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大陸の妖精

作者:sinの妖精
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ガルナ島の呪い

大波にのまれたアルトたちはガルナ島の海辺に打ち上げられていた



ルーシィ「ここは・・・みんな無事!?」


倒れていたルーシィが起き上がり、辺りを見渡す



アルト「あ・・・あぁ、とりあえず全員無事だ・・・」


ナツ「おおっ!!着いたのか、ガルナ島!!」


ルーシィ「どうやら昨日の大波で海辺に押し寄せられたみたいね」


アルト「いやー、死ぬかと思ったわ」


ルーシィ「ていうかあんたの魔法でどうにか出来なかったのアルト?」


アルト「あ・・・おっさんが消えた衝撃で忘れてたわ」


ルーシィ「そっか・・・それもそうよね、何だったんだろ?あの腕・・・悪魔の呪い?」


アルト「まぁ、悪魔の呪いに関しては依頼主に聞けば全部わかる事だ、依頼主の家はどこにあるんだ?」


ルーシィ「この島には一つ村があるらしいの、そこの村長さんが今回の依頼主よ」


アルト「じゃあ、まずはその村に行くか」


ナツ「よっしゃー!燃えてきたぁ!!」




グレイ「待ちな」


アルトたちが歩き出すとグレイが声をかける




アルト「なんだグレイ?」


ナツ「ここまで来たらもう連れ戻せねーぞ!!」


グレイ「いや・・・オレも行く」


アルト「え・・・?」


グレイ「やっぱりお前らだけ先に二階に行くのシャクだし、破門になったらそれはそれでつまらん」


ルーシィ「グレイ・・・!」


グレイ「行こうぜ」


アルト「よっしゃっ!じゃあ早速出発だ!!」






アルトたちがたどり着いた村の門には「KEEP OUT」という文字が書かれていた




グレイ「立ち入り禁止・・・ってどんな村なんだよ」


ルーシィ「すいませーん!!開けてください!!」


ナツ「まいったな」


アルト「しょうがない・・・壊そう」


ルーシィ「ダメ!!!」



門番「何者だ」


ルーシィ「!」


そんなやりとりをしていると門の上から声がかかる


どうやらこの村の門番らしい




ルーシィ「フェアリーテイルの魔導士です、あの・・・依頼を見て来たんですけど・・・」


門番「フェアリーテイル?依頼が受理されたという報告は入っていない」


ルーシィ「いや・・・あの・・・」


グレイ「何かの手違いで遅れたんだろ、村に入れねえなら帰るけど」


返答に困るルーシィをグレイがフォローする




門番「全員、紋章を見せろ」



門番に言われた通り、アルトたちは全員フェアリーテイルの紋章を見せる




門番「・・・では、その女の服を脱がしなさい」


ルーシィ「何でよ!!?関係ないでしょ!!!」


門番「うむ・・・すまん、調子こいた・・・入りなさい」



門番が村の門を開ける


村に入ると同時に村長らしき人物がアルトたちを迎える



村長「よくぞ来てくださった、魔導士の方々・・・さっそくですがこれを見て頂きたい・・・皆の者、布をとりなさい」


村長の言葉を聞いた村人は次々と布をとっていく


村長と村人たちの体の一部はボボ同様、悪魔のような形になっていた



グレイ「やはり・・・」



ナツ「スゲェモミアゲ!!」


村長「いや・・・見てほしいのはこっちじゃ・・・」


アルト「やっぱり、これが悪魔の呪いってやつなのか・・・」


村長「その通りです、そしてこの島にいる者全て・・・犬や鳥まで例外なく、この呪いにかかっております」


グレイ「言葉を返すようだが何を根拠に「呪い」だと?はやり病とは考えねえのか?」


村長「何十人という医者に見てもらいましたが、このような病気はないとの事です」


アルト「呪いの原因とかは分かるのか?」


村長「はい・・・恐らくですが、こんな風になってしまったのは「月の魔力」が関係しておるのです」


ルーシィ「月の魔力?」


村長「元々この島は古代からの月の光を蓄積し、島全体が月のように輝く美しい島でした・・・しかし、何年か前に突然月の光が紫色に変わり始めたのです」


アルト「紫色の月!?」


ナツ「聞いたことねーぞ」


村長「外から来た者は皆そう言うのです・・・だが、現にこの島の月は紫になった・・・そして紫の月が現れてからワシ等の姿が変わりだした」


村長が話している内に、月が空に浮かび上がる


その色は今まさに話していたとおり「紫色」だった



ルーシィ「本当だ・・・紫・・・」


グレイ「気味悪ィな・・・コイツは・・・」


村長「これは月の魔力の呪いなのです・・・・・う゛っ!!」


