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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0789話

 ニヴルヘイムの見学を終えた俺とシェリルは、約束通りに転移区画へとやって来ていた。すると……

「遅いぞっ!」

 何故かそこにいたイザークから出会い頭に怒鳴りつけられる。

「……いや、時間には間に合っているだろ? と言うか、そもそもなんでお前がここにいるんだよ。実働班はバジュラの死体の回収を行う筈だが?」
「母上の護衛だ」

 そう告げ、文句はあるかとばかりに俺へと視線を向けてくる。
 その隣には、どこか困った表情を浮かべているエザリアの姿。

「それに、どのみち向こうに移動したら機体を見張っておく者が必要だろう」
「確かにそれは事実だが、量産型Wを連れて行くつもりだったんだがな」
「奴等ではいざという時に柔軟な対応が出来ん」

 量産型Wは応用力に難があるというのは事実だ。だが、イザークはイザークで色々と暴走しやすいというのも事実な訳で……

「アクセル、悪いけどイザークをお願いできないかしら。私を心配しての事なのだし」

 エザリアの視線に数秒程悩むも、やがてしょうがないとばかりに頷く。
 考えようによっては、昨日一度マクロス・クォーターへと行っている分、慣れているとも言えるしな。

「言っておくが向こうとは友好的な関係を結びたいんだ。あまり無茶はしてくれるなよ」
「お前が言えた義理か? 散々無茶ばかりしているのは、いつもアクセルだろうが」
「……確かに」

 イザークの言葉に何故か同意するシェリル。その横では、エザリアもまた無言で頷いていた。
 そんなに無茶ばかり……いやまぁ、これ以上は考えても無駄か。
 とにかく時間も時間だ。向こうに移動してから考えるとしよう。
 決して俺が無茶ばかりしていると納得した訳では無い。あくまでも時間が無いからこそだ。

「エザリアはイザークと、シェリルは俺の機体に」

 結局済し崩し的にそのままリュケイオスを使ってマクロス世界へと転移し、そのままニーズヘッグのシステムXNで宇宙空間へと再度転移する。
 さすがに一晩もあれば後方で待機していたフロンティア船団もこのバジュラ本星近くまでやって来たのだろう。まるで惑星の様子を窺うようにしてアイランド1が存在していた。
 いや、実際にどのような惑星なのかを観測しているんだろうな。後はついでに俺達シャドウミラーの主戦力でもあるメギロートとか。
 マクロス世界の住人にしてみれば、ゴーストと似たような無人兵器でもあるメギロートはかなり気になっているだろう。何しろゴーストはマクロスプラスで反乱騒ぎを起こしたのだから。
 それ以降はリミッターという枷を付けて運用しているが、その分当然性能は落ちる。それに比べると数百年、あるいは数千年程もの戦闘経験が蓄積されているメギロートのAIは、フロンティア船団やそこに居を構える企業。……それこそL.A.Iにしても興味深いのだろう。
 そんな風に考えつつ、アイランド1の大統領府へと通信を送る。

「こちらシャドウミラー代表、アクセル・アルマーだ。大統領との面会の約束があって来たんだが」
『は……はい! お話は伺っています。こちらのビーコンに沿ってアイランド1の格納庫へ向かって下さい』

 俺の顔を見て恐怖と驚愕とを半々程の割合で表情に出す管制官の女。……マクロス世界だとゾラ人みたいな異星人や、それこそゼントラーディとかもいるんだから、異世界人だからといってもそんなに驚く事は無いと思うんだがな。ああ、もしかしてシェリルに驚いていたのか? まぁ、マクロス世界でのシェリルの知名度を考えれば、あの驚きは……いや、なら恐怖とかは無いか。

「イザーク、聞こえていたな? アイランド1……あの、一番でかい宇宙船の格納庫に向かうぞ」
『分かっている。心配性過ぎるぞ、お前は』
「あら、昨日から思ってたけど、随分と負けん気の強そうな子ね」

 イザークの通信を聞いたシェリルが、どこかからかうようにそう告げる。
 その瞬間、イザークが何かを口にする前にエザリアが通信画面に現れて口を開く。

『さぁ、まずは行きましょうか。この世界での初めての交渉ともなれば、さすがにここで遅れて相手に迷惑を掛ける訳にもいかないでしょう』
『……分かりました』

 母親の言葉に渋々といった表情で頷くイザーク。
 それを見ながら、俺は一緒にコックピットに乗っているシェリルへと思わず呆れた視線を送る。

「イザークは怒りっぽいんだから、あまりからかうなよ」
「ふふっ、何だかアルトに似てたからついね」
「……まぁ、似ていると言えば似ている、か?」

 特に頭に血が上りやすいところとかは特に。それでいてある程度以上の実力を持っているというのも似てはいるのか。意固地なところも。
 確かにこうして並べていくと類似点がかなり多いな違いと言えば、アルトにはランカという恋人がいるのに対して、イザークは独り身だというところか。
 そんな風に考えつつ、イザークのヒュッケバインMk-Ⅲを案内するようにしてアイランド1の格納庫へと向かっていく。





