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転生とらぶる

作者:青竹
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マクロスF
  0784話

 それぞれが紅茶を飲み、あるいはクッキーを口に運びながらシェリルとレモン達の会話は続く。

「俗な言い方だけど、夜のアクセルを相手にするというのは1人だとまず不可能と言ってもいいわ。何しろ、ここにいる4人で揃って相手をしているくらいなんだから」

 レモンの言葉に、さすがにシェリルとしても色々と驚いたのだろう。目を見開いてその場にいる全員を見回し、最後に俺でその視線は止まる。

「……アクセル。ちょっと教えて欲しいんだけど。今の話はどういう事かしら? もしかして今まではアクセルを満足させられていなかったの?」
「あー……それは何というか、だな。正直な話、俺としても自分が普通じゃ無いってのは分かっていたからな。それも、病気のシェリルを相手にして負担を掛けたく無かったというのもある」
「でも、薬の副作用はアクセルのおかげで抑えられているって話だったでしょ?」
「あくまでも副作用は、だ。それに過ぎたるは及ばざるが如しって言うだろ? 確かにまぁ、その……俺との関係が薬の副作用を抑えていたってのは事実なんだろうけど、だからと言ってシェリルの身体に別の意味で負担を掛けるのは不味いし」

 その言葉に何かを言おうと口を開き掛けたシェリルだったが、やがて俺の言葉が正しいと理解したのだろう。小さく溜息を吐いてから、再び口を開く。

「アクセルの言い分は分かったわ。……けど、それなら病気が治った今ならそういう遠慮はしないのよね?」
「あのねぇ……私の言った事を聞いてたのかしら? アクセルの相手は今まで私達全員でしていたって。貴方みたいな子が1人でアクセルの相手をしようものなら……壊れるわよ?」
「ふっ、ふんっ! それでも何もしないうちから諦めるなんて出来ないわ。あたしはシェリルなんだから」
「いや、マクロス世界の奴じゃなきゃシェリルの名前は知らないと思うぞ」

 そもそも、シェリルという存在すら知らなかった別世界の出身なのだから。
 それに気がついたのだろう。シェリルもまた何かを誤魔化すかのように紅茶を口へと運んでから口を開く。

「とにかく! 確かに貴方達はアクセルの恋人としてこれまで全員で夜の相手をしてきたのかもしれない。けど、それは今まででしょう? 少なくても1度はあたしに試させてみてもいいんじゃない?」
「……シェリル、私もレモンの言葉が正しいと思う。色々な意味で1人でアクセルの相手をするのは危険だ」

 親切から言っているだろうスレイの言葉にも、小さく笑みを浮かべて頷くだけに留める。

「どのみちあたし自身を納得させる為にも、1度は通らなきゃならない道なのよ」
「ふうん、なるほど。思っていたよりも随分と骨があるし、気も強いわね。さすがにアクセルが誑し込むだけの事はあるわ」
「レモン……もうちょっと言い方をだな」

 誑し込むって何だ、誑し込むって。人聞きが悪いにも程がある。
 誑し込むというのは、相手を騙して自分の思うようにするといった意味や、甘い言葉や色仕掛けで騙すといった意味がある。

「ふーん……まぁ、誑し込まれた方としては問題無いからいいんだけどね」
「って、そっちもか」

 レモンの言葉に笑みを浮かべながら問題無いと頷くシェリル。
 それを満足そうに眺めつつ小さく頷き、レモンは再び口を開く。

「シェリル……って言ったわよね。一応聞いておくけど、貴方はアクセルがどんな存在で、どのような組織を率いていて、どんな立場にいるか。それは分かっていると考えてもいいのかしら?」
「ええ、その辺の詳しい話に関してはしっかりとアクセルから聞いているわ。混沌精霊でこのシャドウミラーという組織を率いていて、幾つもの平行世界と繋がるこのホワイトスターの所有者。間違っているところがあったらどうぞ?」

 自信ありげに答えるシェリルに、レモンを始め他の3人も満足そうに頷く。

「そう、アクセルの全てを分かった上でこちら側に来たいというの? 言うまでもないけど、アクセルの恋人になるというのならシャドウミラーに所属するのが最低条件よ? こう見えてアクセルはこれまでの行動が理由で、色々な相手から恨みを買っているの。それはどうせマクロス世界でも同じなのでしょう?」

