レインボークラウン
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百七十二話
第百七十二話 聴き終わってから
お茶を飲みつつも真剣にだった、亜美の母は娘が所属しているバンドの音楽を聴いた。そして一時間程のCDを聴き終えてから。
そのうえでだ、こう娘に言った。
「小学校のバンドやろ」
「そや」
「上手やな」
「そんなに?」
「慣れてるわ、歌も演奏も」
そのどちらもがというのだ。
「亜美ちゃんの楽器は聴いてたけど」
「そっちどうやろ」
「ああ、ええで」
そちらもだというのだ。
「亜美ちゃんも上手やな」
「そうなん、それはよかったわ」
「二人のヴォーカルの娘もええし。それで音楽は」
「どうやろ」
「作詞も作曲もセンスがええわ」
そのどちらもだというのだ。
「小学生バンドとは思えんところがあるな。それでな」
「それで?」
「この音楽やったらな」
聴き終えてからの言葉だ。
「ポップスやな」
「音楽のジャンルは」
「そや、明るい曲がええわ」
こう娘に言うのだった。
「作詞と作曲はな」
「ポップスやねんな」
「それも明るい感じのな」
ポップスの中でもというのだ。
「亜美ちゃんのグループの音楽ポップス多いし」
「確かにそやな」
亜美も母のその言葉に頷く。
「うち等のバンドって」
「それかバラードやな」
こちらも多いというのだ。
「そのどっちかやけど」
「ポップスの方がええねんな」
「そう思うわ、ほなそれでいこか」
「うん、そやったらな」
「うちはまず作曲してな」
それからというのだ。
「作詞するけどええな」
「曲に合わせて作詞するねんな」
「そや、それでええか?」
「うん、別にええわ」
亜美は母のその言葉に応えてそうしてだった、二人でこうした話をしてそのうえでだった。いざはじめるのだった。
母はつきっきりでだ、娘にアドバイスをしてだった。
亜美はそれを受けつつだ、そのうえでまずは作曲をしてだった。作詞にもかかるのだった。
第百七十二話 完
2014・9・26
ページ上へ戻る