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戦国†恋姫~黒衣の人間宿神~

作者:黒鐡
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二十一章
  武田家の情報網×トレミーでの仕事

「鬼の存在を知っている・・・・いえそれ以上に、ザビエルのことを知っているとなると・・・・」

「ザビエルの何を知っているのか・・・・気になりますね」

「私たちでさえ、エーリカさんから聞いた以上の情報は知りませんからね。越前まで赴いても、結局、一度も目にすることは出来ませんでしたし・・・・。ザビエルの事は一真様くらいしか知らないと思っていましたが」

「まあ俺たちの歴史の人物だからな。顔も知っているし、どういう人物とかも知っているが。初めて聞いたときはまさかなとは思ったけど。それより武田の情報収集能力はどれだけ凄いんだ?」

「武田は山国ゆえか、草の活動が活発なお国柄ですが、晴信殿が棟梁になってからは、更に草の育成・強化に努めているという話を聞きます」

「ほお。良く知っておられますね」

「私たち松平衆にとって、美濃の斎藤が久遠様に降った後は、最寄りで一番の大国でしたから・・・・仮想敵国といっても過言ではありませんでした」

「でも、武田は松平の事なんて、なーんにも気にしてないみたいだったですよ。むかつくです」

「攻められる相手の事を知っておかないと危険だぞ。情報は大切だからな」

「ですから、私たちも服部家を筆頭に優秀な諜報部隊を育成していたんです」

「小波さんを見れば、三河の伊賀者たちの質の高さも見て取れますね」

「甲斐の主な草は?」

「確か・・・・ええと・・・・綾那、なんだっけ?」

「綾那、知らないですよ」

「んもう・・・・」

まあ綾那は戦うのが好きだからそういう情報は入ってこないのだろう。

「それじゃ小波に聞くか。小波、出ておいで」

天井に向かって声をかければ、すぐに気配は目の前に。

「よくお分かりになりましたね」

「天井にいるという報告を受けているのでな。それに真上には俺達の船がいる、どこに誰がいるかまで正確に分かるのさ」

「便利なものですが、草の者にとっては嫌なものですね」

まあそうなんだけど。実際小波やここにいる皆の服に超小型の発信器がついてある。それも誰なのかが分かるように登録してあるからな。

「それも未来の技術なのですか。味方にとっては便利ですね」

「まあそういうことだ。それに武田でも知らない情報とかあっただろう?俺とか黒鮫隊や船とかな」

俺達の技術だからな、さすがの武田も知らない情報はあるだろう。

「とりあえず皆さん、長旅お疲れ様でした」

「小波こそお疲れ様だ。・・・・大変だったろ?」

「移動距離はそれほどありませんでしたので、大した事は。・・・・それよりも」

「うむ。・・・・周囲はどうなっている?」

「どうやら私の潜入には気付いている様子で、屋根裏に一人、同業の者が。それ以外は、周囲の部屋にも怪しい影はおりませんでした」

「放置・・・・ということですか?」

「いえ・・・・遠くの部屋を探りに行こうとすると遮るように動きましたので、自分の行動範囲も絞られていると考えた方が正しいかと。ですが、先ほどからのご主人様の会話は聞こえてませんでした」

「そりゃね。一応防音結界をこの部屋に張ったから、いくら草の者でも聞こえないよ。それにこの建物はどこに誰がいるかはもうこちらは把握済みだ。なので、小波が行かなくてもこちらが勝手に探っているからな」

この建物である躑躅ヶ崎館をスキャンした。それも大量の超小型の偵察機をばらまいてからリアルタイムでスキャンしてる。そして今現在は偵察機を帰還させてから情報を整理して今に至る。

「・・・・凄いですね。結界もそうですが、この躑躅ヶ崎館を全て把握したというのも凄いです」

「まあこれは俺達の技術と風の精霊が教えてくれたことだからな。それより小波、甲斐の忍びについて教えてくれるか?上の監視は聞こえてないから大丈夫さ」

「承知。武田の諜報機関については、いくつか存在を確認されておりますが・・・・まず全国津々浦々の情報を集める『歩き巫女』と呼ばれる集団があります。この集団は女性のみで構成され、大社の札を各地で売り歩くことを生業としながら、情報を集める一団です。以前、春日山の町で我々が行った諜報活動を全国規模で行っていると思っていただければ良いかと」