 最後の言葉はシェリルではなく、俺に確認するように告げてくる。
 その問いに小さく肩を竦めてから口を開く。

「キノコ……いや、レオンに関してはこっちで確保しているから問題は無いだろうな。ただ、ギャラクシー船団の方はどうだろうな。バトル・ギャラクシーという最大の戦力を失ったとは言っても船団その物は行方不明だ。それを考えれば、バジュラを支配するというギャラクシー船団の野望を挫いた最大の原因でもある俺に対して恨みを抱かない……って事は無いだろうな。それに、フロンティア船団とその護衛としてついてきた新統合軍はともかく、地球の新統合政府や新統合軍の本部が異世界の存在に対してどう判断するかってのは分からないな」

 何しろ、マクロス7では異世界から来てプロトカルチャーを滅ぼしたと言われているプロトデビルンという存在と戦ったのだ。それを思えば、俺達を危険視する可能性は十分にあり得る。最悪、武力を使って……となってもおかしくはないだろう。
 そして、そんな時に向こう側の世界に俺と親しい関係にあるシェリルがいたらどうなるか。それは考えるまでもない。
 シェリルにしてもそれは分かっているのだろう。……まぁ、グレイスとの関係を思えばその辺に考えつかない筈がないか。
 だが、レモンと俺の言葉にシェリルは笑みを浮かべたまま頷く。

「問題無いわ。あたしとしては以前にもアクセルに言ったけど、シャドウミラーに所属したいと考えている。……それにシャドウミラーに所属するというのは悪い事ばかりじゃないでしょ? ここと繋がっている他の世界でのライブが出来ると考えれば、あたしにとっても利益はあるし。あんた達にとっても、歌手がシャドウミラーの看板を背負っているというのは悪い話じゃないでしょう? 対外折衝とかでも十分過ぎると思うけど」
「……本気で言ってるのよね?」
「当然でしょ。あたしはアクセルの恋人なんだから」
「……アクセル、貴男って他の世界に行く度に女を引っかけてくる生粋の女誑しだけど、女を見る目だけは一流よね。その辺のバランスが崩れているというか、どうしようも無い程絶妙というか……」

 どこか呆れた、それでも感嘆の色が微かに浮かんだ瞳で俺の方へと視線を向けてくるレモン。貶されているのか、あるいは褒められているのか。
 いや、ここは大人しく褒められていると思っておこう。

「まぁ、いいでしょう。私は彼女がこちら側に来る事を歓迎するわ。……貴方達は?」
「ふむ、そうだな。まだ何とも言えないが、今のやり取りを見ている限りでは確かに素質は十分にあると思う」
「私は特に異論は無いわ」
「同じく」

 コーネリアがまだ完全では無いにしても取りあえず認め、マリューとスレイは文句無しと。色々な意味で有能なこの4人に半ば認められているのがシェリルらしいと言えばらしいよな。
 シェリルにしても、やはり自分よりも前に俺と付き合っていたレモン達と会うというのは色々と緊張していたのだろう。小さく安堵の息を吐いてから頷く。

「そう、じゃあこれからよろしくね。……けど、これだけは言っておくけど、あたしはアクセルにとって常に最高の女でありたいと思っている。もしあんた達が女を磨くのを怠るようであればあっという間に置いていくから、そのつもりでいてちょうだい」

 ふふんっ、と挑発するように告げるシェリルだったが、それは効果のある挑発とは言えなかった。何しろ、その言葉に対する返事は全員がそれぞれの表し方は違えども、怯む様子もなく笑みを返したからだ。
 シェリル本人もそれは分かったのだろう。珍しくどこか圧されるようにして言葉に詰まる。
 そんなシェリルに満足した訳でも無いだろうが、レモンが左手をテーブルの上に上げる。それを見て、何をしているのかを理解したコーネリア、マリュー、スレイの3人も左手の薬指に嵌まっている指輪をシェリルに見えるようにする。

「それって……」
「時の指輪。アクセルの恋人である証でもあり、何よりも時の流れの外に身を置いて永遠にアクセルと共にいる為の力を与えてくれる私達の絆の象徴よ。……シェリル、貴方は確かにアクセルの恋人に相応しいと認めてもいい。けど、この指輪を嵌める勇気がある? この指輪を嵌めたら、確かにアクセルと永久に寄り添える。けど、その代償として普通の寿命を持つ者達とはいずれ死に別れなければならない。つまり、アクセルとそれ以外の全てを選択して、アクセルを選ぶ覚悟がある?」
「……時の指輪。アクセルから以前ちょっとだけ話は聞いたけど……そう、これが本物なのね。アクセル、その時の指輪は当然あたしの分もあるんでしょ?」

