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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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二十一章
  ゼットン強襲×祝言の条件

「なら・・・・祝言を挙げる」

『はあー。そこに戻るのか』

「一真は覚悟を見せた。覚悟を見せた相手には相応の覚悟を見せるのが礼儀」

『一緒に鬼と戦うのなら構わんが。・・・・鬼退治については、夕霧や四天王の諸君も反対しないのであろう?』

「当たり前でやがります!」

「おう。あんな奴ら、放ってはおけないだぜ!」

「我らの意志はお屋形様と共に在り。それが戦場となればなおさらよ」

なるほどな。やはり、皆が引っかかってたのはそこか。おそらく夕霧も、婚姻の話を聞いたのは館に戻ってからであろう。それか評定の直前。

「ダメ。それだけじゃ覚悟は見せられない」

『なら何が必要なのだ?それに俺は命を賭ける必要はないね』

「命を賭けるのは一真も同じはず。・・・・武田は、美空や、松平とは違う」

「・・・・ちょっと待つです!どうしてそこに殿さんが出てくるですかっ!」

「本多平八郎と榊原小平太の武を愚弄する気はない。・・・・二人はどの戦場でも、武人の覚悟を見せた」

「でも、殿さんが覚悟を見せてないって言ったです!」

「そうです・・・・。・・・・それは松平の臣として、見過ごすわけには参りません」

「・・・・狡兎が死んでも、武田は走狗を煮たりしない」

「・・・・・・・っ!」

「歌夜・・・・・?」

「口ではいくらでも言える。・・・・形のある覚悟を示さないと、武田は共に戦う事をよしとしない」

「ですが、一真様との婚姻を望みながらも、久遠様の檄には応じない・・・・?」

「今はまだ・・・・」

『久遠の考え方は、光璃が考えている事と同じなのは分かっているんだな?』

「・・・・(コクッ)」

『久遠は頼りにはならない?』

俺の問いに、光璃は小さく首を縦に振る。お、ゼットンが来たので、俺は翼を出してから俺に吶喊から防いでから、剣で弾いた。戦闘中だが、会話を止める訳にはいかないので、攻撃してきたあとに会話をした。

『では、俺は信用できるのか?』

「・・・・織田や美空よりは」

「一番信用れきないのら!」

「そんなことはない・・・・」

全て分かっているとも言いたそうだが、残念ながら全ては知っていないだろうな。俺が本物の神であるということも最初聞いたときは信じなくとも、夕霧から聞いた話で本物だと確証したのであろう。そして姿が見えない俺に対して三方の杯を指した。けど俺は戦闘中だ。館には通さないつもりだけど。

「・・・・杯を」

だからこそと言いたいのか、それだけ口にして周りを見ながら光璃はいるはずの俺の席にじっと見る。

『それは・・・・・』

「・・・・受けられない?」

『当たり前だ。そんなのは受け入れられないに決まっているだろう!』

「・・・・・・」

「どういう事か!」

「お屋形様を愚弄するとは、許せないのら!」

「一真殿!説明しやがりませ!」

と聞かれていたが、やばい!バランスを崩してゼットンとくっついて落下しそうだったので、俺の声が聞こえなくなった事でしばらくは静かにしていた夕霧と四天王たち。家臣団もだが、ふむ、落下ポイントは館の光璃がいる少し前になるな。ちょうど夕霧たちがいるところかな。しょうがないので、ゼットンを捕まえて腕を強くしてから、翼をクッション代わりにして、背中から突っ込む事にした。なので、大声で言った。

『・・・・沙紀!光学迷彩を解除し、落下ポイントを送る!周りの人間を離れさせろ!』

「・・・・了解しました。隊長」

「・・・・誰?」

と光璃が言ったので、沙紀は天井から降りてくる最中に光学迷彩を解除して姿を現した事に家臣団や四天王は驚く。と同時に武田家家臣団は刀を抜き、沙紀に襲い掛かるが刀が当たった瞬間折れる音がした。それは家臣団が持っていた刀だった。

「なんですと!」

「か、刀が折れましたぞ。なんだあれは!」

「静まりやがれです!この方は一真殿、いえ一真様の忠実な部下でやがります!攻撃はしないでやがります!」

と言ってから静まり返ると、沙紀はホバークラフトのように移動をしてバツ印の板を置いてから、シールドビットを出して夕霧や四天王、家臣団に詩乃たちの壁となった。

「あと少しで隊長が落下してきます。5、4、3、2、1、0」

炎と共に落下してきたそれは煙が出てきたが、すぐに姿を現した。1体は詩乃たちには見たことがあるゼットンだった。四天王たちはゼットンに向かおうとするが、シールドビットにより、行けないようにしといた。そして金色の光と共に姿を現したのは・・・・・。

