大陸の妖精
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月の雫
アルト「じゃあ元々北の大陸にあったモノがここに運ばれたって事か?」
グレイ「あぁ、そういう事だ」
ルーシィ「もしかして島の呪いってこの悪魔の影響なのかしらね」
グレイ「考えられなくもねえ、この悪魔はまだ生きてるんだしな」
ナツ「そーゆー事なら、この悪魔ぶっ倒してみっか」
腕をまわしながらナツがデリオラに近づく
しかしグレイが突然振り返り、デリオラに近づくナツを殴り飛ばす
ナツ「どぅおっ!!!」
殴られたナツはそのまま地面に倒れる
アルト「おいグレイ!いきなり何してんだよ!?」
ナツ「そうだ!凶暴な奴だな!!」
ルーシィ「ナツがそれ言う?(汗)」
するとグレイが緊迫した表情で言う
グレイ「火の魔導士がこれ以上近付くんじゃねえ、氷が溶けてデリオラが動き出したら誰にも止められねえんだぞ」
ナツ「そんな簡単に溶けちまうものなのかよっ!!」
グレイ「!!・・・いや」
ナツの言葉に視線を落とすグレイ
ルーシィ「大丈夫?」
ナツ「オイ!殴られ損じゃねえか!!」
アルト「ちゃんと説明してくれねえと俺たちも分かんないぞ」
グレイ「師匠のウルはこの悪魔に「絶対氷結」(アイスドシェル)っつー魔法をかけた」
取り乱していた自分を落ちつけ、冷静に話しだすグレイ
グレイ「それは溶ける事のない氷、いかなる爆炎の魔法をもってしても溶かす事の出来ない氷だ」
アルト「じゃあなんで奴らは溶けない氷で包まれたデリオラを持ち出したんだ?」
ルーシィ「氷が溶けないって知らないのかもね、何とかして溶かそうとしてるのかも」
グレイ「何の為にだよっ!!!」
ルーシィ「し・・・知りませんけど・・・(泣)」
苛立つグレイはルーシィの発言に対して怒鳴る
アルト「だから落ち着けってグレイ、ルーシィに八つ当たりするのは筋違いだ」
グレイ「そ・・・そうだな、悪ィ・・・」
アルト「それにしても誰がデリオラを運んだんだろうな・・・」
グレイ「分からねェ・・・くそっ!・・・調子でねえな」
アルトたちが話しているとナツがある提案をする
ナツ「簡単だ、さっきの奴ら追えばいい」
ルーシィ「そうね」
グレイ「いや」
ナツの提案にルーシィも賛成するが、グレイがその案を否定する
グレイ「月が出るまで待つ」
アルト「俺もグレイの案に賛成だ」
月が出るまで待つという案にアルトは賛成する
ナツ「月・・・ってまだ昼だぞ!!無理無理!!ヒマ死ぬ!!!」
ルーシィ「グレイ、どういう事?」
グレイ「島の呪いもデリオラも全ては月に関係してると思えてならねえ、奴等も「もうすぐ月の光が集まる」とか言ってたしな」
ルーシィ「そっか・・・確かに何が起こるか、あいつ等が何をするか・・・気にはなるわね」
ナツ「オレは無理だ!!追いかける!!」
ナツは先程の3人組みを追いかけようとする
しかしその数分後、ナツは眠たくなったらしく寝てしまった
ルーシィ「本当・・・こいつって本能のままに生きてるのね」
アルト「まぁ、結果オーライで良かったけどな」
ハッピー「あい」
その後、ヒマを持て余したルーシィが琴座の星霊「リラ」を呼び出し音楽を歌ってもらっていた
リラの綺麗な歌声とハープの音色を聞きながらアルトたちは月が出てくるのを待ったのであった
アルト「もう月が出てるんじゃないか?」
ルーシィ「そうね・・・結構時間たったし・・・」
外の様子を見ようとアルトたちが洞窟から出ようとした時、大きな地鳴りが起きた
ルーシィ「な、何の音!?」
ナツ「夜か!!」
大きな地鳴りの音でナツが目覚める
アルト「おい、あれ見ろ!!」
グレイ「天井が・・・!!」
洞窟の天井に大きな穴が開き、その穴から紫色の月の光がデリオラの氷に降り注ぐ
アルト「月の光がデリオラの氷に当たってるぞ!」
ナツ「偶然なんかじゃねえぞコリャ」
グレイ「行くぞ!光の元を探すんだ!!」
グレイたちは月の光の元へ行くために急いで洞窟の外へ出ることを試みた
洞窟内の階段を上り、遺跡の頂上へ辿り着いたアルトたちは妙な覆面をつけた集団が何かの儀式を行っている光景を目にした
アルト「アイツら月の光を集めてるのか!?」
