうか、お前が精霊として、憑いている時どうしてこうやる気がなくなるんだよ……。眠くて堪らない。
『それは私の…………癒しのオーラのおかげ、たぶん。』
一瞬考えただろ、オイ!癒しというより、怠けの方があってる気がするんだが。
この学園にも精霊憑きは何人もいるから、正直公の場ではあまり出てきて欲しくないんだが……。
『まぁ……私が呼ばれたからには、紫苑は勝てる!』
寝そべりながらこちらにぐっとサムズアップしてくる。
勝つも何もほぼ勝負は決まってるんだがな……。
『……なぬっ。私に出番を……』
出番も何もお前、出てきたところで何もしないだろ……。
『むぅ、確かに。だが、私は不動のモンスター。……無駄に動くことはしょうにあわない。』
不動と言うより、NEETだろ。自宅警備員め!
『……某ツルハシゲームの魔法陣から呼び出される警備員だって、最強なんだ。……イコール、同じ警備員である、わたしもサイキョー……。』
どうして、そうなる……。
シャイニートの言い分に思わずため息が出る。
「おい、ターンは進めねぇのか?」
ボーとしていた俺に真…………だったよな?は痺れを切らしたらしい。
「ふわぁ……眠っ。俺はこれでターンエンド。」
何もせず、ただモンスターを並べただけで攻撃をしないというプレイングに会場が騒めく。煩い。
別に攻撃をしてもいいが、対して意味はなさないのでここは何もしないのが吉。無駄に攻撃して、聖バリでも飛んできたら厄介だしな。
紫苑
LP6150
手札四枚
魔法・罠伏せ二枚
【幻獣の角】
場
【ライカン・スロープ】☆6 ATK3200
【シャイニーと・マジシャン】★1 DEF2000
【逃げ惑う民】☆2 DEF600
【団結するレジスタンス】☆3 DEF400
「私のターン、ドロー。ゼンマイオーの効果を発動させるわ!エクシーズ・ユニットを一つ使用し、あなたの伏せカード二枚を選択し、破壊する!」
「手札から【エフェクト・ヴェーラー】を捨てて、効果発動。ゼンマイオーの効果を無効にする。残念だったな。」
今回3度目の仕事をするエフェクト・ヴェーラー。なんとなくだが、やつれて見えるのは、気のせいか……。
「またしても!私は手札から魔法カード【愚かな埋葬】を発動する!デッキから【フェルグランドドラゴン】を墓地に送る。そして、魔法カード【サイバーダーク・インパクト!】発動!!墓地の【サイバー・ダーク・キール】、【サイバー・ダーク・ホーン】、【サイバー・ダーク・エッジ】の三体を除外して、融合召喚!!
黒き竜よ!漆黒の鎧を纏いて、禁じられし力を解き放て!融合召喚!レベル8【鎧黒竜 ー サイバー・ダーク・ドラゴン】!!!」
黒い稲光と共にキール、ホーン、エッジ……三体のサイバー・ダークの融合が融合し、漆黒の装甲を纏った竜が降臨する。先に召喚された【サイバー・ドラゴン・ノヴァ】や【サイバー・ツイン・ドラゴン】をも圧倒する存在感を放っている。
「……来たか、裏・サイバー流のエースモンスター……。」
そして、紫苑はポツリと呟くと笑みを浮かべる。まるで、そのモンスターの登場を待っていたかのように……。
さて、鮫島。わざわざ刺客を寄越し、そしてサイバー流の禁忌まで使って来たんだ。それが呆気なく散らされたら、どう思うのかねぇ?