「・・・・・・一真様?」

詩乃の問いかけにしばらく無言だったけど。

「ああそうだ。いってぇー。思いっきり背中打ったー。くそ、ゼットンの野郎め!」

光が輝きを無くした頃になったら6対12枚の翼を持った男がいた。それを見る光璃と四天王、家臣団。

「貴様!何者だ!」

と春日が言ったので、俺は言った。

「てめえ、俺のことをそんなので言うとはいい度胸してんじゃねえか。まあ今はいい。今はゼットンを外に出さなければならない」

翼をしまったあとに俺はドライバーを取り出した。腰に巻いてからメモリを出した。

「一真様。お気をつけて下さい!」

「分かっているさ。詩乃。ということでゼットンよ、第二戦と行こうじゃないか『God Emperor!』変身!」

一瞬光が輝いたと思ったらすぐに止んだがそこにいたのは、全身鎧の黒い姿をした者がおった。そして急加速でゼットンにこの部屋から出してから、外に向かい一気に屠る。

「まったく、本当に公衆の面前で変身するとは思わなかったぜ。覚悟しろゼットン!」

『Black Steel Joker!MaximumDrive!』

そして俺は剣を取り出してからのマキシマムドライブで終わらせた。さてと俺はこの姿のままで詩乃たちがいた部屋に戻ってきた。翼を出しているし、妖かみたいに見られるがまあいい。俺は変身を解除しないで指を鳴らした。すると屋根から空いた穴と襖と床は落下する前に戻った事に驚く光璃と四天王たち。変身を解除しようとしたら沙紀からで、大天使化をした方がいいのではと提案があったのですることにした。シールドビットを俺の周りにして見えないようにしてから変身解除してからの大天使化。ビットが離れたら金色の光が部屋全体に輝いていた。

「くせ者め!これでもくらいやがれ!」

「出会え出会え!くせ者だ!」

と四天王と家臣団が騒いだことにより襖から大勢の武士たちが出てきた。沙紀は詩乃たちのところにいる。そして向かってくる武士たちをかわしながら我は言った。

「神界と冥界よ、我の声を聞いて参上されたし。来い!」

金色の魔法陣と黒い魔法陣が出てきた事により、武士たちは固まった。あと四天王たちも行こうとしたが夕霧に止められていた。そして呼ばれた神々は護法五神に十羅刹女、十二天、死神に閻魔大王だった。閻魔大王は我を敵と見る人間の事を許さないと言っていたので、自ら我に頼んできたので召喚したのだ。

「な、何だ!あれは!」

「ええーい。くせ者が呼んだ妖術に違いない!だが、我ら武田家家臣団が負けるわけがない。皆の者行くぞー!」

と言ってきたので、我は一言だけ言った。

「・・・・・愚かな人間どもよ。我の仲間たちよ、やれ」

『承知/了解/我らの神様に刃を向かせた事後悔させてやる!』

で、数分後が経ったら向かってきた人間は一閃で死んだ。まああとで死者蘇生させるけど、今はいいだろうな。もう向かって来ないと判断した我は呼んだ神々にご苦労と言ってからそれぞれの場に戻って行った。そして我は光璃がいるところに行こうとしたら四天王が立ち塞がる。夕霧はと言うと、席に座ったままだ。どうやら止められなかったようだ。我を見て小さく「すまないでやがります」と言っていたが、気にすんなと言ったあとに6対12枚の翼を出してから剣を取り出した。

「そこをどけ。そこは我の席である。でなければそこで死んだ人間みたいになるか?小娘共よ」

「ここはどかん!貴様は何者だ?それにそこはお屋形様と一真殿の席でござる!貴様のようなのに座るなどというのは許される行為ではない」

「そうれす!ここはろきません!」

ふむ。どうしたことか。と思ったら夕霧が我の前に来た。そして四天王たちに言う。

「そこをどくでやがる。このお方は一真様でやがりますぞ」

「ですが、典厩様!我らが知っている一真殿とは大違いの姿。どくわけには参りません!」

「・・・・・そこをどく。その人は一真」

と光璃まで言ってきたので、渋々どいてくれた四天王たち。そして、我は翼を動かしてから席に座った。そして指を鳴らすとそこで死んでいた者が光出したかと思えば起き上がる武士たち。そして現状が分からないまま蘇らせた者たちは部屋から出て行った。

「ふう。まったく無駄な命を散らすとは何という事だ。三河とあまり変わらんではないか」

「・・・・・一真?」

「ん?ああ。そうだ。俺いや我は織斑一真であり、この姿は神の姿だ。そして我の神の名は創造神だ。お前たち人間を創ったのも我だ」

「そ、そ、そ、創造神だと。あたいは信じられるかよ!神なんて存在しないじゃんか」

「黙れ!小娘が!」

といって覇気と殺気をオープンした。すると先ほどの鬼退治のときと同じなのか、みるみる内に顔が青くなっていく四天王。そして覇気と殺気をクローズしてから大天使化を解いた。金色から黒い服装ではあるが良く見る姿だった。