「ではイザーク、お願いね」
「はい、母上。お任せ下さい。無許可で機体には絶対に触れさせるような真似はさせません」

 敢えてだろう、イザークは周囲で俺達の様子を眺めている整備員や技術者に聞こえるように告げる。
 まぁ、こうして眺めている者の中には間違いなく新統合軍やらどこぞの企業のスパイやらが紛れ込んでいるからな。それを牽制する目的があるんだろう。
 事実、この状況で何か下手な真似をして俺達シャドウミラーから批難されるような事になったら、その企業は間違いなく倒産するだろうし。
 いや、俺達だけならそれ程影響力は無いだろう。だが、今のシャドウミラーにはマクロス世界で絶大な影響力を持っているシェリルがいる。それを思えば、それ程大げさな話じゃないと思う。

「ともあれ、機体の警備は任せる」
「ふんっ、俺に任せておけば問題は無い。それよりもお前はシャドウミラーの利益をきちんと考えて交渉をしてくるんだな。くれぐれも母上の足を引っ張るような真似をするなよ!」
「分かってる。元々俺は交渉の類が得意なわけじゃ無いから、専門家に任せておくさ」
「猫を被るのが上手いな。マリュー・ラミアスやムウから色々と聞いてるぞ? オーブの獅子相手に随分と堂々と渡り合ったそうじゃないか」
「……そっちはある意味で偶然だな。別に俺の実力じゃ無いさ」

 原作知識があってこその交渉だったのだから、俺の実力じゃないというのは間違いではないだろう。俺が出来るといったら、精々念動力を使って最悪の選択肢を選ばないという事や、あるいは軍事力を前面に押し出した砲艦外交といったところだ。
 ちなみにイザークがムウを呼び捨てにしているのは、やはり同じ実働班で訓練を共にしているからだろう。後は多少歳が離れていても男同士という事もあるか。

「まぁ、お前がそう言うのならそれでもいい」

 フンッと鼻を鳴らすイザークをその場に残し、俺とエザリアとシェリルの3人は格納庫の入り口で待っていた案内人と共に建物の中を進み、エレベーターへと乗り込む。
 ああ、そう言えばこのルートは……
 ふと以前にバジュラの巣を確保する事になったのを思い出す。
 ……待て。巣、だと? あの巣で確保したバジュラの卵やら幼生体やらはどうなったんだ? もしかしてまだ実験に使われて……いや、ないか。既にこのフロンティア船団にはバジュラと意思疎通が出来るランカがいる。そのランカが、バジュラを実験に使わせるような真似をさせているとは思えない。
 それでも一応後で確認はしておく必要があるだろう。
 そんな風に考えているとやがて頂上付近でエレベーターが止まり、扉が開く。

「おお、待っていたよアクセル代表。ミス・エザリアも良く来てくれた」

 その瞬間、グラス大統領が満面の笑みを浮かべて俺達を出迎える。
 グラス大統領にしてみれば俺達はある意味で諸刃の剣だ。上手く交渉できれば異世界人との友好を築いた政治家として歴史に名が残るだろが、下手な手を打って戦争状態になろうものなら、確実にフロンティア船団は文字通りの意味で消滅するだろうしな。
 けど、だからと言って交渉で俺達に譲歩しすぎれば、今度は弱腰だ何だと強硬派辺りに色々と言われるだろうし。……いや、レオンが強硬派と言えば強硬派だったのか?
 まぁ、それでも所詮俺達シャドウミラーは国家の形を取っているとは言っても実質的な大きさは組織――しかもそれ程大きくない――でしかない。
 その辺を考えれば、こっちと向こうの妥協点を作り出すのはそれ程難しくないだろう。
 そんな風に考えながらグラス大統領に向かって頷き、口を開く。

「ああ、お互いに無事で何よりだ」

 そう告げて握手を交わすと、俺の横にいたエザリアが1歩前に出て口を開く。

「こうして直接会うのは初めてですね。シャドウミラーの外交を担当しているエザリア・ジュールといいます」

 ミスと呼ばれたのに少しだけ眉を顰めたエザリアだったが、すぐに微笑を浮かべて手を差し出し、グラス大統領と握手を交わす。
 にしても、ミスと呼ばれて眉を顰めるとはな。ミセスってのは基本的には既婚者に対する呼び方である以上、イザークがいるとは言っても独身のエザリアはミスでいいと思うんだがな。