ルーシィ「それをデリオラに当てて・・・どうする気!?」
リラ「ベリア語の呪文・・・月の雫ね」
ルーシィ「アンタ・・・まだいたの?」
アルトたちの横から出てきたのは先程ルーシィが召喚した星霊、リラだった
リラ「こいつ等は月の雫を使って、あの地下の魔物を復活させる気なのよ!!」
アルト「復活だと!?」
グレイ「バカな・・・絶対氷結は絶対溶けない氷なんだぞ!!!」
リラ「その氷を溶かす魔法が月の雫なのよ、一つに集束された月の魔力はいかなる魔法をも解除する力を持ってるの」
ハッピー「そんな・・・」
グレイ「あいつ等・・・デリオラの恐ろしさを知らねえんだ!!」
封印を解除できる事を知ったグレイはデリオラへの恐怖と怒りで震える
リラ「この島の事が呪いだと思ってる現象は月の雫の影響だと思うわ、一つに集まった月の魔力は人体をも汚染する、それほど強力な魔力なのよ」
アルト「あいつ等ぁ・・・!上等だコラァ!!」
ルーシィ「待って!誰か来たわ!!」
岩陰から飛び出そうとするアルトをルーシィが止める
見ると、仮面をつけた男が先程の3人組みを引き連れて現れた
シェリー「悲しい事ですわ、零帝様・・・」
赤髪の女性が零帝に近づく
シェリー「昼に侵入者がいたようなのですが・・・とり逃がしてしまいました、こんな私には愛は語れませんね」
零帝「侵入者・・・」
グレイ「!」
零帝の声を聞いた時、わずかにグレイが反応する
ナツ「あいつが零帝!?」
アルト「って事はアイツが主犯格か」
ルーシィ「えらそーな奴ね、変な仮面つけちゃって」
ハッピー「そっかなぁ、かっこいいぞ」
零帝「デリオラの復活はまだなのか」
シェリー「この調子だと今日か明日には・・・と」
トビー「どっちだよ!!」
零帝「いよいよなのだな・・・」
グレイ「・・・・・」
零帝の声を聞いた時から先程までの苛立ったグレイの姿はなくなり、静かになっていた
それどころか心なしか少し震えているように見えた
零帝「侵入者の件だが、ここにきて邪魔はされたくないな」
シェリー「ええ」
零帝「この島は外れにある村にしか人はいないハズ・・・」
零帝は少し考えた後片手をあげ3人組みに命令を下す
零帝「村を消してこい」
シェリー「はっ!!」
ユウカ「了解!!」
トビー「おおーん!!」
命令を下された3人組みは村がある方角に向かって走りだした
ナツ「何!!?」
ルーシィ「村の人たちは関係ないのにっ!!!ど・・・どうしよう!!!」
グレイ「この声・・・オイ・・・ウソだろ・・・」
村を消せという命令に動揺するナツとルーシィ、そし何か恐ろしいことに気がついた素振りを見せるグレイ
アルト「仕方ねェ、ここで食い止めるしかねえだろっ!!」
ナツ「よし!もうコソコソするのはゴメンだ!!」
そう言ったナツは空に向かって火を吹きながら大声で叫んだ
ナツ「邪魔しに来たのはオレたちだァ!!!」
ナツの声に零帝たちが気づく
正体を明かしたアルトたちは戦闘隊形をとる
アルト「かかってこい!お前ら全員まとめて相手してやる!!」
ルーシィ「もう・・・なるようにしかならないわね!!」
シェリー「あの紋章!フェアリーテイルですわ!!」
ユウカ「なるほど・・・村の奴らがギルドに助けを求めたか」
零帝「何をしている、とっとと村を消してこい」
しかし零帝は侵入者の正体が分かったにもかかわらず「村を消せ」という命令を下す
アルト「オイ、侵入者の正体は俺たちだ!村のやつらは関係ないぞ!!」
零帝「邪魔をする者、それを企てた者、全て敵だ」
グレイ「てめえぇぇっ!!」
零帝が台詞を言い終えると同時にグレイが零帝に向かって走り出す
グレイ「その下らねえ儀式とやらをやめやがれぇぇ!!」
氷の造形魔法で攻撃するグレイ
零帝「フン」
しかし、零帝も氷の造形魔法を使いグレイの攻撃を相殺した
砕け散った氷越しにグレイは零帝を睨みつける
グレイ「リオン・・・てめぇ自分が何やってるかわかってんのか?」
ナツ「え?」
アルト「グレイと零帝が・・・知り合い・・・!?」
後書き
デリオラ編本当に長くなりそうだ・・・
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