「一真様。先ほどの数々のご無礼、お許しくだされやがれです」

「もういいよ。過ぎたことだ。それより何だっけ?『婚姻の事ですよ。一真様』ああ、そうだったな。それについて説明してやろう。俺には禁裏の妾状があるのは知っているそうだけどなぜだと思う?」

「・・・・一真には妻がいるから?」

「まあそうだな。本来なら俺を無理やり正室にすると思うのだが、俺にはすでに結婚している身であり、ここでいうなら正室がいる。そしてここには側室と愛妾がいる。沙紀が側室なわけだ。でだ、なぜ久遠も一葉も美空も愛妾なのか。不思議だと思うが、俺の正室は一人で十分なのさ。それに俺の事あまり知らないだろう?」

「・・・・・知っている。でもほとんど知らない。姿と名前だけ」

「そうだろう。それに俺は光璃の事をよく知らない。それでは愛妾にしても意味がない。こういうのは互いの事を知る必要がある。そう思ってくれるのであれば俺はその杯を受けてもいいと俺は思う。ただし愛妾だぞ。正室はダメだし、側室もダメだ。そこにいる俺の恋人と同じになるのならしても構わんさ。それが俺の条件だ」

「・・・・・・・・」

しばらく黙っているが、やがて口を開いた。

「・・・・一真の事を知りたい」

「それはどうしてだ?理由を言え」

「・・・・光璃の知らない、色んな事を知っている。そう・・・・思うから。・・・・だから知りたい。・・・・教えて?」

嘘をついている訳では無さそうだ。真っ直ぐに俺を見るその瞳の中にあるのは、好奇心に見えた。

「それなら最初からそう言えばいいんだよ。こちらも色々と教えるから、光璃も俺に色々と教えてくれるかな?」

「・・・・(コクッ)」

「俺は・・・・光璃の事を知りたいし、君の事を好きにはなりたいが。今は恋人止まりだ。まあいずれ俺の妻として迎えるが今はまだ早い。俺の事をもっと知ってもらってから光璃は俺の事を好きになってほしい」

「・・・・好きに・・・・・」

「そうだ。この杯は婚姻ではなく妾になる事と、その約束のために受けようと思う。それにそうしないと俺の妻たちが納得しない」

先程からトレミーでの反論の声に神界の女神の声が聞こえ続いているが、やっと止まった。

「・・・・それで構わないか?」

「構わない」

そう言って、光璃は俺に三方に重ねられた杯を取るように目線で言っているようだった。そして一番上の杯を取り上げれば、寄ってきた薫が杯に御神酒を注ぐ。

「御旗・楯無も御照覧あれ。今宵より武田太郎光璃晴信、織斑一真の恋人として、未来の妻となることを誓う・・・・」

「俺は、どうしようかね。自分自身でも構わないけど、それはダメか?」

「ダメじゃない。・・・・でも奉るものはない?」

「奉るもの、ねえ。たくさんありすぎだな。例えば何がある?」

「自らを支える拠り所となるものなら何でも良い。伝来の太刀や鎧、信じる神や仏・・・・とそのようなものなのですが」

うーん。俺自身の神の名でもいいけどどうしようかな。と思ったら神界から声が聞こえたので、再び俺は神召喚した。

「・・・・神界よ、我の声を聞いて参上されたし。来い!」

と言って再度金色の魔法陣が来たとなれば、そこには五人の出てきた。

「・・・・この方たちは?」

「美空が護法五神を召喚できることは知っているよな?こいつらがその護法五神だ。護法五神である神の名と我の名である創造神の名にかけて、俺の恋人、未来の妻となる光璃を裏切らないよう、全力で光璃のために力を貸す」

「三回に分けて呑み干すでやがりますよ」

俺が三度に分けて呑み干した杯で、今度は光璃が同じように呑んで、最後に俺がまた三度。三段の杯で順番を変えながらそれを繰り返す。護法五神である帝釈天たちは、俺の側にいる。こいつらも俺の妻の一人だ。やがて光璃が最後の一口を呑み干すと、春日が代表して言葉を発し、皆が唱和と同時に一斉に頭を下げた。

「武田家、家臣一同、武田太郎光璃晴信様と、織斑一真様の祝言、言祝ぎ申し上げまする」

「・・・・大義。これで恋人」

「ああ・・・・」

帝釈天たちを見ながらそう言った。本来なら夫婦と言おうとしたのだろうが、愛妾=恋人なのでそう言った。それにたぶん久遠たちも認めてくれると思うし。奏にはすでに許可もらっているし。まあ誓った以上は幸せにさせないといけないし。

「・・・・・・」

けど相変わらず不思議だったのは、顔を上げた一同の様子がさっきとは違った。さっきまで俺を敵とかくせ者とかだったけど、それにあの兎々でさえ、不満半分、納得半分という顔をしていたけど。まあそれだけで納得はしない様子だと俺は思う。

「一同、解散!」

粉雪がそう言うと、下段の間に詰めていた武士や蘇生させた武士たちは一斉に立ち上がり、不満の様子もなく、広間を後にした。 
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