「なるほどな・・・・」

全国各地に派遣してれば、甲斐に戻ってきたときに情報を知る事が出来る。まあ現代ならメールや電話ですぐ情報が分かるけどな。あとはカメラでリアルタイムで映せばそれをニュースにする事も可能だし。この時代なら全国を知るためには大勢の人数が必要なわけだな。行く手段は徒歩か馬だと思うけど、あとは船とか。

「それが足長の異名を取る所以ですか・・・・」

「はい。他に三つ者と呼ばれる我々のような間諜集団と、真田家に預けられている、吾妻衆の三つが存在します。この辺りに関しては、我々にもあまり情報がありません・・・・申し訳ございません」

「まあそこまで知っていればあとはこちらの番だな。いいかい、まず三つ者についてだが、三つ者は間見、見方、目付の三職に携わる者の総称で、僧侶や商人など様々に扮装して諸国で情報収集を行い、多くの情報を集めた。収集分野は多岐に渡り、他国の内情や家臣の動向、保有兵力などをはじめ、城主の能力や趣味嗜好、城や砦の造りなどであったらしい。だから足長娘と呼ばれるんだと」

「なるほど。それはどこ情報ですか?私たちでも知らない情報はどこで?」

「これで知ったけどな」

俺はスマホを片手に持ち、さっき言った事が書いてあるところを見せた。まあこれは現代で言うなら歴史だからな。知っていて当然と言うか知りたい情報があれば、すぐに知る事が出来るフリー百科事典があるからな。

「一真様の情報収集にはおそらく武田以上だと思いますが、情報を得るためにそれほど力を掛けるというのは。黒鮫隊と武田の強さは、兵だけではないということですか」

「黒鮫隊の情報網を維持するのは、あまり気にしていませんが、間諜網を維持するにはかなりの金子が必要になります。甲斐はやせた土地、いったいどこから・・・・」

「甲州金の力でしょう」

「甲州金といえば金山だったか」

「はっ。甲斐は最近編み出された新技術で金を通常よりも多く抽出しているとか。それに元々、甲斐には金山が多くあると言われています・・・・資金の出所はその辺りで
しょう」

「確かに俺らの情報でもそう書かれているな。金の価値を理解し、情報の価値をそれほどに重視する棟梁。・・・・武田晴信は、ただの戦上手という事だけではないという
事か」

「一筋縄ではいかないでしょうね・・・・」

まあ武田についてはある程度分かったけど。あとはその晴信が俺達に何を求めてくるかが問題だな。さすがの俺でも分からないけど、まあいいや。さっき言ってた楯無にでも聞いてみるか。確か新羅三郎義光だったな。俺は霊的なもんも話せるからな、悪霊は別だが。

「スー・・・・スー・・・・」

ん?なんだ、このいびきは。

「もう、綾那ったら・・・・」

俺達が真剣な話をしている間に、綾那は部屋の真ん中で大の字になって寝息を立てていた。

「まあいいよいいよ。そのまま寝かせといてあげるから」

「申し訳ありません・・・・」

「綾那には今必要な事を理解しているんだと思うよ」

考えても分からないのなら考えない。考え方は詩乃たちと俺達とは違うけど、結論が出なければ考えても仕方がないということだ。

「武田家については理解した。あとは色々とこちらで情報を集めているから、綾那みたいにゆっくり休んで夜を待つとしようか」

「そうですね・・・・あ、すぐにお布団を敷きますね」

「では私は荷物の整理をしておきましょう」

「あ、歌夜さん。私も手伝います」

「俺は綾那をどけたあとに一度船に戻る。情報の整理をしとくし、いつ何が起きてもいいようにしとく」

と言って綾那を抱きかかえて部屋の隅に移動させた。

「むにゅむにゅ・・・・天下一れすよ・・・・」

寝顔だけ見るとホントに戦国最強・本多忠勝なんて見えないな。でも恋もそうだった。恋も普段からそうだが、戦闘になると目が真剣になるし、武力はさすが呂布とも思えるからな。唯一本気を出せる相手が俺か愛紗か雪蓮と言ってたな。

「一真様。もう大丈夫ですよ」

「わかっ・・・・・。何だこの敷き方は?」

一つの布団を囲むように、四枚の布団が敷かれている。

「あの、その・・・・誰が添い寝をするかで揉めまして」

「あー。なるほどね。でも俺は一度船に戻らなければならない。添い寝をするのは次で構わんか?」

「はい。行ってらっしゃいませ。船での仕事ということは夜まで戻ってこられるという事ですか」

「そういうことだ。溜まっている事務仕事とかをしなければならない。一応俺の分身体を置いておくから何かあればすぐに戻るから。あと分身体は本体と同じと思えばいいがあまり喋らない。分身だからな」