サイバー・ダーク・ドラゴンの召喚に成功したことで、薄ら笑いを浮かべている鮫島校長へと、残虐な笑みを浮かべる。お前らの思惑などことごとく潰してやると……。
「サイバー・ダーク・ドラゴンの効果を発動!このカードが特殊召喚された時、墓地に存在するドラゴン族モンスターを装備し、装備モンスターの攻撃力へと加える。私は【フェルグランドドラゴン】を装備させるわ。」
サイバー・ダーク・ドラゴンから赤い光がフェルグランドドラゴンへと照射されると光の帯となり、拘束する。
【鎧黒竜 ー サイバー・ダーク・ドラゴン】☆8 ATK1000→3800
「さぁ、準備は整ったわ……。バトルよ!サイバー・ダーク・ドラゴンで【ライカン・スロープ】へ攻撃!フル・ダーク・バースト!!」
サイバー・ダーク・ドラゴンから圧縮された闇のような漆黒の光線が放たれる。
「リバースカードオープン【リミット・リバース】発動!墓地より【弾圧される民】を攻撃表示で特殊召喚する。そして、モンスターが場に増えたことでその攻撃は巻き戻される。」
【弾圧される民】☆1 ATK400
召喚されたのは、攻撃力1000以下のバニラモンスター。一瞬、イリナは驚いた表情を露わにする。だが、すぐさま表情を一転させ、余裕の、勝ち誇った笑みを浮かべる。
せいぜい悪足掻きとでも思ってるんだろうな……
「ふん、そんなバニラを出した所で私のモンスターの前では、壁にもならないわ!」
案の定、紫苑の思った通りだった。だが、翠はイリナに対し、ふふんとこいつもまた勝ち誇った笑みを浮かべる。
「甘いねぇ〜。勝利の方程式は既に整ってるんだよ!やっちゃえ、紫苑!」
「何が勝利の方程式よ!サイバー・ダーク・ドラゴンで【弾圧される民】に攻撃!フル・ダーク・バースト!!」
「リバースカードオープン【大革命】!!」
「っ!?う、嘘!そんなロマンカードを使うとか正気なの!!」
【大革命】は【弾圧される民】、【逃げ惑う民】、【団結するレジスタンス】。三体のモンスターを場に揃える必要があり、三枚とも、属性もレベルもバラバラ。さらには、効果もステータスも貧弱な世間一般で言う所のバニラモンスターだ。それ故に発動するまでは難しい。だが、一度発動すれば、相手の場と手札を根こそぎ枯らす事ができる。それ故にただのロマンと言われているのだ。
弾圧され、苦しんだ民たちよ!今こそ、反逆の狼煙をあげよ!起こせ!革命の風を!」
弾圧される民、逃げ惑う民、そして、団結するレジスタンスたちが拳を振り上げ、強大な敵、サイバー・ダーク・ドラゴンへと立ち向かっていく。
「相手の手札全てを墓地に送り、さらにモンスター全てを破壊する!」
イリナの残り一枚と手札と共に場のモンスターが一掃される。
「っく!?…………私はターン……エンドよ」
あれだけ強力なモンスターが並んだ場には壁モンスター一体すら存在しなくなり、逆に寂しさを感じる。
イリナ
LP2800
手札なし
魔法・罠なし
場なし
「私のターン、ドロー。【ライカン・スロープ】でダイレクトアタック!シャドウ・スクラッチ!」
「やらせない!私は墓地に存在する【超電磁タートル】を除外し、バトルフェイズを強制終了させるわ!」
トドメの一撃を惜しくも電磁タートルの張ったバリアに阻まれてしまう。
「惜しかったな〜。私は【祝祷の聖歌】を発動。レベル6になるように弾圧される民、逃げ惑う民、団結するレジスタンスを生贄に捧げ、【竜姫神 サフィラ】を儀式召喚する。そして、カードを一枚伏せる。エンドフェイズにサフィラの効果で二枚ドローして、一枚捨てる。」
翠
LP6150
手札一枚
魔法・罠伏せ一枚
【リミット・リバース】
【幻獣の角】
場
【ライカン・スロープ】☆6 ATK3200
【シャイニート・マジシャン】★1 DEF2000
【竜姫神 サフィラ】☆6 ATK2500
「俺のターン……ドロー!!来たぜ!」
ピンチになると誰もがする叫びながらのドロー。そして、真はお目当てのカードを引き当てたらしく、勝利を確信した笑みを浮かべる。
「俺は手札から魔法カード【オーバー・ロード・フュージョン】発動!俺は墓地の【サイバー・ドラゴン】と機械族モンスター、計11体を除外し、融合召喚!!現れよ、【キメラテック・オーバー・ドラゴン】!!」
融合素材分、計12本もの首の生えたサイバー・ドラゴンが降臨する。そのモンスターが放つオーラはサイバー・ダーク・ドラゴンよりも圧倒的かつ禍々しい。
「ぶっちゃけ、八岐大蛇か、ヒュドラだね……。」
翠はそんなモンスターを前にしても平常運転だった。
「はっ、言ってろ!【キメラテック・オーバー・ドラゴン】の攻撃力は融合素材モンスターの数×800の数値となり、さらに融合素材の数だけモンスターを攻撃することができる。よって、12×800ポイントで9600だ!」
「惜しい!あと、ちょいで一万言ってたのに……残念。」
「どこまでも馬鹿にしやがって!だが、これで終わりだ!【キメラテック・オーバー・ドラゴン】で【弾圧される民】を攻撃!
