仮想空間の歌う少年
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25ーSound≠bullet
前書き
Sound≠bullet最終回!
それでも問題無いぜ!という方はどうぞ!
「絶望学園から転校して来ました!雪宮佳です。よろしくお願いします。」
「はは!」
「面白い転校生だな!」
僕は某過負荷の先輩の真似をしながら自己紹介をとある高校で行っていた。
GGOの事件から数日後。僕は詩乃の高校に転校して来た。キリト達の学校に居たかった気持ちもなかったわけでもないが。好きな人の近くにいたいのも確かだった。
「…。佳。お願いだから恥をかかせないで…。」
詩乃はちなみにこの自己紹介を聞いて顔を隠している。恐らく耳も真っ赤になっているので。かなり恥ずかしいのだろう。
ちなみに席は窓際の詩乃の隣の席。僕はさっと席に座ると。
「ヒソヒソ? (さっきの自己紹介どうだった?)」
「…次あんな真似したら口聞かないからね。」
「…はい。」
どうやらお気に召さない様でした。
そんなこんなで。僕が数学の時間いつも通り無双したり、休み時間にクラスの人から、「朝田さんとどんな関係?」と聞かれたら。「同居n…。ぐふ⁉︎」と詩乃にゲンコツされたり、軽音部に誘われたり。なかなか充実した一日だった。
そして放課後。
「んじゃ詩乃。行くよ。」
「そうね…。」
僕達2人はなんかキリトに呼ばれたのだ。何故だろうと思いながらも僕達は電車で御徒町のエギルの喫茶店へと向かう。
店に着くと。
「おっすー!」
「佳ひさしぶり。」
「よう、佳。」
目の前のカウンター席にいるのは明日奈、里香、和人がいた。そしてカウンターの中にはエギルがいた。僕は笑って。
「あ、みんなおひさー。…と。紹介するよ。詩乃!」
僕はまず里香に向かって手を向ける。
「えーと。この子は篠崎里香。通称リズ。SAO時代は武器屋やってて僕の武器をいろいろ調整してくれたんだ。ALOでも武器屋をやっているよ!」
「よろしくね!あ、佳。この前の新しい大鎌、『デュアル・デスサイズ』のお代。」
「また、そのネタ⁉︎…えっと次!次!」
僕はごほん、と一つ咳払いをして今度は明日奈へと手を向ける。
「えーと…。この人が結城明日奈。んで通称はアスナ。SAO時代、ALO共に『閃光』の異名を持つよ!ちなみにALOだと魔術師といいながらレイピアを使うバーサクヒーラーとしても有名。ちなみに和人の彼女。」
「よろしくね。朝田さん。」
そうやってアスナが手を詩乃に差し出す。詩乃はその手を握るかどうか迷っていたが。僕は助け舟で詩乃に笑いかける。
「しーの!
だいじょうぶ。ダイジョウブ。大丈夫。」
「…!」
詩乃はそうすると明日奈の手をゆっくりと握った。明日奈はにっこりと笑うと「友達になりましょう?」と言う。詩乃は不安そうな顔で僕を見るが。僕は笑顔で見つめ返す。そうすると詩乃は意を決した様に。
「…はい。」
「うん。よろしくね?朝田さん!」
はい。の二文字。この二文字を言うのにどれだけの勇気を振り絞ったことだろう。僕は詩乃の頭をそっと撫でる。
「強くなったね…。詩乃。」
「わからないけど…。それでも私は…。」
「大丈夫。まだ僕達は強くなれるよ。」
僕は次に和人を手を向け。
「んで、最後。こいつがキリト。…まあ、知ってると思うけどGGOにログインしていた。後、SAO時代の英雄。」
「スノーが真面目で怖いな…。とりあえずよろしく。」
「ええ…。」
「こんな感じだよ?詩乃?」
僕は詩乃の肩を抱き寄せる。僕はふと本題を思い出し和人に尋ねる。
「なあ、和人。僕達はところでなんで呼び出されたの?」
「…。」
「それはね…。」
そうすると明日奈は衝撃的な事を話し始めた。なんと明日奈達は今日の学校をサボり、あの事件の時の郵便局員を呼んだと言うのだ。
明日奈がどうぞ。と呼ぶと女の人と小さい女の子が出てきた。
「こんにちは。」
その女の人はどうやらあの時お腹の中に子供…。今きた女の子がいた見たい。
「だから…この子の命をあなたたちは救ってくれたんです。なのにお礼も謝礼もせず…2人が傷ついているのも知らずに…。
本当にありがとう…。」
「救ってくれた…?」
「僕達が…?」
僕達は命を…殺意をもって殺してしまった。でも…この女の人は確かに言った。
救ったと。
「なあ、シノン、スノー…。お前達は今まであの時の事を後悔してたと思う…。だけど救った命の事を考える権利があるんだ。だから…。」
そうすると女の子は僕達の方に寄ってくると。
「しのおねえちゃん。けいおにいちゃん。ママとみずえをすくって、たすけてくれてありがとう。」
僕はその言葉を聞いた瞬間。目から何か流れてるのに気がついた。隣を見ると詩乃は泣いていた。
僕は強がりながら必死に笑顔を作ろうとするが涙が邪魔をする。
「バカじゃないの…⁉︎この為だけに学校…サボって…!…うまく笑えないじゃん…。」
「なあ、佳。」
和人は僕の方を向き。
「もう…無理して笑わなくていいんだぞ?」
「…⁉︎気付いてたの⁉︎」
「ああ…。ここにいるみんな気付いてる。お前はどんなときも笑ってたけど…作られた笑いだって気付いてた。…でももう、無理しなくていいんだぜ。
みんながいるだろう?」
僕は、周りを見る。
腕を組んで真面目に僕を見るエギル。
少し不敵な笑みを浮かべている里香。
優しい表情で微笑みかけてくる明日奈。
あの城の中の様に凛々しい表情で僕の前に立つ和人。
そして、今さっき罪から救われて泣いてしまっているが僕の隣に立つ詩乃。
「…。そうだね。…。そうだよな……。」
僕はもう耐えきれなくなった。涙が止まらない。僕は蹲る。
「…。みんなありがとう…!」
直ぐに僕は立ち上がる。
でも泣きながらも笑うことができた。
…きっとこの笑いは本当の笑いなんだろう。
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Sound≠bullet→END
NEXT→妖精の曲『剣の舞』
後書き
スノーの言動の最後に『笑って。』のフレーズに多いことに気付いていたでしょうか?
後書きで補足しますがスノーは少し病んでいます。
簡単に言うとカゲロウプロジェクトのカノの様な感じですね。
笑って歌って誤魔化して。でも誤魔化切れなくて壊れて。
でも仲間がいることで彼は救われたと思います。
ではコラボの次。キャリバー編の、【妖精の曲『剣の舞』】でお会いしましょう!
では!
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