美しき異形達
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第二十六話 姉妹の日々その七
「それで来たの」
「ラノベか。実はあたしもさ」
「ライトノベル読むのね」
「ああ、結構好きだよ」
「薊ちゃん実はラノベマニアなのよ」
裕香も微笑んでだ、黒蘭に話す。
「漫画もよく読むけれどね」
「ラノベもなのね」
「そうなの」
「ラノベっていいよな」
笑って話す薊だった。
「活字だけれど軽く読めて楽しめて」
「それがいいのよ」
「しかも国語の勉強にもなるしな」
「そうね。それじゃあ」
「これからラノベ買いに行くんだな」
「そうするわ。ただ」
ここでだ、黒蘭はこうも言ったのだった。
「私達も夏旅行に行くつもりだから」
「そういえばそんなこと言ってるよな」
「そう、だからね」
それで、というのだ。
「旅行の本も調べておこうかしら」
「いいんじゃね?それも」
薊は黒蘭のその言葉を聞いてこう返した。
「行き先はあたし達と同じだよな」
「ええ、関西全域を回るわ」
八条鉄道を使ってだ。
「そのつもりよ」
「だったら一緒の本買うことになるか?」
「そうなるかもね」
「だよな。じゃあ」
ここでだ、薊は。
そのガイドブックの中から一冊取り出してだ、右手に持って黒蘭に対して差し出してからにこりと笑ってこう言った。
「これいいぜ」
「そのガイドブックがなのね」
「ああ、あたしもこの本買うつもりだけれどさ」
「関西を一周するのなら」
「ああ、これだよ」
こう言って勧めるのだった。
「この本が参考になるぜ」
「それじゃあ」
黒蘭は差し出されていたその本を受け取った、そしてだった。
中を開いてぱらぱらと読んでだ、そうしてから薊に答えた。
「確かにいい本ね」
「だろ?だからさ」
「薊ちゃんもその本を買ったのね」
「そうなんだよ、これから買うのはさ」
この本だというのだ。
「決めたんだよ」
「そうなのね」
「そうだよ、後はどういったルートで進んでいくのかも」
「そういったことも考えてるの」
裕香も黒蘭に話す。
「今はね」
「そうして楽しんでるんだよ」
「皆でね」
「それはいいわね。では私もね」
「ああ、旅行先で一緒になったらな」
その時は、と言う薊だった。
「楽しくやろうな」
「その時はね、じゃあ今から」
「ラノベ買いに行くんだな」
「あと漫画も」
それも、と言う黒蘭だった。
「新刊をチェックしに行くわ」
「黒蘭ちゃんも漫画読むんだな」
「違和感あるかしら」
「違和感っていうか意外だな」
そうだというのだ。
「真面目でそういうの読まない感じだからな」
「それでなの」
「ああ、そうだよ」
それで、というのだ。
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