と言ってから俺の分身体を創り、布団に寝かせた。そのあと本体である俺は翼を展開し襖を開けてから飛んで行った。躑躅ヶ崎館が小さく見えた頃に空間切断でトレミーの格納庫に繋げた。着いたらそこにはちょうど戻ってきたグラハムと話しているビリーがいた。一応部屋のところに監視カメラと盗聴器を仕込んだから何かあれば俺の本体である俺に通信が入る。

「よう。グラハムにビリー。最近どうだ?」

「いつの間にここにいたんだい?君は神出鬼没だね」

「一真さんのお陰で私のブレイヴも調整は完ぺきだ。これも君のお陰だよ」

「まあな。本来だったら死んでいたのになぜ生きていたのかまでは分からないが、またMSに乗れてよかった。ガンダムの整備はどうなんだ?ビリー」

「毎日整備しているからいつでも出撃可能だよ。ただガンダムとブレイヴは違うからね。それに君のガンダムもだけど」

まあ俺のガンダムは色々と違うからな。少し話したあとにブリッジにあがった。フェルトとミレイナがいたけど。情報については色んな所で集めているそうだ。鬼の動きやドウターについてもだ。あとキーボードを打たないとオペレーターの腕がなまるらしいから疑似戦闘訓練をしているらしい。MSも発進させてやっているとかでな。まあここは雲よりも高い位置だから地上からは見えないだろう。情報分析と引き続き監視の方を頼むと言ってから自室に戻った。そしてパソコンを起動させて現実世界についてのニュースを見ていた。俺のパソコンのみ現実世界にアクセスできる代物だ。あとは溜まったアニメを見ようと思ったが、歌夜たちの約束のためにメールを見た後、新たな外史が次々と出来ているんだと。管理者がそう報告されていた。ロボットアニメから学園ものまで。見てみたい小説の1巻をまとめて買ってから、アニソンCDを大量に買った。そして宛先はここだという事も。現実世界からの通販も俺だけの権限だ。

今は夕方のようだ。事務仕事を始めて報告書の確認や俺のサインが必要な事とかをまとめてやっていたら、もうこんな時間になっていた。少し休むかと思ったら警報が鳴ったので、俺はブリッジにあがった。

「フェルト。この警報は何だ?ドウターか?」

「いえ、違います。この反応は鬼です。鬼が現れた様子ですね、数は数百でしょう。クラス的には雑魚だと思われます、あと月中基地からゲート反応があるとのことです」

「鬼が出たか。本来なら武田と俺でやるが、今回は俺達がやろう。黒鮫IS部隊を派遣させる。中遠距離タイプと近距離タイプだ。あとゲートが現れるのならMSの発進準備をしておけ。ガンダムとジンクス隊とブレイヴ隊で監視を」

「分かりました。一真さんはどうされます?」

「俺は鬼を殲滅しに行く。まあまだ武田は気付いてないと思うけど、もし武田が出撃したら戦力を確認したいので、夜叉達に戦わせる。俺はこれで戦うけどな」

と言って俺はブリッジから格納庫に行き、グラハムたちMS乗りにはいつでも発進準備をしておけと言った。そして黒鮫IS部隊の準備が整い次第行くつもりだ。あと神界には武田の力を見たいので今回は敵役をしてくれないかと頼んでみたら喜んでと言われたので、いつでも夜叉5千を揃っているそうで。ちなみに八大夜叉大将にな。そしてIS部隊の準備が整ったので、俺達はカタパルトデッキから一気に発進した。今は夕方でもうすぐ夜になるが問題はない。しばらく飛んでいると鬼に遭遇したので攻撃を開始。
今回のISは中遠距離タイプはケルディム、サバーニャ、インフィニットジャスティス、アストレイレッドフレームだ。あと最近新作がロールアウトしたらしいが、まだまだ調整が必要らしい。ちなみに名はクィーンアメリアスだ。詳しくはウィキで。俺は生身で飛んでいたけどね。遭遇したので、俺らは殲滅を開始した。他の座標にもいるらしいので、そこに向かわせた部隊で殲滅だ。武田の力、とくと見せてもらおうかな。初めてだけど悪役というのも悪くないかも。 
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