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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0804話

「何だってまた、ギアス世界を選んだんだ?」

 恋人孝行第4弾! という訳で、今日の俺はスレイと共にギアス世界にやって来ていた。
 レモンの選んだマクロス世界、コーネリアの選んだSEED世界でのバカンス、マリューの選んだネギま世界の魔法界と、他の3人は色々と納得出来るデート場所だったのだが、何故かスレイが選んだのはギアス世界だった。
 いや、ギアス世界が悪いとは言わない。文化の発展で石油の代わりにサクラダイトが使われた事もあって、自然環境の面で言えば恐らく最も環境破壊されていない世界と言えるだろうから。

「ふふっ、別にそれ程明確な理由がある訳では無いさ。ただ……アクセルとデートをするのなら、是非行きたい場所があってな」
「行きたい場所?」

 呟き、周囲を見回す。
 俺とスレイがいるのは、陽光の首都光明。実際に国を作ったのが星刻達であるという影響もあり、光明の文化は中華風の物が殆どだ。
 勿論それだけではない。ブリタニアとの戦いを経て、更にはすぐ近くにシャドウミラーの基地があるという影響で、実質的にギアス世界そのものの首都となっている光明だけに、そこにはEUの近代的な、あるいはブリタニアの典雅な、そして日本の落ち着いた雰囲気を発している建物もかなり多い。
 俺が知っているよりも随分と進んでいるのは、やはり俺がマクロス世界に行っていた1年半の間に建てられたものなのだろう。
 そんな、ある意味ではギアス世界そのものとも言える街並みを眺めつつ、俺の手を握っているスレイへと視線を向けて尋ねる。

「ああ。……ペンドラゴンにちょっとな。一緒に行ってくれないか?」
「それは別に構わないが……また、珍しい場所に行きたがるな」
「ふふっ、確かに。だが、ペンドラゴンは……私とアクセルが初めて共に夜を過ごした場所だろう? そして折角アクセルと2人切りのデートなんだから、どうせなら思い出深い場所でと思ったんだが……駄目か?」

 自らの不安を隠すかのように、ギュッと握っている手に力を入れてくるスレイ。
 その手を握り返してやりながら、問題は無いと頷く。

「スレイがそうしたいって言うなら、俺はそれでいい。ただ……以前とは色々と違っているって話だぞ? いや、この件に関しては、いなかった俺よりもホワイトスターにいたスレイの方が詳しいか」
「報告に関しては聞いてる。ただ、実際に直接行くのはこれが初めてだが」

 現在のペンドラゴン……と言うよりブリタニアは、マリーベル・メル・ブリタニアが治めている。陽光とシャドウミラーとの戦いで疲弊した国を何とか復興しようと頑張っており、実際にそれは実を結びつつある。
 既得権益に干渉されている貴族は面白くないだろうが、マリーベルには陽光が手を貸している以上、反抗しても勝てる筈も無い。事実エリア制度の撤廃に対して強行に反抗し、反乱を起こそうとした幾つかのエリアは、ブリタニアからの要請を受けた陽光が派遣した星刻の部隊、あるいは意外な事にゼロが率いる日本の部隊が鎮圧していった。
 まぁ、日本にしては少しでも陽光に……そしてシャドウミラーに対して自らの地位を向上させようとしているのだろう。
 ともあれ、何だかんだ言いつつもマリーベルの統治はそれなりに上手くいってはいるのだが……まぁ、行くというのなら問題は無いか。
 そうして、他の者達に見つからないようにニーズヘッグのシステムXNを使ってペンドラゴンへと転移する。





「ほう、これは……さすがにちょっと予想外だったな」

 目の前に広がる光景を見て、思わず呟く。
 大勢いる、人、人、人。
 以前にスレイと共に来た時や、あるいはコーネリアと共にオデュッセウスを連れ出しに来た時と比べると、間違いなく街中に溢れている人の数は多い。
 もっとも、その殆どが貴族では無い、いわゆる平民だ。

「コーネリアから聞いてはいたが……なるほど、確かにこれは凄い」
「マリーベルの手腕だろうな。まぁ、それはとにかくとしてだ。ほら、スレイ。折角のデートなんだから、思う存分楽しむぞ」

 例によって例の如く、この世界でも俺の姿は色々な意味で有名すぎる。まぁ、陽光建国の時の発表の場であれだけ派手に魔法を使ったのだから、無理も無いだろうが。
 よって、今の俺は15歳バージョンの姿となっている。つまり……