 レモンの言葉を聞いてから数秒程沈黙し、レモン達の指に嵌まっている時の指輪へと視線を向け、俺へと尋ねてくる。

「ここまで俺に関わらせておいて尋ねるのも卑怯かもしれないが……本当にいいんだな?」
「あたしを誰だと思っているの? あたしはシェリル。シェリル・ノームよ。欲しいものを得る為に必要なら、どんな事だってやってみせるわ。……あたしがあんたに対して想っているこの気持ちは、それ程に大きいのよ。レモンの言うとおり、アクセルとそれ以外で分けられる程に」

 強い意志が籠められたその声に、俺もまた小さく頷き空間倉庫から時の指輪を1つ取り出す。俺が持っている20個の中の1個。より正確には目の前にいるレモン達に4個と、魔法球に1個使われているから残り15個のうちの1個。
 嵌めた者を時の流れの外に置き、レモンの言ったように自分と親しい者との死に別れを決定づける、見る者によっては呪いの指輪と感じる者すらもいるだろうマジックアイテム。
 だが、混沌精霊である俺と永劫に共にあると判断した者にとっては、唯一の希望の指輪。
 手のひらの中にあるその指輪を掴み、シェリルの方へと視線を向ける。
 以前にもシェリルに時の指輪を渡すかどうかを迷ったが、あの時はV型感染症の問題があった。迂闊に時の指輪を嵌めると、それはV型感染症の完治が不可能になるかもしれないという恐れがあったのだ。だが、今は違う。ランカのおかげでV型感染症の原因となるフォールド細菌はシェリルの腸に存在し、これ以上無い程に健康な状態だ。そんな今なら……
 シェリルが差し出した左手の薬指へと時の指輪を近づける。
 最後の確認の意味を込めて視線を向けるが、それに対する返答は無言の頷きのみだった。
 シェリルの左手の薬指へと時の指輪を嵌め……次の瞬間、指輪の大きさが自然とシェリルの指に合わせた大きさへと変化する。

「シェリル……これでお前は俺のものだ。そして、俺はお前のものだ」
「アクセル……」

 指輪が嵌められた左手を握っているシェリルを引き寄せ、そっと触れるだけの口づけを行う。

「ん……ありがとう。これであたしも、正真正銘本当にアクセルの恋人になったのね」
「ああ。これからは何があっても俺がお前を守る。例えマクロス世界で新統合軍が攻めてこようと、あるいは別のバジュラの群れが攻めてこようと……何があっても俺がお前を守ってみせる」
「……アクセル……」

 潤んだ瞳で俺を見上げるシェリルだったが、そこに割って入る声があった。

「あのね、気分を盛り上げているところを悪いんだけど私達の事を忘れないでくれないかしら」
「うむ、私達にしてもアクセルと過ごす夜は1年半ぶりなのだからな」
「そうね。今日はシェリルの記念日ではあるけど、同時に私達が行方不明になっていたアクセルと再会した日でもあるんですもの」
「その、なんだ。私が原因である以上はあまり偉そうに言えた義理ではないのだが、それでも私としても久しぶりにアクセルと夜を過ごしたいと思うんだ」

 レモン、コーネリア、マリュー、スレイの4人がそれぞれにそう告げるが、それを聞いていたシェリルがどこか拗ねたように口を開く。

「アクセルから指輪を貰った記念日なんだから、少しは譲ってくれてもいいでしょう」
「それを言うなら、私達だって譲って貰いたいわよ。……まぁ、さっきも言ったように本気でアクセルの相手をするのならこっちもある程度の人数が必要なんですけどね。……シェリル、貴方も今夜はアクセルの本当の姿を知る事になるわ。覚悟はいいわね?」
「も、勿論よ」

 脅かすようなレモンの言葉に、シェリルがそれでも引かずに頷きを返す。
 それを見て満足そうに笑みを浮かべたレモンは、そっとシェリルを抱きしめるようにして引き寄せ、俺と共に寝室へと連れて行く。
 ……この夜、俺は色々な意味で頑張る事になり、結果的にシェリルはあっさりとレモン達に溶け込む事に成功する。
 ベッドの大きさが寝室の半分近くである事を感謝する夜だった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:42
PP:1405
格闘:278
射撃:298
技量:288
防御:288
回避:318
命中:338
SP:1402
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???
    ???

撃墜数:1114 
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