月が完全に現れたと同時に村長と村の人たちが叫び、苦しみ始める


やがて叫び声が止み、村長たちを見るとその姿は完全に「悪魔」に似たものだった



アルト「な、なんだ・・・こりゃ・・・」


ルーシィ「ど、どうしちゃったの・・・」


村長「驚かせて申し訳ない・・・紫の月が出ている間・・・ワシ等はこのような醜い悪魔の姿へと変わってしまう」


アルト「た、確かにこれは呪い・・・だな」


村長「朝になれば皆、元の姿に戻ります・・・しかし、中には元に戻れず心まで失ってしまう者が出てきたのです」


ルーシィ「そんな・・・」


村長「心まで悪魔になってしまった者を放っておけば皆がその悪魔に殺される・・・幽閉しても牢など壊してしまうので、心を失い悪魔と化してしまった者は殺す事に決めたのです」



そう言うと村長は懐から一枚の写真を取り出す



村長「だから・・・ワシも息子を殺しました・・・心まで悪魔になってしまった息子を
・・・」


その写真に写ってる男性は昨日突然消えた船乗りのボボだった



アルト「な、なんだとっ・・・!?」


ルーシィ「で、でも・・・あたしたち昨日・・・」


グレイ「ようやく消えちまった理由が分かった・・・そりゃあ・・・うかばれねえわな」


ルーシィ「幽霊・・・!!」


村長「さぞ高名な魔導士方とお見受けします、どうかこの島を救ってください・・・このままでは全員・・・心が奪われ・・・悪魔に・・・」


アルト「そんな事にはさせねぇ!!」


村長「私たちの呪いを解く方法は一つ・・・月を破壊するしかないのです」









――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


依頼を遂行するため今日一日ガルナ島の村に泊まることになったアルトたちは、月を破壊する方法をなんとか考えていた



ハッピー「見れば見るほど不気味な月だね」


ルーシィ「ハッピー早く窓閉めなさいよ、村長さんの話聞いてなかったの?」


ハッピー「なんだっけ」


ルーシィ「月の光を浴びすぎるとあたしたちまで悪魔になっちゃうのよ」


村長さんの話によると月の魔力を浴びすぎると悪魔になってしまうようである



アルト「それにしてもどうしようか・・・」


ナツ「まいったな」


グレイ「あぁ、さすがに月を壊せってのはな・・・」


アルト「何発も殴れば壊せるんじゃねえか?」


ナツ「でも相手は月だ、何発殴れば壊れるか見当もつかねえ」


グレイ「壊す気かよ!!!」


ルーシィ「でも、どんなすごい魔導士でも月を壊せる人なんていないと思うんだけど・・・」


グレイ「そうだ、月を壊すなんて無理なんだよ」


アルト「でも出来なきゃS級クエストを達成したことにならねえ、何よりフェアリーテイルの名折れだ」


グレイ「第一、月までどうやって行くつもりだ」


ナツ「そこはハッピーだろ」


ハッピー「流石に無理」


ルーシィ「月を壊せっていうのはきっと被害者の観点から出てくる発想じゃないかしら」


アルト「つー事は他に呪いの解く方法があるってわけか?」


ルーシィ「うん・・・多分だけどね」


グレイ「だといいんだがな」


大きな欠伸をするグレイ、ナツも疲れが出たのかシーツの上に転がる



アルト「じゃあひとまず今日のところは寝るか、呪いを解く方法は明日探そう」


ナツ「おう!なら明日は島を探検だ!」


ハッピー「あいさー!」


ルーシィ「そうね、あたしも眠いし・・・寝よ」


アルトたちは全員並んで眠りに就く



ナツ「ぐがぁぁ・・・ぐごぉぉ・・・」


グレイ「すかー・・・すかー・・・」



ルーシィ「・・・って、こんな獣と変態の間でどーやって寝ろと!!?」


ルーシィはナツとグレイに挟まれているため、左側ではナツのうるさいイビキが響く


さらに右側を見ればグレイはパンツを履かずに全裸で寝ていた



アルト「Zzz・・・」


そんな中、まともに寝ているアルト



ルーシィ「あーもう、ナツとグレイの隣で寝るの不安だからアルトの隣に行こ・・・」


枕をもったルーシィがアルトの隣で寝る



ルーシィ「ふぅー・・・これでやっと安らかに眠れそう・・・」


ふと見るとすぐ傍にはアルトの顔がある


普段の騒がしい感じとは違って、静かに眠っているアルトはどことなく可愛げがあった



ルーシィ「・・・・・/////」カァァ


アルト「Zzz・・・」


ルーシィ「な、なんであたしがアルトのすぐ隣で寝なきゃいけないのよっ!!/////」バシッ


アルト「痛ぁっ!急に何すんだ!おとなしく寝ろよっ!!」


 
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