「うわっ、見ろよあの2人。すこずぶるつきのいい女だけど、連れているのはまだ子供だぜ? どんな関係なんだろうな?」
「無難に姉と弟とか? ……いや、全然似てないか。そうなると近所の知り合い同士とか?」
「なんでそこで恋人同士って選択肢が出てこないのよ。幾ら認めたくないからって、ちょっと見苦しいわよ?」
「おっ、おまっ! それは言っちゃいけない事だろ!?」
「……あの子供の方、どこかで見たような気が……」
「おねショタね。これがおねショタなのね!?」

 そんな風な会話が聞こえてくる。
 姉と弟というのを聞いたスレイが、そっと手を伸ばして俺の手を握りしめる。
 それを見た周囲の者達がキャーキャーと嬉しげだったり、悲しげだったりする悲鳴を上げていた。
 にしても、おねショタってのは……字面から考えて、お姉様とショタか? 確かにスレイは凜とした雰囲気を放っているお姉様系と言われれば、そうとしか見えないしな。
 その実態がブラコンであったとしても。
 ちなみに、そのブラコンのフィリオと言えば……

「エザリアにかなり無理を言ってるらしいな」
「うん? 何がだ?」
「いや、フィリオに関してだよ。マクロス世界のライブ技術にかなり執心しているみたいで、どうにかその技術を手に入れられないかと頼んでいるらしい」
「に、兄様……」

 思わず頭を覆うスレイ。
 けどまぁ、実際問題ライブ技術に関しては軍事技術とかと違って機密度の高いものではないし、入手するのはそう難しくは無いだろう。
 勿論軍事技術に流用出来そうなものもあるが、そっちに関しては既にマクロス世界で使われているものを入手すればいいだけだしな。
 ただ、問題は誰をプロデュースしようと考えているのか、だな。
 OGs世界ではラトゥーニとシャインの2人を趣味ともいえるフェアリオンに乗せていた。……まぁ、シャインからの要望で開発したというのが正確なのだろうが、それでも趣味を全開にしたというのは間違いないだろう。
 それを考えれば……ステラ辺りは天然だし危ないか? それとも無難に円と美砂のでこぴんロケット組。
 いっそエヴァ辺りにというのも面白いかもしれない。
 もっとも、そんな真似をすればフィリオが凍りづけにされるのは間違いないと思うが。

「アクセル、後できちんと私が兄様に言って聞かせるから」
「そうか? まぁ、お手柔らかにな」

 そう告げ、そのままペンドラゴンの観光を続けていく。
 名物だというブリタニアロールを食べ、あるいはブリタニア風の服を見たり、時には何を考えたのかスレイをナンパしにきた相手を撃退し、逆に俺を誘惑しようとして近づいてきた女をスレイが撃退するといった感じだ。
 小さな騒ぎは色々とあったものの、それでも楽しい時間が過ぎるのは早い。気がつけば、既に夕日が沈みそうになっている。

「どうする?」
「もう少し……アクセルと一緒に過ごしたい」

 薄らと頬を赤く染めながら告げてくるスレイに頷き、取りあえず食事でもと近くにあるレストランを探す。
 別に高級店である必要は無いが、だからと言って不味い店に入るというのもあまり嬉しくないしな。
 そんな風にして探し回り、やがてそれなりに繁盛してそうな、ある程度の高級店を見つける。

「ここでいいか?」
「ああ、アクセルがいいのなら私は構わない」

 スレイの了承も得て店の中に入ると、ゆったりとした空間の広がる店内の様子が確認出来た。テーブルとテーブルの間の距離をかなり離してあるから、窮屈な感じがしないんだな。

「いらっしゃいませ」

 ウェイターに頭を下げられ、そのまま席へと案内される。
 出された料理は、いわゆる創作料理という感じか? フランス料理、イタリア料理、中華料理、日本料理といった風な区別は出来ない感じの……良く言えば色々な料理のいいとこ取り、悪く言えばごった煮的な感じの料理。
 いや、食う方としては美味ければ文句は無いんだけどな。

「お客様、ワインの方は……」
「いらない」

 ウェイターの問い掛けに、俺が何か言うよりも先にスレイが告げる。
 マクロス世界に転移した件を思えば、その辺に神経質になってもしょうがないか。
 ともあれ、ウェイターはスレイの言葉に気を悪くした様子も無く一礼し、戻っていく。
 こうして見ると、貴族っぽい格好をしている奴もそれなりに客にいるが、以前程に偉ぶっているような様子は見られない。逆に一般人が貴族に対して遠慮しているような様子も無い。この辺はマリーベルの手腕なのだろう。
 そんな風に俺が周囲を見回していると、その様子が気になったのか、スレイも同様に店の中を見回す。