「ええ、通信では何度か会話しましたが、こうして会うのは初めてですな。フロンティア船団にとっても、そしてシャドウミラーにとっても、この出会いが良き物になる事を祈っています。私達は以前ゼントラーディと不幸な出会いをしてしまいました。それは昨日戦ったバジュラに関しても同様です。それらを繰り返さぬよう、砲火ではなく言葉を交えていきたいものですな」
「ええ、そうですわね。ですが、お互いの価値観が違いすぎれば往々にしてその結果は武力行使になるものです。そうならないよう、お互いに相手を理解していかなければなりません」

 お互いに笑みを浮かべつつ言葉を交わしているが、言葉の裏を考えれば『お互いに話し合いが出来る相手なんだから、野蛮な武力行使じゃなくて話し合いで交流を進めよう』『出来ればそうしたいけど、お前達が無茶な事を言ってくれば武力行使も躊躇わない』といったところか。
 既にこの段階で交渉が始まっている辺り、俺にとってはやっぱりこの手の仕事は苦手だ。

「大統領、ここで話していてもなんですし、まずは会議室の方へ……」

 そう告げてきたのは、グラス大統領の後ろにいたキャサリンだ。
 へぇ……いやまぁ、確かにこの人選はおかしくない。S.M.Sでそれなりに長期間俺と行動を共にしているキャサリンは、当然俺の事をある程度は知っているだろう。
 少なくても、バジュラとの戦いの終盤に近くなってから俺という存在と接触したグラス大統領よりは詳しい筈だ。
 ああ、でもグラス大統領も一応ガリア4から戻ってきた時に会ってはいるか。ただまぁ、あの時は色々と忙しくて実務的な話だけで終わったしな。
 ともあれ、キャサリンの言葉に頷いたグラス大統領は俺とエザリアへと視線を向け、最後にエレベーターから出てきた人物を見つけて、思わず目を見開く。

「ミス・シェリル? ……何故君がここに? ああ、いや。君とアクセル代表の仲を考えれば、それ程不思議な事ではないのかもしれないが」
「ええ、そういう事ですわ」

 グラス大統領の言葉に、シェリルはニコリと笑みを浮かべて言葉を返す。
 異世界の存在であるシャドウミラーとの会談に、何故かいる銀河の妖精。恐らく俺との件を知らなかったのだろう向こうの参加者のうち数人が、完全に意表を突かれた表情を浮かべて俺とシェリルへと視線を行き来させている。
 俺に関しての情報が伝わっていないのは、プライベートな事だから良かったのか、あるいは危機管理が足りてないのか。

「そうだな、シェリルの件やバジュラの件についても色々と決めておかなきゃいけないのは事実だ」
「その、アクセル代表。彼女はやっぱり?」

 確認するかのように尋ねてくるキャサリンに向け、頷きを返す。
 その言葉を証明するかのように、シェリルもまた笑みを浮かべてそっと俺の手を握る。
 それを見た周囲の政治家達が再びざわめく。
 ……何もここでそんな目立つ真似をしなくてもいいだろうに。

「まぁ、確かに彼女がフロンティア船団に滞在していたのはギャラクシー船団が行方不明になったからこそ。それを思えば、彼女が自分の居場所をどこに見つけるのかを私達が指図する事は出来ませんな」
「いや、しかし大統領! 彼女はギャラクシーの……」
「黙れ」

 何かを言いかけた政治家に、鋭く呟きその言葉を止めさせる。
 向こうにしてもこの件を問題にはしたくないんだろう。と言うか、今のシェリルの人気を思えば、問題にした瞬間にフロンティア政府は民衆によって見限られる可能性が高い。
 何しろ、バジュラを相手にして歌い続けて戦闘を有利に運ばせ、最終的には和解に成功したんだからな。
 勿論あの戦闘は一般には公開されていなかったが、それでもあれだけの人数が参加した作戦だ。情報を完全に封鎖するのは不可能だ。それを分かっているからこそ、グラス大統領はその件に触れないのだろう。
 ……もっとも、後でこれを条件にして何らかの譲歩を引きだそうとする程度はするだろうが。

「……失礼した。では早速だが、交渉に入るとしよう」

 そう告げ、グラス大統領は自ら近くにある会議室へと俺達を案内するのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:1405
格闘:278
射撃:298
技量:288
防御:288
回避:318
命中:338
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1114 
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