結局、雑魚はザコ!革命なんか起こしたところでひっくり返されるのがオチなんだよ!喰らえ、レボリューション・リザルト・バァァァスト!!」
「速攻魔法発動【禁じられた聖杯】!!」
「なにっ!?」
一つの杯から雫が一つ溢れ、キメラテック・オーバー・ドラゴンへと当たる。そして、一度力が漲ったと見えたが急速にそのオーラを衰えさせていく。
【キメラテック・オーバー・ドラゴン】☆9 ATK9600→800
「さぁ、向かい打て!サフィラ!聖歌の粛正!!」
サフィラが両手を天に広げ、唄う。それに反応するかのように光が集まり、降り注ぐ。光のシャワーは見るものを魅力し、敵を非情にも砕く。
真LP2800→1100
「くっ、くそが!!」
真は何もできず、悪態をつくと紫苑へとターンが移行する。
「さて、シャイニート……。出番欲しいか?」
そう尋ねるとただコクリと首を縦に振り、ソファから立ち上がる。
「俺のターン、ドロー。俺は場の【シャイニート・マジシャン】でオーバーレイ・ネットワークを再構築!働け、NEET!エクシーズ召喚!【ダウナード・マジシャン】!」
シャイニートが光の球となると赤い渦の中へと吸い込まれ、光が迸る。そして、新たに現れたのは少し大人びた雰囲気を纏うシャイニート・マジシャン。
『……ふふん。これが私の……真の姿。』
フラスコ片手にニヤリとドヤ顔を決める
「ダウナード・マジシャンでダイレクトアタック!」
『喰らえ、アルケミックボム』
何やら怪しい色彩を持つ液体の入ったフラスコを投げつける。それが着弾すると共に強烈な爆発を巻き起こし、二人を吹き飛ばす。
真&イリナ LP1100→ー1000
デュエルに敗北し、未だ倒れ伏す二人の下に翠がつかつかと歩み寄る。敵意ある視線を向けられるも、屈託のない純粋な笑みを浮かべ、手を差し出す。
「楽しいデュエルだったよ。今度は復讐とかなしで、ただ同じプロデュエリストとして挑んで来てね?」
てっきり嫌味でも言われるのだろうと予想していたが、その逆の事を言われ、キョトンとする。だが、すぐに元に戻ると自分の手で立ち上がる。
「はっん!オメェラなんざ、すぐに倒してやるよ!」
と、塞刃 真が
「ふふっ、生意気ね。すぐに倒してあげるから、首洗って待ってなさい」
と、黒木 イリナが
そう翠と紫苑に対し、告げると踵を返しデュエルフィールドを後にしていってしまう。そして、激闘を繰り広げだ四人に惜しみない拍手が送られる。もちろん、第一戦目で見事勝利を納めた十代と翔達にもだ。
そして、そんな中でただ一人、鮫島校長もとい、サイバー流現師範であるマスター・鮫島は自分の道場から刺客を差し向け、勝利した暁には無敗を誇る二人のルーキーの正体を明かし、その人気を失墜させて後に、無敗を破ったサイバー流として大大的に公表し、より大きく発展させようと目論んでいたのだ。だが、差し向けられた刺客はただ一撃入れただけで、さらには【大革命】などというロマンデッキに敗北してしまい、鮫島の計画は敢え無く失敗に終わる。
そんな彼は憎々しげにフィールドの中央で拍手を浴びる紫苑たちを睨んでいた。
後書き
今回の相手である塞刃 真(さいば まこと)、読み方を変えると真サイバーになったりしたりします。
黒木 イリナの方は、黒い機械ってことでサイバー・ダーク。気づけましたか?
真の方のデッキは純粋な《真サイバー》、イリナはサイバー・ダークにドラグニティ・ファランクスを入れシンクロを可能にし、サイドラやフェルグランド等を入れることによってカオスモンスターを出せる風にとは考えています。一応は。
ただ、今後も登場予定なので、その時には全てのギミックを使用できればと思っています。
翠と紫苑は《大革命 儀式》ですね。翠の方はサフィラ軸で宣告者やヴェーラーを交ぜたパーミッション風味に。
紫苑は金華猫やトライワイトゾーンで積極的にエクシーズする感じですね。はい。
なんとなく、デッキ紹介でしたww
実験的にやってみましたが、このコーナー要りますかね?
批評含め、感想にてご意見がもらえたら嬉しいです。
あと、オリキャラは随所募集中です。
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