「どうしたんだ?」
「いや、俺がいない間にブリタニアも随分と変わったと思ってな」
「それはそうだろう。終戦から1年半が経っているんだ。……本来ならこの時間を私もアクセルと共有出来た筈だったのに……」

 溜息を吐くスレイ。
 全く。もう気にしてないって言ってるのにな。

「そのおかげでマクロス世界とも繋がったんだ。必ずしも悪い事じゃ無いだろ。それに……シェリルと会えたのもスレイのおかげだしな」
「ふふっ、そう言って貰えると助かるよ。だが、今回は何とかなったが、次に同じような事があったらと思うとな。……その為にも、私はもっとアクセルの事を知らないと行けない。つくづくそう思ったよ」
「そんなに分かりにくいとは思えないけどな。どこにでもいる、ごく普通の男……と言うのは色々と無理があるかもしれないが、それでも俺は本質的にはただの男でしかない。スレイのようないい女を連れていれば自慢に思えるだけのな」
「ばっ、い、いきなり何を!?」

 反射的に叫びそうになり、口元を抑えて叫ぶスレイ。
 いや、実際レストランの中にいる客達も大勢が――殆どが男だが――スレイにチラチラと視線を向けているのは事実だ。
 多少はよそ行きの服だが、これがもし正式なパーティとかに着ていくドレスとかを着ていれば、送られてくる視線の数は今とは比べものにならなかっただろう。
 スレイ・プレスティという女は、実際にそれだけの美貌と能力を併せ持った、類い希なる女なのだから。
 シャドウミラーに来る前……より正確には俺とこういう仲になる前までは常に張り詰めた雰囲気を発しており、近づきにくい印象もあったが、今はそれも無い。
 自分にそのような視線が向けられているとも気がつかず……いや、寧ろこの手の視線に慣れているのか。ともあれ、スレイはそんな視線を気にしない様子で甘酸っぱいベリー系のソースが掛かった肉にナイフを入れる。
 焼くのでは無く、蒸し上げられて柔らかく仕上げられつつ、どんな料理方法を使ったのかは分からないが肉汁が肉の中に留まったままのその料理は、幾らでも食べられるような気がする。
 ……いや、実際に俺の場合は幾らでも食べられるのだが。
 他にも気軽に食べられるが、それでも料理人の手間暇の掛かった料理をスレイと2人、話をしながら口へと運んでいく。
 やがてデザートのケーキを食べ終えると、会計を済ませて店を出る。
 尚、ギアス世界では金を稼ぐような行為はしていなかった為、今回は大人しく光明で空間倉庫の中にある宝石を数個換金しておいた。
 ともあれ、レストランを出た後は夜の街をスレイと2人で肩を寄せ合って歩く。
 と、道の先にふと場違いな物を見つけた。
 古道具屋と思しき店だが、そこに飾られているのは大理石で出来た、壺を持った女を彫った彫刻。芸術に詳しくない俺がちょっと眺めただけでも、かなりの価値があるというのは理解出来る。
 それはスレイも同様だったのだろう。思わず溜息を吐いて目の前にある彫刻へと目を奪われていた。

「これはまた、こんな場所にあるとは思えないような一品だな」
「まぁ、普通はそうだね。ただ、このご時世だ。お取り潰しにあった貴族の持っていた美術品が流れるのは珍しい事じゃないさ」

 独り言のつもりで呟きに返ってきた言葉に、そちらの方へと視線を向けると、そこにいたのは30代から40代程の中年の女。
 口元に笑みを浮かべつつこちらへと視線を向けている。

「なるほど、貴族の持っていた美術品か。それなら納得は出来るな」
「どうだい? 良ければ買ってってくれると嬉しいんだがね」
「幾らだ?」

 ある程度の値段なら買ってもいい。そんな思いで尋ねたのだが、女の口から出た値段は予想より桁が2つ3つ違うものだった。
 さすがにそれだけの値段を出してまで欲しいとは思わない。
 と言うか、よくこの規模の店でこれだけの美術品を仕入れる事が出来たな。

「さすがにその値段だと手が出ないな」
「ありゃま、出せると思ったんだけどねぇ……残念無念」

 溜息を吐く女を尻目に、俺とスレイは店を後にする。

「良かったのか? 買おうと思えば買えたんだろう?」
「確かにな。だが、そこまでして欲しい物じゃない。……それより、折角2人きりの夜だ。ゆっくりと楽しむとしよう」

 スレイの肩を抱き、以前スレイと共に初めての夜を過ごしたホテルに向かって歩き出すのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:1405
格闘:278
射撃:298
技量:288
防御:288
回避:318
命中:338
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1114 
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